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大衆文化評論家指田文夫の「さすらい日乗」 https://blog.goo.ne.jp/goo1120_1948

さすらいはアントニオーニの映画『さすらい』で、日乗は永井荷風の『断腸亭日乗』です。多くのジャンルをさ

大衆文化評論家指田文夫の「さすらい日乗」
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2014/09/26

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  • もう一つの公衆浴場

    横浜ミストリーで、横浜の公衆浴場、銭湯が特集されていた。今も結構ある。特に、神奈川、鶴見、南、磯子等に多く、要は工場地帯にあるのだ。工場で、働いた後、銭湯で汗を流すのは当然のことだった。昔、1950年代、そうした若者は、仕事が終わるとまず銭湯に行き、その後町の食堂で夕食を取った後、貸本屋で本を借りて家に帰って寝ると言うものだったようだ。まだ、テレビもパソコンも、携帯もなかった時代の話である。さて、私は、公衆浴場を管理する保健所の課長になったことがある。驚いたのは、そこで浴場についての「行政実例」が膨大にあることだった。行政実例とは、法律や規則等では解釈できない事例を、国にお伺いを立てて聴くことである。地方公共団体での行政を行う者にとって重要なことである。これが、浴場について異常にあるのだ。ただし、町の公衆...もう一つの公衆浴場

  • コガネムシが生きていた

    夜、用があったので廊下に出るとコガネムシがいた。先週の土曜に最初に見たのだが、まだ生きていたことになる。蝉がいるのは年に1度くらいあるが、コガネムシは珍しい。近くには蒔田公園があるので、そこから飛んで来るのだろうか。意外にも生息範囲は広いものだと思う。コガネムシが生きていた

  • 「夏の雨は、馬の背を分く」

    私の母は、尋常小学校卒の無学な人だったが、意外な言葉を知っていた。その一つが、これで、夏の雨は、部分的に降るというものだ。それを実感したことがある。早稲田大学では、体育の速成授業というのがあり、体育の単位を取っていない学生に夏休みに、集中的授業をやって単位を取らせるのだ。ただ、1年度の一つしかできず、複数の科目を1年で取ることはできないことになっていた。私は、これでボクシングとサッカーを取って卒業できた。どちらの方か憶えていないが、ある夕方、授業の場の早稲田の文学部の体育館に行くため、高田馬場駅を出た。その時は、雨はまだ振っていなかったが、馬場下でバスを降りると大雨になっていた。仕方ないので、蕎麦屋の三朝庵の軒下で雨宿りしていると、すぐに雨は上がった。そのとき、母の言葉を思い出した。「夏の雨は、馬の背を分く」

  • 「24時間テレビ」なんてまだやっているのか

    朝、テレビを廻していると、日本テレビは、「24時間テレビ」をやっていて、まだこんなものをやっているのかと思う。昔、ある人は、見ていて昔のタレントが沢山でているので、「半失業者の救済事業か」と言っていた。だが、以前富山県の高岡市に行ったとき、駅や繁華街にブースができ手いて、賑わっていた。地方都市ではそんなものだろうと思う。忠、横浜市でも、このイベントを高く評価する人がいて、私はびっくりしたものだ。横浜市ではなく、地方都市的センスだなと思ったものだ。「24時間テレビ」なんてまだやっているのか

  • 『網走番外地』

    高倉健のヒット作『網走番外地』の1作目、監督は言うまでもなく石井輝男。だが、以下のとおり、これの前に日活版があったのだ。東映の石井輝男監督、高倉健主演の大ヒットシリーズではなく、1959年に日活で作られた原作に忠実な作品のようだ。東映版はトニー・カーチスとシドニー・ポワチエの『手錠のままの脱獄』の頂きである。もちろん、高倉健の歌はなく、真鍋理一郎の荘重な音楽。監督は松尾昭典で、チンピラ小高雄二と看護婦浅丘ルリ子の純愛映画。ヤクザの下っ端で、金貸しの取立てに行かされた小高は、喧嘩で刑務所入りになる。刑期数年の罪で、いきなり最果ての網走に行くのかと思うが、当時はそうだったのかもしれない。今では刑務所は満員なので、相当の刑期の者でないと網走には行かないはずだと思うが。そこには、様々な懲役がいるが、劇は、網走から...『網走番外地』

  • 小沢一郎説は正しかった

    2001年に、小泉純一郎が首相なって、参議院選挙に勝利したとき、小沢一郎は、「これで自民党は追いつめられた、今後打つ手はない」と言った。本当かなと思ったが、この間の旧統一教会の問題を見るとき、「自民党は結構追いつめれていたんだな」と思った。よく、自・公体制と言うが、実は公・自体制であり、地域に自民党の基盤はなく、ほとんど公明党創価学会の組織に頼って来た。公自プラス統一教会というのが、自民党、特に安倍自民党の支持基盤だったのだなあと思う。夫婦別姓や子ども家庭庁問題での、家庭への異常なこだわりなど、ほんとんど旧統一教会の思想の反映だったのか。それにしても、韓国ナショナリズム丸出しの旧統一教会と自民の保守性は、どこで折り合いを付けてきたのだろうか、不思議と言うしかない。小沢一郎説は正しかった

  • 『さすらいの航海』

    1939年5月、ドイツのハンブルグ港からアメリカの客船が出航する。乗客のほとんどはユダヤ人で、当時次第にひどくなったナチスによるユダヤ人迫害を逃れる900人たちだった。ドイツ人船員には、明かな差別意識を示す者もいるが、船長のマックス・フォン・シドーは、公平で冷静な態度で臨む。キリスト役者の彼の落ち着いた演技がよい。行く先は、キューバで、ドイツからの出国ビザはあるので、入港・上陸できると思っていたが、ハバナ港では足止めをくらう。当時も、バチスタが権力を握っていたが、当局は腐敗していて、上陸には金を払えとの態度で、ついに上陸できない。この間に、いろいろな事件が起きるが、要は「グランドホテル」形式のドラマで、フェイ・ダナウェイ、オーソン・ウエルズ、ジェームス・メイスン、キャサリン・ロス、マルコム・マクダウエルな...『さすらいの航海』

  • 『点と線』

    下の通り、日本映画に多大な貢献をする松本清張の原作の映画化では、6本目である。そして、これが最初のカラー映画なのだ。これ以前は、モノクロで意外にも地味な感じなのだが、これはカラーで、しかも女優が髙峰三枝子で、かなり大作風に作られている。昔、蒲田宝塚で見て、こんなものなのと思ったが、今回もそんな感想である。東京駅の線路のトリックは、有名だが、筋にあまり関係がないのだ。これは、偽装心中で始まり、最後は無理心中で終わる話である。主人公の刑事の南広は、新人となっているが、彼はもともとはジャズのドラマーだったのだ。彼は、良い男だが、芝居はあまり上手くない人だった。1957.01.22顔松竹京都1958.01.15張込み松竹大船1958.10.15眼の壁松竹大船1958.10.22共犯者大映東京1958.10.22影...『点と線』

  • 『散華の世代からの問い 吉田満の生と死』

    敗戦特集で、吉田満の番組が再放送された。彼が亡くなった1年後の1980年に放映されたもの。吉田の『戦艦大和の最期』は、昔読んで感動したし、新東宝映画も良いできだった。当時は、まだ戦争の体験者が沢山いたので、きちんとしたものができたのだ。日本映画界でも、戦争に行かなかった監督は、黒澤明と市川崑くらいで、皆従軍している。この二人が従軍しなかったのは、軍需企業としての「東宝のお力」によっている。さて、吉田は、晩年、当時の1980年代の日本の繁栄をかなり疑問に思っていたようだ。「このような精神を失った繁栄でよいのか」と。それは、同時に彼が、戦前の日本社会に対しても同様の思いを持っていたようだ。資本主義的繁栄の中で、日本的なものが喪失されつつあると。多くの日本人は、戦前も、そう思っていたようだ。だが、これは大間違い...『散華の世代からの問い吉田満の生と死』

  • 最初の映画も鉄道なのだから

    ブログやユーチューブを見ると、かなり鉄道に関するものが多い。よく考えると、世界で映画の最初のルミエール兄弟の作品は、駅での列車の到着である。駅に列車が来るだけだが、その迫力に見るものは、逃げ出したとのことだ。また、劇映画、西部劇の最初もアメリカの『大列車強盗』である。どちらも、動く物の映像で、しかも蒸気機関車は、まるで人間のような息づかいがあるので、映像として面白いのだろうと思う。私も、実は鉄道の映像が好きである。最初の映画も鉄道なのだから

  • 『トラック野郎・一番星北に帰る』

    1979年の東映の正月映画で、シリーズ七作目。たぶん、このシリーズは一作目も見て、なんて下品なんだろうと思った。それに、この菅原文太の相手役の愛川欽也のいやらしさ、私は昔から大嫌いだった。愛川欽也が嫌いという人は多く、死んだ先輩の役者・山本亮もそうで、「キンキンが出なければ、もっと続いたのに」と言っていた。この七作目は、舞台が東北で、文太の故郷が、ダム湖に消えた田舎の村とされていて、そこにも行く。マドンナ役は、大谷直子で、息子が一人いる未亡人で、青森のリンゴ農家の出荷場で働いている。このシリーズは、言うまでもなく『男はつらいよ』の真似なので、毎回マドンナが出てきて、桃次郎が失恋するが、相手役が問題なのだ。夏目雅子や由美かおる、片平なぎさらで、年が違いすぎておかしいのだ。そして、連発される下ネタ。本当に少し...『トラック野郎・一番星北に帰る』

  • 山下埠頭の再開発について

    横浜の山下埠頭の再開発について、次の通りに市長と議長に陳情書を出しました。みなさんのご意見を聞かせてください。どうぞよろしくお願いいたします。横浜市大病院を山下埠頭に整備してください横浜市は、中区根岸にあった旧米軍住宅地区に、金沢区福浦の横浜市立大学病院の移転整備を計画されていると聞いています。しかし、私は、以下の理由でこれに反対します。根岸住宅地区は大部分が国有地で、横浜市は土地を所有していないので、用地取得には多大な費用と時間がかかること。根岸住宅地区は、アンジュレーションのある丘陵地であり、そこに新交通システムを含め傾斜に弱い鉄道の整備は不可能なので、アクセスは、シャトル・バスによるしかありません。しかし、日々、患者と家族、見舞い客をはじめ、医師、看護婦など医療従事者等の多くの人々をバスで効率的に運...山下埠頭の再開発について

  • 地球の先住民は

    先日、部屋にゴキブリが出てきた。月に一度くらいある。殺虫剤をかけて、新聞紙を丸めて叩いて殺す。ゴキブリが出てきて、大騒ぎになる映画に、ATG史上最高のヒット作の『もう、頬杖は付かない』があった。日劇文化に見に行くと満員で入れず、東宝の2本立てで見た。横浜東宝で、である。それは、アリスのドキュメンタリーとの2本立てだった。映画の中で、部屋にゴキブリが出てきて、大騒ぎになるが、奥田英二が、「ゴキブリの方が人間より先にいたんだぜ」という。桃井かおりがなんと言ったかは、忘れたが。この横浜東宝の地下で見たように思うが、ガラガラだったと思う。この東宝も、もうない。地球の先住民は

  • 腰袋について

    久しぶりに「タモリクラブ」を見たら、職人の腰袋のことが特集されていた。電気工、鳶職、コンクリート工などさまざまな職人さんが使う腰袋が出てきて、その人の職業を当てるものだった。私も、芝居をやっているときは、腰袋を持っていた。私たちは、「ガチ袋」と言っていたが。ガチというのは、釘のことで、大小の釘を袋に入れておき、舞台のセット設営やばらしのときに使うのである。金槌のことを、「なぐり」と普通は言うが、「おとん」と言う場合もあった。もう一つ、カンヌキも入れていた。これは、さまざまな場面で、何かを着けて動かさなくするときに使う。もう一つ、舞台用の金槌は、丸ではなく、平たくなっていて、枝の先は尖っている。これは、その柄を差し込んで何かを剥がすときに使うのである。それぞれの職場、職人には適した道具があるものだ。腰袋について

  • 小林正樹の今は見られない1本は

    私も見ていない小林正樹の映画は、『食卓のない家』である。これは、小林監督の遺作で、円地文子の原作、連合赤軍事件で被告となった息子と家族の話だそうだ。このモデルは、吉野雅邦で、都立日比谷高校では音楽部で、私と共にやった「ウォーマッド横浜」の制作・演出の田村光男も、音楽部で一緒だったのだそうだ。吉野は、一橋大を受けたが落ちて、横浜国立大学に入り、そこで学生運動に行く。その団体は、社会主義学生同盟マルクス・レーニン派という団体で、われわれは「毛沢東・レーニン派だろう」とバカにしていた。。まさに彼らは中国派で、「銃から権力が生まれる、都市ではなく農村から革命を起こす」と信じている連中だった。およそ信じがたい連中だったが、よく考えると、インテリで裕福な家庭に育ったお坊ちゃん・お嬢ちゃんのコンプレックスだったのかもし...小林正樹の今は見られない1本は

  • 『東京裁判』

    これは、1946年から行なわれた極東国際軍事裁判、いわゆる東京裁判の記録フィルムを基に、昭和の歴史も交えた記録映画である。監督小林正樹の作品は、私は1本以外、全部見ているが、これが一番面白いと思う。この東京裁判の記録は、裁判の最中から話題になっていて、「米軍は湯水のようにフィルムを使って記録しているらしい」と言われていたそうだ。事実、重要な場面は、複数のカメラで撮影されて、同時録音である。これだけを見ても、未だに公文書を公開しない日本に比し、アメリカは記録をきちんと取り、公開するのは、行政の客観性と公平性で凄いが、これだけでも日本がアメリカに負けた理由の一つだと思う。混ぜられた日本側の記録は、日本映画社の『日本ニュース』がほとんどで、この官許ニュースしか日本の記録はそれ以外はなかったのだ。この米公文書館に...『東京裁判』

  • 8月15日は?

    8月15日は、どう考えても敗戦記念日だが、終戦記念日になっている。だが、世の中には、この敗戦を認めたくない人もいる。以前、『主戦場』という映画で、私は次のように書いた。ケント・ギルバート、桜井よし子ら出演者が、「学術研究用で公開しないとの約束で取材に応じたのに、公開したのは不当」と訴えている作品。行くと満員。「従軍慰安婦」問題について、否定する者の言説が大きくとりあげられているので描き方は非常に公平だと思う。日本人のみならず、アメリカの「テキサスオヤジ」とそのマネージャーの藤木も。慰安婦肯定側も、吉見良明や渡辺、中野晃一らも。また、韓国の当事者や支援グループも。私は、この問題については、秦郁彦先生の説に同意する。秦先生によれば、従軍慰安婦数は、5,3,2、1で、半分は日本人、ついで5が朝鮮人、中国、その他...8月15日は?

  • 高橋兄弟の罪と罰

    こういう話は本当はしたくないのだが、五輪委員会元理事で、電通にもいて、今回収賄で逮捕された高橋治之は、思った通り、かつてのバブル時代に派手な行為で有名になり、これまた逮捕された高橋治則の兄、つまりこの二人は兄弟だった。そして、この二人は、あまり言いたくないが、慶応幼稚舎からの慶応ボーイで、いろいろと問題を起こした人間だったようだ。要は、甘やかされたお坊ちゃんで、世の中はすべて自分のためにある、と思っている人のようだ。安部晋三元首相もいなくなった今日、検察には是非頑張って竹田一族など、問題の連中にまで捜査を広げて行ってほしいと思うものだ。高橋兄弟の罪と罰

  • 『ひまわり』

    1970年のイタリア映画だが、アメリカの準メジャーのアブコ・エンバシーも加わっていて、ソ連の中を最初に撮影した西側の映画だったそうだ。1941年のイタリア、配線工のマルチェロ・マストロヤンニとお針子のソフィア・ローレンが知合って愛し合う。そして、徴兵を逃れるために二人はすぐに結婚する。結婚すると12日間の休暇が与えられるからで、「その間に戦争は終わるだろう」と思っている。まことに、実利的な庶民の考えが分る。だが、結局、ソ連との戦場に送られてしまう。そして、敗戦となり、次々と兵士が戻って来て、駅で帰還兵を迎える人波が凄いが、そこにマルチェロはいない。ただ、彼と一緒にいたという男がいて、戦場は異常な寒さでひどかったと言う。欧州も。戦後はすぐに冷戦になったので、ソ連とイタリア間の音信もなかったのだろうと思う。彼...『ひまわり』

  • 県知事の存在は、そんなものだ

    東国原英夫氏が、宮崎県知事選にまた出るそうだ。タレントとして、面白みが低下してきたので、最後は県知事なのかと思う。まじめに考える方には、不愉快だろうが、私が思うには、県知事は、その程度の存在だと言うことである。横浜市と神奈川県の関係でも、横浜市内での県の仕事は、ほとんどなく、第一に県と市の予算規模を比べても、問題なく横浜市の方が大きく、しかも県の予算の60%は、人件費である。教員と警察官の人件費が大きいのだある。つまり、何か新規事業等をする力は、現在の神奈川県ににはないのである。それは、別に神奈川県の責任ではなく、地方自治制度がそうできているのである。都道府県は、本来、都道府県は事業的事業をすべき存在なのだが、景気後退の中で、東京都を除く都道府県は、皆財政難で、苦しんでいるので、「給与支払い団体」化してい...県知事の存在は、そんなものだ

  • 『黒の奔流』 文学座映画だった

    1972年の松竹映画、原作は松本清張、脚本は国広威雄、監督は元新東宝の渡辺佑介。若手弁護士の山崎努は、偶然引き受けた国選弁護事件の多摩の旅館の女中岡田茉莉子の殺人容疑事件を担当する。目撃者の証言等は完璧で、有罪と思われたが、新証言の出現で、岡田は無罪となり、検察側は上告を断念したので、一事不再理で、岡田は完全に無罪になる。野心的な山崎は、事務所の事務員の谷口香を愛人としていたが、先輩の弁護士松村達雄の娘松坂慶子にも手を伸ばそうとしていた。そして、松村の手引きで、銀行家の中村伸郎の仲人で、松坂と結婚できるようになる。だが、岡田は、前に山崎と関係を結んでいたこと、さらに本当は自分は殺人を犯していることをネタに、山崎と本気で結婚してくれと言い寄って来る。困った山崎は、谷口に相談すると、旅行に行って、事故で岡田を...『黒の奔流』文学座映画だった

  • 雪村いずみ

    「ひばり、チエミ、いずみ」の三人娘の映画で、最初に見たのは東宝の『ジャンケン娘』で、池上映画劇場だったと思う。この頃、一番好きだったのは、いずみで、彼女が一番ダサくないと思っていたからだ。だが、その後、三人娘の歌等を聞いて、まったく変わった。歌も演技もひばりが最高で、芸人の娘のチエミも凄いが、いずみはほとんど素人だと。それも、そのはず、雪村いずみは、家庭の事情からいきなり素人から歌手になった女性なのだ。彼女の父・朝比奈愛三氏は、戦前に慶応大学を出た人で、他の大学の学生たちとハワイアン・バンドをやっていた方だった。私は、彼らのレコードを持っている。戦後は、通信社にいたが、特異の英語を生かしてGHQと連絡するなど活躍されていたが、家庭の事情で自殺してしまい、母親は映画会社を作っていたが、それも駄目になったしま...雪村いずみ

  • 『らしゃめんお万 彼岸花は散った』

    混血歌手サリーメイの『銀髪流れ花』がヒットしたので、作られた日活ロマンポルノ映画。不思議なのは、『銀蝶・・』が彼女の歌でヒットしたのに、それは東映で作られていて、これは別の名になっていること。昭和初期の長崎と出る。刑務所から出てきたお万が長崎にやってくる。彼女が殺した相手がやっていた料亭は、ヤクザの家になっていて、その二代目は前野霜一朗郎で、一の子分は長弘と旧日活の連中。庄司三郎や五條博らも出てくる。この辺がまだ旧日活との繋がりが強いと思えるのは、音楽が小杉太一郎であること。そこには、山科ユリらのスケバン少女たちもいて、ヤクザと対立している。長崎なので、港湾施設でのアクションがあるが、すべて横浜港で、新興埠頭の赤レンガ倉庫はまだ現役の荷役が行われている。いろいろとセックスシーンがあるが、一番の見せ場は、前...『らしゃめんお万彼岸花は散った』

  • 高校野球について

    昔、私は次のように書いたことがある。全国高校野球選手権大会が、甲子園で行われているが、甲子園には2度行ったことがある。しかも、仕事でである。横浜市では、市内の高校が甲子園大会で、準決勝くらいに行くと、今はどうか知らないが、市長と議長、さらに担当常任委員会委員長などがチームを激励しに行くことになっていた。なにしろ、高校野球は、高校生の教育の一環として行われるものなので、その場で優秀な成績を上げることは、学校教育上きわめて有意義なことだからだ。私が、議長について行ったのは、横浜商業高校に宮城弘明という長身の投手がいて、全国大会に出た時が最初で、西区選出の議員の鈴木喜一さんの時だった。行って驚いたのは、ともかく広いことで、我々は一応激励、応援なので、いわゆるアルプススタンドの内野席に座る。一塁からはるかに遠くて...高校野球について

  • 宮本先生も間違われた 『シェーン』

    放送大学の231チャンネルで、映画『シェーン』が放映された。これは有名な西部劇で、私は川崎のどこかの映画館で見たが、あまり感心しなかった。『シェーン』と言えば、むしろ雪村いずみの『遙かなる山の呼び声』で、これは大ヒット曲だった。筋は、西部の農家にシェーンがやってくるところから始まる。農場主は、ジョー・スターレットで、息子のジョーイと妻マリアンと暮らしている。彼は、農地を柵で囲い、中で小麦を作り、牛を育てて行くことを目指している。言わば酪農的な農業を目指しているわけだ。10軒くらいの農家が一緒に村で生活しているが、そこに元牧畜業者のライカー一味がやって来て、出ていけと脅す。彼曰く、先住民や荒くれ者と戦ってこの地を作ったのは、われわれだと。宮本先生によれば、このスターレツトらは、リンカーンが作った「ホームステ...宮本先生も間違われた『シェーン』

  • 「サッ、ショウ、ロク」とは

    監督志望のある若者が、撮影の現場に出ることになった時、会社の人から、言われたのは、「サツ、ショウ、ロクに気をつけろ!」で、「必殺シリーズ」かと思ったそうだ。これは、現場では撮影、照明、録音の連中に気をつけろとの忠告だった。この3部門は、今では異なるが、それぞれ器具が大きくて重く、肉体労働の現場だったので、気性も荒い男たちだったからだ。今では、撮影ですら、女性のカメラマンがいるが、昔は重くて、一人では動かせないもので、助手たちが皆で担いで動かしたのだそうだ。なかには、テクニカラーをまねた小西六のカメラもあり、3人で担いだので、お神輿カメラとよばれたそうだ。極端に言えば、今やスマフォで映画が撮影できる時代なのである。時代は、変わるものである。「サッ、ショウ、ロク」とは

  • ここでも閉店だった

    先日、用があって地下鉄の上永谷に行ったら、三菱UFJ銀行上永谷支店が9月で閉店、その後は上大岡支店で引き継ぐとあった。都市銀行も本当に大変なんだなあと思う。もっとも、この支店の用は十分に果たしたと思う。というのも、ここに駅ができるまではなにもないところで、そこに地下鉄の駅ができたので、周辺の地主は土地の売却金を十分に預金したと思う。なんと言っても、天下の三菱銀行なのだから。いろいろあったけど、結局三菱は、なんとかいまだに生き残っている。富士や住友らの名は、後継銀行名の頭ではなくなってしまっただから。ここでも閉店だった

  • 工業試験場ではないとするとどこなのか

    午後、暑いので、CSで渡瀬恒彦の『十津川警部シリーズ』を見ていると、犯人の女が麻生祐未なので、最後まで見る。彼女も、まだ若い。私は、「オールナイト・フジ」の時代から見ていて、気にいっていたのだ。話は、彼女の恋人の画家が殺されて、犯人の5人の男に復讐するという、岩下志麻の『五弁の椿』みたいな話だった。最後、犯人の一人のヤクザと戦うのが、廃工場のようなところだった。「初台の工業試験場か」と思う。だが、調べるとそこは1997年に廃止されているので、2001年のこのテレビには合わない。どこの工場だったのだろうかと思う。工業試験場ではないとするとどこなのか

  • 『かげろう絵図』後編が作られなかった原因は

    市川雷蔵主演の1959年の映画に『かげろう絵図』があった。監督は衣笠貞之助で、なかなか面白かったが、続編は作られなかった。以前、見たときに、雷蔵が忙しくなってできなかったのだろうと思っていた。ある本のなかで、その原因が書かれていた。それは、原作の松本清張が、内容が変えられているとのことで、続編の制作を許さなかったとのことだ。『かげろう絵図』後編が作られなかった原因は

  • 『下郎の首』足す『七人の侍』だろう

    CSで『剣客商売・その日の三冬』を見る。三冬は、旗本の娘にかしづいている下男の本田博太郎に会う。二人は、昔ある道場の知合いで、本田は足軽ながら強い男だったが、顔に痘痕がある醜い男だった。彼は、その若い娘を浅草での災いから守ってあげたので、ある旗本の下男として雇われていたのだ。そして、その娘は、大身の旗本への嫁入りが決まるが、実は好きな男がいて、廃寺に会いに行くと、その遊男に男にやられそうになる。彼女は、ただ会うだけだったのが、男は最初からものにするつもりだったのだ。すると本田は、娘を守るが、男を傷つけてしまう。そこで、父親の旗本は、本田に「この書状を持って男に家に詫びに行け」と言い、本田は、その家に行くと、「存分に処分されたし」と書いてあり、、旗本の家の連中との剣になるが、本田は強く、町に逃げて、町娘を誘...『下郎の首』足す『七人の侍』だろう

  • 「なぜ金日成様バッジを付けていないの」

    1989年、北朝鮮で開催された世界青年学生友好祭に、ポーランドのスタッフが行き、平壌等を撮影した映画『金日成のパレード』があった。ここで描かれた北朝鮮が、実にお笑いだったが、逆にポーランドにいた北朝鮮の留学生のことも出てきた。彼らが驚くのは、そこでは誰も「首領様バッジ」を付けていないことだった。当時、北朝鮮では、全国民がバッジを付けていて、首領様を崇拝していたのだから、彼ら北の国民は、世界中の人は、金日成様を熟知していると思っていたのだ。個人崇拝そのものだが、北朝鮮のみならず、アジアには多いことのように思える。日本の天皇崇拝も、その一つだと私は思うのだが。「なぜ金日成様バッジを付けていないの」

  • 『ポーランドに行った子どもたち』

    1951年、朝鮮戦争の最中に、戦争で生まれた孤児を、秘密裏に、ポーランド、ルーマニア、ハンガリーに移住させた。おそらくは、ソ連のスターリンによる命令で、朝鮮戦争を戦う北朝鮮を援助するのが目的だった。ポーランドに行ったの子供たちは、約1500人で田舎の施設で生活することになる。だが、1950年代末になると、今度は逆に金日成の命令で、朝鮮に戻される。進んだ技術、文化を得た彼らを「祖国の復興」に役立てようと思ったのだろう。北の政治、文化等に貢献した人も多かったようだが、金日成の独裁体制が確立する中で、「留学派」として粛正された者もいたようだ。この作品は、韓国の女性監督チェ・サンミが、この隠されていた事実を知り、劇映画として制作するつもりで、俳優のオーディションをやり、これも北からの脱北者で、中国を経て、韓国にき...『ポーランドに行った子どもたち』

  • 『遠すぎた橋』に見る「遅かりし由良之助」

    1977年の戦争映画、1944年秋に連合軍がオランダで実行したが、成功しなかった「マーケット・ガーデン作戦」を描く。この作戦の失敗で、連合軍の英米側は、ドイツ進軍が遅れ、ベルリン陥落はソ連軍にされてしまう。ジョゼフ・E・レビンという独立プロデューサーのものだが、米英のスターが次々と出てくる。公開時に横浜のピカデリーで見たが、あまり面白くなかった作品。ただ、終わりの方のライン川渡河作戦になると、ライアン・オニールとロバート・レットホードが出てくる。まさに当時、人気だった若手スターのご登場。さらに、最後はショーン・コネリーとダーク・ボガードの対話で終わる。誰か歌舞伎の専門家の本で、『忠臣蔵』の「判官切腹」の場で、やっと最後に由良之助は駆けつけて来るが、ここは「遅かりし」ではなく、適当な場での登場なのだとのこと...『遠すぎた橋』に見る「遅かりし由良之助」

  • 二次安倍政権のおかしさの根源は

    以前、私は、このブログで次のように書いたが、再録する。特定秘密法案など、安倍晋三政権は、ひどく古臭い、「戦前の日本に戻らせるの」とさえ思える政策を取るのだろうか。自民党政権のある種の末期的延命策の一つだといえるが、なぜなのか、その理由のヒントが、先日も書いた豊下楢彦の『昭和天皇・マッカーサー会見記』にあった。米軍占領の末期の、1951年、日本の独立に向けた米国と吉田政権、外務省の協議の中で、昭和天皇が、国務長官ダレスに出したメッセージが記述されている。それによれば、昭和天皇は、「戦前と異なり、占領政策によって警察組織が弱体化している」との危惧を示したとのことである。その頃は、現在とは異なり、アメリカ型の自治体警察で、横浜市にも横浜市警察があり、その本部は、現在は横浜プラザホテルになっている、横浜駅西口の場...二次安倍政権のおかしさの根源は

  • 荏原高校と言えば 桑田武

    昨日から甲子園で全国高校野球大会が始まった。母校の都立小山台は、東東京の準決勝で、日体大荏原高校に負けたとのこと。その荏原は、決勝で二松学舎高校に負けたのだ。日体大荏原と言えば、桑田武である。彼は、荏原高校から中央大学を出て、太洋ホエールズに入った。そして、新人の1959年に、ホームランを31本打ち、これは今でも新人のホームラン記録である。長嶋に匹敵する長距離打者として期待されたが、肥満体質だったのか、次第に肥満して足を痛め、さした記録を残さずに終わった。私は、引退後の彼の姿を見たことがある。横浜市会野球議員団の練習に現れたのだ。さすがに大きく、すぐに分った。当時、彼は鶴見区のボス・横山健一がやっている会社にいて、横浜駅東口の事務所に勤務していたようだ。桑田は、もともと鶴見区の生まれなので、横山健一が世話...荏原高校と言えば桑田武

  • 『愛国と教育』

    第二次安倍政権以後の、社会科教科書への文科省の意見、修正、そして、新しい教科書を作る会等の運動が描かれる。さらに、菅義偉内閣での日本学術会議委員の任命しないことの不可解さ。こうした一連の動きは、現在ではこうした潮流の裏には、日本会議はもとより旧統一教会の運動があったことが明らかになっていて、この目で見ると、こうした動きは非常に喜劇的なことが分る。中で、東大名誉教授の伊藤隆先生のインタビューが、大変興味深い。「歴史に学ぶ必要はない」のだそうで、「なぜ戦争に負けたのでしょうか?」という問いには、「弱かったからでしょう」とにべもなく、精神右翼にはショックだろう。ここには、森友学園の篭池氏も出てくる。篭池氏と、安部晋三元首相の現在の関係を考えると、安部氏は、味方をも、いつの日か敵にしてしまう人間であることに思い至...『愛国と教育』

  • 固定電話

    基本的にまったく使っていないのだが、一応固定電話を置いてある。携帯電話をどこに置いたのか、分らない時に使う。その他には、ほとんど使うことはない。ただ、ときどきこれが鳴る。一回か、二回で終わるのだが。ああ、無作為に掛けている奴だなと思い出ない。すると、すぐに終わる。料金は、多少はかかると思うが、携帯をさがす二は良いので、そうしている。固定電話

  • 『ノルマンディー 将軍アイゼンハワーの決断』

    1944年6月、連合軍は、対ドイツ戦で、フランスへの上陸作戦を計画している。その時の、連合軍最高司令官アイゼンハワー(アイク)の作戦始動に至る経過を描く作品で、戦闘がまったくない戦争映画だが、非常に面白かった。戦後、アメリカ大統領選挙で、アイクが共和党の候補になった時、自分がなりたかったダグラス・マッカーサーは、副官に聞いた。「あんな戦功のまったくないアイクなんかが、なんで大統領候補になるんだ!」すると副官は答えた、「彼の愛嬌と微笑には、誰も勝てませんよ!」ダグラスの言うとおり、アイクはほとんど戦闘での功績はなかった。だが、イギリス、アメリカ、カナダ等の連合軍という名の多国籍軍を指揮する人間は、戦功ではなく、全体を纏めていく人間力だった。それを見通していたイギリス首相のチャーチルとアメリカの大統領ルーズベ...『ノルマンディー将軍アイゼンハワーの決断』

  • 花火大会で

    7時半すぎ、巨人・阪神戦を見ていると、花火の音が聞える。みなとみらいでやっている花火大会である。前は、7月20日にも商工会議所主催の花火大会があったが、横浜市の補助金が出なくなると中止になってしまった。8月の花火大会は、神奈川新聞の主催で、元は大桟橋、山下公園でやっていたが、場所が狭いので、みなとみらいの臨港パーク前面でやっている。まだ、大桟橋でやっていた二回目のことだと思う。産業貿易センターの8階のコンベンションビューローの部屋で、招待した都内のコンベンション関係者と一緒に見ていた。15分くらい経ったとき、すごい花火が見えた。ほぼ水平に花火が光り、そしてまさにひまわりのように空に破裂した。「すごい新種だな、こんなの見たことがないな」と言いあった。と、打ち上げが止り、水面を消防艇がサーチライトで何かを探し...花火大会で

  • 「カメバラで待て・・・」

    どこの職場でも、専門用語があるものだが、私が市会事務局から港湾局に異動して聞いたのがこの言葉だった。「カメバラで待て・・・」とは、「いったい何語なの」と思った。日本語で、漢字で書けば、「亀腹」で、山下公園の端にある港湾局の施設のことなのだ。そこは、港湾局の関係者しか入れないが、小さな岸壁があり、六角形を半分に割ったような形をしている。それで、亀の腹みたいなので、カメバラというのだ。通常は、はまどりなどの局の船を泊める場所になっているのだ。「カメバラで待て・・・」

  • 『荒木又右衛門・男たちの修羅』

    決闘鍵屋の辻の、荒木又右衛門の義弟渡辺数馬の河合又五郎への仇討ちの話で、原作は長谷川伸で、たぶん忠実な筋だと思う。日本三大仇討ちなので、映画でも多数作られているし、歌舞伎では『伊賀越道中双六』になっている。私が最初に見たのは、阪妻の『伊賀の水月』で、今はない大井武蔵野でだったと思う。話は、岡山池田藩で、小姓渡辺源太夫と争いの結果河合又五郎が源太夫を斬り殺し、藩から逃げて江戸の旗本安藤家にかくまわれてしまう。そこから、旗本と大名の対立になり、幕府も処置に困り、又五郎は江戸所払いになる。その時、池田藩主が亡くなり、君命で又五郎の首を墓に供えよとの言葉で、荒木又右衛門は、義弟の仇を討てることになる。長谷川伸の原作も、この辺が詳しくて面白く、また戸惑ったものだが、ここでもここまでに1時間掛かっている。やっと又右衛...『荒木又右衛門・男たちの修羅』

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