戦国ボーイズラブ小説。真田幸村異聞伝。真田幸村と十勇士をモデルに、一人の智将の生き様を描きます。
ゲーム「戦国BASARA」で真田幸村にはまって一年。史跡廻りもしたり、色々読んだり調べたり。それだけでは飽き足らず、自分流真田幸村を書きたくなった。でもフィクション。捏造、空想、妄想。ボーイズラブです。衆道です。戦国時代だもん、有り!です。まだまだ出てきませんが才蔵×幸村になる予定です。別に総受けでもいいけど。
2009年11月
四国を制圧して、羽柴秀吉は姓を豊臣と変えた。 まだ九州を平定はしておらず、関東もいつ反旗を翻すのか分からない状況ながらも、ほぼ天下を統一したことになる。 「これから戦のない世の中になるんだろうか」 誰もが期待半分、不安半分の顔を見合わせては囁き合う。 「だけど、九州のほうはまだだろう?」 「北条も伊達も臣従したとは言えないらしいぞ」 平和になったと思いたい、けれど不安は拭いきれない。何しろ、戦乱の時代が長すぎた。平和な時代を知らないのだから仕方がない。 それでも備前から安芸にかけては平和だった。 小早川、吉川の両家を率いる毛利も四国に向けて水軍を出していたが、内地か..
私の住んでいる所は、大坂夏の陣の「道明寺の戦い」の近辺です。 この道明寺の戦い、真田幸村軍は霧のため到着が遅れ、援軍を待たずに攻撃を開始した後藤又兵衛は討ち死にしてしまいます。 「この辺、生まれた時から住んでいるけど、霧なんて出たことないなー」 と思っていたのですが、今朝、この当たりは深い霧に覆われました。 50年以上住んでいる母も「はじめて」と言っていた位ですから、本当に珍しいことだったと思います。 昨日は気温が下がり、午後から雨が降っていました。夜中に雨が上がり、今朝は昨日より気温が高くて、霧となったように思います。 山に犬の散歩に行こうとした母が「全然見えなかった」と言ってい..
明石に戻ってきた貴龍丸は、そこで幸村たちを降ろした。 「行く当てがあるのか?」 根津甚八は心配そうに幸村を見た。 仕える先もなく、住む家も持たない少年は、それでもにっこりと笑った。 「少し西のほうに行こうと思ってる」 「だったら乗っていけよ、送ってやる」 この別れがたい気持ちをなんと表現すればいいのか、わかっていながら甚八はあえて気づかないふりをした。 「歩いていく。船だと見えないものもあるから」 何を見たいというのか。その若さで、何を見据えているのか。 「また船に乗りたくなったら、港で伝言してくれ。迎えに行ってやる」 「遠くの港にいたら?」 「なぁに、三日と待..
大坂、堺、須磨、明石とどこも羽柴軍の軍艦でいっぱいの状態だった。 霧隠才蔵はその中に足軽としてもぐりこんでいた。 少しばかり稼いでさっさと離脱するつもりだったが、果たして手柄を上げられるほど戦が続くだろうかとかえって心配になった。 その時は京にでも行って、何かしらの仕事を探せばいいかとあまり気にもかけていなかった。 浪速のほうで、服部半蔵配下の忍を見かけたが、むこうは才蔵のことを知らなかったらしく、わずらわしいことを言われずに済んでほっとした。 服部の忍は武将の姿をとって、小さめの商船に乗って四国に向けて漕ぎ出していった。 いったい何を企んでいるのだろうかと興味が湧い..
机に置かれた袱紗を開く前に、望月は目の前の男を用心深く見た。 体格はよいほうだが、武将という感じではない。多分、忍。忍が武将の姿をして、紛れ込んできたのだろう。 「三河殿はこの度の四国攻めにはご参加されていないと思っておりましたが」 「間もなく羽柴殿の後続艦が瀬戸内海に布陣してまいります。その船を供出しております」 手は貸さないが、反目もしていないという苦肉の策だろうか。もっとも、あの気弱な狸が、手薄な伏見を襲おうなどという気概はないだろうが。 「返事は後日、お届けいたしましょう」 書状を届ければ用事は済んだはずの男が去ろうとしないので、望月は出て行けとばかりに声をかけた。..
碁の勝敗の行方は、初盤は置石の六個が幸村を優勢に運んでいたが、待ったを二回使い切ってからは、望月の形勢が明らかに有利となっていた。 このまま勝負を続けていても恥を晒すだけだとわかって、手を引こうかどうしようかと考え込んだ時点から、望月の打ち方が変わってきた。 三手を打ち込んでみて、その疑いが確信に変わった。 「手加減をしてくださるのですか?」 気持ちがむっと尖った。 子どもの分際で怒るのかと問われれば言い返せないが、最初に力の差だけの先手は貰っている。ここまで来て、手加減をされるのは腹立たしくてならなかった。 「なかなか面白い手を打つので、もっと見たいと思っただけなんだが..
2009年11月
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