タイ編 その1-19
時計はすでに十二時を回っていたが、日本との二時間の時差のためか、あまり空腹感はなかった。マリオの運転する我々の車は、先方を走るルイージの車を追うだけである。無線なぞもちろん無いため、行き先の変更は容易ではない。、また、先導車には、重役様御一行がご乗車されておられるため、どこへいくかは先導車まかせである。 車外を見回すと、かなりの田舎を走っている。水はけの悪い湿地帯が広がる。籐製の三角帽をかぶった農夫が家畜を御している。壊れかけた荷車を引っ張る婦人。あるいは、時折見える掘立小屋の中でじっとなにもせず佇む男たち。子どもたちは、上半身裸で戯れている。タイの田舎の風景が車窓を流れていった。当..
2009/11/30 21:58