「昔とんぼの旅日記」読者のみなさま方。ご好評いただいた「開かれた医療へ」を5回に分けて再掲載いたしました(全文を1回で掲載したかったのですが、ブログのメモリー不足でした)。前回、手違いで欠落した文章も掲載させていただきました。再掲部分の第3回から第4回に
一方、残念なことに、“強制収容制度”の根幹であった旧法の「同意入院」制度が、「医療保護入院」と名前だけを変えて実質上そのまま残された。精神病院は、過去、この制度を楯にとって患者からの退院要求を思いのままに退けてきた。だからこの制度は、百歩譲って残すとして
[4] 日本の「精神病者の再生」ライシャワー大使事件のあと、日本の精神医療の状況は悪化の一途を辿った。ところで、これに歯止めをかけ、「開かれた精神医療」に向かってその流れを変えようとする動きは日本には起こらなかったのか?その動きを中心に、現在に至るまでの
[3] 日本精神病者の受難―(逆行した政策とその結果を中心に)[1][2]の章で述べてきた欧米諸国の流れに対比すると、日本の精神医療はかなり特異な道を辿った。結論から先に言ってしまえば、日本はまことに愚かな道を歩き出してしまったのである。それは欧米が取った道
[2] 欧米諸国の「精神病者の再生」欧米で精神医療改革の口火を切ったのはイギリスである。第2次大戦下、ロンドンなどの諸都市はナチの爆撃に曝された。その時、精神病院は入院患者に「爆撃が終わったら病院に戻るように」と告げて、彼らを鍵の外へ出した。空襲が終わると、
「昔とんぼの旅日記」の稿を閉じるに当り、「精神病者の受難と再生」なる一文を最後に掲げさせて頂くことにした。“旅日記なのに精神医学?”、看板に偽りありの謗りは免れまいが、「日本の精神病者の置かれた状況」をお分かり頂きたいがための出稿である。これを了とせられた
どうして「昔トンボの旅日記」なのですか?と何人かの人に聞かれた。「昔とんぼ」は日本とヒマラヤにしか住まない「生きている化石」と言われるトンボだ。僕なんか「生きている化石」と同じようなもんだから、それで自分の旅日記に「昔トンボの旅日記という題をつけた。「昔
おわりに以上、日本と欧米の精神医療史の一端を書いた。欧米でのことを書きながら思ったことがある。「精神病者収容」と「植民地支配」は、また、「精神病者解放」と「植民地放棄」はともに時代が重っている。他国を犠牲にして己の利を貪る国は、自国の弱者をも犠牲にして省
「開かれた医療へ」(14) 日本での精神病者の受難(その6)
前述の「急性期治療病棟制度」の導入がそれだ。また、精神科診療所優遇策もそのひとつと言える。付属デイケアをもつ診療所の経済はゆとりがあり、病院の仕事特有の“しんどさ”も少ない。その故か、最近の精神科診療所の急増ぶりは驚くばかりだ。全国軒並みなのである。これ
「開かれた医療へ」(13) 日本での精神病者の受難(その5)
ところが現実の実情はどうか?いま、どこの生活支援センターも経済的苦境にあえいでいる。小泉政権の「障害者自立支援法」という悪法のせいだ。国は、「惜しみなく資金を投じる」どころ、ではなかった。「障害者自立支援法」のねらいは、障害者の支援受給を「応能負担」から
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