第五章-11-
港に並んでいる船の間を回っていると、本当に色々な噂話を聞く。 その中で一番多いのは、羽柴秀吉が四国を治めた後、どうするかというものだが、関東征伐、九州征伐と意見は大きく分かれていて、非常に興味深い。 関東の話が出たときに、徳川家康の噂も出るのだが、今はおとなしくしているらしく、全く出方がわからないというものだった。 しかし、北条と手を組もうとしているだとか、伊達を手懐けようとしているだとか、西に手を伸ばすよりは北を向いていることはよく分かった。 また羽柴軍の猛者達についての噂や武勇伝もたくさん耳にした。 その中でも幸村が心を惹かれたのは、今現在、この港にいる望月六郎のこと..
2009/10/29 21:54