似顔絵には、筆致は必要か。ミッフィーで有名なディックブルーナは、ものすごくゆっくりと線を引く。そういった筆致を含めて、必要だと言える。筆致の要素を分類すると、絵の具の含有量、速度、筆運びが考えられる。筆運びには、直筆、側筆、逆筆などがある。筆運びは、一つの方法で描くこともできるが、絵がもたないということが出てくる。そうなると、渇潤、渇筆と潤筆が必要になってくる。渇筆とは、ドライブラシのように扱う。潤筆とは、水分を多く含んだ筆で描く。技法を沢山使えばよいということではないが、絵をもたせるために、以上んようなことは、知っておいたほうがよいかもしれない。似顔絵と筆致
彩度対比をテーマに描いた作品。松平健(似顔絵)
彩度対比をテーマに描いた作品。吉幾三(似顔絵)
彩度対比をテーマに描いた作品。宮本亜門(似顔絵)
色相対比をテーマに描いた作品。大谷翔平(似顔絵)
補色対比をテーマに描いた作品。香取慎吾(似顔絵)
補色対比をテーマに描いた作品。唇には補色ではない、赤をさした。香取慎吾(似顔絵)
進出色と後退色をテーマに描いた作品。えなこ(似顔絵)
色相対比をテーマに描いた作品。錦織圭(似顔絵)
最小限の描写を心がけて描いた作品。冨永愛(似顔絵)
小磯先生の最小限の描写は、抽象画にさえ思えてくる。小磯良平(似顔絵)
色相対比をテーマに描いた作品。渡辺恒雄(似顔絵)
色相対比をテーマに描いた作品。錦織圭(似顔絵)
色相対比をテーマに描いた作品。木村拓哉(似顔絵)
縦のストロークだけで描いた作品。長塚京三(似顔絵)
リキテンシュタインのように、アメリカンコミックのテイストで描いた作品。菅野智之(似顔絵)
髭をカスレで表現した作品。ミッキーカーチス(似顔絵)
大きさの誇張をした作品。山田孝之(似顔絵)
トーンの誇張をした作品。本木雅弘(似顔絵)
筆ペンで稚拙な線を引き、片ばかしで仕上げた。桂文枝(似顔絵)
位置と大きさの誇張をした作品。林修(似顔絵)
前回の産経学園自由が丘校、はじめての似顔絵教室は、ガンバレルーヤを描いてもらった。課題は、目の位置と角度を誇張することだった。どうしても、じーっと見の観察に頼りすぎて、ぱっと見の第一印象を上手くとらえられない。誇張しても、じーっと見で、また誇張されていない状態に戻すことが続いた。似顔絵教室なので、誇張もできるようになってほしい。はjじめての似顔絵教室アーカイブ
違う意味の抑揚。武豊(似顔絵)
違う意味の抑揚。おのののか(似顔絵)
違う意味の抑揚。佐々木蔵之介(似顔絵)
違う意味でリアル。アントニオ猪木(似顔絵)
違う意味でリアル。佐藤優(似顔絵)
似顔絵の勉強で描いた作品。似顔絵の勉強
似顔絵には、抑揚は必要か。その答えは、必要だと言える。けれど、抑揚のない線には、都会的でオシャレな印象を与える。かと言って、抑揚が必要ない訳ではない。抑揚のある線の引き方で、太さではない抑揚、つまり「線そのものの強弱」で引く。そうすることによって、のびのびとした線になる。抑揚のある太さの線を練習してから、太さではない抑揚の線にも挑戦してほしい。似顔絵と抑揚
白目はワントーン落とすべきか。トーンで見る場合においては、必要である。そのとき、歯も唇があるので、ワントーン落とさねばならない。ただし、ワントーン落としただけでは、歯がくすんで見えてしまうので、フェルメールのように、口元に白いハイライトを入れたりしなくてはならない。例外は、平面的に描きたい場合だ。平面的に描くときには、白目と歯は白く描き、トーンを落とさず影を落としてもよい。トーンで描くのか、平面的に描くのかで、白目の白さの問題は考えたほうがよい。白目はワントーン落とすべきか
デジタルのイメージ。河野太郎(似顔絵)
違う意味でリアルなデフォルメ。吉田鋼太郎(似顔絵)
抑揚をテーマに。永瀬正敏(似顔絵)
じーっと見で。大倉孝二(似顔絵)
筆致と抑揚をテーマに。下重暁子(似顔絵)
違う意味で(まさに)デフォルメ。野田佳彦(似顔絵)
違う意味で(まさに)デフォルメ。小泉進次郎(似顔絵)
似顔絵には、この大きさで描かねばならないという決まりはない。けれど、最終的に描きたいサイズに合わせて練習することが大事だ。はがきに描きたいのであれば、直接はがきに描くのではなく、はがきサイズの紙に描くとよいと思う。私の場合は、はがきサイズに手描きで制作している。最近、少しサイズが小さく感じるようになったので、A4サイズに描いたり、アップの構図で描いたりしている。似せる練習は、小さいほうが細部にこだわらず描けるのでよいとされているが、仕上げで絵がもたないと困るので、一概には言えない。最終的なサイズを意識して、完成をイメージして描けるとよいと思う。似顔絵とサイズ
位置の誇張。柳楽優弥(似顔絵)
影をつけて。川口春奈(似顔絵)
壁。有吉弘行(似顔絵)
アップで。石田ゆり子(似顔絵)
違う意味で記号的。パッシャールアサド(似顔絵)
トロフィー。武藤嘉紀(似顔絵)
シンボルマークなどは、誰でも見えるように、可視性と視認性に優れている。可視性と視認性を考えて描くと、見る人の距離をコントロールすることができる。近づいてみてほしいときには細い線、遠くからも見てほしいときには太い線などが考えられる。可視性と視認性
シュールな絵を描くには、無意識以上に意識が大切だ。意識が弱いと、夢の中で絵を描かねばならなくなる。無意識の扉の開け方は、書籍などに書かれていあるが、閉め方は書いていない。無理にシュールの扉を開くのではなく、開いたことに感謝し、意識や意志を強めて、扉を閉めたほうがよい。美術の教科書でも、実践ではなく、鑑賞のみなのも考えておく必要がある。無理に描く必要はない。想像力が暴走しないように、意識をしっかりと持つことが大切だ。シュールな絵を描くには
位置の誇張。さまぁ~ず(似顔絵)
ノーベル。被団協(似顔絵)
点描で。高畑充希(似顔絵)
違う意味で筆致が面白い。高橋大輔(似顔絵)
違う意味で筆致が面白い。北村一輝(似顔絵)
違う意味で記号的。叶姉妹(似顔絵)
違う意味でリアル。マツコ・デラックス(似顔絵)
違う意味でリアル。内村光良(似顔絵)
違う意味でリアル。加藤諒(似顔絵)
違う意味でリアル。和田アキ子(似顔絵)
絵を描く行為は足し算と言えるが、今回は引き算について考えたい。誇張というのは、大げさに描くことなので、足し算や掛け算だと言える。しかし、ここであえて引き算の誇張というものを考えてほしい。大げさではなく、よりさりげなく描く。目立たないように描く、引き算の描き方を身に付けよう。また、省略も引き算である。見る人の想像力にゆだねて、省略をしてみるのもよいと思う。そして、色数を減らしてみるのもよい。色は何種類使ってもよいのだが、あえてモノトーンやワントーンにしてみるなどが考えられる。このように、要素を加えていくだけではなく、減らしていく引き算ができるようになると、表現の幅は広がっていくと思う。引き算という考え方
違う意味でリアル。綾小路翔(似顔絵)
違う意味でリアル。西川きよし(似顔絵)
トリックアート風。福田繁雄(似顔絵)
位置の誇張で。ガンバレルーヤ(似顔絵)
点描で。阿川佐和子(似顔絵)
点描で。黒柳徹子(似顔絵)
クリスマス。マライヤキャリー(似顔絵)
光をテーマに描いた作品。マザーテレサ(似顔絵)
キュビスムのオマージュ。ベンヤミン・ネタニヤフ(似顔絵)
キュビスムのオマージュ。ドナルド・トランプ(似顔絵)
似顔絵の醍醐味は、誇張である。今回は、誇張を分類したいと思う。1,輪郭の誇張(体型の誇張)2,位置の誇張3,部分の誇張4,状況の誇張輪郭の誇張とは、面長などを大げさに描くこと。位置の誇張とは、目鼻口の位置を大げさに描くこと。目が離れていると思ったら、思い切り離すとよい。部分の誇張とは、目鼻口の大きさや角度を大げさに描くこと。大きいと思ったら思い切り大きく、小さいと思ったら、うんと小さく描くとよい。形にも気を配りたい。鼻が長いと思ったら、思い切り長く描く。状況の誇張とは、モデルのシチュエーションを大げさに描くこと。モテモテなら、ラブレターをいっぱい描いたり、筋肉質なら、プロテインをいっぱい描いたりすると面白いと思う。似顔絵の誇張
以前、リアルかデフォルメかの二元論には陥らないほうがよいという話をした。今回もリアルについて考えてみたい。その前に、言葉の意味を整理したい。リアルとは、「本当の」とか「現実の」という意味。リアリティとは、現実味という意味。リアリズムとは、写実主義のこと。似顔絵はリアルである必要はないが、リアリティは必要なのかもしれない。現実味は、輪郭をはっきりさせるとか、影を落としてみるなど、リアルと呼ばれていない似顔絵にも必要な要素である。ところで、リアルかデフォルメかの二元論に陥ってしまうのなら、リアルをリアリティと言い換える方法が考えられる。リアリティとデフォルメは、対立軸ではない。現実味のあるデフォルメもあり得るからだ。現実味というのは、似ているという要素にも関わってくる。リアルを毛嫌いするあまりに、似ていない似...リアルについて考える
違う意味でセクシー。西田有志(似顔絵)
違う意味でセクシー。リーチ・マイケル(似顔絵)
テーマがセクシーだと想定して。吉岡里帆(似顔絵)
顔のニュアンスを大切に描いた作品。尾上松也(似顔絵)
顔のニュアンスを大切に、透明水彩で描いた作品。松本幸四郎(似顔絵)
顔のニュアンスを大切に、透明水彩で描いた作品。浅田真央(似顔絵)
パーツとしての目鼻口に限界を感じてしまったのなら、透明水彩を用いて顔のニュアンスを描く練習をおすすめする。顔を目鼻口としてとらえないで、顔を凹凸としてとらえる。出っ張っているところは明るく、へっこんでいるところは暗い。それを丁寧に描いていく。顔の立体感が出てきたところで、目鼻口の陰影を描いていく。顔のニュアンスが描けるようになると、目鼻口の描き方も変わってくると思う。透明水彩で顔のニュアンスを描く練習
身体を描くときに大事な要素を三つ挙げる。一つ目は、シルエットとしてのポーズ。二つ目は、重力。三つめは、全体のバランス。何をしているのか一目で分かるポーズを描こう。何をしているのか分からないポーズだと、身体を描く意味がなくなってしまう。かっこいいポーズよりも、伝わりやすいポーズを選んでほしい。重力は、身体が地面の上に乗っかっているよいうに描ければよい。全体のバランスを考え、顔だけ描きこみすぎてしまったり、身体だけリアルになりすぎたりしないように気を付けてほしい。身体を描くときの三つの要素
顔の特徴をつかもうと必死でじーっと見ていると、何が似ていて、何が似ていないのかすら分からなくなるときがある。そんな時には、ぼーっと見てみるのも手だ。部分をしっかり見るのではなく、全体をぼんやりと見る。この時、トーン(階調)を見るようにするとよい。ぼんやりと見ていると、目鼻口の位置が見えてきたり、シルエットとしての輪郭が見えてきたりすると思う。部分の特徴も大事だが、全体の印象も見れるようになると、似顔絵の雰囲気は格段によくなる。このぼーっと見は、長時間はおすすめできない。じーっと見があっての、ぼーっと見なのである。似顔絵と印象
花影シリーズ。カテドラル大聖堂のクリスマスコンサートへ行った。東儀氏の演奏が天から降ってくるようで、そのイメージを作品にした。花影シリーズ(アクリル)
ハイコントラストで。東儀秀樹(似顔絵)
輪郭は簡略的に。渡辺えり(似顔絵)
直線と曲線を用いて、簡略的に。姜尚中(似顔絵)
筆ペンで表情を意識して。萬田久子(似顔絵)
筆ペンで、重力を意識して。篠崎愛(似顔絵)
筆ペンで下描きなしで。ゆりやんレトリィバァ(似顔絵)
シンプルに。斎藤元彦(似顔絵)
サンデー毎日似顔絵塾に入賞。デフォルメだったからか。田中邦衛「サンデー毎日似顔絵塾」入賞
似顔絵でパーツという言葉を使うのは好きではない。目鼻口を部品のように見てしまうと、人間味が薄れてしまう気がする。目にはまぶたがあり、鼻には小鼻があり、口には唇がある。そうであるなら、目と鼻の間や、鼻や口の間にも言語化できない特徴があるはずだ。便宜上、目鼻口と言っているが、その間のニュアンスも似せられるようにしたい。目鼻口以外が似せられるのであれば、かなりの個性になり得る。パーツを似せるということでいきづまってしまったのなら、いったんパーツという考え方をやめ、顔のニュアンスを観察してみるとよい。パーツという考え方を改める
似顔絵を描くとき、余白のことも考えたい。似顔絵は輪郭が大事だと言ってきたが、その外側の余白も見てほしい。余白が少ないと厚かましい印象を与える。余白が多いと、さみしい印象を与える。余白でモデルの印象も変わるので、その特色を活かして描いてみてほしい。似顔絵と余白
透明水彩で、じっくり描いた作品。ぼんやりと見ると、顔に見えてくる。麻生太郎(似顔絵)
じーっと見で、じっくり描いた作品。透明水彩を使用。あの(似顔絵)
鼻を誇張して描いた作品。川平慈英(似顔絵)
クリスマス。平面化した作品。静物(クリスマス)
クリスマス。私ではない誰かシリーズ(クリスマス)
似顔絵を描くときに、どこに明暗を用いるのかを考えることは大事だ。主役を暗くするのか、背景を暗くするのかなど、線で下描きしているときにも考えておきたい。強い明暗というと、ハイコントラストが浮かぶ。ハイコンの場合は、造形的な正しさというよりも、白い画面と暗い部分とのバランスで見たほうが上手くいく。似顔絵と明暗
空間の平面化。実像と虚像が、見方によって置き換わる作品。正面の顔が横顔に見えることによって、空間も平面化する。「空間のオブジェ」シリーズ。
筆ペンで。和田秀樹(似顔絵)
キノコに見立てて。日村勇紀(似顔絵)
筆ペンで。中島史恵(似顔絵)
ハイコンで。錦鯉(似顔絵)
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