蒼穹堂治療室の院長が送る、極私的治療論とお役立ち(?)情報の数々。
キネシオロジー、クラニオセイクラル・ワーク(クラニオ)、鍼灸などを中心に施術を行っている治療家です。日々の臨床で発見したさまざまな治療法の紹介や、毎日の生活で感じたことなどを、つれづれなるままに綴っています。治療の最新情報(?)の入手のために、あるいは、治療家なるものの生態を知るために、ご活用いただければ幸いです。
2025年春アニメは16本を見ていた(途中切りはなし)。そのネタバレなしの感想と評価。6月を待たずに放送を終えたものと、7月以降も放送が続くものについては、それぞれ「1」、「2」に述べたので、この「3」では6月末をもって放送が(一応)終了した10本を取り上げる。 ちなみにアニメの評価については、私の場合、何より物語が面白いことが重要で、作品全体の評価の少なくとも半分はそれで決まる。逆に萌えやエロといった要素にはさほど興味はないし、作画崩壊も(目に余るほどヒドくなければ)問題にはしない。 以下、並びは50音順で、評価はA~E。 (1)『アポカリプスホテル』 霊長類だけを死に至らしめる未知のウィル…
2025年春アニメは16本を見ている。そのネタバレなしの感想と評価。6月を待たずに終了した1本については「1」に述べた。「2」では7月以降も放送が続く5本について(そのうち『炎炎ノ消防隊』参ノ章の続きは2026年冬期放送予定)。 ちなみにアニメの評価については、私の場合、何より物語が面白いことが重要で、作品全体の評価の少なくとも半分はそれで決まる。逆に萌えやエロといった要素にはさほど興味はないし、作画崩壊も(目に余るほどヒドくなければ)問題にはしない。 以下、並びは50音順で、評価はA~E。 (1)『アン・シャーリー』第1クール 両親に先立たれ孤児院で暮らす11歳のアン・シャーリーは、カナダ、…
朝日新聞の連載を毎日読んでいた吉田修一の『国宝』。Wikipediaによると、連載期間は2017年1月1日から2018年5月29日。それから7年が経って、いい具合に物語の内容も忘れかけていた2025年の6月12日、映画版を見に行ってきた。 抗争によって両親を失った喜久雄は、上方歌舞伎の大名跡、花井半二郎に引き取られる。子供歌舞伎での喜久雄の女形を見た半二郎が、その才能を見抜いたからだ。だが半二郎には、いずれその名跡を継ぐと言われていた実子、俊介がいた。同い年の喜久雄と俊介は最初こそギクシャクしていたものの、半二郎から歌舞伎の芸を叩き込まれ、奇しくも同じ舞台でデビューを果たし、その後も仲のよいコ…
モーフィングなのか、多重露光か、それともプロジェクション・マッピングなのか、何人もの人の顔が重なり合い、変化し、歪んでいく、映画冒頭の映像を見て、改めて人の顔とはこれほど恐ろしいものかということを感じた。 これは、その映画『ガール・ウィズ・ニードル』のネタバレなしのレビューである。 描かれるのは第1次大戦末期から戦後のデンマークだというが、映画本編ではそうした時代設定は明確には語られない(新聞売りの小僧が街頭で「ドイツが降伏したよ~!」と道行く人に呼びかけるシーンがあるくらい)。その本編は全てモノクロで描かれ、色を廃し舞台となる国も時代も曖昧な分、生々しさが消え、寓話的な色合いが強まって見える…
「整形外科は検査、診断するところ、整骨院は治療を行うところ」だって!?
治療院のポータルサイトで、サイトの訪問者が体の悩みについて相談、質問を投稿すると、そのサイトに登録している治療院の先生がそれに回答する、というサービスを行っているところがある。もちろん回答は強制ではなく任意のボランティアだが、私も時々気が向くと回答している。 最近、そこに寄せられた「整形外科でもお手上げ状態だ」という相談に対して、ある整骨院の先生が「あくまで私見」と断った上でだが、「整形外科は検査、診断するところ、整骨院は治療を行うところ」だから「早めに整骨院に行くように」と回答していたのを見て驚いた。院名はもちろん回答した先生の名前も出る中でよくこんなこと書けるな、と。 まず、ちょっと法律的…
2021年11月に「1」、「2」をアップしたが、私はその後も数学書を読んでいて、この4年弱の間に読んできた5冊をここに紹介する。なお、「本が好き」にレビューも投稿しているので、そこへのリンクも張っておく。以下の紹介文は、一部にレビューを援用しながら新たに書いたもの。 『代数学Ⅰ 群と環』(桂利行、東京大学出版会) 群論と環論の基本的な内容が125ページ(うち本文は100ページ)にまとめられた、代数学の入門的教科書/参考書。なお、この本は『Ⅱ 環上の加群』、『Ⅲ 体とガロア理論』と合わせて、全3巻で学部レベルの代数学の内容がほぼ網羅されているようだ。非常にコンパクトで軽快な本なので、代数学の入門…
2025年春アニメは16本を見ている。そのうち1本の放送が終わったので、それについてネタバレなしの感想と評価。実は途中切りするものもあるだろうから、それと抱き合わせて記事にしようと思っていたのだが、結局、今のところ途中切りした作品はなく、この「1」は1作品のみとなった。 ちなみにアニメの評価については、私の場合、何より物語が面白いことが重要で、作品全体の評価の少なくとも半分はそれで決まる。逆に萌えやエロといった要素にはさほど興味はないし、作画崩壊も(目に余るほどヒドくなければ)問題にはしない。 『未ル(MIRU) わたしのみらい』 何とYANMARの1社提供による、全5話のオムニバス形式のアニ…
過去記事「持続痛(=慢性痛)をもたらすもの」の中で、痛みとは (脳が)現在の身体の状態をどう認識しているかであり、身体が現実にどういう状態にあるかということではない と述べた。これはもちろん痛みに限定されるものではなく、他のさまざまな身体症状にも言えることだ。 私は以前、ひどい化学物質過敏症の患者を診たことがあるが、その人は化学物質に対する反応以前に、「化学物質」という言葉に反応していた。具体的には、本人には何も告げずに「化学物質」と書いた紙を体に乗せてキネシオロジーの筋反射テストを行うと、アンロックする(=筋肉が弱化する)のだ(もちろん、文字を書く前の同じ紙を乗せた場合はロックする(=筋肉が…
映画『教皇選挙』は、ローマ教皇の死去から教皇選挙(コンクラーベ)を経て次の教皇が選ばれるまでを描いた劇映画である。日本では、現実にフランシスコ教皇が体調不良で入院している時期に公開され、教皇は一時は容態が持ち直して退院し、イースターのミサにも姿を現したものの、今日になって死去したことが発表された。これを見越して映画が制作されたわけではないだろうが、まるで図ったように教皇が死去して次の教皇を選ぶ選挙がある中での公開というのは、ある意味「持ってる」作品だと言えるだろう。 youtu.be 映画の内容はもちろん架空のものだが、そこに描かれたコンクラーベなど一連の手続きや儀式は、現実のそれを綿密にリサ…
またまたAmazonを名乗る何者かから、おかしなメールが届いた。 1つ目は「春のセール注文履歴の確認が急務です」という変なタイトルで、内容はこんなの。 これ、書かれている日本語が明らかに変だし、その上、発信元メールアドレスが Amazon.pizzawwwwww@yrkg7.com となっていて、もう詐欺メールであることは疑いようもない。ただ文面にある 神奈川県横浜市中区山下町2-3-4 山下ビル2F というのは実在していて、「カラオケ コート・ダジュール元町・中華街店」が入っているようだ。 2つ目は「異地ログインの検出によるアカウント確認のお願い」というタイトルで、こういう内容。 これも日本…
医療において「痛み」というのは重要なファクターだ。痛みの強弱や、それがどのくらいの期間続いているのか、といったことは、患者の受けた損傷の程度を図る指標になる──と一般の人はもちろん、専門的なトレーニングを積んだ医療従事者も思っている。しかし、モンティ・ライマンは『痛み、人間のすべてにつながる』で、特に持続痛(=慢性痛)について、そうした見方に修正を迫る。 持続痛は解釈が難しい。けがが治癒したあと、痛みがしつこく続くケースがかなり多いことについては、持続痛の中には組織に繰り返しダメージが加わることが原因で引き起こされるもの(通例はがん関連痛、あるいは通風や進行性関節リウマチの症状としての炎症性疼…
2025年冬アニメは再放送を含めて15本を見た。そのうち本放送終了から連続して再放送に入った『烏は主を選ばない』を除く14本のネタバレなしの感想と評価。この「2」は、3/23以降に(一旦)放送が終わった10本について。 ちなみにアニメの評価については、私の場合、何より物語が面白いことが重要で、作品全体の評価の少なくとも半分はそれで決まる。逆に萌えやエロといった要素にはさほど興味はないし、作画崩壊も(目に余るほどヒドくなければ)問題にはしない。 以下、並びは50音順で、評価はA~E。 『アオのハコ』1期第2クール 高校を舞台にした青春恋愛アニメ。この第2クールでは、主人公で高校1年の猪股大喜と、…
世の効果的なマーケティング手法は全て、何らかの形でカルト・マーケティングである
世の中には驚く程多くのマーケティングに関する本があって、しかも日々新しい本が出続けている。その中には定評ある本も少なくないが、もし仮に私が「マーケティングを勉強したいので、オススメの本を教えて」と言われたら、いの一番に挙げるのが、この『危険だからこそ知っておくべき カルトマーケティング』だ。なぜなら、本書には効果的であることが歴史的に実証されているマーケティング手法が網羅され、世の中にある他のマーケティング本は全て、本書の内容の一部をブローアップして1冊の本にしたものに過ぎない、と言っても過言ではないからだ。つまり、世の効果的なマーケティング手法は全て、何らかの形でカルト・マーケティングである…
2025年冬アニメは再放送を含めて15本を見ている。そのうち本放送終了から連続して再放送に入った『烏は主を選ばない』を除く14本のネタバレなしの感想と評価。この「1」は、3/22までに(一旦)放送が終わった4本について。 ちなみにアニメの評価については、私の場合、何より物語が面白いことが重要で、作品全体の評価の少なくとも半分はそれで決まる。逆に萌えやエロといった要素にはさほど興味はないし、作画崩壊も(目に余るほどヒドくなければ)問題にはしない。 以下、並びは50音順で、評価はA~E。 『SAKAMOTO DAYS』分割2クールの第1クール 最強の殺し屋として恐れられた坂本太郎だったが、愛する女…
クラニオセイクラル・ワーク(クラニオ)を今も練習を兼ねてセルフで自分にやっている。クラニオに限らず、自分が自分に対して行う施術の結果は言い訳も誤魔化しも効かないから、私には最もいい学びになっている。 そこで最近ある気づきを得た。といっても、それは今まで誰も気づかなかったことなんかではなく、既にクラニオの本の中に繰り返し書かれていることで、しかもその本は自分が訳したものだった。「灯台もと暗し」とはまさにこのことで、今更「気づきを得た」などというもお恥ずかしい限りだが、まぁ世の中なんてそんなもんだ。 で、私が得たその気づきとは、「クラニオでは『健康(Health)』の現れにただ耳を傾ける」というこ…
クラニオセイクラル・ワーク(頭蓋仙骨療法。長いので以下、クラニオ)における基本となる概念の1つに、第1次呼吸(人によっては第一呼吸、一次呼吸とも)というものがある。 YouTubeにクラニオの施術者らしき人が第1次呼吸について説明した動画があって、そこで「一次呼吸というのは骨が呼吸してるんです」などと言っているのを見て唖然としてしまった。こんなことを投稿者は受け狙いのギャグではなく(完全にスベってるものの)、大真面目にそう言ってる。不特定多数の人が見ている動画でこういう嘘(あるいは誤解/勘違い)が流されることは、クラニオというメソッドにとって決して喜ばしいことではない。というわけで、クラニオに…
高校の新年度が始まったある日、2年D組全員にクラス連絡用メールで、担任も含む25人の“序列”が送られてくる。職員室の担任のPCから送信されたものだが、担任は全く心当たりがないという。結局、誰がいつ、どんな目的で作ったものなのか全く分からないその“序列”は、しかしその日からクラスの中の共通認識になり、人間関係をも変えていった。そんな中、“序列”1位の姫山椿が校内のトイレで首を吊っているのが見つかる。そして、その彼女の葬儀の後、教室に戻った2年D組の生徒と担任の机には、一人ひとりに宛てた姫山の遺書と思われるものが置かれていた。姫山はなぜ自殺したのか? その“遺書”は本当に姫山が書いたものなのか? …
またNHKを騙る変な詐欺メールが来たので、それをシェア。メールの全文は以下の通り。 平素よりNHKをご視聴いただき、誠にありがとうございます。 お客様の受信料のお支払いが確認されておりません。このままではサービスを一時停止させていただく可能性がございます。 つきましては、以下の期日までにお手続きをお願い申し上げます。 お支払い期限:2025年2月28日 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■お支払い方法のご案内 クレジットカードでのお支払い NHK公式サイトから簡単にお手続きいただけます。 オンラインでのお支払いはこちら コンビニエンスストアでのお支払い 払…
2025年も各地の神社で粥占(かゆうら)が行われ、その結果が発表されている(粥占とは、新年に合わせて古式に則って炊いた粥の出来により、その年の吉凶を占う神事である)。 まずは、過去に「神託は下った」などでも述べたように、非常に的中率が高いことでも知られる長野の諏訪大社下社春宮の粥占(ここでは「筒粥神事」と呼ぶらしいが)の結果。毎日新聞の1/15の記事には、次のように書かれている。 長野県下諏訪町の諏訪大社下社春宮で、今年の世相や農作物の豊凶を占う「筒粥(つつがゆ)神事」が小正月の14日夜から15日早朝にかけて行われた。「世の中」は昨年と同じ「3分6厘(5分満点)」の「ご託宣」が下された。大社で…
アメリカでは大統領選に合わせて公開され、トランプ陣営が公開差し止めに動いたとされる『アプレンティス ドナルド・トランプの創り方』は、いろいろな意味で興味深い映画だった。 父、フレッド・トランプの営む不動産業を手伝いながらも、入居者からの家賃の徴収さえ難儀する20代の無名の青年、ドナルド。それでも将来を見据えた人脈作りのため有名人が数多く加盟するクラブの会員になると、そこでニクソン大統領などの顧問弁護士を務めていたロイ・コーンに声を掛けられる。勝つためには手段を選ばない悪名高い冷酷な男、ロイはなぜかドナルドを気に入り、ルールその1:ひたすら攻撃、攻撃、攻撃ルールその2:決して自分の非を認めるなル…
2024年末に放送されたNHKスペシャル『量子もつれ アインシュタイン最後の謎』を見ていてふと思ったことがあり、それについて書くことにした。 そのために、まず「量子もつれ」について述べる(が、既に「量子もつれ」について知っている人は飛ばしてもかまわない)。 「量子もつれ」は元々、量子論を受け入れられなかったアインシュタインが量子論に対する反証として出したものだという。それは量子論から導かれる、相関関係にある量子同士の奇妙な性質についてのものだ。量子論によれば、この相関する2つの量子はどれだけ(例えば何光年も)離れていても、観測によって一方の状態が分かると同時に、もう一方の状態も一意的に確定して…
2024年秋アニメとして見た再放送を含む16本から、夏まで放送されていた『烏は主を選はない』の再放送を除く15本の作品のネタバレなしの感想と評価。この「2」は、そのうち2024年末で(一旦)放送が終わった8本について。 ちなみにアニメの評価については、私の場合、何より物語が面白いことが重要で、作品全体の評価の少なくとも半分はそれで決まる。逆に萌えやエロといった要素にはさほど興味はないし、作画崩壊も(目に余るほどヒドくなければ)問題にはしない。 以下、並びは50音順で、評価はA~E。 『カミエラビ GOD.app』2期 1期は、ただ1つの“神”の座を争う、よくある異能力者同士のデス・ゲームだった…
2024年秋アニメとして見た再放送を含む16本から、夏まで放送されていた『烏は主を選はない』の再放送を除く15本の作品のネタバレなしの感想と評価。この「1」は、そのうち2025年1月も放送が続く7本について。 ちなみにアニメの評価については、私の場合、何より物語が面白いことが重要で、作品全体の評価の少なくとも半分はそれで決まる。逆に萌えやエロといった要素にはさほど興味はないし、作画崩壊も(目に余るほどヒドくなければ)問題にはしない。 以下、並びは50音順で、評価はA~E。 『アオのハコ』第1クール 高校を舞台にした部活動+恋愛アニメ。部活動ものは一般に、同じ部の中での人間模様が中心になるが、『…
私のところにこんな脅迫メールが来た。受信したのは2024/12/04 19:56。実際に開いたのは同じ日の23時過ぎだったと思う(なお中身は一部手を入れている)。 初めまして! 残念なお知らせをするために、ご連絡を差し上げております。僕は、約2~3ヶ月前にネット閲覧用に貴方が利用しているデバイスにアクセスし、その後ずっとネット行動を追跡していました。 アクセスするまでの経緯は、少し前にハッカーからメールアカウントへのアクセスを購入したからです(最近では、そういったものをネット上で購入するのは、かなり単純です)。だから、貴方のメールアカウント (sokyudo@**)にも簡単にログインができまし…
キネシオロジーのセミナーの準備をしていたら、ふと鍼灸学校時代に教わった兵頭明先生のことが思い出された。 兵頭先生は中国まで行って中医学を学んだ方で、東京衛生学園では東洋医学概論や東洋医学臨床論などを担当していた。その兵頭先生による1年の時の授業の一発目だったと思う。先生がいきなり「みんな、鍼の奥義を知りたい?」と聞いてきた。それに対して我々が「知りたい!」と返すと、「じゃあ」といって先生は「フェニックス」と呼ばれる鍼の奥義を教えてくれた。これは先生が中国で老中医から伝授されたもので、他言無用と言われたが最終的に「中国国外でなら教えてよい」と許可を得たという。 この「フェニックス」、ごく単純なも…
ある理由(その理由はレビューとは関係ないので、ここでは述べない)からヴィトゲンシュタイン(長いので以下W)の『論理哲学論考』(以下『論考』)を持つ必要が出て、これまで敬遠していたが、せっかくなので読んでみることにした。この光文社古典新訳文庫版には、冒頭に野家啓一が高校生に向けて『論考』のアウトラインを解説したという体裁で書いた「高校生のための『論考』出前講義」という付録があって、それが『論考』を読むための重要な指針とヒントを与えてくれる。けれども、残念ながら『論考』はこれだけで読み進められるような代物ではなく、私は野矢茂樹の『『論理哲学論考』を読む』(以下『読む』)を傍らに置いて、その助けを借…
2024年11月2日付の「図書新聞」3661号に、私の書いたレビューが掲載された。 元々は書評サイト「本が好き!」に投稿したレビューで、それが「本が好き!」とのコラボ企画として「図書新聞」に転載された、ということのようだ。 書いたのは、1804~1805年に発表されたというヤン・ポトツキの奇想小説『サラゴサ手稿』についてのレビュー。『サラゴサ手稿』は文庫本で上中下の3分冊で出ているが、これを1つの物語としてまとめてレビューしたものだ。 別に原稿料とかがもらえるわけではなく、単にネットのサイトに投稿したレビューが紙媒体に転載された、というだけだが、全く想定外していなかったことであり、うれしかった…
アメリカに内戦(CIVIL WAR)が勃発、という設定の映画『シビル・ウォーアメリカ最後の日』は、久々に見終わって満足感を覚えた作品だった。 物語の舞台となるアメリカの状況は、大統領の3選を禁じた合衆国憲法を強引に改正し、自ら3期目に入った現大統領に対して19の州が連邦から離反。そしてカリフォルニアとテキサスが同盟を結び、東へと攻め込んでいる(またそれとは別に、フロリダがサウスカロライナの反政府勢力を取り込んでいる、といった台詞もある)。そんな中、ニューヨークにある通信社が2州同盟軍による攻勢でワシントンD.C.陥落も近いとの情報を得て、合衆国最後の大統領になるかもしれない男への突撃取材を敢行…
フェルディナント・フォン・シーラッハについて、Wikipediaには次のように書かれている。 ボンの大学で学び、ケルンでの研修を経て1994年よりベルリンで刑事事件弁護士として活動。元東ドイツ政治局員ギュンター・シャボフスキーや、ドイツ連邦情報局工作員ノルベルト・ユレツコ(de:Norbert Juretzko)の弁護に携わり、ドイツでも屈指の弁護士と見なされている。2009年、自身の事務所が扱った事件をベースにした(ただし、文庫解説の松山巖は、そう称していることも含めて純然たる創作であろうと述べており、推測の根拠として守秘義務とともに叙述手法を挙げている)物語集『犯罪』を刊行し、45万部を越…
2024年夏アニメとして見た再放送を含む16本の作品のネタバレなしの感想と評価。途中切りしたものは「1」で、10月以降も放送が続くものは「2」で述べたので、この「3」は今期で一旦放送を終えたものについて。 ちなみにアニメの評価については、私の場合、何より物語が面白いことが重要で、作品全体の評価の少なくとも半分はそれで決まる。逆に萌えやエロといった要素にはさほど興味はないし、作画崩壊も(目に余るほどヒドくなければ)問題にはしない。 以下、並びは50音順で、評価はA~E。 『ATRI-My Dear Moments-』 ゲーム原作のアニメ。原因不明の海面上昇によって地表の多くが海に沈んだ近未来を舞…
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