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2014/06/10

  • 水車小屋のネネ

    著者 津村 記久子出版社 毎日新聞出版  ヨウムという鳥は、オウム目インコ科の大型インコで、その寿命は50年に及ぶらしい。しかも3歳から5歳児の知能を持つという。そんなヨウムのネネがいる水車小屋を舞台に1981年から2021年にいたる40年の人々のふれあいを描

  • 街とその不確かな壁

    著者 村上 春樹出版社 新潮社   1985年に出版された『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』は、デビュー作『風の歌を聴け』から一貫していた村上ワールドの真骨頂ともいうべき作品だった。壁に囲まれた静寂の街で「夢読み」する男の話と、地下組織

  • 白鶴亮翅

    著者 多和田 葉子出版社 朝日新聞出版   ドイツで翻訳をして暮らすミサは、引っ越し先の隣人Mさんといっしょに太極拳教室に通いはじめる。教室にはドイツだけでなく裕福なロシアの未亡人、BBCアナウンサーのように流ちょうな英語を話すフィリピン女性など様

  • 腹を空かせた勇者ども

    著者 金原 ひとみ出版社 河出書房新社  新型コロナが蔓延しはじめ、学校は休校になり部活もままならない毎日。だけど中学生の玲奈は部屋でトレーニングをし、友人とコミュニケーションをとり、全力で生きている。私立の中高一貫校だから、よほどでないと進学で

  • 東京都同情塔

    著者 九段 理江出版社 新潮社   新宿御苑に建設予定の刑務所「シンパシータワートーキョー」の建築コンペに参加する建築家の牧名沙羅は、その名称に引っかかってなかなかいい案が浮かばない。もともと刑を犯さざるを得ない環境にあった囚人たちこそ社会の被害

  • Q

    著者 呉 勝浩出版社 小学館   子持ちの女と再婚しては離婚をくり返し、血のつながらない子どもだけを引き取る。そんな父のもとで肉親の愛情を知らずに育った義姉弟三人は、やがて末弟の侑九、通称Qの類まれな美貌と誰もが虜になるカリスマ性に自分たちの未来を

  • 木挽町のあだ討ち

    著者 永井 紗耶子出版社 新潮社  芝居小屋が軒を連ねる木挽町は、吉原などの花街と同じく世間から悪所と蔑まれる場所だ。ときに食いつぶした者、どこにも行き場のない者、わけあり者も転がり込む。だが、芝居や見目麗しい役者を見て日ごろの憂さを忘れさせる夢

  • 地図と拳

    著者 小川 哲出版社 集英社  気象学を学んでいた須野は、ある地図に描かれた島が実在するか否かという調査を満鉄から依頼される。それは「存在しない島が本当に存在していないことを証明する」という難題であった。以来、須野にとって地図の発生と意義を探るこ

  • 踏切の幽霊

    著者 高野 和明出版社 文藝春秋  妻を亡くして以来、全国紙の社会部記者という第一線の仕事に対する意欲を失った松田は、女性誌の取材記者として糊口をしのいでいた。政治家の汚職を追及していた日々は今や遠く、目下取り組んでいるのは幽霊話の企画ものだ。読

  • 朝星夜星

    著者 朝井 まかて出版社 PHP  長崎の老舗見世で奥奉公するゆきに縁談がもちあがる。宴で阿蘭陀料理を供した際にやってきた料理人丈吉がゆきを見そめたらしい。木箱を運び入れるのを手伝ったからかと思っていたゆきだが、実はゆきの食べっぷりが気に入ったのだと

  • 青木きららのちょっとした冒険

    著者 藤野 可織出版社 講談社   本書に収められた9篇のいずれにも「青木きらら」が登場する。彼女自身が語り手のものもあれば、主人公のあこがれのアイドルだったり、河川敷に捨てられた惨殺死体だったりする。「青木きらら」は、いわば現代社会を象徴するよう

  • 真珠とダイヤモンド

    著者 桐野 夏生出版社 毎日新聞出版   世界中どこにいても瞬時に最新ニュースを知ることができる現代だが、文字だけのニュースよりも映像によるニュースが臨場感および衝撃を与えるのは変わらない。紛争や天変地異、さまざまなニュース映像のなかでも、殺害の

  • いい子のあくび

    著者 高瀬 隼子出版社 集英社  雑踏や駅の構内でスマホを見ながら歩く人たちは、向こうから来た人が必ずよけてくれると思っているのだろうか。そうではないことを直子は知っている。体格のいい婚約者の大地には、「ながら歩き」の人とぶつかりそうになったこと

  • 照子と瑠衣

    著者 井上 荒野出版社 祥伝社  後先考えず行動する友だちに手を貸して、どんどん窮地に陥るという女ふたりの逃避行を描いた映画『テルマ&ルイーズ』は、絶望的な結末に迷わず突き進む女の友情がすがすがしさを感じさせる名作だった。その題名をもじったような本

  • 本売る日々

    著者 青山 文平出版社 文藝春秋   十返舎一九の『東海道中膝栗毛』や曲亭馬琴の『南総里見八犬伝』などの人気本には目もくれず、漢籍や仏書、歌学書、国学書といった学術的な書物を扱う松月堂の平助には誇りと夢があった。単なる本売りではなく、いずれは版元

  • カモナマイハウス

    著者 重松 清出版社 中央公論新社   少子高齢化時代のいま、日本が直面しているのが空き家問題である。空き家率13.6%(2018年)、すなわち7軒に1軒が空き家で、それは空き家一軒にスイス人が一人ずつ住んだとしてスイスの全人口がまるごと収まってしまう数であ

  • 墨のゆらめき

    著者 三浦 しをん出版社 新潮社   三日月ホテルに勤務して15年、生来人あたりのいい続力は、ホテルマンという職業はまさに自分の天職だと日々感じている。そんな彼が、真夏の日差しのもと、仕事の依頼で初対面の人の家に向かう。しかし、「線路沿いの道を五分

  • ヒロイン

    著者 桜木 紫乃出版社 毎日新聞出版   宗教団体が起こした無差別テロ事件の実行犯として指名手配された啓美だが、実際はたまたまその日、実行犯と行動をともにしただけで、事件については何も知らなかった。だが、無実であると証明するものはなにもない。その

  • それは誠

    著者 乗代 雄介出版社 文藝春秋 クラスのなかでも普段はそれぞれ別の友だちといる高校生が、修学旅行という特別な行事で同じ班になる。行き先は東京、まる一日が充てられる班行動は、あらかじめ計画表を担任に提出して計画通りに行動しなければならない。その計

  • 777 トリプルセブン

    著者 伊坂 幸太郎出版社 角川書店  東京発の東北新幹線「はやて」に乗り、トランクを盗んで上野で降りる。その「簡単な仕事」も世界一ツキのない男、七尾がやると次々にトラブルが発生して上野で降りることができない。それどころか七尾の同業者同士のいざこざ

  • 悪口と幸せ

    著者 姫野 カオルコ出版社 光文社  昭和の時代、たいていの親は子どもがマンガを読みふけるのにいい顔をしなかった。そんな親の目を盗んで読んだマンガのストーリーは、秘め事のスリルとともに長く少女の心に残る。同時に、主人公はいつも美しい少女で、どんな

  • ハヤブサ消防団

    著者 池井戸 潤出版社 集英社   亡き父が愛したハヤブサ地区に居を構えた作家の太郎は、誘われるまま地域の消防団に加入する。のどかな土地での和気あいあいとした閑職と考えていた太郎だったが、すぐにそれが思い違いだったことに気づく。ボランティアとは思

  • 八月の御所グラウンド

    著者 万城目 学出版社 文藝春秋  さらさら流れる鴨川に架かる橋から望む大文字山。京都のそんな爽やかなイメージは夏の酷暑と冬の底冷えを一度でも経験すると雲散霧消する。京都の大学で学んで4年、夏休みには京都脱出を至上としていた「俺」だったが、休み前に

  • 荒地の家族

    著者 佐藤 厚志出版社 新潮社  大地震と津波がすべてを奪ったあの日を祐治はいまだに心のなかで清算できずにいる。あれから時が経ち、街や道路は整備され、かつての惨状の痕跡はほとんど消し去られた。震災後の苦境時に亡くした妻や、再婚したがうまくいかなか

  • 夏日狂想

    著者 窪 美澄出版社 新潮社  白皙の詩人、中原中也は、その才を惜しまれつつ若死にした。まだ学生だった中也の才能を見抜き、彼のミューズとして中也を支えた年上の女、長谷川泰子の生涯を描いたのが本書である。女優を夢見たが芽が出ず、男たちに愛され求めら

  • 奇跡

    著者 林 真理子出版社 講談社  「事実は小説よりも奇なり」というが、逃亡犯たちについてのノンフィクション『逃げるが勝ち 脱走犯たちの告白』のなかで著者の高橋ユキと対談した道尾秀介は、事実をそのまま書いたら小説はかえって嘘くさくなるといったコメン

  • 彼女のことを知っている

    著者 黒川 創出版社 新潮社  人の記憶は不思議なもので、曖昧なところと妙に鮮明なところがある。誰かと出かけたときの些細な会話は覚えているのに、なぜいっしょに出かけたのかが思い出せなかったりする。著者の分身とおぼしきミツオが20代のときに取り組ん

  • 汝、星の如く

    著者 凪良 ゆう出版社 講談社  瀬戸内海に面した小さな島にはプライバシーが存在しない。暁海の父親が愛人宅から戻ってこないことや、櫂が京都から転校してきたのは母親が男を追いかけて島にやって来たからだと誰もが知っている。いわば島の異分子である暁海と

  • うたかたモザイク

    著者 一穂 ミチ出版社 講談社   表題の通り、作風の異なる物語がモザイクのように散りばめられた短編集である。 読者モデルの杏が目立たない同級生に惹かれ、彼女の地下アイドル活動を推す「droppin’ drop」や、9.11で恋人を喪った従兄を慕い続ける「s

  • 待ち遠しい

    著者 柴崎 友香出版社 毎日新聞出版   一軒家の離れを間借りしている春子は、大家が高齢で亡くなったあと、代わりに母屋に移り住んできた大家の長女、ゆかりに誘われて時々会食するようになる。母屋の向かいにはゆかりの甥夫婦が住んでいて、甥の妻の沙希とも

  • 開墾地

    著者 グレゴリー・ケズナジャット出版社 講談社  「言葉の壁がある」というと、外国語を話せないから外国人と意思の疎通ができないという意味になる。隣国と国境を接していない日本では、国内で「言葉の壁」を感じることはなく、学校や近所で、ましてや家庭内に

  • あなたに安全な人

    著者 木村 紅美出版社 河出書房新社   都会の生活に疲れて9年ぶりに生まれ故郷に戻ってきた妙は、空き家となっていた両親の家に転がり込み、極力外出せずひっそりと暮らしている。新型コロナ感染症が広がりはじめた当初、人の行き来の少ない田舎では感染者の多

  • 水平線

    著者 滝口 悠生出版社 新潮社  亡き祖父が昔住んでいた硫黄島の旧島民墓参事業に参加して以来、来未のもとに知らない男性から電話がかかるようになる。祖父一家が硫黄島から強制疎開する際、軍属として島に残り、十五歳で亡くなったはずの祖父の弟の忍を名乗る

  • 沈黙の終わり

    著者 堂場 瞬一出版社 角川春樹事務所  千葉と埼玉の県境で数年にわたり起きている小学校低学年の少女の行方不明、殺害事件は、同一犯によるものではないかと若手記者の古山は察しをつける。県をまたぐ犯罪には目が届きにくい縦割りの警察と異なり、新聞記者は

  • 逃げるが勝ち 脱走犯たちの告白

    著者 高橋 ユキ出版社 小学館新書   漫画「ゴールデンカムイ」や吉村昭著「破獄」のモデルとなった白鳥由栄は、青森、秋田、網走、札幌各刑務所から計4度脱獄した経歴とその特異な手口から「昭和の脱獄王」の異名を持つ。狭い独房の壁をヤモリのようによじ

  • 燕は戻ってこない

    著者 桐野 夏生出版社 集英社  元バレエダンサーの基とイラストレーターの悠子は、不妊治療の末に代理出産という手段を選ぶ。悠子の卵子は老化による不育症のため、基の精子を代理母に受精させる。つまり生まれてくる子は、実質的には基と代理母の子になるのだ

  • パンとサーカス

    著者 島田 雅彦出版社 講談社  選挙応援演説中の安部元首相が凶弾に斃れた事件を予見していたと話題になった作品である。政権与党の実質的な一党独裁が続く日本の現状やアメリカに追従しながら保身と蓄財にいそしむ議員たちを風刺的に描き、そんな政権を支持し

  • クラウドの城

    著者 大谷 睦出版社 光文社  ミステリー作家の登竜門のひとつ、日本ミステリー文学大賞の第25回新人賞受賞作である。バグダッドで起きた自爆テロで恋人を失った鹿島丈は帰国後、北海道に作られた世界規模のデータセンターの警備員として働き始める。国家機密や

  • 彼女の名前は

    著者 チョ・ナムジュ (小山内 園子/すんみ訳)出版社 筑摩書房  大ベストセラー『82年生まれ、キム・ジヨン』で韓国社会における女性の姿を世間に知らしめたチョ・ナムジュが、新聞や雑誌などに発表した短編を集めた本書では、さまざまな年齢、社会的地位にある

  • 大鞠家殺人事件

    著者 芦辺 拓出版社 東京創元社 大阪、船場の解体現場で防空壕が発見される。なかには大量の本があった。古今東西を問わぬ当時最新のミステリー本を包んでいた古びた布には「大鞠百薬館」の文字とロゴが染め抜かれている。同じころ、そこからほど近い病室では間もな

  • すべての月、すべての年 ルシア・ベルリン作品集

    著者 ルシア・ベルリン (岸本 佐知子訳)出版社 講談社  ルシア・ベルリンの名は、たまたま目にした雑誌かなにかで知った。それから読むのを後回しにしていたが、今ではもっと早く読んでおけばよかったという気持ちでいっぱいだ。幼少期から南米チリで過ごした

  • スワン

    著者 呉 勝浩出版社 角川書店  地元民なら誰でも足を運んだことのある大型ショッピングモール、スワン。のどかなモールに突然二人の男が現れ、手製の銃と日本刀で無差別に客に襲いかかる。犯行後、犯人たちはその場で自殺する。数十人の死傷者を出した未曽有の

  • 八月の母

    著者 早見 和真出版社 角川書店  2014年8月、伊予市で起きた17歳の女子への集団リンチ殺害事件をもとにしたフィクションである。 男にだらしない母に育てられた娘は、母の生き方を嫌いながらも同じような生き方しかできない。生まれつきの淫靡な空気をまとい

  • 任務 松本清張未刊行短編集

    著者 松本 清張出版社 中央公論新社  副題が示す通り、松本清張の未刊行作品を収録した短編集である。ほとんどが1950年代中頃から70年代にかけて雑誌掲載されたもので、推理小説の巨匠として名の知られた著者も若かりし頃は、さまざまな傾向の小説を手がけ、模

  • 俺ではない炎上

    著者 浅倉 秋成出版社 双葉社  気になったツイートをリツイートする。それは大学で社会派サークルを主催する初羽馬にとって、ごく日常的な行為である。まして、リツイート数がたったの二十六なら自分がリツイートすることにより、さらに拡散することができる。

  • 掌に眠る舞台

    著者 小川 洋子出版社 集英社  小川洋子の代表作とされる『博士の愛した数式』には正直、評判ほどの感銘は受けなかったのだが、以降発表された『ことり』『琥珀のまたたき』での世界の片隅にひっそり生きる人々への慈しみと優しさに満ちた作品には魅了されてき

  • しろがねの葉

    著者 千早 茜出版社 新潮社  食い扶持を探して石見銀山を目指す道中で両親とはぐれたウメは、伝説の山師、喜兵衛に拾われ、女人禁制の銀山に出入りするようになる。夜目が利くウメは重宝されるが、成長するにつれ女らしくなる体をもてあましはじめる。一方で、

  • 黄色い家

    著者 川上 未映子出版社 中央公論新社  最後のページを閉じてすぐさま最初から読み直したくなる。バブル崩壊の予兆に満ちた1990年代にいっしょに暮らしていた黄美子が逮捕されたというニュースをきっかけに花が当時を回想する本書は、顛末を知っているからこそ

  • 女人入眼

    著者 永井 紗耶子出版社 中央公論新社  武士が台頭した鎌倉時代に、源頼朝の妻でのちに尼将軍と呼ばれた北条政子は女ながらになぜ世を牛耳ることができたのか。政子の長女の花嫁教育の一環として都から呼び寄せられたひとりの女房の視点を通し、日本史上最強と

  • 底惚れ

    著者 青山 文平出版社 徳間書店  奉公先に暇を出され、故郷にも居場所のない女が江戸で生きていくには女郎として体を売るしかない。かつて同じ屋敷に奉公していた芳も今、「俺」との間に起きた事件の罪に怯え、岡場処のどこかにいるに違いない。「俺」しか知ら

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