サラリーマンの目から見た東南アジアの実情を脚色を交えてユーモラスに描いた抱腹絶倒の旅行記
自称サラリーマン四文作家である私、字切俳人が偉大なる偏見と色眼鏡をもって天衣無縫に書き連ねる。
「どうするんやアンさん?」 私はまだ呆然とガラスの前に突っ立っていた。すると二階からその行為を終えたと思われる西洋人の男性が女性と腕を組んで戻ってきた。この女性は男性に挨拶をすると、またひな壇の中へと入っていき、ちょこんと座った。見ていると、このような光景が矢継ぎ早に繰り返された。 「おい、増えとるでーアンさん。何事もなかったように平然と座っとるわー、おもろいもんやなー」 私とH氏は、顔を見合せ大笑いをした。とめどもなく笑いが込み上げてきた。 「ハッ、ハッ、ハッ、ハア」 ガラスの向こうの女性たちは、きょとんとしている」 「ハッ、ハッ、ハッ、やめよう、やめよう、ハッ、ハッ」 ..
「はめられた!」 私は我に返った。きっと先導車に乗っている誰かがリクエストしたのであろう。とにかくここまで来てしまっては後の祭りである。皆の欲望を私が御することなどできない・・・・。 マリオが説明を始めた。 「ここにいる白いドレスを着た女の子は、一時間半で七千円だ。横にいるオレンジのドレスを着た女性は、マッサージ専門で五千円だ。さあ、気に入った娘を選んで胸につけてある番号札のナンバーをいってくれ。早い者勝ちだ」マリオは祭りの露天商と化していた。 訳の分からぬ内に我が御一行様は、いくつかの番号を指名し、その女性とどこかへ消えていった。私はショックのあまり銅像状態であったので、皆..
「グアムがダメになった上、重役連中とくそ暑いタイくんだりまで来て、おまけに売春宿なぞいったら、典型的なオッサン女買いツアーではないか。私はまだ若く人生はこれからだ。ここまで地に落ちた覚えはない。とにかく廃案になってこの上もなく愉快だ」 車中でも何度もマリオが話しかけてくる。 「本当にいいのか?綺麗で可愛い娘がいっぱいだ。ぞくぞくするほどだぞ。おまけに安い。また彼女らは、二週間に一度規則で性病の検査を受けているから、病気の面は全く心配ない。どうだこんな機会は二度とないぞ、いってみようとは思わないか?」マリオはこのような悪魔の囁きをくどいほどもちかけてきた。 「とにかくいいといったらいいん..
料金を払って店を出ると、マリオとルイージがなにやらひそひそと立ち話をしている。彼らは私の方へと近づいて来た。 「タイには面白いところがある。それも若くてきれいな女性がより取り見取りだ。彼女らはひな壇に座っており、君は気に入った娘を指名するだけだ。どうだ一度いってみないか?」 私はすかさず答えた。 「答えはノーだ。我々一行は、今回仕事を兼ねてタイへ来ている。いや、仕事でなくともけっこうだ。このメンバーは、非常に真面目な学究の輩ばかりだ・・・・。約一名を除くが。暇さえあれば図書館へいき、文献を調べるといった勤勉家の集まりだ。ゆえにそのような所は我々に無縁である。早くホテルへ戻ってくれ」 ..
しばらく走ると、H氏が大声でわめき散らした。 「腹が減ったわい。なんかうまいもんてんこ盛り食わせろ〜」 確かに腹が減った。しかしこの車は後続車である。先導車とは連絡の取りようもない。昼食にありつけるかどうかは、全て先導車まかせとなった。雨は依然として強く降り続いている。 ザー、ザー、ザー、ザザー、ザー 先導車は湿地帯の道路沿いにポツンとひとつだけ建っている中華レストランへと入っていった。 あまり流行っていそうにない。客は我々のみである。とにかく腹が減っているのでメニューを広げた。 「さっぱりわからない・・・」 それらの全てが中国語で書かれていた。おそらくここは華人..
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