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  • オヤジのあくび336

    なぜ? どうして? を面倒くさく感じて、気持ちいいこと・おもしろいことに流れる日本文化3 いい気になっていて、時々大きなしっぺ返しを喰らってきたのも日本史の残念な特徴だと思う。とりわけ過酷な自然現象からは多くのカウンターパンチを食らってきた。 けれど、強かな根性? で起き上がってくるところも同時に日本文化の特徴でしょう。関東大震災、太平洋戦争、復興途上だけど東日本大震災、どの例もみな再起を図ってきた。なぜなら地理上どん詰まりに位置するこの列島から先は海であり、どこにも逃げようがないという覚悟を、ご先祖様からずっと受け継いできたから。 だから楽しめる時には、思いっきり楽しみましょうよ! 食べられ…

  • オヤジのあくび335

    なぜ? どうして? を面倒くさく感じて、気持ちいいこと・おもしろいことに流れる日本文化2 寺子屋では、その子がおそらく将来必要とするであろう知識を個別に教育していた。子どもたちも「君の将来にとって、これを覚えておいた方がいいよ」と言われれば、何となく受け身ではあってもテキストに向かい合ったのだろう。 ところが明治の始めに、国が学校を全国に作り始め、日本中で同じような内容が全ての子どもに教えられるようになってしまった。富国強兵・殖産興業の時代だから、国民の平均的な知識技能を向上させようとしたのだろう。この方策の有効性は戦後高度経済成長がバブル崩壊で破綻するまで続いた。 教える内容は、西欧の受け売…

  • オヤジのあくび334

    なぜ? どうして? を面倒くさく感じて、気持ちいいこと・おもしろいことに流れる日本文化1 なぜなのか? どうしてなのか? を問い続けることで自然科学は、主にヨーロッパで系統的に発達したと思う。日本はその間いったい何をしていたのか? 例えば算術など関孝和を始めとし、世界最高レベルの技! を誇っていたのに、それは他の学問と関連づけ、成果が広く還元されることがなかった。 大半の庶民の興味は、刺激的なおもしろさ優先であります。歌舞伎、浮世絵、落語・・宵越しの銭は持たない江戸っ子は、その日が楽しければそれでいいのです。 話は宗教行事に飛びますが、初詣、バレンタインデー、お彼岸、お盆、ハロウィン、クリスマ…

  • オヤジのあくび333

    ビートたけし「さみしさの研究」を読む たけしは本書の中で、冷静に自分を観察して見極める力が必要だと言っている。バラ色の老後とか、第一線を退いた瞬間から持ち時間は自由になっても、急に何もないところから可能性が開けるわけじゃない。 ふと今書いている(入力している)「オヤジのあくび333」のことを思った。コロナ禍で仕事が一回途絶えてしまったことをきっかけに、区の図書館で借りてきた本の感想を書いている。SNSで公開してFacebookにリンクを貼っているのだから、誰かに読んでほしいなという欲がほんの少しはある。けれどそれだけのことでそれ以上じゃない。回数はそれなりに重ねてきたけれど、他のこともそうだけ…

  • オヤジのあくび332

    豊田有恒「日本アニメ誕生」を読む3 イスカンダル=アレクサンダー大王? イスカンダルと言えば、ご存知宇宙戦艦ヤマトの目的地だが、インドのガンダーラにでは、昔ヨーロッパから遠征してきたアレクサンダー大王の名前がイスカンダルと呼ばれて残されているらしい。そう宇宙戦艦ヤマトの物語は三蔵法師が旅した西遊記が下敷きになっていたのだ! 放射能汚染で、にっちもさっちも行かなくなった地球から、放射能除去装置を受け取りに行くという設定だが、日本ではリアルに原発事故が起きてしまったので設定の前提が実現してしまった。 戦艦大和が海底で密かに宇宙戦艦ヤマトとして再生するわけです。話は横道に逸れますが、私が習っている琵…

  • オヤジのあくび331

    豊田有恒「日本アニメ誕生」を読む2 虫プロを辞めて、TBSへ戻り取り組んだ仕事がタイムパトロールネタでご存知流星号のスーパージェッター! そして宇宙少年ソラン! さらに冒険ガボテン島! いやあー、懐かしいですね。ボクたちの世が夢中になったこれらのアニメのシナリオを豊田さんは書いていたのですね。 手塚治虫ファンとして嬉しいエピソードが出てくる。いかに手塚治虫が権威主義や政治的な工作から離れていたかを示す話。「陽だまりの樹」が小学館漫画賞を受賞する運びになった時に、担当者はとても迷ったそうなのだ。だって相手は手塚治虫ですぞ。その前年には石ノ森章太郎の弟子筋に当たる人が受賞していて、手塚治虫からすれ…

  • オヤジのあくび330

    豊田有恒「日本アニメ誕生」を読む1 鉄腕アトム、鉄人28号、エイトマン、1963年放映開始のこれらのテレビアニメが、日本のアニメの先導役を果たしたことに異論を挟む人は少ないだろう。当時テレビの前にかじりついていた小学1年生だった私が、鉄腕アトムやエイトマンのシナリオに、まだ学生だった豊田有恒が加わっていたことは知る由もなかった。何でも平井和正に連れられて参加することになったらしい。 ところで平井和正が原作のエイトマンとは、なぜ8なのか? そのわけが本書には書かれている。警視庁捜査一課には実際に7人の刑事がいるのだが、その8人目なのだ。60年経って初めてわかった事実! 思い出話は、虫プロ時代から…

  • オヤジのあくび329

    雨宮国広「ぼくは縄文大工」を読む2 前回、縄文小屋を建てた著者は、今度はさらに時代を遡り旧石器時代30000年前の丸木舟づくりに関わる。台湾から琉球諸島に黒潮を横切り丸木舟で渡ってきたという仮説の検証なのだ。 著者は主に住宅施工に関わってきた大工であり、船大工ではないが、縄文時代の大工道具について、誰よりも詳しい。しかし作ろうとしているのはどこにも実例がない外洋航海用の丸木舟。舟は原木が杉の巨木であったことからスギメ(=杉の女神)と名付けられた。さまざまな試行錯誤を経て、スギメは航海に成功した。 最終章は、三畳の縄文小屋で実際に暮らしている様子が語られる。火力は囲炉裏、食材は米を食べず木の実中…

  • オヤジのあくび328

    雨宮国広「ぼくは縄文大工」を読む1 住みやすいと思わせるような縄文小屋への想い。日本列島に人が住み着いて10000年以上いやもっと? その前半8000年は縄文時代。その長い期間「持続可能な生活様式」で人々は暮らしてきたのだ。住まい然り。この本の前半は能登に縄文小屋を三年がかりで建てる話。著者は大工さんだから、まず手斧という道具の話が出てくる。カンナやノコギリやカナヅチなどの鉄器がない時代、この手斧で木を倒し、切り削っていたのだ。使った木材は意外なことに広葉樹の栗の木。法隆寺などにケヤキが多くて用いられているからてっきり針葉樹だと思い込んでいた。株から切るとそれっきりの針葉樹に比べ、広葉樹はひこ…

  • オヤジのあくび327

    石井公成「ものまねの歴史」を読む3 真似る対象さえあれば、モノマネ芸は成立する。それを追いかけようとする本書の試み自体が、博覧強記的な結果を生むのは必然であろう。やがて歌舞伎や落語、現代のモノマネ芸に筆を進めていく。 それまではモノマネ芸が、どのようにお芝居に変化していったのか? を辿っていたのだけど、江戸時代になると、モノマネ専門のスペシャリストが出てくる。狂言など他の演目とも独立したモノマネ芸というプログラムが現れるのです。中でも人気者だったのが又男三郎兵衛。 人気役者のモノマネも盛んになる。役者は個性的であってナンボの存在で、その特徴をウリにしているのだから、素人にでさえマネがしやすかっ…

  • オヤジのあくび326

    石井公成「ものまねの歴史」を読む2 唐から伝わった散楽は、やがて猿楽というモノマネ芸に変化していく。猿を始めとする動物の仕草を真似たり、滑稽な寸劇が演じられていたのだろう。軽業、手品、曲芸、歌舞音曲などとセットで一つの舞台になっていた。それで一つの興行。その演劇部分が、神社と縁のある田楽やお寺のイベント延年=風流と統合し、観阿弥世阿弥の頃、現代の能になっていく。そもそも能は明治以降の呼び方で江戸時代までは、猿楽と呼んでいた。田楽や延年が現在ほとんど演じられないのは寂しい。世阿弥の功績が偉大だったため、人々の関心が猿楽に集中してしまった結果なのだろう。 すっかり大成した感のある能や狂言も、しっか…

  • オヤジのあくび325

    石井公成「ものまねの歴史」を読む1 冒頭で、お寺の山門で睨みを効かせている仁王様の真似が狂言に取り入れられ、やがて歌舞伎に繋がる話が出てくる。日本人は真似が得意でオリジナリティにかけるなどという評があるが、魯迅が「模倣がうまいのは短所ではない」と言ってくれている。本家中国にオリジナルがある文化が日本にはたくさんあるわけで、ちょっと嬉しい。 話は、インド、中国、新羅のモノマネ芸の歴史を辿る。仏教の教えを広めるために芸が活用された例が登場するが、そのような「価値ある芸」でなければ記録には残らなかったとだろう。 日本におけるモノマネ芸の祖としては、推古二十年、百済から来た味摩子による伎楽が最初らしい…

  • オヤジのあくび324

    道、動力、地図3 未来へ進む道の話。今回は道と言っても時代の流れの話。昭和の高度成長期は線路が敷かれていて、ひょっとすると産業革命や明治の富国強兵の延長かもしれないけれど、線路の上を特急や各停、それぞれの速さで旅をしていた。速ければ速いほど、その先に何があるか?考えておけばいいのに、鴎外が青年で指摘したように、闇雲に突っ走った人が多かった。 結果経済大国になったが、やがてバブル景気が吹っ飛び、追い討ちをかけるようにリーマンショックもあった。大きな事故で鉄道は運転を見合わせた。列車を降りて自動車に乗り換えた。歩いたり、自転車を漕いだりした人もいるだろう。行き先はそれぞれの自由だが、ナビが付いてい…

  • オヤジのあくび323

    道、動力、地図2 前回飛ばした「熱意=動力」の話。私は生物としての本能と近いところに、そのスイッチが眠っているように感じています。 子どもたちの話。稽古ごとで忙しそうな子どもたちも放っておけば、友だちと外に出る遊びに行く。磯野家のカツオくんがいい例だ。なぜ、遊びに行くのか? 楽しいから。勉強なんかしたくないから。そう元々身体を動かすことが好きでたまらないのだ。学校の勉強でいえば、一番人気の科目が体育であるのが当たり前のように。机に向かってじっとしているより、身体を動かす方が楽しい。もう一つ付け加えれば、音楽にも身体を内部から揺さぶる効果があると思う。動力を起動するきっかけが。 運動や音楽。そこ…

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