ミスターサンシャイン第22話(5) 1907年8月1日~国軍の解散(#)伊藤博文と李完用(イ・ワニョン)「家も財産もすべて燃えてしまい、先祖の位牌まで失いました」(# 義軍の標的になったからです)「さぞかし大変な思いだったのだろうな。 朝鮮人はだいたいが無知で、よく反抗する。 だからその芽は初めから摘んでおいた方が良い」「…」「新しい皇帝には軍隊の解散をさせる勅命を出させる」「はい」<1907年8月1日>軍...
20世紀に入った半島と大陸(2)~イデオロギーの対立1.国民党と共産党清国が衰退・滅亡して、1912年に孫文が臨時大統領に就任して中華民国が成立しました。孫文が唱えた①民族の独立、②民権の拡大、③民生の安定(「三民主義」)は、大陸で咲いた小さな民主主義の花。その後を継いだ袁世凱により政党は中華民国「国民党」という名前になります。しかしながら1921年になると、大陸で中国共産党が結成され、それぞれのイデオロギー...
ミスターサンシャイン第3話(4) “ラブ”とは何ですか?「帰国要望」との電信(…帰りなさい)「アイゴ、なぜこんなに電信に時間が掛かったのか?」# この時代、すでに電報が使われるようになっています。「ヒソンはもう32歳だわ」「…」日本に留学していたキム・ヒソン「婚約者が不細工だったらどうするの?」「それでも結婚しないといけないのが朝鮮の礼儀だ」「あんまりだわね。あなたの国は酷いことをするのね」「…」「朝鮮に...
20世紀に入った半島と大陸(1)1.韓半島(ハンバンド)と「清」国20世紀に入る前に大陸の清国は日清戦争(1894年)で日本に敗れ、翌年に下関にて講和条約を結ぶことになりました。下関条約の清国側の責任者だったのは外交官の李鴻章で、その頃の清国の状況を書簡に以下のように綴っています。「総合的に考えて、西洋の学は中華の学に勝る。どうしてその道を開いてはいけないのか…」(岡本隆司『李鴻章-東アジアの近代』2011年1...
ミスターサンシャイン第3話(3) GUNNER(銃撃手)川岸の船着場ユジンの後にエシンも来ます「小舟が必要ですか?」「…」「…?」「先日来たナウリでよね」「何しているのですか? 後を付けているのですか?」「私の後ろに立っている人の後を付けることは不可能だ」「アガシも乗って下さい」「窯元のところに行きたいが、船頭はいるのか?」「ナウリは船を漕げないのですか?」「いや、あれこれ経験はある」「ファン・ウンサンの...
革命かクーデターか(下)「日韓併合」(1910年)の後のこと。ロシア帝国では欧米とは違った方向(イデオロギー)での変革が起きました。そのロシア革命の評価と影響についてウィキペディアを参照しました。ロシア革命(Russian Revolution)は、1917年にロシア帝国で起きた2度の革命のことを指す名称で、特に史上初の社会主義国家(ソビエト社会主義共和国連邦)樹立につながったことに重点を置き、十月革命(1917年10月、ウラジ...
革命かクーデターか(上)岩波国語辞典で「革命」を検索すると、「被支配階級が、支配階級を倒して政治権力を握り、国家や社会の組織を根本的に変えること」とあり、英語のrevolutionの訳語とされています。そして、1789年の王政を廃した「フランスでの市民革命」が例文として示されています。(不満を募らせていた市民と近衛兵が蜂起して襲撃したバスティーユ牢獄・要塞:大砲を備えた武器庫がありました)同じく18世紀後半には「...
ミスターサンシャイン第3話(2) テイラー文書米国公使館「何をお考えなのですか?」「行き場所を考えている」「どこに行くのですか?」「ノリゲに従うべきなのか…?敵なのか…? 一杯のチゲに従うべきなのか…? 遠くまで来たが、どこまで遠いのか分からない」「…」「腹減った…」「その方が良いです、ナウリ。 行きましょう」「美国(アメリカ)での生活が長かったので、 朝鮮の食事はいかがでしょうかね?」「朝鮮にいても、...
キーウに春を~ウクライナへの祈り1.帝国主義の時代ドラマ『ミスターサンシャイン』の時代背景は今から約120年前のこと。ヨーロッパの国々がアフリカ、西アジア、東南アジアへと植民地(属国化)を広げ、それぞれの覇権を争っていた帝国主義の時代です。アメリカは国力を蓄えながら、どちらかといえば静かに海外の動向を分析していたのでしょう。そして、北東アジアのこと。清国が弱体化する中で、ロシアは南の不凍港を得るた...
ミスターサンシャイン 第3話(1) 下層階級「いったい誰なのか?」「外国人が気にすることではないわ。 あなたは何なの?」「…」「義をかざすの? 義兵のことだわ」「もしそうだったら?仲間なのか?」「意味が不明だわ。 申し訳ないけど、私が勝手に描いていた幻想のようだわ。 ところで、この国で何をしているのですか? 単なる通訳ではないはずですよね? 領事の職のはずですね」「私が質問しているのだ」「…」「帰って...
tvNの『ミスター・サンシャイン』に出演するキム・ミンジョンが、激動の朝鮮近代史を全身で証明する新女性工藤ひな役を演じる。キム・ミンジョンは『ミスター・サンシャイン』で、若く美しい未亡人で、ホテルグローリーの社長イ・ヤンファ、工藤ひな役を務める。 何よりキム・ミンジョンは、工藤ひな役で『マン・ツー・マン』以来約1年1か月ぶりにドラマに復帰、演技変身に挑戦する。 韓国名はイ・ヤンファだが、日本名工藤ひな...
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ミスターサンシャイン第22話(5) 1907年8月1日~国軍の解散(#)伊藤博文と李完用(イ・ワニョン)「家も財産もすべて燃えてしまい、先祖の位牌まで失いました」(# 義軍の標的になったからです)「さぞかし大変な思いだったのだろうな。 朝鮮人はだいたいが無知で、よく反抗する。 だからその芽は初めから摘んでおいた方が良い」「…」「新しい皇帝には軍隊の解散をさせる勅命を出させる」「はい」<1907年8月1日>軍...
ミスターサンシャイン第22話(4)一歩前に~ユージーンの決断<1907年の初夏:あれから3年後>王宮「陛下、なぜハーグに密使を派遣したのですか? 伊藤総監がお怒りです」(# ハーグ密使事件のこと)「大臣たちは、皆同じ考えなのか? 私の命まで差し出せと言うのか?」「日本軍には我々の軍は敵いません。 彼らとの戦争などはもっての他です」(李完用:イ・ワニョン)「陛下が日本に行って詫びを入れないと、 日本軍...
ミスターサンシャイン第22話(3)グローリーホテルの経営危機キム・ヒソンが東京留学中に使っていた家に避難したエシン「そうね。あなたは正しいわ。 文字にも力がある」そこに使節団に参加した尚宮が訪問します。「もしかして…」「ええ。皇帝の使いです」エシンは女官の服装で列に参加して帰国。ニューヨークに帰国したユージーンは軍法会議「ユージーン・チョイ大尉。 君のこれまでの行動を正当化できるのか?」「無鉄砲で...
ミスターサンシャイン第22話(2)「朝鮮通信使」~ミッション派遣カイルから約束の場所を指定されて、エシンは義兵の仲間に合流エシンは漢城に電信を送るように依頼します。漢城・済物浦港「伊藤博文特使には“朝鮮の白磁”を用意してくれ。 森タカシがいないところを見ると、 森家に不幸があったのは本当のようだな」「朝鮮も国らしくなったな。 朝鮮の王は大日本帝国の皇帝に感謝すべきだ」「…」高宗に挨拶「大韓帝国に駐留...
ミスターサンシャイン第22話(1)Good morning Mr. Sunshine日本に向かうドンメ「1か月の日本に行っているから、 その間にお前たちは全員解散して引き揚げろ」「一人の女のために我々を見捨てるのですか?」「解っているだろうに…。 彼女は俺にとっては単なる女なのか?」「…では、私もご一緒します。 日本に行くということは、死を意味します」「だからお前たちを見捨てるのだ! 俺は全てを敵に回してしまったからだ。 ...
華政 第2話(中) 子供たちを守ります光海君は仁穆(インモク)王妃に、兄の臨海君のことだけは見逃すように頼みます。「出来心を起こしただけのことです」「世子…」「それに、 永昌大君は私の手でお守りします」「世子…」「ヨンチャンもチョンミョンも私が守ります。 この約束を信じてもらえますか?」「守る…? いいえ、 私はこの宮中での言葉は信用できません。 玉座に座った瞬間から人が変わるのです」しかし、光海は...
ミスターサンシャイン第21話(5)日本での記念写真済物浦港の駅「…」グローリーホテルではヒナが剣(サーベル)の練習「壁に掛けてもいけないと言ったはずだが…? もう外で練習なのか?」「…。どこに行っていたの?」「なぜ聞くのか?」「家では、あの静かな女性は元気なの?」「ふん。これまでにない質問だな? 彼女の名前は“ホタル”だ」ホタルとの出会い「もう一つ話しておこう。 あれは福岡だったか…。 仲間の裏切りに遭...
ミスターサンシャイン第21話(4)動く標的2~森タカシ暗殺在日アメリカ公使館「ドミは泣いただろうな?」「英語で“Goodbye, Sir”と言うのを聞いて、 とても寂しい思いだった」カイルはユージーンの指輪を見て、「ユージーン、結婚したのか?!」「もしもそうだったら、祝ってくれるか? まだ誰からも祝って貰っていない」「あの両班の女性だな?」「…」「おめでとう、ユージーン!」「ありがとう」無心会の総帥とイ・ジョン...
ミスターサンシャイン第21話(3)結婚~列車の中の結婚式グローリーホテルのカフェ「これまでいろいろとありがとう」「もうホテルには賊は入らないかしら?」「ははは、 …ここが懐かしくなる」「君の冗談も、このコーヒーも…、 とても快適な暮らしだった」「寂しくなったら、またすぐに帰って来て下さいね。 朝鮮もグローリーホテルもここで待っているわ」「…、そうする」「んん」漢城駅での待ち合わせエシンは洋装で現れま...
ミスターサンシャイン第21話(2)私が愛する妻ドンメは義兵に撃たれました。また、無心会の親分の信頼を失っていると知って、独自の道を歩むことにしたようです。「しかし、俺は誰に撃たれたのかは無視することにした」ドンメを理解したファン・ウンサンは、「では、しばし我々の活動を支援して欲しいのだが?」「断るかもしれない。 それに身分に関係なく、そちらの方からも礼儀を尽くして欲しい」「…」「いずれ後を追うだろ...
ミスターサンシャイン第21話(1)偽造のパスポートエシンとユージーン「私が断ったらどうするのか?」「断りはしないと知っているわ」「私を利用するつもりなのか? 自分では少しも努力しないで?」「…」「お願いではなく、君の愛情を明確に伝えて欲しい」「…」「愛しているからと、 私に対して“愛している”と言うべきだ。 そして、一緒に連れて行ってというべきだ」「…」「そうであれば、嘘であっても私は目をつぶって君の...
ミスターサンシャイン第20話(5)日本へ~拉致されたイ・ジョンムン大監1904年1月(日露戦争勃発まであと1か月)# 1871年の「辛未洋擾(シンミヤンヨ)」(米軍による約1か月の江華島占拠:当時の髙宗は19歳)から始まり、ドラマは1894年の日清戦争を経て、1897年には国号が「大韓帝国」に変わり、1904年の日露戦争となります。33年が経過したということになります。エシンは月極の返済を残して旅立...
ミスターサンシャイン第20話(4)立ち上がる若者たち前夜の義軍活動を庇った髙宗でした。髙宗とスング「昨夜はお傍にはいませんでした」「よく知っている。 そなたは昨夜だけでなく、昔から私を守ってくれた。 美国との戦いのことも聞いている」(# 1871年の「辛未洋擾(シンミヤンヨ)」のことです)「…」「しかし、私は彼らを守ることができなかった。 だが私は謝罪する立場にもない。 私は自分の恥と罪の拷問を受ける...
ミスターサンシャイン第20話(3)高宗の決断船宿の女将(ジュモ)の墓参り「これまでお世話になったが、もう振り返らずに…。 ここは我々が後を始末する」「…」「アイゴ~」「ここで別れよう」「いや、一緒に行こう。 朝鮮人を朝鮮人が殺してはいけない。 森タカシは義兵の名簿を持っている。 つまり、スパイ活動をしているから、 背後を調べるためにはしばらく生かしておこう」イ・ワンイクの遺体の処理「埋葬は私に任せて...
ミスターサンシャイン第20話(2)動く標的~国は生きるイ・ワンイクの屋敷に向かうヒナ「カン夫人が何か言いましたか?」「ええ、確かめに行く必要があるわ。 イ・ワンイク大監の屋敷に行って頂戴」左腕を負傷したユージーン薬剤倉庫の軒の赤い風車を見て急ぎます。ドンメの道場には、エシンから先々の分の支払いが置いてありました。「なぜだ…? しばらくは、彼女はここには来ることができないようだが…。 …、もしやイ・ワ...
ミスターサンシャイン第20話(1)ペンは剣よりも弾丸よりも強し船宿の女将の遺体を公道に吊るした森タカシユージーンは森タカシを殴り倒しますカイルは、「下がれ。 私は腕が悪いから、君の頭を吹き飛ばすぞ」森タカシにユージーンは、「お前は軍人ではない。 戦争では軍人は軍人だけと戦うものだ」「…」「彼女が軍人に見えたのか?!」「どうも知り合いのようだな?」「…」「聞きたかったことだ」「…」スングが来て、「彼女...
ミスターサンシャイン第19話(5) 故コ・サホンの49日グローリーホテル「ナウリは食事もしないんだ」「アガシの家族のことが心配だからだわ」「なぜ心配なのか?」「あんたは知る必要はないことだわ。 ただナウリの傍から離れてはいけないわよ」「解った」「美国公使館で働いているスミの弟だわよね?」「はい、アガシ」「何の話をしていたの? 深刻なようだわね」「あのイ・ワンイクという悪党が、 エシンお嬢様の屋敷と...
ミスターサンシャイン第19話(4)母の写真~そして弔問「大監媽媽。 大監に仕える農夫たちも集まりました」「どうもこれまでのようだ。 我々はこれまでの縁を切らないといけないようだ」「…」「この台帳で、鉄道がとおらない土地を選んでおいた。 その土地は、この30年も仕えてくれた者たちと、 20年仕えた者たちとは違いがあるが、 そなたたちが所有することになる」「大監…」「大監媽媽…」「たとえ土地が狭かろうと...
ミスターサンシャイン第19話(3)国を売る者~国権の乱用イ・ジュニョン「教官!」「今日は夕食を取らずにここで待機した。 いったい何をするつもりなのか?」「なぜご存知なので…?」「訓練の後、戒厳令の前までにやるべきことなのだろうな。 しかも雨の日を選んで来たのだろうな」「…」「夜間練習で腕を上げたのは分かるが、 同時にその間にこの武器庫の合鍵を作ったのだろうな? お前はこの士官学校入学のために偽の推薦...
ミスターサンシャイン第19話(2) 活動家たちのリストグローリーホテルのカフェ一緒にテーブルに座るようにと言われたヒナが断っていたところですが、ちょうどヒソンが戻って来て、ヒソンも一緒に座るようにと言われます。「一人にしないでくれ。 今日は最低の気分なんだ。 あれは俺の父親だ」「私も同様だわ。もう一人の男は私の父親だわ」「…。 え?!」「…」「二人とも悲劇に遭ったようだが、 男にとっては婚約破棄は決...
『イ・サン』再考(3)即位の経緯1.第21代王・英祖の決断~サンの即位問題李祘(イ・サン:後の正祖・チョンジョ)の祖父・英祖が81歳の時(1775年11月30日)、高官たちを集めて言いました。気力が失せてきて政務が難しくなったからです。# 英祖(ヨンジョ)は<朝鮮王朝>第21代王。 ドラマ『トンイ』にあるように、淑嬪・崔氏(トンイのこと)の息子・ヨニングンです。「兵曹判書(ピョンジョバンソ:軍務の役...
(イ・サンが建設した“華城”の建設資料:国立故宮博物館で2015.04撮影)「王の涙~(原題:『逆鱗』)」(4)この世のためにお風呂からあがって久々にサンに会いに行こうと…。サンに向かって、「母親の恵慶宮が“毒”を盛ろうとした」「…」「しかも、10歳の女の子に指示した。 どう処分しましょうか?」「ご随意に…」貞純大妃(チョンスンテビ)は、恵慶宮(へギョングン)の処罰を考えているところなので、直接会って話をしてお...
(イ・サンが建設した京畿道水原の“華城”:2015.04撮影)映画『王の涙~逆鱗』(3)刺客たちhttps://www.youtube.com/watch?v=2mUfBSYsar0&list=RD45UAworljWk&index=4(Youtubeより)ウルスを待つ老論派ウォレの養父カプスは養父殺害の際に、足元に血痕を残していました。それを発見した内禁衛将に尋問を受けました拷問に耐えつつカプスは、「王に合わせてくれ」と。サンの前に引き出されたカプスサンはカプスとの過去のことを思...
ドラマ『逆賊』では、ホン・ギルドンの父親・アモゲが中国の皇室が好んだという“黒細麻布(フクセマポ)”に目を付けて生産・輸出のビジネスを展開しました。# 美しい黒い麻布でした。こちらは映画『逆鱗』でのイ・サンの衣装。(製作2013年、日本公開2014年)実際に映画でヒョンビンが来ていた王衣(夏服)です。素材は黒い麻。(2014年の日比谷の映画館にて)# さて、ドラマ『イ・サン』ではサンが奴婢制度の廃止とと...
(イ・サンが建設した京畿道水原の“華城の南の門”:八達門・2015年撮影)# ドラマ『イ・サン』で描かれていた第21代王・英祖は、晩年になっては老論派(守旧派)との対立を避けて政治の安定のみを図っていたことが脚本(セリフ)からも読み取れました。また、認知症の初期でもあったのでしょうか少々短気でもあり、感情の起伏もあり、老論派+貞純(チョンスン)大妃の策略にも気づかなかった点が強調されているようです。そんな...
『イ・サン』再考(2)~サンの仲間たち(テーマソング)https://www.bing.com/videos/riverview/relatedvideo?&q=youtube+%e3%82%a4+%e3%82%b5%e3%83%b3+ost&&mid=81EE4A1CB6CEBA91D48E81EE4A1CB6CEBA91D48E&&FORM=VRDGAR1.孝懿(ヒョンイ)王后・金氏(ドラマでの王妃役はパク・ウネ)王妃は9歳(1762年)でサンと結婚しました。その後はサンだけでなく義母にあたる恵慶宮(ヘギョングン)・洪氏(ホンシ)にも精一杯仕えて...
『イ・サン』再考(1)~悪女列伝の最悪女帝1.貞純(チョンスン)王后 彼女は極めつけの“歴史的なワル”と言えましょう。まずは時代背景。儒教の教義を巡る論戦は表面上のことで、病巣だと言われ続けていた王朝内の官僚や両班たち。彼らの私利私欲が根底にあり、勢力・派閥争いの渦を巻き起こしていました。そんな王宮では南人(ナイン)派や小論(ソロン)派を退けて老論(ノロン)派が各部署を牛耳っており、中でも外戚・金家...
これまで冊封国になる前の韓半島(ハンバンド)の歴史を、<古代韓半島>として振り返りました。今回アップして来た『王は愛する』の時代背景が、大陸と半島の歴史的関係のちょうど分岐点だったと思います。(冊封制度は、大陸が明の時代に完成したとされ、日本の室町時代にも明に朝貢したとの記録があります)元からの安全保障を得るべく、高麗第24代王が世子をいわば“人質”として元に預け、その世子(後の第25代・忠烈王)が...
大陸の元と高麗王朝1.王氏高麗ソン・ジナ作家は高麗末期を描いた『信義(シンイ)』で、当時の高麗最大の貴族・“奇(キ)”一族の家長キ・チョル(実在)を登場させました。妹は「元」の皇后となった『奇皇后』です。『王は愛する』では、ワン一族とウン一族を登場させています。いずれも貴族ではあるものの、史実としてはワン一族が王家の外戚です。リンの父親の妹が第25代・忠烈王の最初の妻(実在)です。ただし、父親(ワン...
王は愛する 第40・最終話 王は愛した…一度人生を体験して、もう一度人生をやり直してみたい。そうすれば二度目はもっと良い人生で、反省することは少ないかもしれない。(ウォン)# 以下は3人と師匠で作り上げたストーリーだと思います。イ・スンヒュ師匠のナレーション…元からの使節団は重要な情報を得ました。それはワン・ジョンからでした。…「私が反元勢力の主導者のことを知っています」と、ワン・ジョンはその勢力のこと...
王は愛する 第40話(上) 1297年の夏タンとサンサンがすっかり元気になって挨拶に来たので大喜びのタン「大丈夫なのですか?」「ええ、元気です。 ちょっとだけ、胃が痛みますけどね」「良かった!」「胃が悪くてもですか?」「良かった…」「ピヨンによく似て泣き上戸ですね」「そうなんです。 いつもオラボニに笑われていました」ハンカチを渡すチン・グァンでした。サンはこっそりと料理のコツを教えて欲しいとタンに…。家を...
王は愛する 第39話(下) 王は愛した~元からの調査団ウォンが宮殿に戻ると、元からの使節・調査団が到着していました。回復した王が玉座に座っています。「いったい秘書官は何をしているのか?」「使節団の面々にはたくさんの説明が必要でしたから…」「何を知りたいのでしょうかな?」調査を行った使節団が見せたものは小動物の死骸「元成殿の礎石から発見されました」「呪詛だと?!」「ワンビ媽媽は呪詛により亡くなったとい...
王は愛する 第39話(中) 陰謀の果てに(昨日のシーンのつづき)「私を裏切る気なのか? お前を救ったのは私だぞ。 衣食住を与えて、育てて来た」「一度も裏切ったことはありません。 命令に従い、たくさんの人を殺して来ました」 「これからもそうだ」「あなたは高麗のためだと言った。 しかし…」「あの女を殺せと言ったからなのか?」「ナウリこそ、元の国に高麗を歯向かわせようとしています。 国賊です」「ムソク!...
王は愛する 第39話(上) 解毒剤と玉璽~ムソクの良心今は人がいないウン判府事の元の屋敷駆けつけたウォンとリン。まず、リンは縛られたピヨンを見つけます。「助けて下さい!」「何があったのか?」「世子嬪媽媽とサンアガシが…」「どこなのか?」「もとのアガシの部屋の中です」「!」「これを!」「?!」「彼がくれた解毒剤です」「解毒剤?」「ええ、陽が沈む前までに飲む解毒剤です。 日没と共に死ぬと聞きました」# ム...
王は愛する 第1話(下) 娘・サンへの伝言ゴロツキたちのアジト「お前たちよりも役に立つ連中がいるそうだぞ!」「ところでどうしてこんなに武器が必要なのか?」「ウン・ヨンベク商団の荷物を奪う計画だからだ」「ウン・ヨンベクだと? 奴らの私兵は官軍よりも強いと聞いているぞ。 3日に一度は軍事訓練をしているぞ。 正気なのか?」「俺たちも刺客を集めている。 絹の一反もあれば一年分の稼ぎになるのにな~」「奴らは...
高麗(コリョ)の建国は918年。それから1392年(朝鮮王朝建国)までの474年は、後の朝鮮王朝(518年間)と同様に長い歴史です。ドラマ『王は愛する』は、高麗中期の歴史の転換点を舞台背景としています。脚本はソン・ジナ作家。(同名の小説をソン・ジナ作家が脚本にしたもの)また、ドラマ『信義(シンウィ)』も同じくソン・ジナ作家の脚本・小説で、舞台は14世紀末の衰退する頃の高麗でした。『信義』は第31代...
新羅の首都・慶州の仏国寺(プルグクサ)ドラマ『善徳女王(ソンドクヨワン)』と新羅(シルラ)の興亡大帝国だった高句麗が、唐と新羅の連合により足元をすくわれ、北に追いやられて渤海へと転じました。三国時代が終わった7世紀末のことでした。その唐と新羅の同盟関係ができる少し前のこと。新羅初の女王・『善徳女王』が第27代王として即位しています。ドラマはほとんどがフィクションなのですが、当時の時代背景としては、...
歴史を駆け抜けた八咫烏(やたがらす)ドラマ『朱豪』では、初めて国家のシンボルマークに三本足の八咫烏(やたがらす)がデザインされました。新羅と唐の連合軍に滅ぼされても高句麗のヤタガラスは歴史を駆け抜けます。1.南北の二国の時代へ668年、第28代の宝臓(ポジャン)王が新羅と唐との連合軍に屈服し、高句麗が滅びます。そこで新羅は、滅ぼした百済と高句麗の民や軍を吸収して、半島での覇権を我が物にしました。さ...
関西に渡来した豪族1.広隆寺と秦氏半島から4世紀から5世紀にかけて渡来した有力な豪族に、漢(あや)氏と秦(はた)氏の一族がいました。それぞれが奈良と京都に一大勢力を築き、とくに京都の秦氏は養蚕・機織り、農業灌漑の技術を伝播し太秦から嵯峨野にかけての農業用地開発と産業を発展させました。京都・右京区太秦(うずまさ)の広隆寺は、603年に秦河勝(はたのかわかつ)が聖徳太子から賜った仏像を本尊として建立し...
半島の三国時代ドラマ『朱蒙』のラストの解説ではソソノの次男が百済の建国者ではないかとの余韻を残しました。また、『太王四神記』では高句麗の版図拡大が描かれました。以下は高句麗、百済、新羅の三国時代の話です。1.三国時代後の第19代王・広開土(クァンゲト)大王(テワン)こと、タムドクが16歳で高句麗王となったのが391年でした。 広開土王の高句麗(コクリョ:고구려)が版図を拡大して次の歴史地図のような...