車内が静かになった。二人はそれぞれ離れた場所に落ち着いたみたいだ。相変わらず対立してるみたいだが、言い争いを聞かされ続けているより断然いい。 前方のほうにいる二人を目で追うとそれぞれの主張どおり、一人は座席に座っており、一人は運転手の側に
立つことを主張していた方の子は息を荒だて、座ることを主張していた方の子は半べそをかいていた。 「状況にあわせて、かえればいじゃないか。」 とりあえず二人をなだめる。「混んでたら立つしかないけど、空いてるのなら座ればいい。」「…
だんだんとヒートアップしてきてつかみ合いになりそうだったので、止めに入った。「まあまあ、二人とも落ち付けって」「だって!…こいつが座るほうがいいって聞かないから。男のくせに。」 こっちの子は割と活発そうだ。「だって!…あとの人たちが困る
「ブログリーダー」を活用して、yamadaさんをフォローしませんか?