古典では陰陽五行説が支配しているので、内臓は五臓五腑に分別する。五臓とは肝・心・脾・肺・腎、五腑とは胆・小腸・胃・大腸・膀胱である。ところが経絡の正経は12経あり、それぞれに所属臓腑があるので、五臓五腑ではなく六臓六腑として把握される。臓には心包が、腑には三焦が加わるのである。三焦と心包は現代医学にない概念であり、解剖してもその実体がないことから、これまで心包と三焦は何を意味するものか、大いに議論されている。心包とは心嚢を指し、三焦とは腸の大網を指すという見解もあるが、私は、心包の機能とは心臓を動かす力であり、三焦とは体温を生む機能だと考えている。その理由を記す。生者と死者の臓器は基本的に同一である。ただ生者はそれが機能しており、死者は機能していない。では死者を死者とする所見は何だろうか?それは心停止と体...三焦・心包とは何か?