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キネシオロジーとクラニオの蒼穹堂治療室 https://blog.goo.ne.jp/sokyudo

蒼穹堂治療室の院長が送る、極私的治療論とお役立ち(?)情報の数々。

キネシオロジー、クラニオセイクラル・ワーク(クラニオ)、鍼灸などを中心に施術を行っている治療家です。日々の臨床で発見したさまざまな治療法の紹介や、毎日の生活で感じたことなどを、つれづれなるままに綴っています。治療の最新情報(?)の入手のために、あるいは、治療家なるものの生態を知るために、ご活用いただければ幸いです。 治療院のHPは http://sokyudo.sakura.ne.jp です。

sokyudo
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草加市
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2008/10/21

  • 「業(ぎょう)」と「業(ごう)」

    2023年春アニメが放送中だが、その中の『地獄楽』第2話を見ていてふと気づいたことがある。職業、生業を意味する「業(ぎょう)」と、人の生まれ持った運命や性向、それがもたらす行為を表す「業(ごう)」が同じ文字だということに。以下、ここではアニメ『地獄楽』第1、2話の一部ネタバレが含まれるので、未見の方はご注意。まずは、その『地獄楽』のPV動画を。物語の舞台は江戸時代後期。蓬莱、極楽浄土、神仙境などと呼ばれる伝説の島が琉球の更に南に見つかる。だが、幕府は数度にわたって調査隊を送るも1人を除いて誰も戻らず、戻った者も人でないものになり果てていた。そこで幕府は「死んでもかまわない者」すなわち刑死を待つばかりの重罪人を選び、「不老不死の仙薬」を持ち帰れば無罪放免にする、という「公儀御免状」を楯に、見張り役である首切...「業(ぎょう)」と「業(ごう)」

  • 2023年冬アニメの感想と評価 3

    2023年冬アニメについての、ネタバレなしの感想と評価。3月末までに放送が終わったものについては「1」、「2」に述べたので、「3」は4月になって放送が終わったものと、この先も放送が続くものについて。ちなみにアニメの評価については、私の場合、何より物語が面白いことが重要で、作品全体の評価の少なくとも半分はそれで決まる。逆に萌えやエロといった要素にはさほど興味はないし、作画崩壊も(目に余るほどヒドくなければ)問題にはしない。以下、並びは50音順で、評価はA~E。『ヴィンランドサガ』2期第1クールヴァイキングが北の海を席巻した時代を生きた青年、トルフィンの物語。1期ではアシェラッドに父を殺された少年、トルフィンが、その敵討ちのためにアシェラッド率いる軍団に入り、アシェラッドの命を狙いながら自身もヴァイキングとし...2023年冬アニメの感想と評価3

  • 2023年冬アニメの感想と評価 2

    2023年冬アニメについての、ネタバレなしの感想と評価。3月末を待たずに方法が終わったものについては「1」に述べた。この「2」では、それ以外で3月末までに放送が終了したものについて。ちなみにアニメの評価については、私の場合、何より物語が面白いことが重要で、作品全体の評価の少なくとも半分はそれで決まる。逆に萌えやエロといった要素にはさほど興味はないし、作画崩壊も(目に余るほどヒドくなければ)問題にはしない。以下、並びは50音順で、評価はA~E。『アルスの巨獣』時折、巨獣と呼ばれる存在が街を攻撃してくる世界、アルス。巨獣は甚大な被害をもたらす一方、人もまたその巨獣を狩り、解体し、売りさばくことで経済が回っている。だが、なぜか近年、強力な「赤目の巨獣」が頻繁に出没するようになり、大きな脅威となっていた。そんな中...2023年冬アニメの感想と評価2

  • 象徴機能と身体-幻想的身体論 3

    竹田青嗣の『新・哲学入門』をネタ本に、竹田が展開する身体論について考える3回目(以下、太字は本書からの引用)。竹田は人間の身体は、単なる感覚器官なのではなく世界感受の綜合的な能力、すなわち対象と世界を、意味、価値、エロス性的総体として感受する一つの「能(あた)う(IchKann)にほかならない。と述べる。これは「2」で引用した幻想的身体は、人間的関係世界を、諸対象の価値性、エロス性として感受する人間固有の身体性であるを言い換えたものだが、それを補強するものとしてショーペンハウアーの「身体」についての現象学的な洞察を引く。《身体というこの唯一の客観は本質的に他のあらゆる客観とは異なっていて、あらゆる客観のなかでこれのみが意志であると同時に表象である、ということである。これに反し他の客観は単なる表象であり、い...象徴機能と身体-幻想的身体論3

  • 象徴機能と身体-幻想的身体論 2

    竹田青嗣の『新・哲学入門』をネタ本に、竹田が展開する身体論について見ている。「1」では、レヴィ=ストロースの考察に基づく「象徴機能」の構造について述べた。ここで「哲学の再興」をうたう竹田が、なぜ身体論といったものにここまで深く関わるのか、ということについて述べておく必要があるだろう。本書における竹田の主張は次のようなものだ(以下、太字は本書からの引用)。哲学とは言葉による「世界説明」である(だが、哲学は社会の「真理」を捉えるのではない。言葉は真理を捉えることはできず、ただ「世界の絵」を描くことができるだけだ)。そのための哲学の方法が「普遍洞察」であり(この方法が哲学を普遍的な世界説明とする)、それが哲学の「原理」である。しかし、特に現代哲学はこの原理を否定し、解体している。だから哲学は、いまもう一度、普遍...象徴機能と身体-幻想的身体論2

  • 象徴機能と身体-幻想的身体論 1

    2014年に「象徴体系を使った治療システム」という記事を4本にわたって書いた。その治療システム自体は今はもう使っていないが、特に「4」の中で述べた、象徴体系を治療(施術)の中に取り込む意味と意義は、私の中で少しも変わっていない。そんな中、竹田青嗣の『新・哲学入門』を読んでいて、その中に興味深い論考を見つけた。ちなみに、この『新・哲学入門』はタイトルからも分かるように哲学書であって、治療関係の本ではない。竹田はこの本の目的について哲学は、いまもう一度、普遍的な「世界説明」の創出の営みとして、普遍洞察の方法として再生されねばならない。(中略)この課題は、われわれの時代の人間と社会の可能性にとって必須のものである。これを本書のマニフェストとしたい。と宣言している。そんな本がなぜ象徴体系だの治療だのと関係するのか...象徴機能と身体-幻想的身体論1

  • 2023年冬アニメの感想と評価 1

    不作と言われた2023年冬アニメだが、既に放送が終わったものについてネタバレなしで感想と評価を。ちなみに私の場合、アニメは何より物語が面白いことが重要で、作品全体の評価の少なくとも半分はそれで決まる。逆に萌えやエロといった要素にはさほど興味はないし、作画崩壊も(目に余るほどヒドくなければ)問題にはしない。以下、並びは50音順で評価はAからE。『異世界おじさん』2022年夏アニメとして放送されるはずだったが、スタッフが新型コロナに感染するなどして第7話までで中断。改めて今期、第1話から放送された。ところが公式サイトによると、中国での新型コロナ感染拡大の影響で中国に外注していた部分の制作が間に合わず、第13話の放送がまたまた延期になった(現時点で放送日は未定)。17歳の時にトラックにはねられて以来、ずっと昏睡...2023年冬アニメの感想と評価1

  • あまりメガネをしなくてもよくなる

    一応最初に断っておくが、これはステマ(ステルス・マーケティング)ではない。最近、気がつくとメガネをかける頻度が大幅に減った。以前は、PCで作業するにしても本や新聞を読むにしても、メガネがないと始まらないという感じだったのが、今は逆にメガネをしない方が見やすいので(といっても、若い時のようにシャープには見えないが)、重要な書類を書く時などを除いてメガネはしていない(現にこの文章もメガネなしで書いている)。40代後半くらいからものが見えづらくなり、ブログにも「老眼鏡を買う」なんて記事を書いたとおりで、50代にはメガネなしでは読み書きに不自由するようになってしまった。その間、こちらも手をこまねいていたわけではなく、視力がアップするという方法をいろいろ試してみたが、どれも効果がなく、だんだん「読み書きする時はメガ...あまりメガネをしなくてもよくなる

  • カバラと「生命の木」 33

    「カバラと『生命の木』」の第33回。「生命の木」の第10セフィラ、マルクトについての続き。まず第9セフィラであるイエソドとマルクトの関係について。イエソドは形を与える原理であり、そこで形成されるものは全て(それが相容れないものを含まない限り)マルクトで具現化(=物質化)されることになる。それでも物質粒子は極めて反抗的で鈍重なので、秘伝家が「火の元素」と名づける、物質の最も希薄な部分に働きかけることによって、初めてイエソドの諸力が効果を現すことが可能になる。ここで「32」でも触れた四大元素について、更に詳しく述べておこう。「火の元素」は事物そのものというより、むしろそれらの間のさまざまな関係状態を意味する。「風の元素」はそれらの関係を生み出す可能性であり、ゆえに物理的生命の根本原理である。なぜなら有機体が形...カバラと「生命の木」33

  • 神託は下った 2023

    古式に則って正月(場所によっては旧正月)に五穀で粥を炊き、その結果によってその年の吉凶を占う粥占(かゆうら)。2023年も各地の寺社で行われ、結果が出揃ったようだ。中でも長野にある諏訪大社下社春宮の粥占(ここでは「筒粥神事」と呼ぶらしいが)は毎年、多くの粥占ウォッチャー(?)が注目していて、その結果が話題に上る。というのも、ここの粥占は過去に東日本大震災や新型コロナ・パンデミックを当てていたのではないか、と言われているからだ(その辺りのことは過去記事「神託は下った」を参照されたい)。で、今年2023年の結果について「長野日報」の記事の一部を引用すると下諏訪町の諏訪大社下社春宮で14日夜に始まった「筒粥神事」は、15日早朝に釜揚げしたヨシの茎を割り、今年1年の世相と農作物の豊凶を占った。五分を満点とする「世...神託は下った2023

  • 適切な薬を服用すればカゼは7日で治るが、放っておくと治るまでに1週間かかる

    統計学者のジェフリー・S・ローゼンタールが世の中の不可解で理不尽な出来事を統計学の立場から解き明かした本、『それはあくまで偶然です』。その第18章「ここらでちょっと一休み──ラッキーなことわざ」には、運や偶然にちなんだ、さまざまなことわざやアフォリズム(箴言)が集められている。その中の1つにWithpropermedicationyoucancurecoldinsevendays,butlefttoitsowndevices,ittakesaweek.というのがあった。意味は「適切な薬を服用すればカゼは7日で治るが、放っておくと治るまでに1週間かかる」である。いくつかの単語を拾い読みしただけだと、きちんと医療を受けることの大切さを説いているように見えるが、もちろんそういうことではない。カゼなど薬を飲もうが...適切な薬を服用すればカゼは7日で治るが、放っておくと治るまでに1週間かかる

  • カバラと「生命の木」 32

    「カバラと『生命の木』」の第32回からは、話題は「生命の木」の一番下に位置する第10セフィラ、マルクトへと移る。以前の記事で既に何度か述べたように、「生命の木」は3つの三角形の構造を持つが、マルクトはそうした三角形の構造から外れ、独立したセフィラである。他のセフィロトが単一の色彩で表されるのに対して、マルクトは複数の色彩で表される。というのも、マルクトは四等分され、それぞれ地・水・火・風の四大元素が割り当てられているからだ。マルクトは「木」のどの三角形においても機能しないが、「木」のあらゆる活動の最終結果として存在する。「マルクトは他の全てのセフィロトからの流出を受ける」とカバリストが言う所以である。同時にマルクトは霊的向上における最下層、出発点であり、外へと向かう孤の一番外側の点でもある。一般にマルクト...カバラと「生命の木」32

  • 2022年秋アニメの感想と評価 3

    2022年秋アニメのうち、全5話の『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)』と、途中で切った4本については「1」、年内に完結した作品については「2」に述べたので、今回は年を越えて放送が続く作品について感想と評価を。ここに挙げた作品はまだ放送中なので、評価は暫定的なものだが、AからEの5段階。ちなみに私の場合、アニメの評価では何より物語が面白いことが重要で、作品全体の評価の少なくとも半分はそれで決まる。逆に萌えやエロといった要素にはさほど興味はないし、作画崩壊も(目に余るほどヒドくなければ)問題にはしない。以下、並びは50音順。『アークナイツ黎明前奏』原因不明の天災に見舞われ、それが元で発生した不治の病、鉱石病がはびこる荒廃した世界。激しい差別と迫害にさらされた鉱石病感染者たちは武装組織、レユニオンを立ち上げ、各...2022年秋アニメの感想と評価3

  • 2022年秋アニメの感想と評価 2

    2022年秋アニメは、私は1本の再放送を含む20本のアニメを見た。そのうち全5話の『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)』と、途中で切った4本については既に「1」にアップしたので、今回は年末までに完結した作品について感想と評価を。ちなみにアニメの何をどう評価するかは各人さまざまだと思うが、私の場合、何より物語が面白いことが重要で、作品全体の評価の少なくとも半分はそれで決まる。逆に萌えやエロといった要素にはさほど興味はないし、作画崩壊も(目に余るほどヒドくなければ)問題にはしない。以下、並びは50音順で、評価はAからEの5段階。『コードギアス叛逆のルルーシュR2』再放送放送されたのは15年前の作品で、もう何度も見ているのに、「やっぱり面白いなー」としみじみ思う。練り上げられた物語の面白さ、キャラが立った登場人物...2022年秋アニメの感想と評価2

  • アニメ『うる星やつら』への小うるさい意見と感想

    アニメ『うる星やつら』第1クールの放送が終わったのを機に、小うるさいことをいろいろ言わせてもらおうと思う。正直言って「高橋留美子が“来てる”わけでもないのに、なぜ今『うる星やつら』?」というのが疑問だった。『ゲゲゲの鬼太郎』の前身である『墓場鬼太郎』をアニメ化した頃のフジの「ノイタミナ」枠は、バリバリに「攻めてる感」があったが、今回の『うる星』にはそうしたものが全く感じられない。ましてやこれをやった後は『るろうに剣心』のリメイク版をやるとなれば尚更。もしかしたら、あの『約束のネバーランド2期』の大失敗によって、「ノイタミナ」枠は企画が立てられなくなりつつあるのだろうか?私は大学時代、押井守らが監督をやった『うる星』の旧アニメ版をリアルタイムで見ていた。私の場合、『うる星』はアニメから入ったクチで、アニメを...アニメ『うる星やつら』への小うるさい意見と感想

  • 「なんちゃってマキマ方式」の話

    アニメ『呪術廻戦』には施術(治療)に使えるネタがいくつもあって、そうしたものを記事にしてアップしてきたが、アニメ『チェンソーマン』は、物語の内容は『呪術廻戦』と被る要素が多いのに使えるネタが全然なくて、見ていて不満だった。けれど、第9話に出てきたアレは施術メソッドとして見ても、とても興味深いものだ。それについて書くには、『チェンソーマン』という物語についてネタバレなしで、ちょっとだけ触れておかなければならない。『チェンソーマン』は「週刊少年ジャンプ」に連載中のマンガで、現在、MAPPA制作によるアニメが放送中。物語の舞台は悪魔という存在が社会問題化している世界で、チェンソーの悪魔と融合した主人公、デンジは公安で対悪魔を担うマキマに拾われ、彼女の下で公安部所属のデビルハンターの一員となった。そして第9話では...「なんちゃってマキマ方式」の話

  • 11/15の朝日新聞文化欄に、脚本家の渡辺あやとトマト農家兼映画監督の山崎樹一郎の対談が載っていて、その中のこんなやり取りが強く印象に残った。対談の中で渡辺は執筆中のドラマ『エルピス-希望、あるいは絶望-』に触れて渡辺「この社会、おかしくないですか」と問いかけたかった。自分たちのコミュニティーの倫理で理解出来ないことに対しての不寛容さが強まってきています。「エルピス」の第1話で、ヒロインが男性の上司から「更年期」と言われるシーンを書いたら、会議で「反発を受けるから削ってほしい」と言われました。私は「絶対残したい」と。山崎普通に言われているわけだから、テレビが隠すべきじゃない。ただ、実際に言われた人は二次被害と感じるのでしょうか。渡辺そうですね。でも今、傷ついた傷ついたと言い過ぎていませんか。そんなに傷つか...傷

  • 害になるアドバイス

    世の中には(求められてもいないのに)他人に教えを垂れたり、アドバイスめいたことをするのが大好きな人たちがいる。もしかしたら、いわゆる陰謀論を広めているのも、そういう傾向を持った人たちが少なくないかもしれない。そして、そうした教えやアドバイスは助けになることもある反面、あまり真に受けない方がいいものや(陰謀論を含めて)聞くと害にしかならないものがある。YouTubeに「謎の数学者」という人がアップしている動画がある。公表しているプロフィールによると、アメリカの大学で学位を取得し、数学者としてアメリカの大学で教鞭をとっている(が今度、日本の大学に赴任してくる)ようだ。なので、アップしている動画の内容も、数学の勉強の仕方、数学書の読み方、数学の各分野の概要、研究者になるまでのプロセスといったもので、大学の数学科...害になるアドバイス

  • アンガー(怒り)・マネジメントとしての「百会(ひゃくえ)タップ」

    本屋に行くと「怒らない技術」だとか「怒られない技術」だとか「怒らせない技術」などといった本をよく見かける。そのくらい世の中、怒りを溜め込んでいる人が多いのだろう。だから、アンガー・マネジメントは今の世を生き抜くための重要なスキルになっていると見られる。そのアンガー・マネジメントについてはさまざまな手法があるようだが、私がある人から教えてもらった方法は非常に手軽で、自分でもやってみてそれなりに効果もあると思われるので、ここで紹介したい。その方法は、簡単に言えば「百会タップ」である。百会穴は頭頂部の、教科書的には「前髪際正中線直上5寸、あるいは両耳尖を結ぶ線上の中点」にあるツボで、そこを軽くタッピングする。ただそれだけ。この百会穴について、手持ちの『針灸学[経穴篇]』(東洋学術出版社)には[由来]「百」は多い...アンガー(怒り)・マネジメントとしての「百会(ひゃくえ)タップ」

  • 2022年秋アニメの感想と評価 1

    2022年秋アニメは現在、絶賛放送中で、私は1本の再放送を含む20本のアニメを見る予定だが、そのうち『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)』の放送が終わったのと、1期前半が終了した『機動戦士ガンダム水星の魔女』を含む4本を切ったので、他の作品に先んじて、それらについての感想と評価(ただし評価は最後まで見た『羅小黒戦記』のみ)をアップすることにした(ネタバレはなし)。ちなみにアニメの何をどう評価するかは各人さまざまだと思うが、私の場合、何より物語が面白いことが重要で、作品全体の評価の少なくとも半分はそれで決まる。逆に萌えやエロといった要素にはさほど興味はないし、作画崩壊も(目に余るほどヒドくなければ)問題にはしない。まずは完結した作品から。『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)ぼくが選ぶ未来』(全5話)中国アニメで...2022年秋アニメの感想と評価1

  • 解剖学書を買い直す

    気がつけば使っている解剖学書がボロボロで、本として壊れかけた状態になっていたため、新しく買い直した。これまでメインで使っていた解剖学書は、カイロプラクティックを学んでいた時に指定教科書として購入した、文光堂の『解剖学アトラス第3版』だった。買ったのは確か1997年だったと思う。何と、それから25年が経過(!)して、本もかなり傷んだ。ただ傷んだのは「それだけ熱心に勉強したから」というよりは、ほとんどが経年劣化によるものだと思われる。医学書というのはとにかく大きくて重いので(特にハードカバーは)、ただ置いておくだけでも自重で少しずつ壊れていくのだ。文光堂の『解剖学アトラス』は、解剖学書としては全体をくまなくカバーしているという意味で、初学者から使える非常にバランスのいい本なのだが、逆にある部分をもっと詳しく知...解剖学書を買い直す

  • 武器化する世界

    世界の実相を知るのにオススメの、この『武器化する世界』は非常に親切な作りになっていて、カバーに要約が書かれている。ネット、フェイクニュースから金融、貿易、移民まであらゆるものが武器として使われている本文に書かれているのは、それら一つひとつについての詳細だから、このカバーの要約を読めば、それだけでこの本の内容を丸ごと把握したに等しい。だからといって、「この本は中身が薄い」などと誤解しないでほしい。この本を一言で言い表すなら「恐ろしい本」だ。世の中に溢れるホラーなど束になっても足下にも及ばないような「恐ろしい本」。なぜなら書かれているのは、いるかいないか分からない呪いに満ちた悪霊や不死身の怪物や狂った連続殺人鬼の話ではなく、確実に“いま、そこにある危機”だからだ。ロシアによるウクライナ侵攻や北朝鮮の度重なる弾...武器化する世界

  • カバラと「生命の木」 31

    「カバラと『生命の木』」の第31回も第9セフィラ、イエソドについての続き。第30回で述べたように、月と地球は1つのエーテル体ダブルを共有し、動植物の生理作用に重要な役割を持っている。そんなエーテル的活動を刺激するのが、月の光である。1つのエーテル体ダブルを共有する月と地球は、満月の時にエーテル的活動が最も活発になる。逆に新月では、あらゆるエーテル的活動が最も低下して無秩序な力が生じやすくなる。一部の敏感な人たちはこうした宇宙の潮流の趨勢に気づいているが、それほど敏感ではない人々も一般に認識されている以上に、そうした潮流の影響を受けている(心身の活力が低下している病気の時は特に)。ネツァクとホドの奇妙な二重性については先に述べているが、我々はイエソドにおいて再びこの二重の象徴に出合う。イエソドは本質的に月の...カバラと「生命の木」31

  • 2022年夏アニメの感想と評価

    2022年夏期は普段の期より若干少なくて、1本の再放送を含む12本のアニメを見た(うち途中切りは1本)。ただ、その中の『異世界おじさん』は、スタッフのコロナ感染により今期は第7話までで放送休止になってしまい、改めて2022年秋期に放送されることになったので、再放送の1本とこの『異世界おじさん』を除く10作品について、レビューと評価を行った。なお私の場合、何より物語が面白いことが重要で、作品全体の評価の少なくとも半分はそれで決まる。逆に萌えやエロといった要素にはさほど興味はないし、作画崩壊が仮にあっても、作品全体の雰囲気をぶち壊すほどヒドくない限り、問題にはしない。※作品の並びは50音順『アオアシ』後半サッカーJリーグの名門、東京シティ・エスペリオンのユースチームへの入団を果たした主人公、青井葦人(あしと)...2022年夏アニメの感想と評価

  • 書店にて

    私の住んでいる埼玉県草加(そうか)の駅近くには2軒の書店があって、よく立ち寄っている。そのうちの1軒は店長が右寄りの考え方の持ち主なのか、歴史関係のコーナーにも「そっち系」の書籍が多く並べられている他、雑誌も『Hanada』や『WiLL』、『正論』などが目立つところにドンと平積みになっている(もちろんそれ以外にも岩波書店の『世界』なども置かれてはいるが、大抵は隅っこの方で小さくなっている)。さて、その書店が安倍元首相の国葬(というか、岸田首相の言い回しによれば「国葬儀」(´艸`)ムププ)の実施が決まった頃だと思うが、店内のレイアウトを変更して「政治」コーナーを目立つところに持ってきて、そこに安倍礼賛本を並べるようになった(とはいえ礼賛本一色ではなく、例えば安倍官邸について批判的に述べた『官邸は今日も間...書店にて

  • 『リコリス・リコイル』と『GUNSLINGER GIRL』の間

    2022年夏期のアニメの中でも、一部で異様な盛り上がりを見せた『リコリス・リコイル』(長いので以下『RR』。正しくは『LR』だが、カタカナの『リコリス・リコイル』の略ならこっちの方がいいだろう)。この『RR』には、監督自身が明らかにしているように、下敷きとなった作品がある。それが『GUNSLINGERGIRL』(長いので以下『GG』)である。アニメ『GG』は相田裕の同名のマンガが原作で、その原作マンガは2002年7月から2012年11月に雑誌連載されたが、アニメは第1期が2003年、第2期が2008年に放送された(ちなみに、その第2期は視聴者から批判が殺到して炎上する騒ぎになった。その経緯は非常に面白いが、この記事の趣旨から外れるのでここでは触れない。興味がある人は自分で調べてみ)。なお私は『GG』は第1...『リコリス・リコイル』と『GUNSLINGERGIRL』の間

  • 順序を問う

    最近、また腰にビキッと痛みが走ることがあって、それを自分で治療した。主にキネシオロジーを使って「弱さ」を検出し、それを取っていくというのが基本だが、実際のところなかなか痛みが改善しないことも少なくない。今回もそうで、腰痛の症状が長引きそうな不安があった。そんな時ふと、いつもとは違う順序で「弱さ」を検出することをしてみた。具体的にいうと、私は普段、まず相手の身体空間が実座標空間にあると設定して「弱さ」を検出し、次に複素座標空間、続いて(複素)射影空間にあるというふうに設定を変えながら「弱さ」を検出することを行っている。それで足らない時は上のような設定の変更とは別に、位相そのものの設定を変えて調べることも行う(その辺りのことは、詳しくは過去記事「人体に位相を導入する」、「同2」、「位相空間論を治療に用いる」、...順序を問う

  • 分数の割り算は、なぜ割る数をひっくり返して掛けるのか?

    算数でしばしば“つまずきの石”となる項目の1つに、分数の割り算があると言われている。分数の割り算は、割る数(の分子と分母)をひっくり返して掛けることで行うが、なぜそうなるのか分からなくて算数嫌い、ひいては数学嫌いになってしまう児童、生徒が一定割合いるという。私が数学科の学生だった時、代数学を担当されていたH先生は(私の記憶違いでなければ)授業の中でこの分数の割り算について「そういう風に習うんだから、そうすればいいんです」と言っておられた。数学者でさえ(あるいは数学者だから)そんなことをマジメに考えることはしないのだ。けれど私は、最近そんなことをつらつら考えていて、ふと答えに辿り着いた。今回はそれについて述べたい。つまり分数の割り算は、なぜ割る数をひっくり返して掛けるのか?である。その答えは一番最後に明らか...分数の割り算は、なぜ割る数をひっくり返して掛けるのか?

  • 動乱の予感

    「影のCIA」の異名を取る世界的インテリジェンス企業、ストラトフォーの創業者にして会長のジョージ・フリードマンは邦訳名『100年予測』と題するシリーズを執筆している。『ヨーロッパ炎上新・100年予測動乱の地政学』もその1冊で、タイトルからも分かるようにロシア、トルコを含むヨーロッパの来たるべき地政学的な大変動について予測を述べている。私はこれ以外のフリードマンの『100年予測』を読んだことがないのでよく分からないが、本書の中で彼はヨーロッパに対する負の感情を隠さない。本書にはヨーロッパの歴史とヨーロッパ人の思考傾向、行動様式、生活態度といったものに対するフリードマンの憎悪にも似た嘲笑と侮蔑、反感と諦観が溢れていて、まるで彼はこうした負の感情を原動力にして本書を執筆したのではないか、と思えるほどだ(逆に自分...動乱の予感

  • アニメ『呪術廻戦』第16話

    今、日曜の夕方にアニメ『呪術廻戦』1期の再放送をやっていることもあり、初見の時にブログ記事にしようとしてできなかったものについて改めて述べたい。それは第16話の中に出てくる。が、その前に『呪術廻戦』について知らない人のために、ごく短く物語の粗筋を述べておこう。既に物語を知っている人は、ここは飛ばしてよい。主人公は並外れた身体能力を持つ高校生、虎杖悠仁(いたどりゆうじ)。その虎杖の通っている高校で呪いの王・両面宿儺(すくな)にまつわる“呪物”の封印が解かれ、宿儺が復活を遂げつつあった。だが、そこで虎杖はとっさにその“呪物”を飲み込んでしまう。本来なら心身を宿儺に乗っ取られてしまうはずが、その力を辛うじて抑え込んだ虎杖は“両面宿儺の器”として生きていくことになる。呪術師の五条悟はそんな虎杖を自らが教鞭をとる東...アニメ『呪術廻戦』第16話

  • カバラと「生命の木」 30

    「カバラと『生命の木』」の第30回。今は第9セフィラ、イエソドについて見ている。イエソドはオカルティズムの実践において極めて重要な天球である。なぜならマルクトから意識を上昇させる時に到達する最初の天球がイエソドだからだ。イエソドはイメージの宝庫、地の天球(=マルクト)を反映するエーテルであり、ミクロコスモスでは心理学者の言う「無意識」に相当する、人間の幼年時代からの抑圧された古代の忘れられた事物で満たされている。ゆえに「幻想の天球」とも呼ばれる。しかしイエソドに到達して「宝庫」の中のイメージを感知することはできても、そのイメージを支配することはできない。というのも、イメージの宝庫の扉を開けて、そこにあるものを支配するための鍵は、「魔法の天球」ホドにあるからだ。カバラの密儀の中で「どの階級も次の階級に進むま...カバラと「生命の木」30

  • 2022年春アニメの感想と評価 2

    新型コロナで制作が遅れていた『可愛いだけじゃない式守さん』が無事最終回を迎えたので、2022年春期に見た15本のアニメのうち、この「2」は6/25以降に終了したものと7月以降も放送が続く7本について感想と評価をアップする。並びは五十音順で評価はA~E。なお「1」に書いたことの繰り返しになるが、私の場合、何より物語が面白いことが重要で、作品全体の評価の少なくとも半分はそれで決まる。逆に萌えやエロといった要素にはさほど興味はないし、仮に多少作画崩壊があったとしても基本スルーである。『アオアシ』放送継続中サッカーのユースチームを舞台にした作品。愛媛の中学のサッカー部でFWだった主人公、青井葦人(あしと)はJリーグのユースチーム監督に見出され、〈セレクション〉を突破し、中学卒業と同時に上京してユースチームへの入団...2022年春アニメの感想と評価2

  • 2022年春アニメの感想と評価 1

    2022年春期は2本の再放送を含む15本のアニメを見た(途中切りはなし)。ちなみにアニメの何をどう評価するかは各人さまざまだと思うが、私の場合、何より物語が面白いことが重要で、作品全体の評価の少なくとも半分はそれで決まる。逆に萌えやエロといった要素にはさほど興味はないし、作画崩壊のありなしも(目に余るほどヒドいなら別だが)あまり問題視しない。この「1」は6/24深夜までに放送が終了したものを。並びは五十音順で評価はA~E。なお再放送の1本『機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ』は特別編集版、もう1本の『四畳半神話大系』は私には初見だったので、新作と合わせて以下にレビューと評価を載せている。『エスタブライフグレートエスケープ』『CodeGeass』の監督だった谷口悟朗によるオリジナル企画で、近未来の東京を舞台...2022年春アニメの感想と評価1

  • Amazonギフト券が送られてきた

    メールボックスを開いたら、誰かが私にAmazonギフト券を送ってくれたようだ。で、それを使うにはギフト券をアカウントに登録する必要があるという。その額5580円ヤタ━━━━━━ヽ(゚`∀´゚)ノウヒョワーイ、うれしいなー。でもこれ、詐欺だからなー(。-ω-)-ω-)-ω-)シーン・・・。残念ながら私には、そんな気前のいい知り合いはいないんだよ。一応、下にメールの画面を添付しておくので、こんな詐欺に引っかからないよう、ご注意を。Amazonギフト券が送られてきた

  • カバラと「生命の木」 29

    「カバラと『生命の木』」の第29回は、第9セフィラ、イエソドについての続き。第28回で述べたように、いかなる魔術を持ってしても物質界の状況を勝手に自らの意志に従わせることはできない。それは即ち、物質界の状況が魔術によって影響されることはない、ということを表している。物質界であるマルクトへは、ただイエソドを通じて接近できるだけであり、イエソドへはホドを通じて接近できるだけである。我々の現在の知識では、イエソドにおけるエーテルについて完全に説明することはできない。だが、アストラル的なエーテルの本質は知らなくても、観察によってその特性を推定することはできる。そして、この特性のうちの2つが実践的オカルティズムの作業に欠かせないものであり、全体系の土台を形成するものである。その2つのアストラル的エーテルの特性とは、...カバラと「生命の木」29

  • 『お勢、断行』あるいは本当にしたいこと

    去る5/19、世田谷パブリックシアターに舞台『お勢、断行』のマチネ公演を見に行ってきた。実は新聞で『お勢、断行』の記事を見て、見に行く予定だった2本の芝居をこちらに変えたのである(見たいものを全部見に行ければいいのだが、さすがにカネがない)。最初に『お勢、断行』という舞台のことを知ったのは、2020年の新聞記事だった。といっても、その記事は舞台の紹介やレビューではなく、緊急事態宣言によって公演が中止になったというものだった。元々の『お勢、断行』は、直前に緊急事態宣言が発出されたことで全公演中止となったのだという。記事が伝えるところでは、役者陣や公演スタッフは観客が誰もいない客席に向けて最後の通し稽古を行い、そのまま解散となったそうだ。その時のむなしさと悔しさを主演の倉科カナが語っていた。ちなみに、この作品のタイ...『お勢、断行』あるいは本当にしたいこと

  • アニメ『マギアレコード』あるいは失敗の物語

    僕たちは失敗した。取り戻せるものなど、もうどれほども残っていない。それでも僕だけは憶えてる。アニメ『マギアレコード』ファイナルシーズン「浅き夢の暁」全4話の第1話は、こういうセリフで終わる。以前、「アニメ『マギアレコード』あるいは混乱の物語」という記事で、私はう~ん、何がしたいのかサッパリわからん…(-_-;;と書いた。だが、それが「浅き夢の暁」によって完全に明らかになった。そうか、『マギアレコード』がやろうとしていたのは、こういうことだったのかΣ(Д゚;/)/…!?『マギレコ』は『まどマギ』からの派生作品だが、ソシャゲ原作だったから『まどマギ』のような凄みが全く感じられないダルい作品だな、くらいに思っていた。けれど、それが目指していたところが明らかになったことで、実は『まどマギ』に勝るとも劣らない凄みを持った...アニメ『マギアレコード』あるいは失敗の物語

  • NHKから来た怪しいメール

    「【重要】NHKプラスアップグレードサービスお知らせ」というタイトルの、こんなメールが来た。sokyudo@***様:NHKのサービスをご利用いただきありがとうございます、NHKがNHKプラスにアップグレードされました。NHKアップグレードの内容を以下に説明させていただきます。パソコンやスマートフォン、タブレットで、総合テレビやEテレの番組を放送と同時に視聴できます。総合テレビやEテレの番組を放送後から1週間いつでも視聴できます。見逃し番組をジャンルやテーマ別に並べ、番組を見つけやすくしました。見逃し番組を、日付やチャンネル、キーワードで探すことができます。放送受信契約のある方は追加の負担なくお使いいただけます。アップグレードは無料で、契約を結んでいる人は誰でもアップグレードする必要があります。今すぐアップグレ...NHKから来た怪しいメール

  • 温故知新

    文春新書007とナンバリングされた『二十世紀をどう見るか』は、私の記憶違いでなければ文春新書創刊時にラインナップされた中の1冊である。奥付には「平成10年10月20日第1刷発行」とあり、このレビューを書いている令和4(=平成34年)年4月12日から見ると23年半ほど前、つまり四半世紀ほど前に出された本、ということになる。この本は中世まで遡った歴史的背景を踏まえて20世紀という時代を再考し、来たるべき21世紀の世界を展望するという趣旨で書かれたものだ。この中で野田宣雄が主張しているのは、今後の世界の変化の基調にあるのは「中世への回帰」あるいは「新しい中世」であり、その具体的な形が「帝国の再興」だという。ただし、ここで言う「帝国の再興」とは、かつてあった帝国の姿をなぞるように政治権力が凝集する動きを指す。20世紀末...温故知新

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