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ここ旭川で、「新聞」といえば「北海道新聞」を指す。 「昨日の新聞の一面でも記事になってましたもんね」と、いえば、その一般名詞「新聞」は「北海道新聞」のことであり、そのほかの新聞を指す場合は、例えば「読売新聞」であるとか「東京スポーツ」であるとか、固有名詞で説明しないといけない。 それくらい「北海道新聞」は圧倒的な支持を得ているのだが、9月1日の朝刊に9月末で「夕刊を休刊とする」との告知が載っていて吃驚した。 しかし、冷静に考えれば、そんなことは当たり前の流れであって、驚くに値しない。 ちなみに私は朝刊のみしか取っていないので、まったく影響がない。なぜ朝刊のみかといえば、料金を安く済ませようとい…
驚いた。 タイトルとキャストから、ほのぼのしたホームドラマだと思って見たのだった。若干、違うかもしれないとの予感もあったのだけど、ほぼ何も知らずに、「感」で借りたDVD「喜劇 愛妻物語」。 売れない脚本家と、それを支えるパート従業員の妻、5歳の娘。モノになりそうな映画化シナリオ執筆のため、香川へ取材旅行に行くこととなった主人公(濱田岳)だが、車の免許が無いために妻(免許所有者・水川あさみ)と子供を連れ、家族旅行を兼ねるというのが、大まかなプロット。とにかく全編にわたり、水川あさみがダメな夫である濱田岳を罵倒し続け、見ている方も、あまりにダメな濱田岳の体たらくに、それも仕方ないかもしれないなあ、…
私は、ある時期から、綾瀬はるか主演のテレビドラマは、ほぼ無条件で観るように心がけている。なぜなら、綾瀬はるかが好きだからだ。しかし、主演「映画」となると、けっこう見逃している。私にはなぜか、綾瀬はるか主演映画って、あまり面白そうに感じないのだ。これは私の独断に過ぎないはずだが、綾瀬はるかは、いわゆる「作品に恵まれていない」のではないか。 しかし、映画館で「リボルバー・リリー」の予告を初めて見た際、「おお、これは」と興奮。この映画、おれのために作られたのではないか。そんなわけで、イオンシネマへ観に行ったのだけど、逆に不安要素も感じていた。日本のトップ女優とはいえ、わざわざお金を払って「綾瀬はるか…
天才黒人ピアニストとイタリア系あんちゃん、南部への旅「グリーンブック」
物語は1962年のニューヨークから始まる。 主人公トニーを演じるのは「ヒストリー・オブ・バイオレンス」「イースタン・プロミス」のヴィゴ・モーテンセン。トニーは、腕っぷしの強くって、ちょっと強面って感じで、ぴったりなキャスティング。教養が無くガサツで短絡的だけど、友達がいっぱいいて、奥さんと家族を愛する下町の気の良い兄ちゃんがそのまま大人となった感じ。 一方のドクは黒人のくせにアレサ・フランクリンを知らず、フライドチキンも食べたことがないという変人の天才ピアニスト。 失業中のトニーがドクに雇われ、運転手兼ボディガードとして、差別の残る南部へ演奏旅行に出掛ける、というのが主なお話で、いわゆるバディ…
初期スカーレット・ヨハンソンを見よう!「真珠の耳飾りの少女」
一幅の絵のようだ、って表現があるけれど、そんな感じがずっと続く映画であった。 ま、単に、「ゴーストワールド」を見て、そのころの「初期」スカーレット・ヨハンソンの映画を観てみようと思ってDVDを借りたのが「真珠の耳飾りの少女」だったわけで。そんなだから、はなから物語になど、たいして期待していなかったのだけど、まさにそういう映画だった。 17世紀のオランダ、貧乏家庭の少女グリートは奉公へ出ることとなり、そこは画家フェルメール家であった。使用人としてさまざまな家の仕事をこなすグリートには色彩に関する才能があり、フェルメールは少女を助手のように扱い始める。そこで繰り広げられる、意地悪、いじめ、嫉妬、愛…
邪眼鳥 筒井康隆 新潮社 1997年4月25日初版発行 1300円+税 筒井康隆氏の断筆解除後に出た短編集「エンガッツィオ司令塔」を先日再読した影響で、断筆解除作「邪眼鳥」が気になり、こちらも再読することにした。 「邪眼鳥」の出版は、世間的にも、私にとっても、ちょっとした事件だった。ようやく筒井氏の断筆が解除され、表紙にもでかでかと「復活第一作!!」と謳われ、3年半ぶりに新作が読めるということで、前のめりで読んだ記憶がある。もう25年も前のことなのだなあ。 「顔のある者がいない。」というかなり印象的な書き出し。そこでは、富豪・入谷精一の通夜が営まれ、残された若き美貌の未亡人に注目が集まっていた…
10年くらい前に一度見ている「ゴーストワールド」だが、久しぶりに見てみようと思い、TSUTAYA豊岡で借りてきた。むむっ、こんなに面白かったっけ。見ているあいだ、ずっと心がザワザワする。素晴らしい。傑作だ。アメリカのコミックを原作とした2001年のアメリカ映画。 高校を卒業したけど進学もせず就職もせず、街で悪ふざけをする女の子二人組が主人公。ゾーラ・バーチとスカーレット・ヨハンソンが演じている。 この二人は、たちが悪い。 周囲と馴染めず、まわりがみんな馬鹿に見えるという思春期にありがちな自意識過剰状態で、身近なダサイものとかダメなものを徹底的に笑おうという性格の悪さ。すでにすっかり笑われる側の…
かっこいい俳優として岡田准一を認識したのは、たぶんクドカンのテレビドラマだ。映画版の「SP」を見た際にアクション俳優として記憶に刻んだのだと思う。2022年の映画「ヘルドッグス」でも迫力の殺しっぷりで、たいへんよかった。 そんなわけで、コメディ「ザ・ファブル」は、気軽に見られ、かつ岡田准一のアクションも凄そうだから、ヘヴィーなものは見たくない今夜観るのによいのでは、とDVDを借りた。 伝説の殺し屋「ファブル」が、ボスから一年間誰も殺さず普通の一般人として生きよと命じられ、大阪で生活する様子を描くお話だ。 岡田准一はコメディ演技もうまいし、共演の方々も皆よい。 狂犬的なチンピラを柳楽優弥が楽しそ…
伝説のその後をいかに描くか「ゴーストバスターズ/アフターライフ」
オリジナルの「ゴーストバスターズ」(1984年)は特大の大ヒットだった。なぜあれほどビル・マーレイに人気があったのだろうか。不思議だ。レイ・パーカーJr.の主題歌も大ヒットで、有名人がいっぱい出るミュージックビデオもよく目にした。シガニー・ウィーバーのセクシー演技も大評判。私は若く、日本の景気も良く、明るい80年代を象徴する映画といってよいと思う。時は流れてあれからもう40年近く経ったのである。感無量。私は老い、日本の景気は悪い。 続編「ゴーストバスターズ2」は1989年公開で、今回DVDで見た「ゴーストバスターズ/アフターライフ」はその「2」の続編にあたるというわけか。 人気シリーズであるか…
エンガッツィオ司令塔 筒井康隆 文春文庫 2003年4月10日初版発行 524円+税 単行本2000年発行 筒井康隆が断筆したのは1993年9月で、断筆解除は1996年末。作品の発表は翌1997年の「邪眼鳥」で、この単行本の発行は1997年4月。短篇集は、新潮社の雑誌に書いたものをまとめた「魚籃観音記」と、文藝春秋社の雑誌掲載作をまとめた「エンガッツィオ司令塔」が、それぞれ2000年に出ている。どちらも出てわりとすぐに読んだと思うが、もうすっかり内容は忘れていて、なかでも北朝鮮の首領様(当時であるから金正日)をモデルとした「首長ティンブクの尊厳」という作品が、すでに題材からヤバくて、そもそもこ…
インディ・ジョーンズ・パロディとしての「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」
映画を観て、単純に「ああ面白かった」と幸福を感じた記憶No.1は1984年の「インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説」だ。確か新宿かどこかの比較的大きな満員の映画館で観た。娯楽映画であるから劇場は適度にざわついており、観客は大いに笑い且つ驚いていた。一作目「レイダース」と同様パラマウントのマークからおどろおどろしく始まる見せかけてのミュージカルオープニングに心を掴まれた。あとはもう解毒剤の争奪戦からトロッコまで「楽しい」の連続だ。満員なので私の両隣にも客が座っていて、それは左右どちらも男女カップルで、中盤、突如悪者が姿を現すショックシーンでは軽い悲鳴とともに私の両隣の女性が左右それぞれの連れの方へ凭…
どのように見たらよいのか良くはわからぬ「プロミシング・ヤング・ウーマン」にシビれる
キャリー・マリガンは好きな女優だ。だから、見逃していた「プロミシング・ヤング・ウーマン」をDVDで見た。わざと酔ったふりをして、お持ち帰りされ、いよいよというところで鉄槌を下すという、危ない(?)女性をキャリー・マリガンが演じている。 ちょっと前の時代のアングラアート映画を思わせる画面作りが随所にみられるのが面白い。特にタイトルの出るところ。チープな手書き文字でタイトルが出て、裸足で歩くヒロインが変な迫力。あるいは中盤で、ヒロインがブチ切れて、暴言を放った男の車をボコるシーンでの、回転するカメラと通過する貨物列車のショットにシビれた。 若い女性監督の長編一作目というこの映画、扱っているテーマは…
先月、総務省の「労働力調査」というのに答えてくれと、町内の知らない方から依頼を受け、ネットで回答した。この「埋草日記」にも以前その経緯を書いたが、なんと、また来た。 前回のは5月分で、今度は6月分を報告せよとの要請である。え、また? と驚いた。 私の労働力に関する情報が、この国にはそれほど必要なのだろうか。疑問だ。なんの役に立つのか? 一回目の回答後で二度目の依頼の際、お礼として、ふわふわしたガーゼのハンカチを頂けたのは、実のところ正直とても嬉しかった。そんなわけで、二度目の回答をした直後、郵便受けの中に「総務省統計局」のネームの入った封筒を発見し、これは返礼の品だ! と震える手で封筒をバリバ…
埋草日記◎山下達郎のラジオでの発言を聴いたり、竹内まりやのベスト盤を聴いたり
山下達郎が、松尾氏という方に巻き込まれる形で、ジャニーさん性加害騒動に言及せざるを得なくなり、事務所の発表によると「大切なご報告」がラジオ番組「サンデーソングブック」で行われるとの告知。たまにラジオを聴く程度の熱心ではないリスナーの私だが、これは聞いておかねばと、リアルタイムでは聞き逃したのでradikoで聴いた。「大切なご報告」などと煽るから、山下達郎が極端な意見を言うのかも、と思わされたが(ジャニー許せん事務所は閉めるとか、もう引退するとか)、聞いてみると、ほとんど内容は無かった。まあ、そうだよね、と思う。山下達郎ほどのセレブが、いまさらなんで火中の栗を拾うような発言をするものか。ジャニー…
最近になって落語を聞き始めた落語初心者の私が、懸案としていた映画をようやく見た。日本映画史上に燦然と輝く傑作と謳われる「幕末太陽傳」である。ベースとなっている落語は「居残り佐平次」とのことで、佐平次をフランキー堺が演じている、くらいの知識でDVDを借りた。「日活創立100周年記念」と銘打たれたデジタル修復版。 開幕、いきなり品川宿を馬が駆け抜け、銃撃戦が行われる。派手なオープニングに驚いていると、唐突に電車が通りぬけて、さらに吃驚する。現在の(といっても公開当時の1957年なので、今からすると、それ自体が歴史的風景なのが興味深い)品川の風景がタイトルバック。ナレーションで品川を説明し、軽快なテ…
北海道民から愛されているコンビニチェーンのセイコーマート。私も大好きで、ときどき手作りの大きめおにぎりや総菜パンを買ったり、お昼にかつ丼を食べたり、ソフトクリームで涼んだりしている。どれもうまい。 買い物をするたびに「カードをお持ちですか」と聞かれるので、別にポイントなどどうでもよいのだが、カードを作った。セブンイレブンで「ナナコ」、ローソンで「ポンタ」など、財布の中はカードだらけだ。 さて、先日、セイコーマートで買い物をした際に、カードを出そうと思ったら、財布の中に無い。買い物後、落ち着いて財布の中を総点検したが、はやり無く、どこかで紛失したようだ。 思い起こせば、その数日前、旭川市内某店で…
とにかく成田凌と清原果耶の会話が心地よい「まともじゃないのは君も一緒」
人とのコミュニケーションが苦手で、おそらく子供のころから「変」と言われ続けてきたために「普通」という概念がよくわからなくなってしまった数学オタクの塾講師、というのを成田凌が演じている。もう一人の主役は、何でもそつなくこなし、恋愛上級者のように装っているものの、実は恋愛未経験の女子高生を演じる清原果耶。 成田凌と清原果耶の会話は、冒頭から嚙み合っていないようで噛み合っているというか、なんというか、その掛け合いが心地よく、ずっと聞いていられる。お二人とも、とても上手い。この映画、お話自体はどうということもなく、会話をひたすら楽しむための映画だと思う。 スナックのシーンで清原果耶が自分の気持ちを吐露…
女優・伊藤沙莉がちょっと気になる、という理由から、DVDで「タイトル、拒絶」を観た。この映画の紹介記事で、黒ブラジャー姿の伊藤沙莉スチル画像を見た気もするが、映画が始まった途端いきなり現れる黒ブラジャー姿の伊藤沙莉に改めて度肝を抜かれる。以上の短いテキストの中に「伊藤沙莉」という名詞が3回、さらには「黒ブラジャー姿の」が2回使用されている。悪文というほかない。 さて「タイトル、拒絶」は、とあるデリヘル事務所を主な舞台とした映画なのだが、もともとは監督である山田佳奈の脚本による舞台劇であったらしい。 セックスをモチーフとした会話劇、という内容から、過去に見た三浦大輔脚本の「愛の渦」「恋の渦」に似…
埋草日記◎NHK朝ドラの広末涼子と、ベッキーが暴れる「初恋」
現在放映中のNHKの朝ドラ「らんまん」最新話に広末涼子が出演した。 不倫報道が過熱しているなか、出演場面をカットせず放映したNHKの判断にホッとする。広末は主人公(神木隆之介)の母親役で、病弱なため早い段階で亡くなり退場。その後、不倫報道で話題が沸騰した広末だが、もう出演シーンはないだろうから、NHKさん安心だろうな、なんて意地悪に思っていた。 本日の出番は中盤の見せ場というべき主人公の婚礼シーン。宴の最中、祖母・松坂慶子が幻想で広末の微笑む姿を見つめる、という3秒くらいのショットだ。カットしようと思えばできたはず。しかし、さらにその後、松坂慶子が昔を回想するシーンにも広末の姿があった。1分く…
シャーリーズ・セロン変身(変形?)「タリーと私の秘密の時間」
レンタルDVDで「タリーと私の秘密の時間」を観た。 「マイレージ、マイライフ」を観て以来、ジェイソン・ライトマン監督のファンとなった私は、さらに「ヤング≒アダルト」を観て、シャーリーズ・セロンのファンにもなった。 雑誌「映画秘宝」を買っていたような人は、たいてい「マッドマックス 怒りのデスロード」が好きで、したがってシャーリーズ・セロンには痺れているわけだが、それにしても本作「タリーと私の秘密の時間」のシャーリーズ・セロンは格別だったなあ。 さて、「タリーと私の秘密の時間」は、一言でいうと「子育てコメディ」ということになるのであろう。実際にDVDは「コメディ」の棚に置いてあったわけだが、果たし…
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