胡同や清朝のマニアックな世界へ。北京をめぐる歴史や日常を綴る。
カテゴリーごとにまとめて読んでください。 胡同物語、アパート内装の顛末、西安旅行などをアップしました。
原始的な社会におけるリーダーというのは、ごく単純な判断基準が権力の維持基盤となる。つまりは争いを仲裁する際、公平な判断をするとか、戦利品を分ける際、功の大きかった人から誰もが納得いく分配の仕方をするとか、皆が怖気づいている時に勇気を奮い立たせるようなカリスマ性があるとか、そういう能力である。それが少しでも弱いと思われたら殺され、我こそはと思う相手に取って代わられる。ヌルハチもその意味では、チュインへの告げ口をやみくもに信じたのではなく、誰もが納得いく判断をしたことと思われる。ヌルハチは、長子を殺せば年少の弟たちによくない先例を残すことになると思い、殺さずに高壁の中に幽閉した。ところが二年経ってもまったく反省の色が見えない。このことからもチュインの意固地な性格というのは、他人に誹謗されたのではなく、本人に問題があ...マンジュの森ーーヌルハチの家族の物語50、チュイン失脚
マンジュの森ーーヌルハチの家族の物語49、チュイン密告される
この一部始終をヌルハチに告げ口することによりチュインと一線を画した側近がいた。恐らく側近らはチュインの元でその様子を伺っていたのだろうが、この留守中のあまりに軽率かつ愚かな言動を観察し、こりゃだめだと見限ったものだろう。こんな主人と運命を共にしては、ろくなことにならない、と。それまでは堂々たる跡継ぎ太子だったからこそ、懸命に奉公したのだろうが。人間、落ちぶれても泰然としているなら周りも不安にならない。いずれヌルハチも彼のすばらしさに気づいてやがて名誉も回復するだろう、と思わせるのだが、一旦、強烈な「くすぶり」臭気を放てば、その悪い運気に周囲も中毒にかかり、何とかそこから逃れようとするものである。ヌルハチはチュインのあまりの薄情な言葉に全身の血が引くかのごとき失望を感じたことだろう。密告が脚色されている可能性があ...マンジュの森ーーヌルハチの家族の物語49、チュイン密告される
マンジュの森ーーヌルハチの家族の物語48、チュイン冷遇される
弁解はしない、というチュインにヌルハチは言う。私は年老いて国事を采配できないからおまえに執政させたのではない、委ねただけだ。私のそばで育った子供に執政させ、衆が従えば、皆が認めるだろうと思ったからだ。それなのに父から生まれた四人の弟と父の信頼する五大臣をあのように追い詰めるとは、執政させている意味があろうか、と。それ以後、(チュインの財産の中から)次男のタイシャンに部衆五千戸、牧群八百頭、銀一万両、勅書(明との貿易割り当て書)八十本を与え、それ以外のベイレにもそれぞれそれより少なく分け与えた。外征に行く際もチュインを信用しなくなり、連れて行かずに留守をさせた。すると、留守の城中でふて腐れたチュインは、四人の側近を集めては愚痴を言った。自分の部衆を弟たちと均等に分けるなんて耐えられない、死んだほうがましだ、生きて...マンジュの森ーーヌルハチの家族の物語48、チュイン冷遇される
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