(イ・サンが建設した“華城”の建設資料:国立故宮博物館で2015.04撮影)「王の涙~(原題:『逆鱗』)」(4)この世のためにお風呂からあがって久々にサンに会いに行こうと…。サンに向かって、「母親の恵慶宮が“毒”を盛ろうとした」「…」「しかも、10歳の女の子に指示した。 どう処分しましょうか?」「ご随意に…」貞純大妃(チョンスンテビ)は、恵慶宮(へギョングン)の処罰を考えているところなので、直接会って話をしてお...
大君 第14話(3) ゲットバック(get back)~再起「あと一日待つことになります。 船が来たらお連れします。 堂上の官職を得たので、都ではお役に立てると思います」「とても感謝しています。 しかし堂上での議員たちの世界は窮屈なので、大変だと思う」「過去の父親のことを思えば、これも運命です。 都ではどこに住むのですか?」「住職の許可をえて山寺で身を低くして過ごすことになる」大王大妃の前で「あの女はチョナ...
大君 第14話(2) アガシは凄い人ですねルシゲに尋ねるギドゥク「しかし、なぜアガシと一緒に戻らなかったのか? なぜここに残ったのか?」「信じられなかったからだ」「何を?」「フィが死ぬなんて…」「遺体を見たじゃないか」「顔が分からないくらいだった」「物分かりが早いんだな」「フィが死んでも、誰も周りにいなかったから不思議だった。 パク・ギドゥクが守って先に死ぬのが普通だ。 あんたが死んでいないなら、フ...
大君 第14話(1) フィ…、本物なのか?寝所「あなたをこの手で殺すためです!」「扉を開けなさい!」「なりません!」「!」チンヤンはナギョムに、「殺せ…」「!」「私を殺せ」「…」「私がウンソンを殺したと思っているのか? ウンソンは無理に逃亡しようとして殺されたのだ」「最初から、人を罪の罠に陥れたのは誰ですか!? 罪もない人を流刑にしたのは誰ですか?!」「ホン尚宮はいるのか?!」「…」「監禁しろ!」ナギョ...
大君 第13話(4) 絶望の果てに~「あなたをこの手で殺すためです」「今夜はどこでお休みになりますか?」との尚宮の質問に、「ソン家の娘を連れて来てくれ」「チョナ、今夜は王位に就いてからの最初の夜です」「ソン家の娘を側室にしたいと思ったとしても、 オマ媽媽が許すだろうか? 妻も従うだろうか?」「なりません、チョナ」「尚宮は彼女に言い訳を許すな。 王妃が正式に中宮になる前に行動したい。 まずは一緒に寝て...
大君 第13話(3) 独裁者チョ・ヨギョンの妓房妓房で舞うチンヤン「本当に弟を失くした兄の姿なのですか? あんな姿で…」「あの人は幸せな時に喜び、悲しい時に泣くなどできないのよ。 どうしたら良いのか分からない人なのよ。 身体で悲しみを現しているのよ」ヤンアン君と大王大妃の弟「大妃の悲しみを一番分かっているのは大監ですよね。 ウンソンが死んで、大妃は大王大妃のところに通ってばかりです。 流れは自然と王...
大君 第13話(2) これはフィではない喬桐島(교동도:キョドンド)(遺体を運ぶ荷車)ジャヒョンとルシゲがスルーしようとしますが、都守に呼び止められます。「ちょっと待て!」オ・ウルウォンはすぐに気づきます。「アガシ…」「…」「これは見ないで下さい」「大君はどこなのですか? 大君がここに流刑になったと聞いています。 無事なのか顔を見たいのです」「いったい誰か?! 罪人の顔を見たいとは誰だ?」(都守のト・...
『大君』 背徳のクーデター(上)~ダイナミックな発想の脚本もっと長生きして、“庶民のために活躍して欲しかった…”と思う王のナンバーワンは第22代王・正祖(チョンジョ:イ・サン)です。サンの死後、彼よりも7歳年下の貞純(チョンスン)王后・金氏(第21代王・英祖の2番目の正室)が摂政政治を操り、暗黒の時代に転落したからです。同じように、第5代王・文宗については、世宗の考えと期待に見合った王であったので、...
大君 第13話(1) 自由への脱出ソン家の屋敷の周囲をチンヤンが配備した私兵が固めているので、ジャヒョンとルシゲは抜け出すために、クッタンに身代わりを依頼(ジャヒョンのいつもの手です)麻浦の船着場「江華島(カンファド #)に二人です」「5両以上だが…」ジャヒョンは巾着から装飾品をだして乗船。他方、ジャヒョンの時間稼ぎのために“観音堂へお参り”に行ったクッタンは居眠り「108回お参りしたとしてもこれほど時...
大君 第12話(4) 真相を知る人々チンヤンが改築した屋敷ジャヒョンが短刀を握り締めて出ると、ナギョムが来ました。「ここで妾のように暮らすつもりなの? まさか動物のように生きるつもりなの?」「ウンソン大君が生きるためなら、野獣以下のことにも耐えられるわ。 誰が動物以下なのか考えて欲しいわ。 チンヤン大君は弟の人生を脅かし、弟の恋人までを欲しがっているわ。 あんたは、自分の権力欲のために友達の家族まで...
大君 第12話(3) 執着心「この機会にウンソンを消さなかったのは間違いだ」「家族なので、弱気を出したのですか?」「喬桐島(교동도:キョドンド)の都守は謀反で処刑されたト・ヨンスの息子だ。 つまり、父親の敵が自分の手元に入ったということだ。 ここに意味があると思わないか?」「!」「直接手を下さなくとも、我々の指示で動くはずだ」フィが島から逃亡するように仕向けて、殺そうとの計画でした。島に着いたフィと...
大君 第12話(2) 流刑「媽媽、領事の娘が面会の許しを求めています」「…」「お会いになりますか?」「自分たちが生き延びるために、 私の息子を死に追い詰めている一家です。 二度と会いたくはありません」「大妃媽媽は、今は気分がすぐれないようです。 今日は無理のようです」「待ちます。 たとえ夜になってここで待ちます。 大妃媽媽に会わいといけないのです」「ウンソン大君のことならば、 チンヤン大君に会わない...
大君 第12話(1) 希望を持とう「では何をくれるのか?」と言われたジャヒョンでした。「取引には対価が必要だ」「…」「そなたが受け入れるなら、私のことも見直してくれ」その場にナギョムも現れます「大監!」「…」「彼女を送ってくれ。もう暗くなった」「…」「どうも懇願するには、間違った人だったようだわね」「…」「あなたの夫になる人を殺すのは大監ではないわ」「…」「ウンソン大君の罪を明らかにしたのは、 大監では...
大君 第11話(4) 所有欲歩いて帰るジャヒョン屋敷の前までチンヤンの配下が同行した後はルシゲ「大君媽媽はどこにいるの?」「宮中には入れない。東宮殿には誰もいない。 フィはどこに行ったのか?」「…」ソン・オク大監(領事)「死んだ方がましだったわ。 私たちを生かすためだとはいえ、なぜあんなことをしたのですか?」「…」「ジャヒョンのことをどうするのですか?」「今はジャヒョンには何も言うな。 父親がウンソン...
大君 第11話(3) 脅迫されたソン・オクの遺書チンヤン大君はナギョムには席を外させます。「…」「帰ります」「ちょっといてくれ。その花嫁衣裳は似あうな」「媽媽はどうなったのですか? どこにいるのですか?無事ですか?」「弟は宮中にいる」「なぜここに連れて来たのですか? 家に帰して下さい」「父君が私の味方に付けば、身は安全だ」「家族が心配していますから、帰ります」「いまの立場が解っているのか? この結婚...
大君 第11話(2) 逆賊とは…納屋に監禁されたジャヒョンナギョムが入って来て、「着替えなさい。 その婚礼衣装では悲しくなるでしょうからね」「私に結婚をさせようとしたのは、このためなの?」「これが?」「ええ、あなたの眼にこの場面を焼きつけてみたかったからでしょうね」「謀反を起こしたのは私たちではないわ。 あなたの夫になるウンソン大君だわ」「大君はそんなことはしないわ。 この国への忠誠やチョナへの気持...
(長崎・新地中華街では春節のランタン祭りで賑わっています)大君 第11話(1) 背徳のクーデターチンヤン大君が作ったシナリオ通りに事が進みました。手先として殺傷事件を起こした傭兵には、「ウンソン大君の命令」だと言わせました。周囲にいたソン一家はどう思ったでしょうか?ソン家の庭で、「何を狙っていたのか?」「キム・チュ左議政を殺したら、 ウンソン大君が王子に代わって即位するとのことでした」「聞きましたよ...
史実に残る『大君』登場人物たちの性格1.まずは、イ・ジェ(ヤンアン大君)3代王・太宗の長男:讓寧(ヤンニョン)大君(1394~1462)をモチーフにしています。しかし、ドラマにあるような自由な行動は不可能だったはずです。『大君』達の伯父も大君であり、世子でもありました。ただし、太宗(李芳遠:イ・バンウォン)の期待に応えることができるような元子(ウォンジャ:王の長男)ではありませんでした。「自由奔放」で“世...
大君 第10話(4) 癸酉靖難(ケユジョンナン)「ようやく娘の結婚だわね。 私はこれからの人生も娘と一緒だと覚悟していたのに…」「たびたび帰って来るわ」「でしょうかね?」「へへへ…。 王室に嫁入りするから得になることもありわ」「たくさんではないはずだから、しっかりと目を開いてなさい」「シオモニ(大妃のこと)とは一緒に住まないから、 いつだって自由に行き来できるわ」「変なことを起こすと宮中に閉じ込められ...
大君 第10話(3) 暗殺者たち「私がフィを救った。でなければ、フィは死んだ」というルシゲです。女真族の強制労働キャンプからの脱出の模様を話します。ルシゲに救われて体力を回復したフィは武術を磨きます。「…」決行の夜♬ 信じて 信じて 一緒に過ごせることを信じて生きて 生きて この暗い世の中を…フィとルシゲで牢屋を破り、奴隷になっていた農民たちを開放農民を率いるのはギドゥク「決して忘れません。 どうか1...
大君 第10話(2) 謀反の準備これまでジャヒョンとウンソン大君の結婚に反対していたナギョムが大王大妃に頼んで婚儀の日程を決めて来たので、ジャヒョンは疑います。(クッタンも同じく疑いの眼)しかも、ジャヒョンが贈ったノリゲ(胸の留め紐の下の飾り)までをあえて付けて来ました。「どういう気なの?」「なぜそんなことを言うの? 苦労して日取りまで決めたのに?」「あなたは、私を他の人と結婚させようとしていたのに...
大君 第10話(1) 1452年5月:第6代王・端宗の即位大妃と、まだ幼いものの王子に対する忠誠を誓って欲しいと、フィはチンヤンに切望します。さらに、領地を献上するという、「フリガイ一族に渡した(チンヤンの)手紙を持っている」と。そして、「好きなように生きるのも良いが、 俺がその証拠の手紙を持っていることを忘れるな」憤るチンヤンは帰るフィに矢を向けます。「大監!いけません!」「大監!」「!」「いった...
大君 第9話(4) 信じて待った3年間「どこも怪我はないの?痛むところも…?」「大丈夫だ」「いったいどうしていたの? どこでどんな辛い思いをしたの?」「大切なことは、こうして戻って来たことだ」「約束して欲しいわ。 もう、二度と私を一人にして欲しくない」「んん」「あ~、帰って来たばかりなのに、お兄様のチョナを失くして…」「いいや、俺が帰ってきたから安らかに目を閉じたんだ。 君と同じ様に、チョナも耐えるた...
大君 第9話(3) 私だわ、ジャヒョンよ帰還したフィ「今、帰って来たばかりです、ヒョンニム」「…」「私は死なずに、生きています」正殿の屋根では内侍が王衣をなびかせて、「どうぞお戻りください、チョ~ナ~!」その頃、ジャヒョンはテンギ(#)を切っていました。「…」# 未婚の女性の長い編んだ髪型をテンギモリと言います。テンギは髪の先に付けるリボンのこと。そして、出家しようとするジャヒョンしかし兄に見つかり、「...
大君 第9話(2) 顧命(コミョン)~王の遺言ナギョムはお付きに命じます「ソン家に伝えなさい。 “ジャヒョンの婚儀までは監視します”と」「…」「ジャヒョンは従軍までもいとわない女です。 何をしでかすのかわかりません。 生きようが死のうが構いませんが、 とにかく婚儀までは監視して勝手な動きはさせないように」こちらは宮殿に帰る準備(ギドゥクは、イ・ガンに情報を伝えに来た女官から、チマチョゴリを奪ったようで...
『大君-愛を描く(대군 – 사랑을 그리다)』<3年後 現在:1452年>(第1話のシーン+αに戻ります)大君 第9話(1) 石より硬いジャヒョンの意志ソン家「むしろ死ねと言って下さい。 他の男性とは結婚する気になれません」「じゃあ、死になさい。 そしてマンブソク(#)になればいいわ」# 夫の帰りを祈りながら、石になってしまったという民話「年をとってしまうと、せいぜい後妻に入ることしかできない。 分かってい...
大君 第8話(4) ポゴシプタ~「あの人に会いたいわ」防寒服を見て嗚咽するジャヒョンフィも牢屋の中でジャヒョンのテンギを見つめて、涙していました。強制労働では、仲間を助けようとしてムチ打たれるフィ「もうこれ以上は耐えられません。 ここを脱出して下さい」(グァン)「そんなことは言うな。俺たちは一緒だ」「チンヤン大君がすでに取引をしたのです」「どういうことですか?」(ギドゥク)「チンヤン大君を王位に就け...
大君 第8話(3) ジェラシーと復讐妓房「なぜ黙って放っておくのですか? 大君媽媽に告げるべきです」「大君に話したとしても、何が変わると言うの?」「自分の女が棒で殴られても、何もしないというのですか? それでも男でしょうか?」「その男の女房が殴ったのよ。 自分の妻を妓房に売り飛ばすとでも思っているの? 捕盗庁(警察)に訴えたとしても、 王族の者と妓生との関係を扱ってくれる訳はないわ」「…」「大君が自...
大君 第8話(2) 情報操作~嘘の情報チョ・ヨギョン「なぜここに呼ばれたのか分かりません」「私は妓生とは仲良しにはなれないが、 大君がお世話になっているから無視はできません。 お礼にこれを差し上げます」「…」「大君の食事や仲間たちのお世話もお願いします」金品は受け取らないヨギョン「私のことは無視して下さい」「銀貨です。受け取って下さい」「私のご主人は大君なのです。 奥さまではありませんので、お気遣い...
大君 第8話(1) 密約~領土の割譲フィが交渉中にもかかわらず、ヤンアンの軍が女真の村に侵入するので、「我々が裏切ったと思われています!」3人とも逃げ出しますギドゥクに足を掛けて転ばしますが、救うのはルシゲルシゲは女真族が着る服の保管小屋に案内。「急いで!」「防寒着を忘れた」「ジャヒョンお嬢様から贈られた服ですね?」「しかし、取りに戻る時間はありません」フィが飛び出しますが、すぐに女真族に見つかりま...
「ブログリーダー」を活用して、ユーモンさんをフォローしませんか?
(イ・サンが建設した“華城”の建設資料:国立故宮博物館で2015.04撮影)「王の涙~(原題:『逆鱗』)」(4)この世のためにお風呂からあがって久々にサンに会いに行こうと…。サンに向かって、「母親の恵慶宮が“毒”を盛ろうとした」「…」「しかも、10歳の女の子に指示した。 どう処分しましょうか?」「ご随意に…」貞純大妃(チョンスンテビ)は、恵慶宮(へギョングン)の処罰を考えているところなので、直接会って話をしてお...
(イ・サンが建設した京畿道水原の“華城”:2015.04撮影)映画『王の涙~逆鱗』(3)刺客たちhttps://www.youtube.com/watch?v=2mUfBSYsar0&list=RD45UAworljWk&index=4(Youtubeより)ウルスを待つ老論派ウォレの養父カプスは養父殺害の際に、足元に血痕を残していました。それを発見した内禁衛将に尋問を受けました拷問に耐えつつカプスは、「王に合わせてくれ」と。サンの前に引き出されたカプスサンはカプスとの過去のことを思...
ドラマ『逆賊』では、ホン・ギルドンの父親・アモゲが中国の皇室が好んだという“黒細麻布(フクセマポ)”に目を付けて生産・輸出のビジネスを展開しました。# 美しい黒い麻布でした。こちらは映画『逆鱗』でのイ・サンの衣装。(製作2013年、日本公開2014年)実際に映画でヒョンビンが来ていた王衣(夏服)です。素材は黒い麻。(2014年の日比谷の映画館にて)# さて、ドラマ『イ・サン』ではサンが奴婢制度の廃止とと...
(イ・サンが建設した京畿道水原の“華城の南の門”:八達門・2015年撮影)# ドラマ『イ・サン』で描かれていた第21代王・英祖は、晩年になっては老論派(守旧派)との対立を避けて政治の安定のみを図っていたことが脚本(セリフ)からも読み取れました。また、認知症の初期でもあったのでしょうか少々短気でもあり、感情の起伏もあり、老論派+貞純(チョンスン)大妃の策略にも気づかなかった点が強調されているようです。そんな...
『イ・サン』再考(2)~サンの仲間たち(テーマソング)https://www.bing.com/videos/riverview/relatedvideo?&q=youtube+%e3%82%a4+%e3%82%b5%e3%83%b3+ost&&mid=81EE4A1CB6CEBA91D48E81EE4A1CB6CEBA91D48E&&FORM=VRDGAR1.孝懿(ヒョンイ)王后・金氏(ドラマでの王妃役はパク・ウネ)王妃は9歳(1762年)でサンと結婚しました。その後はサンだけでなく義母にあたる恵慶宮(ヘギョングン)・洪氏(ホンシ)にも精一杯仕えて...
『イ・サン』再考(1)~悪女列伝の最悪女帝1.貞純(チョンスン)王后 彼女は極めつけの“歴史的なワル”と言えましょう。まずは時代背景。儒教の教義を巡る論戦は表面上のことで、病巣だと言われ続けていた王朝内の官僚や両班たち。彼らの私利私欲が根底にあり、勢力・派閥争いの渦を巻き起こしていました。そんな王宮では南人(ナイン)派や小論(ソロン)派を退けて老論(ノロン)派が各部署を牛耳っており、中でも外戚・金家...
これまで冊封国になる前の韓半島(ハンバンド)の歴史を、<古代韓半島>として振り返りました。今回アップして来た『王は愛する』の時代背景が、大陸と半島の歴史的関係のちょうど分岐点だったと思います。(冊封制度は、大陸が明の時代に完成したとされ、日本の室町時代にも明に朝貢したとの記録があります)元からの安全保障を得るべく、高麗第24代王が世子をいわば“人質”として元に預け、その世子(後の第25代・忠烈王)が...
大陸の元と高麗王朝1.王氏高麗ソン・ジナ作家は高麗末期を描いた『信義(シンイ)』で、当時の高麗最大の貴族・“奇(キ)”一族の家長キ・チョル(実在)を登場させました。妹は「元」の皇后となった『奇皇后』です。『王は愛する』では、ワン一族とウン一族を登場させています。いずれも貴族ではあるものの、史実としてはワン一族が王家の外戚です。リンの父親の妹が第25代・忠烈王の最初の妻(実在)です。ただし、父親(ワン...
王は愛する 第40・最終話 王は愛した…一度人生を体験して、もう一度人生をやり直してみたい。そうすれば二度目はもっと良い人生で、反省することは少ないかもしれない。(ウォン)# 以下は3人と師匠で作り上げたストーリーだと思います。イ・スンヒュ師匠のナレーション…元からの使節団は重要な情報を得ました。それはワン・ジョンからでした。…「私が反元勢力の主導者のことを知っています」と、ワン・ジョンはその勢力のこと...
王は愛する 第40話(上) 1297年の夏タンとサンサンがすっかり元気になって挨拶に来たので大喜びのタン「大丈夫なのですか?」「ええ、元気です。 ちょっとだけ、胃が痛みますけどね」「良かった!」「胃が悪くてもですか?」「良かった…」「ピヨンによく似て泣き上戸ですね」「そうなんです。 いつもオラボニに笑われていました」ハンカチを渡すチン・グァンでした。サンはこっそりと料理のコツを教えて欲しいとタンに…。家を...
王は愛する 第39話(下) 王は愛した~元からの調査団ウォンが宮殿に戻ると、元からの使節・調査団が到着していました。回復した王が玉座に座っています。「いったい秘書官は何をしているのか?」「使節団の面々にはたくさんの説明が必要でしたから…」「何を知りたいのでしょうかな?」調査を行った使節団が見せたものは小動物の死骸「元成殿の礎石から発見されました」「呪詛だと?!」「ワンビ媽媽は呪詛により亡くなったとい...
王は愛する 第39話(中) 陰謀の果てに(昨日のシーンのつづき)「私を裏切る気なのか? お前を救ったのは私だぞ。 衣食住を与えて、育てて来た」「一度も裏切ったことはありません。 命令に従い、たくさんの人を殺して来ました」 「これからもそうだ」「あなたは高麗のためだと言った。 しかし…」「あの女を殺せと言ったからなのか?」「ナウリこそ、元の国に高麗を歯向かわせようとしています。 国賊です」「ムソク!...
王は愛する 第39話(上) 解毒剤と玉璽~ムソクの良心今は人がいないウン判府事の元の屋敷駆けつけたウォンとリン。まず、リンは縛られたピヨンを見つけます。「助けて下さい!」「何があったのか?」「世子嬪媽媽とサンアガシが…」「どこなのか?」「もとのアガシの部屋の中です」「!」「これを!」「?!」「彼がくれた解毒剤です」「解毒剤?」「ええ、陽が沈む前までに飲む解毒剤です。 日没と共に死ぬと聞きました」# ム...
王は愛する 第1話(下) 娘・サンへの伝言ゴロツキたちのアジト「お前たちよりも役に立つ連中がいるそうだぞ!」「ところでどうしてこんなに武器が必要なのか?」「ウン・ヨンベク商団の荷物を奪う計画だからだ」「ウン・ヨンベクだと? 奴らの私兵は官軍よりも強いと聞いているぞ。 3日に一度は軍事訓練をしているぞ。 正気なのか?」「俺たちも刺客を集めている。 絹の一反もあれば一年分の稼ぎになるのにな~」「奴らは...
高麗(コリョ)の建国は918年。それから1392年(朝鮮王朝建国)までの474年は、後の朝鮮王朝(518年間)と同様に長い歴史です。ドラマ『王は愛する』は、高麗中期の歴史の転換点を舞台背景としています。脚本はソン・ジナ作家。(同名の小説をソン・ジナ作家が脚本にしたもの)また、ドラマ『信義(シンウィ)』も同じくソン・ジナ作家の脚本・小説で、舞台は14世紀末の衰退する頃の高麗でした。『信義』は第31代...
新羅の首都・慶州の仏国寺(プルグクサ)ドラマ『善徳女王(ソンドクヨワン)』と新羅(シルラ)の興亡大帝国だった高句麗が、唐と新羅の連合により足元をすくわれ、北に追いやられて渤海へと転じました。三国時代が終わった7世紀末のことでした。その唐と新羅の同盟関係ができる少し前のこと。新羅初の女王・『善徳女王』が第27代王として即位しています。ドラマはほとんどがフィクションなのですが、当時の時代背景としては、...
歴史を駆け抜けた八咫烏(やたがらす)ドラマ『朱豪』では、初めて国家のシンボルマークに三本足の八咫烏(やたがらす)がデザインされました。新羅と唐の連合軍に滅ぼされても高句麗のヤタガラスは歴史を駆け抜けます。1.南北の二国の時代へ668年、第28代の宝臓(ポジャン)王が新羅と唐との連合軍に屈服し、高句麗が滅びます。そこで新羅は、滅ぼした百済と高句麗の民や軍を吸収して、半島での覇権を我が物にしました。さ...
関西に渡来した豪族1.広隆寺と秦氏半島から4世紀から5世紀にかけて渡来した有力な豪族に、漢(あや)氏と秦(はた)氏の一族がいました。それぞれが奈良と京都に一大勢力を築き、とくに京都の秦氏は養蚕・機織り、農業灌漑の技術を伝播し太秦から嵯峨野にかけての農業用地開発と産業を発展させました。京都・右京区太秦(うずまさ)の広隆寺は、603年に秦河勝(はたのかわかつ)が聖徳太子から賜った仏像を本尊として建立し...
半島の三国時代ドラマ『朱蒙』のラストの解説ではソソノの次男が百済の建国者ではないかとの余韻を残しました。また、『太王四神記』では高句麗の版図拡大が描かれました。以下は高句麗、百済、新羅の三国時代の話です。1.三国時代後の第19代王・広開土(クァンゲト)大王(テワン)こと、タムドクが16歳で高句麗王となったのが391年でした。 広開土王の高句麗(コクリョ:고구려)が版図を拡大して次の歴史地図のような...
百済から来た王子~および聖徳太子のころ高句麗の王族・若光とその子孫が関東に根を下ろしたように、百済の王族・豪族の一部も日本に渡り、関西(大阪)に根を下ろしました。遡って、新羅と唐の連合軍により高句麗が滅びた話は前回でした(668年のこと)。それよりも少し前の660年に、同連合軍により百済が先に滅びています。しかし、残党によるゲリラ戦は各地で行われていました。1.百済のラストプリンス百済最後の王は義...
六龍が飛ぶ第4話(中)烏鵲橋(オジャッキョ)「あんたが彦星になってくれないなら、 私は織姫にはならないわ」…。ヨニから告白されたタンセでした。ここはヤングァン道イス郡の村ヨニは村の人気者の織姫でした。約束どおりにヨニの家に毎日を水汲みをして届けるタンセ。他方、何かと近寄ってくる若者たちも大勢でした。(“彦星”の服を縫うヨニと若者たちを睨みつけるプニ)開京の都堂(高麗の議会)「たかがモンゴル語の通訳の...
六龍が飛ぶ第4話(上)彦星と織姫バンウォンは「正義とは悪を排除することです!」とホン・インバンに言いました。そのことからインバンは「もしやあの子がイ兄弟を…?」と疑います。「こんな遅くにご用ですか?」「まさかあの夜のことは…?」「あの夜、 ホ・ガンの服の紐を残したの師匠でしょうか?」「それでも師匠と呼ぶのか?」「善と悪を教えていただいたからです。 あの夜、師匠は悪い事を行い、 私は正義を果たしました...
六龍が飛ぶ第3話(下)正義とはイ・インギョムとキル・テミ「ペク・ユンとケンカするつもりなのか?!」「ホ・ジョの息子の味方をしているからです! 私の息子が罰を受けそうなのに、 何もできないではないですか?!」都堂3人衆に今回の成均館の事件で亀裂「何とか助けてください」というキル・テミに、インギョムは、「いい加減にしろ! 今度私を煩わせたらお前とて殺すぞ!」怒り狂ったキル・テミが帰宅するとホン・インバ...
六龍が飛ぶ 第3話(中) 禁じられた思想ヨンボンサ(龍鳳寺)「人間性と正義が大切にもかかわらず、 なぜ王は利益だけを主張するのでしょうか? そうなれば、学者も民も利益だけを追求します。 そして身分の上下間でも争いは絶えません。 そして、 私利私欲に走って逆に国を危うくします」「素晴らしい…」「…」「お前はいつの間にか発音も開京の人になってしまったな」「しかし、 国はどうやって豊かにできるのでしょうか?...
六龍飛天第3話(上)成均館で学ぶ民心を動かしたチョン・ドジョンでしたが、逮捕されて尋問にかけられます。「一人では何もできないはずだ。 お前の背後には誰がいるのか?」キル・テミは焼き鏝のような野蛮な拷問はチェ・ヨン将軍がやる手だと、濡れた布で呼吸を止める拷問を行います。イ・ソンゲとバンウォン、それにバンウ(長男)「ハンジュには帰らないとは、なぜだ?」「俺と一緒に開京に住みたいのか?」「成均館で学びた...
イノライフ・エンタメ・ニュースより『六龍が飛ぶ』でキム・ミョンミンの鳥肌の立つ名演技で彼だけの鄭道伝(チョン・ドジョン)を完成させた。SBSの月火ドラマ『六龍が飛ぶ』第2話では、李成桂(イ・ソンゲ、チョン・ホジン)は李仁謙(イ・インギョム、チェ・ジョンウォン)に弱みを握られて咸州(ハムジュ)に帰ることにした。このことを伝え聞いた士大夫は驚き慌てた。チョン・モンジュ(キム・ウィソン)は李成桂に会うと言い、他の士大...
チェ・ヨン将軍 『信義(シンイ)』より(photo cap. by nana)六龍が飛ぶ第2話(中)元の使節団ちょっと分かり辛い話の流れなので、推論を含めてまとめておきます。貴族3人組…イ・インギョムたちは、滅び行く「元」と台頭する「明」の国際情勢を把握していません。そして、過去からの既得権を守るために、「元」との縁を切ることはしません。さらに、イ・ソンゲには「明」との戦争準備をさせようとしていたようです。チョン・モ...
チェ・ヨン 『信義(シンイ)』より(photo by nana)六龍が飛ぶ 第2話(上) 辞退して咸州(ハムジュ)に帰る李成桂高麗武士の心情を突くイ・インギョムでした。イ・インギョムは架空の人物ですが、『信義』でのキ・チョル(実在の貴族)のような(王室を軽んじる)政界のトップだと思えば良いと思います。過去に信じる人を裏切ったこと、忠義に欠けたことを責められて、イ・ソンゲはイ・インギョムに一歩引き下がります。そし...
チェ・ヨン(『信義(シンイ』より)「秋の日のビオロン(バイオリン)のため息 ひたぶるにうら悲し」1944年6月6日の英米を中心とするノルマンディー上陸作戦(作戦コード:「ネプチューン」)に先立ってのラジオ放送でした。これに呼応してレジスタンスやパルチザンも一斉に立ち上がりました。そして、ナチスドイツによって占領されていたフランスの解放の第一歩となりました。ウクライナに愛を💙💛六龍が飛ぶ第1話(下)高...
高麗への帰国の際に空を見上げるチェ・ヨン(30歳の頃です)。ドラマ『信義(シンイ)』より(photo by nana)六龍が飛ぶ 第1話(中)子豚ちゃんの話開京町のはずれには地方からもやって来た乞食たち(# いわゆるストリートチュルドレンの孤児たち)「二手に分かれて稼ぐんだ。 ところでお前のオンマは赤ん坊を産んでから、 どこに逃げたのか?」「オンマは逃げてはいません!」「分かった、カプン。 今日は何とか食べ物をく...
# 『六龍が飛ぶ(六龍飛天)』は、高麗時代末期の1383年頃からだと推定できます。ドラマ『信義(シンイ)』は1351年の第31代・恭愍(コンミン)王の即位からスタートしましたので、あれから約30年後の話です。『信義』はタイムスリップのファンタジー+史劇でしたが、史実がしっかり押さえられていたので、コンミン王と王妃(魯国公主)やウダルチ(王室警護)のチェ・ヨン(崔瑩)将軍、また敵のキ・チョルも実在の人...
『大君』より「背徳のクーデター(2)」首陽大君の蜂起(癸酉靖難:ケユジョンナン)から、王位の奪取までのシナリオは配下の韓明澮(ハン・ミョンフェ)と権擥(クォン・ラム)などが作ったとされます。そして、王位に就くに当たっては、(ウィキペディアでは)この策士(友人同士)の他に、譲寧大君が後押し。「譲寧大君(世宗の実兄)や権擥、韓明澮らの後押し」とあります。ちなみに、権擥は官僚だったのですが、韓明澮は科挙...
<朝鮮王朝>は14世紀末から20世紀初に至る518年の長い歴史なのですが、18世紀末のアメリカ独立やフランス革命などの時代になると、海外からの影響がさざ波のようにひたひたと及んできていたと考えられます。逆に言えば、それまでの<朝鮮王朝>では絶対王政の中にあって王室内の権力争いや、王室と官僚たちの綱引きに明け暮れていたように思えます。王朝「クーデター」考(中)ドラマ『大君』より~背徳のクーデターもっ...
今の私たちは極東アジア唯一のG7国であることを誇りに思い、またアジアの朋友国と共に民主主義の輪を広げる一翼を担っていると考えています。そんな中で「武力」によって国際秩序を変えようとするロシア政府(および軍部)によりウクライナが侵攻を受けています。まるで時計の針を逆回転させるかのような時代錯誤の行為です。ウクライナに愛を💙💛さて、ドラマ『華政』に続き『御史とジョイ』を振り返りました。『華政』で描かれた...
# 今日はジョイが髪をアップにします。 さてどのように? 写真上・左はテスモリ (結婚式の王妃の髪型です) 写真上・右はトクジモリ 写真下・左はチョクチンモリ 写真下・右はオヨモリなお、離婚後のジョイの三つ編みの髪型はテンギモリです。(テンギはリボンのことで、モリとは“頭”とか“髪型”の意味です)御史とジョイ第16話(おわり)ジョイフルワールド~共同体の仲間たち漢陽の宮中では大騒ぎ「チョナ!」「御医を呼...
(漢江の下流の江華島)御史とジョイ第16話(最終:中)両班(ヤンバン)シェフからの贈り物~「脱賤」証明書「ははは、開店準備が出来たようだな」「ところで饅頭房の料理長はいつ来るのですか?」「あ~、ちょっと待ってくれ…。 呼んでくる」「俺たちの若旦那が満足できる料理長はいるのか?」しばらくして着換えたイアンが、「朝鮮王朝最高の料理長が出道!」「!」「料理長のパンドクと申します」「やい!パンドク! 腰が...
御史とジョイ第16話(最終:上)正義を貫いたイアン~そして江華島へイアンは逮捕したパク・スンを検察(義禁府)に引き渡す前に、暗行御史団と官軍と共に遠回りして断崖に連れ出しました。「まずは、 大監によって苦しめられた者たちに謝罪して貰う」イアンは刀を抜きます。「…」「愚かな奴だ。 この世の道理を知らないのか。 私に良心があったら、ここまでの権力を得られたと思うのか? 早く義禁府に連れて行け!」イアン...
(いざ光化門:景福宮へ)御史とジョイ第15話(4)特権を得たイアン~苦労の成果アポイントの時間に宮殿に向かったイアン「チョナの好物だと思います」とキナコモチを持って参上。早速手を付ける仁祖でした。しかし、「チョナの健康のためにと“トリカブト”を少量入れています」「?!」(吐き出す王)そこで“切り札”!(まずは処方箋)「これは世子チョハが健康のためにと東宮担当の医者が処方したものです。 同じ処方で私も処...
(江華島の海岸)御史とジョイ第15話(3)霊媒師ピリョンの大役が成功へテソの育ての母親からもたらせられた悲報は、共同体を守ってきたパウェがパク・スンとパク・トス親子と私兵たちに殺害されたことでした。幸いに孤児たちは共同体“トルクソン”から逃れることができました。驚きの情報はパク・テソ、チ・メンス、カン・ハンギも殺害されたことでした。イアンにとっての捜査の詰めとなる証言者たちが消されたということになり...
(両班屋敷:ジョイが見たパク・スン領議政の屋敷には多くの下働きがいました)御史とジョイ第15話(2)突然の悲報~消えたハートのエース港を目指すパク・テソ、カン・ハンギ、チ・メンス「謝ることはないさ。 俺だってチャ・マルジョンには好感を持っていなかった」(チ・メンス)「私が女だということだけで結局は無視されたけど、 テソだけはずっと見守ってくれているわ」(カン・ハンギ)「…」「テソのためには毒薬だっ...