【マクF】コートの理由【ミハアル】

間男侵入罪から釈放された姫、寮に帰ってくる。そこにミシェルとルカ。ミ「何があったんだい、姫？そんな隊長みたいなコート……」姫「ああ、いいだろ？（得意げ）」ミ「いいっていうか……見事に似合ってないぜ」姫「ナニっ！？」ミシェル、姫の肩に手を置いてため息。ミ「いつも言ってるだろう、お姫様の繊細な肢体にはいかつい服は似合わないって」姫「せっ繊細！？俺のどこが繊細だ！見ろッ！」役に立たない喉仏を指差す姫。ル「うわー先輩、綺麗な首筋ですね～！ほんとにお姫様みたい」ミ「だろ？」姫「くっ、お前ら……っ！！」歯軋りをする姫の耳元にそっと近づくミシェル。ミ「コートが欲しいなら俺が選んでやったのに」姫「うるさい、俺はこれがいいんだ！」ミ「……俺が選んでやったのに」姫「くっ繰り返すなっ……ルカが見てるだろっ」【マクF】コートの理由【ミハアル】

ミハクラ・バレンタイン ～ミシェル視点～

毎年、2月の14日近辺はミシェルの周りが騒がしくなる。「ミ、ミシェルくん、これ……！」思いつめた表情の同級生女子。「ミシェル、今年は付き合ってもらうわよ？」獲物を狙う目つきの年上の女。そしてミシェルはいつものように隙のない微笑を作る。「ありがとう。喜んで」すると相手の顔になんともいえない笑顔が浮かんで、それだけで自分は役目を果たしたような気すらする。こんな自分でも女性に微笑んでもらうことが出来る。たとえ、それが刹那の喜びに過ぎないとしても。聖バレンタイン・デー。誰が作ったが知らないが、とりあえずGJ、とミシェルは考える。女性が幸せになることはいいことだ。自分は直接関係はないけれど。直接関係がない、といったら語弊があるかもしれない。実際、直接手を下しているのは自分だ。自分の手が、舌が、そして身体が直接彼女らを快楽...ミハクラ・バレンタイン～ミシェル視点～

ミハクラ・バレンタイン ～クラン視点～

「……遅いっ！」SMS本部に併設された寮の下のロビーはまだ閑散としている。そこでクランは腕組みをしたまま、イライラと歩き回っていた。今日は天下のバレンタインデー。カレンダー的にも日曜日の今日、多くの者がそわそわと浮き足立っている。かくいうクランも紆余曲折の末、今年はミシェルと約束を取り付けたのだ。昨夜は遅くまで手作りのチョコレートを作っていたにもかかわらず、まだ暗いうちから目を覚まし、長い髪の先からつま先まで（クランなりに）完璧に用意をして待ち合わせの寮のロビーまでやってきた。それが30分前のことになる。「ミシェルのやつ、まさか忘れたんじゃ……」きゅう、とピンクのラッピングペーパーに包まれた小さな箱を握る。ボビーに「コレで完璧♥きっとミシェルちゃんも喜ぶわ～」と太鼓判を押されたふわふわのリボンがクランの小さな手...ミハクラ・バレンタイン～クラン視点～

【マクF】雪が降ったら【ミハアル】

降りしきる雨の中、家路を急ぐミハ。かろうじて傘は持参していたので濡れることはなかったが、ふと視線を上げると、雨の中にたたずむ見慣れた美しい横顔。「アルト！？なにやってんだよ、こんな雨の日に傘もささないで……！？」文字通り、水も滴るいい男となったアルト、緩慢に視線をミハに送る。その思いがけず恍惚とした表情に一瞬、息を呑むミハ。そんな彼に気づいているのかいないのか、アルトは雨粒の流れ落ちる形のいい唇を開く。「……風の日は風に吹かれ、雨に日は雨に降られる。思わざればはn……」うわごとのように幼少時より刷り込まれているのであろう言葉を紡ぎだすアルト。ミハは意識的に現実的に幻想的な雨の中、お姫様の目を覚ます。「はいはい、ストーップ！俺に東洋のナンセンス押し付けようとしても無駄だぜ。ったく、お前が倒れたら誰が面倒見ると思っ...【マクF】雪が降ったら【ミハアル】