大河ドラマ「べらぼう」に、やっと喜多川歌麿が登場した。彼にまつわるサイドストーリーはさておき、絵を描く歌麿の姿を見たいものだ。NHKスペシャル「歌麿紫の謎」という番組が2007年に放送された。歌麿の浮世絵を400枚も所蔵するアメリカ・ボストン美術館のスポルディング・コレクションを高精細デジタル画像で映し出した。極めて保存状態がよく、変色や退色を免れた江戸時代の色彩が鮮やかに甦った。特に女性の着物に鮮やかな紫色が惜しげもなく使われていたことがわかった。退色が激しいという紫色を多用し「紫屋」とも呼ばれた歌麿。番組ではこれらの浮世絵の中に使われている紫色をどうやって表現したのかについて迫っていた。そしてこの紫の原料には露草が使われたらしいという。紫色の着物を着ることは江戸の女性にとって憧れだったそうだが、現代に...歌麿の紫