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てんとうむし
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2014/11/01

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  • 蓄積

    朝昼晩の三度の適切な食事摂取と一定の運動量の維持が、就寝と起床時間を規則正しく導き、 人としての機能を維持し続ける。そのリズムを止められてしまった齢86歳の母は、誰かに 足を摩り上げてもらうことを日課にしなければ、降りた血液を自力で心臓に戻せないまでに 衰弱が進行している。介助を担う側の人間は、自分の心身まで消耗しきってしまわないよう、 その制御法を心得ておくことも必要となってくるのだが…。 脚力が衰え、自力移動が困難となった時点から介護用紙オムツを常用している母ではあるが、 排便にそれを使用することはなく、介助要請が入る。排尿においても紙オムツが役立つのは 就寝し無意識に排出する時だけで、一旦、尿意を意識してしまうと、着衣のままでは用など 足せないと母は言うのだ。 その局面に備え、私は母の隣室で寝起きするのだが、正に今、自分も寝入ったという頃合に 名前を呼ばれることもあり、そんな時は、口から心臓が飛び出るかと思うほどに「ワッ」と 驚いて飛び起きる。別に危険が迫っている訳でもないと知っているはずなのに、バクバクと 心臓が音を立てて鳴り始め、その鼓動を治めるのに暫しうつ伏せ、呼吸を整えねばならない。 そうしてよたよた、介助を済ませ無事に母を眠りに戻せても、一度、吹き飛んだ私の眠気は そう簡単には呼び戻せない。 そのような事を繰り返すうち、誰かに起こされることがなくても私は、2・3時間程も眠れば 自然と目を覚ましてしまう体質となっていく。足りない睡眠は昼間の仮眠で補うことになるが、 夜中の目覚め、これがどうにもタチの悪いことになっていた。夜の闇がその引き金を引くのか、 ここでもやはり、心拍が高まり思わず嗚咽してしまう程に、みぞおちの奥底までもが重苦しい。 悪夢だったというのならまだしも、夢を見ていたのか、それすらも憶えていないのに、圧倒的な 不安と孤独に支配されている。

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