似顔絵は楽しく描ければそれでよいのだが、構図も意識して描くと、より見てくれる人は増えると思う。構図と言っても難しいことではなく、画面に人を配置するとしたら、どこへ配置すれば伝わりやすいのかを考える程度のものでよい。具体的には、余白と人とのバランスである。ごちゃごちゃしていても、可能な限り余白は取るべきである。構図がしっかりしてくると、見やすくなる。見やすいということは、本題である似ているかどうかを見てくれるということになる。似ている似顔絵が描けるようになったのなら、ぜひ構図にも力を入れてほしい。似顔絵と構図
【似顔映】ドナルド・トランプ【デフォルメ似顔絵の描き方のコツ】
【似顔映】ドナルド・トランプ【デフォルメ似顔絵の描き方のコツ】リアル写実が似顔絵の最終到達点ではなくて、その入り口であることを知ってほしい。ピカソの絵は難解で、青青の時代までしか理解できない人も多いと思う。似顔絵もそれと同じで、写実をデフォルメしたものや、立体を平面化したものは、難解で理解しづらい。だが、写実が最終到達点という古い考え方や見方をやめ、デフォルメや平面化してからのほうが、奥が深いことに早く気付いてほしい。【似顔映】ドナルド・トランプ【デフォルメ似顔絵の描き方のコツ】
筆ペンで。永井謙佑(似顔絵)
筆で。習近平(似顔絵)
黒で。壇蜜(似顔絵)
モザイクで。松本人志(似顔絵)
筆ペンで。谷川俊太郎(似顔絵)
似顔絵の勉強。
雰囲気を。高倉健(似顔絵)
読書家。中村憲剛(似顔絵)
似顔絵で斜めの顔が描けると、二人以上の人物を配置したときに、その関係性が描けるメリットがある。向き合っていれば親密、そっぽを向いていれば犬猿の仲など、それほど単純ではないが、両者の関係性が描けるようになる。関係性が描けるようになると、空気感や雰囲気も描けるようになると思う。正面の似顔絵以外にも挑戦してほしい。斜めの顔が描けたなら
口を描こうとすると、かまぼこ型の記号的な口になりやすい。上唇がかぶさっているように描けるとよい。歯は全て描くと下品になるので、上の歯の縦線は下部だけ描く、などの配慮が必要になる。逆に風刺画にするなら、歯を全部細かく描いてしまうのも手だ。口の描き方
インフルエンサー。イーロン・マスク(似顔絵)
じーっと見で、じっくり描いた作品。筆ペンを使用。ヒロミ(似顔絵)
じーっと見から、ささっと描いた作品。筆ペンを使用。藤木直人(似顔絵)
じーっと見から、ささっと描いた作品。筆ペンを使用。黒木華(似顔絵)
じーっと見で描いた作品。筆ペンを使用。寺島進(似顔絵)
オーバーパースで。千葉百音(似顔絵)
あっさりと。坂本花織(似顔絵)
ラグビーボールの輪郭から、じーっと見で。山下真司(似顔絵)
さらりと。壇蜜(似顔絵)
じーっと見から、ささっと。イッセー尾形(似顔絵)
ハイコントラストで。天海祐希(似顔絵)
鼻を描こうとすると、小鼻と鼻孔を誇張して描きがちだが、鼻の穴ではなくて、鼻の底面という意識で、塗りつぶさずに描くと品がよくなる。鼻孔に限らず、鼻は底面を意識して描くとよい、鼻の描き方
目を描く前に、目が離れているのか、寄っているのか、大人のように高いのか、子供のように低いのか、その位置を見なければならない。位置がつかめたのならば、次は角度と大きさだ。ぱっと見で、目がつりあがっているのか、垂れ下がっているのかを瞬時に判断する。じーっと見だと、まぶたのカーブを見ていると、つりあがっているのか、垂れ下がっているのか分からなくなってしまう。難しいときは、ぼーっと見で、ぼんやりと離して、目の角度を眺めてもよいだろう。角度がつかめたら、適切な大きさで、ぱっと見の印象のまま、じーっと見で描いてみるのもよいと思う。目の描き方
面分割(色面分割)の仕方は、中間色を塗ってから、明るい面と暗い面を塗ればよい。光源に対して、面の意識を持つことが大切だ。面分割あるいは色面分割は、デッサンと平面構成の中間として考えられる大事な勉強法であり、それだけで表現作品になり得る。輪郭線を持たない面分割は、基本的に立体的と言える。逆に、輪郭線を引いたなら、それは平面である。面分割(色面分割)の仕方
キャラクターは、そのまま描けないので「へのへのもへじ」にした作品。楳図かずお(似顔絵)
カマラ・ハリス阿部公房正岡子規ヘミングウェイ草なぎ剛芥川龍之介太宰治面分割(色面分割)で」描いた似顔絵
目を誇張した作品。アンハサウェイ(似顔絵)
エスキース私ではない誰かシリーズ(エスキース)
似顔絵の理想は、ぱっと見である。短時間でぱっと見て、ささっと描けるようになりたい。けれど、ぱっと見からよく観察するのは難しい。大ざっぱにとらえたものを細かく見るのも難しい。やはり最初は、じーっと見でよく観察して描くしかないのだと思う。小中学校で描く自画像や他画像のように、よく見て描く経験はしてもらいたい。見ないで描くなどというアクロバティックな方法もあるにはあるが、よく見ることを否定するものではない。じーっと見の欠点は、時間をかけて見るために、目が慣れてしまうことだ。目が慣れてしまうと、平均顔との差異を見つけるのは難しくなる。適度に休みながら、ぱっと見の理想を持ちつつ、じーっと見から始めてほしい。基本はじーっと見から
似顔絵で、輪郭線やシルエットが似ていないと、似せるのは難しい。輪郭線が全く違うように描く場合は、目鼻口おでこ・ほほ・顎などの部分を細密描写するとよい。逆に言えば、輪郭線さえ似ていれば、細密描写する必要はあまりない。シンプルに描きたいのであれば、輪郭線は似せるべきだが、細密描写したいのであれば、全く違った輪郭で描くのも面白いと思う。全く違った輪郭とは、輪郭が、文字や図形や記号になっているなどが考えられる。モデルを全く違う輪郭で似せる方法
目鼻口を小さく、じーっと見で描いた作品。吉高由里子(似顔絵)
キャラクターはそのまま描けないので、「へのへのもへじ」にした作品。大山のぶ代(似顔絵)
位置を誇張し、じーっと見で描いた作品。安藤サクラ(似顔絵)
位置を誇張し、じーっと見で描いた作品。柄本佑(似顔絵)
まず、任意に誇張した形状を決めた。そこに目鼻口をじーっと見で描きこみつつも、全体のバランスを取っていった。山崎育三郎(似顔絵)
最初から最後まで、じーっと見で描いた作品。透明水彩を使用。田原総一朗(似顔絵)
平面化しながら下描きをして、じーっと見で描いた作品。金田明夫(似顔絵)
毛筆。じーっと見でよく観察してから、素早く描いた。基本は、じーっと見だが、目の角度など、ぱっと見の要素も取り入れている。反町隆史(似顔絵)
毛筆。じーっと見でよく観察してから、素早く描いた。基本は、じーっと見。内藤剛志(似顔絵)
毛筆。じーっと見でよく観察してから、素早く描いた。基本は、じーっと見である。加山雄三(似顔絵)
ぱっと見の印象を平面化したのち、斜体をかけて、人物と背景に空間を作った遊び。神木隆之介(似顔絵)
空想科学入門のときのような、簡略化したキャラクターで矢吹ジョーを描いたあと、ぱっと見の印象で描いた作品。ちばてつや(似顔絵)
輪郭を誇張して描いたあと、ぱっと見の印象で描いた作品。西田敏行(似顔絵)
鼻をじーっと見で、全体をぱっと見で描いた作品。広瀬アリス(似顔絵)
鼻を大きく誇張したあと、全体をじーっと見で描いた作品。透明水彩を使用。中井貴一(似顔絵)
毛筆には、直筆、側筆、逆筆などがあるが、細い線と太い線の引き方と、下から上へ線を引いてもよい程度の知識でもよいと思う。描く前に、じーっと見でモデルをよく観察することが大切だ。描く前の段階が大事なのだ。描くときには、勢いでぱっと描く。ぱっと見に近いが、じーっと見で毛筆の筆勢を活かして描いてもよいと思う。毛筆の描き方
今週のサンデー毎日似顔絵塾に、入選。高市早苗-サンデー毎日似顔絵塾入選
似顔絵は、高尚であってはならないと言ったが、かといって低俗でよいというわけではない。「品性」という言葉が浮かぶ。風刺画(カリカチュア)には、スカトロジーという下品どころではない表現もあるにはあるが、似顔絵には品性がなければならないと思う。それは、直接的な表現を避けたり、人ではなく出来事を風刺したりすることから始まる。「罪を憎んで、人を憎まず」という姿勢が大事だと思われる。似顔絵と品性
似顔絵で個性を出すのは難しい。どのように描いたかでも個性は出るが、どのように見たかのほうが重要である。ものの見方は「ぱじぼー」などを紹介したが、じーっと見ること以外の見方をしたのなら、それは個性といえるだろう。けれど、個性とは「私は、こう描きたい」とか、「私には、こう見える」という主張でもあるから、じーっと見ることを極めても個性にはなると思う。今までにないものの見方ができたのなら、それは個性を超えて、独創的と言えると思う。似顔絵と個性
ぱっと見で描いた作品。秋川雅史(似顔絵)
手と全身のある構図。三苫薫(似顔絵)
手と全身のある構図。伊東純也(似顔絵)
最初は、ドラえもんの手のような丸でも、かまわないと思う。そこから、親指だけ独立している手袋のように描けばよい。最終的には、全部の指が描けるようになったほうがよいが、親指と他の指との区別がついているだけでも、手に見えてくるものだ。手は美大の入試にも出るくらいなので、簡単には描けるようにはならないと思うが、顔とのバランスを考えて練習するのは、無駄ではないと思う。手の描き方
輪郭線の正しい引き方というものはない。図形や骨格を意識して線を引いていくということが考えられるが、もっと純粋に線を楽しんで引いてほしいというのが本音である。クロッキーのように、純粋に線を追えたのなら、それはよい線だと言える。クロッキーとは、短時間のうちに対象を画面の上に定着させることを言う。しかし、よい線と似ている線は違う。似せるというのは、理屈の部分が多いので、感性で引いたよい線にはなりづらい。記号のようになってしまう場合さえある。けれど、あらゆる制約から逃れて自由な線が引けたのなら、それはよい線なのである。子供のように無心で、子供のような線が引けたならと、私も早描き、クロッキーの練習をしている。輪郭線の引き方
たくましさを出すために、鉄アレイを持たせてみた。樋口新葉(似顔絵)
セクシーポーズを卑猥にならない程度に。坂本花織(似顔絵)
鼻をじーっと見で描いて、他をぱっと見で描いた作品。表情があるが、稚拙に描くことによって、高尚にならないようにしている。勝俣州和(似顔絵)
鼻をじーっと見で描いて、他をぱっと見で描いた作品。フワちゃん(似顔絵)
鼻をじーっと見で描いて、他をぱっと見で描いた作品。柳沢慎吾(似顔絵)
聖書と経済。浜矩子(似顔絵)
似顔絵で感動してもらいたいのなら、または似顔絵をアートにしたいのなら、笑ってもらうことは、諦めたほうがよいかもしれない。似顔絵で感動してもらうためには、アートの要素を取り入れ、高尚にすることだ。逆に、似顔絵で笑ってもらうためには、アートの要素を削り、高尚にならないようにすることだ。似顔絵をアートにまで高めようとする動きはあるが、「笑い」という観点からすれば、アートは余計な存在になり得るのである。似顔絵にアートの要素を取り入れたいのなら、感動させないように、高尚にならないように、細心の注意が必要になる。そこで、ヘタウマの画風や、庶民的な画材などの選択肢が出てくるのだと思う。笑いか感動か
似顔絵におけるおかしみの三要素は、「表情」、「ポーズ」、「顔以外の類似」である。人間性のある表情やポーズが描けたなら、それはおかしみに通じる。けれど、醜いにまでなってしまうと、笑いは起きない。顔以外の類似では、「状況の類似」、「画風の類似」、「他の何かへの類似」に分類できる。状況が何かに似ていると、人は笑う。顔が似ているかよりも、シチュエーションのほうが優先されることがあるのだ。また、他の誰かの画風に似ていると笑う。画風は、有名であればあるほど面白いが、権利を侵害しないように描く必要がある。他の何かへの類似とは、とんがり頭が水滴に似ているとか、キューピーに似ているなどの場合のことで、見立てて描くと効果的だ。顔以外の要素でも、おかしみは出てくるので、似せること以外に目を向ける、俯瞰した視点が必要なのかもしれ...似顔絵におかしみを与える方法
顔の特徴を実際よりも大げさに描いて、おかしみを与えるのが、似顔絵のだいご味である。けれど、醜い顔にまでなってはいけない。滑稽な顔は人は笑うが、醜い顔は決して笑わない。醜い顔にまではならない範囲内で、誇張をすることが大切だ。滑稽な顔と醜い顔
ぼーっと見で形を合わせてから、じーっと見で描いた作品。船越英一郎(似顔絵)
オーバーパース気味に描いた作品。ノバク・ジョコビッチ(似顔絵)
子供のような線で似せたあと、将棋の駒をコラージュした作品。藤井聡太(似顔絵)
シルエットで似せ、点描の片ぼかしで仕上げた作品。ドナルド・トランプ(似顔絵)
オーバーパースぎみに描いた作品。石川祐希(似顔絵)
オーバーパースぎみに、手前の手、顔、奥の手へと誇張した遠近法で描いた作品。髙橋藍(似顔絵)
似顔絵とは何かと考えると、山藤章二先生の顔が浮かぶ。私にとって似顔絵とは、「写実ではない、線による風刺された人物画」と言える。さて、あなたにとって、似顔絵とは何だろうか?似顔絵とは何か?
似顔絵において、全身を描くときに注意すべきことは二つある。一つは、全体のバランスだ。顔と身体との画力のバランスが悪いと、別の人が描いているように見えてしまう。顔の画力と同じくらい、身体が描けるように頑張るべきである。もう一つは、シルエットとして見たときに、何をしているのか分かるポーズにすること。非常口のマークのように、一目で何をしているのか分かるシルエットで描くのが理想だ。どんなに身体が描けていなかったとしても、何をしているのかが分かるシルエットで描けば、絵の説得力は増してくる。全身を描くときに注意すべきこと
じーっと見で描いても似なかったので、見ずに描いた。じーっと見で描いたときの記憶が活きていると思う。ムロツヨシ(似顔絵)
ぼーっと見を中心に、全体のトーンを見て描いた。香川真司(似顔絵)
ぼーっと見を中心に、全体のトーンを見て描いた。森保一(似顔絵)
ものすごく似ているのに、写真と全く違う似顔絵を描く人たちがいる。これは、実は見て描いていない。頭の中にある記憶を熟成させて描いていると思われる。けれど、私たちはそれほど記憶力があるわけではない。モデルを見ずに、記憶だけで描くのは難しい。そこで提案するのが、見ないで描くために、じーっと見から始めるという方法だ。まずは、じーっと見でデッサンになってしまうくらい描きこんでみる。そして記憶していく、覚えていく。そのあとに、見ずに描いてみるのだ。写真のように描く必要はない。頭の中で一か所一か所を熟成させていくことが大事だ。この方法だと、時間はかかるが記憶力に自信のない人でも、見ずに描けると思う。見ないで描くために、じーっと見からはじめる
鉛筆をナイフで削る文化の日(サンデー毎日「サンデー俳句王」入選)鉛筆を…サンデー俳句王入選
うずうずとモネ展を待つ最後尾うずうずと…
文化の日デュシャンの泉の如く湧く文化の日…
「ぼー」っと見で輪郭を引き、「じ」ーっと見で、よく見て描いた作品。泉麻人(似顔絵)
オーバーパース(嘘パース)で描いた作品。手前の手、顔、奥の手の三つを誇張した遠近法で描いている。伊藤美誠(似顔絵)
鼻を「じ」-っと見で描き、輪郭などは「ぱ」っと見で、子供のような線で仕上げた作品。オダギリジョー(似顔絵)
似顔絵を描くには、どうやって描くかよりも前に大切なことがある。それは、描く対象をどうやって見るかだ。ここでは、以前にも書いた、三つのものの見方「ぱじぼー」を紹介したい。「ぱ」ぱっと見。瞬間的。第一印象で見る。主観的。直感。「じ」じーっと見。近めで時間をかけてよく見る。客観的。分析的。理性。「ぼー」ぼーっと見。遠目でぼんやりと見る。印象。雰囲気。ニュアンス。この三つの見方を用いると、今までとは違った似顔絵が描けるようになると思う。具体的に言うと、「ぱ」っと見と、「ぼー」っと見で輪郭をつかみ、細部を「じ」ーっと見で描いていく。じーっと見で目が慣れだしたら、少し休んで、また、「ぱ」っと見で修正していく。…といったような使い方が考えられる。似顔絵の見方「ぱじぼー」
今月の産経学園自由が丘校「初めての似顔絵教室」は、平面化の技法を取り上げた。ドロップシャドウは、難しすぎたようだ。コツとしては、光源に対して、オブジェクトをずらし、ずれたところを影として塗ればよい。片ぼかしも、難しかったようで、資料を参考にしながら進められていた。コツとしては、どちらをぼかせばよいのかを予め考えてから塗るとよい。この二つの技法ができるようになると、平面作品の幅が広がると思う。はじめての似顔絵教室アーカイブ
ハイコントラストで立体的に描いたものを、ちょいとワルに仕上げた作品。石破茂(似顔絵)
輪郭を変形させたあと、写実的(客観的)によく見て描いた作品。全体のバランスで似せるのではなく、部分で似せている。田中邦衛(似顔絵)
輪郭線のフォーマットを決めてから、描いた作品。館川談春(似顔絵)
全身を入れてみた似顔絵。張本美和(似顔絵)
ヘタウマとは、画力のある者が意図的に下手に描いて、親しみやすくした画風を指す。ヘタウマは狙うべきではない。けれど、下手に思わせる方法は沢山ある。・立体的に描かない。これは、平面化して描いていると言える。キュビスムや抽象画なども平面。・底面が真っすぐなのに上面のだ円が見えているコップ。これは、キュビスムの多視点を取り入れていると言える。・肘関節のない人。これは、持っているものや、指を目立たせるため。・スポイトなどで垂らした線。これは、偶然性を取り入れているため。・子供のような絵。これは、プリミティヴアートを取り入れているため。などなど、見る人には分からない理論で描かれている絵は、下手に見える傾向がある。無理に下手に描く必要はない。ヘタウマとは何か?
デフォルメとは、デフォルマシオン、デフォルメーションの略で、変形させる技法だった。日本では、誇張という意味で使われることも多い。デフォルメは、骨格を意識しないで、線を自由に走らせることからはじまる。その中で、似ているか似ていないかの問題が出てくる。ここで、日本の誇張という考え方が必要になってくる。誇張とは、目鼻口眉などの位置や大きさや角度を大げさに描くということ。その人の特徴に合わせたデフォルメをすることによって、似ているデフォルメになる。変形のみをする場合には、位置が変わってしまっているので、全体のバランスではなく、部分を似せていくことが必要になってくる。理論的に言うと、別物である。デフォルメの仕方
顔の特徴をとらえるには、目鼻口眉の「位置」と「大きさ」と「角度」を見るとよい。かと言って、客観的に分析しすぎてもいけない。あくまで主観的に。その人にしかない線や、角度を見つけるつもりで見るとよい。顔の特徴のとらえ方
似顔絵では、無理に骨格を意識しなくてもよいと思う。(多視点を)平面化するのが難しくなる。また、誇張しようと思っても、骨格の誇張となると、医学的には奇形を描くことになり、これもまた難しくなる。そして、生半可な線を引いてしまうと、写真のトレースに思われてしまう。骨格を知らない子供のような線でよいのだと思う。学ぶ必要がないとまでは言わないが、骨格を意識するあまり似ていない状況になるなら、本末転倒だ。無理に骨格は意識しなくてもよい
アクリルガッシュで油絵のように、最小限の手数で描いた作品。古田新太(似顔絵)
見たままに近く描いた作品。輪郭は誇張している。高田文夫(似顔絵)
二面性を表現した作品。千原ジュニア(似顔絵)
ハイコン(ハイコントラスト)で描いた作品。照英(似顔絵)
筆ペンで描いた作品。柳家喬太郎(似顔絵)
輪郭線に依存しないで描いた作品。木村拓哉(似顔絵)
夢のような、記憶の断片のような。石破茂(似顔絵)
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