今日は朝から京陵中学校へ行って参議院選挙の投票を済ませた。帰り道、京陵中に沿った漱石記念緑道のベンチに座って漱石の句「すみれ程の小さき人に生まれたし」を眺めながら、テレビの俳句番組で有名な夏井いつきさんの漱石句評を思い出した。――漱石の俳句でいちばん好きなのは、熊本時代に詠んだ「菫程な小さき人に生まれたし」です。こういう独白が作品になりうることと、そのかれんな心根に、衝撃を受けました。澄み切った感性が漱石という人間をぴーんと貫く核だったのかと思うと、猫でも坊っちゃんでもない漱石像が見え、惚れ直しました。――これは2016年の「漱石記念年」に当り、熊日新聞に掲載された「熊本の漱石」と題するコラムに夏井いつきさんが寄稿された文の一部である。漱石記念緑道(京陵中学校前)の漱石句碑それはさておき、漱石の「草枕」の...漱石の俳句と草枕