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  • 誕生日ケーキのロウソク

    電気を失った夜一切の電化製品の音が止まったただ電池で駆動している壁掛け時計だけは別だった一切の闇に少なからず感じている不安を助長するようにいつもは聞こえやしない規則正しく時を刻む音が耳障りに聞こえた食器棚の隅に追いやられていた余った誕生日ケーキの細長いロウソクに火を灯すと夏の虫のようにおのおのの場所にいた家族が集まり一塊になった煎餅を噛み砕きながら頭を掻く音耳をほじる音服をさする音までもが和んだ詩人mimiR3.5誕生日ケーキのロウソク

  • 詩 エール

    なだらかに流れる川には無数の記憶が集積されている川面に浮かんでくるそれを掬い上げては感情を読み耳を澄まし情景を楽しむ匂いを思い出せばおぼろげだな色は鮮明さを増す川に飛び込み膨大な思い出の世界に潜るそして記憶の中の自分にエールを送る過去を否定するような言動はしない未来を拒みたくないから溺れる寸前で顔を出す仰向けに浮かび深い呼吸を繰り返す雲ひとつない空自在に飛ぶ鳥が啼いる水面の鳥の影は私自身川に記憶は溶け込む「エール」詩人mimiR3.5詩エール

  • 詩 「砂」

    砂で固めたような環境は潤いがなくなった途端にボロボロと崩れるようになったいまの状態を維持しようと両手で支えているが指の隙間からサラサラと流れ出していく感覚がたまらない諦めて手を放し崩壊後修復すればいいかと考えるが元に戻すことは無理なような気がしてならないさらに必死に身をていして抑え込む砂は私の体を飲み込むつもりなのだろう迷いなく流れ続けるいろいろな感情が力強く心を叩いている泉のように涙が湧けばこの状況を改善できるのだが辛辣きわまりない崩れ方に私の目からは一滴がやっとだった 「砂」詩人mimiR3.5.5詩「砂」

  • 詩 「蚊」

    昼寝をしていまして………やぶれた網戸から泥棒がやってきた薄掛け布団のかかっていないくるぶしにたどりつくと血を盗んで帰って行った「蚊」詩人mimiR3.5.4詩「蚊」

  • 詩 友人

    うどんを茹でている友人が過去の事を蒸し返してきたおいおいその話しは済んでいるぞ言えば気まずくなる胡麻化すのも癪に障るならばわざと火力を強くし白く粘度のあるゆで汁を吹きこぼしもっともらしく慌てふためき話しをすり替えればいいコップに用意してあるびっくり水を鍋にさしながら笑えば終い湯の中でうどんはぐらぐらと私たちを嘲笑うかのように踊っている「友人」詩人mimR3.5詩友人

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