七瀬ふたたび

筒井康隆の書く超能力SFもの。 能力バトルものの古典といってもいいかもしれません。 ジョジョなんか目じゃない。いや、好きですが。 他人の心を読めるテレパスの能力をもった女性の七瀬が、 個性豊かな超能力者たちと出会います。 この作品は前作「家族八景」の続編ですが、 前作がテレパス能力を介して家族の裏側を描くことに 主眼が置かれていたのに対して、 今回は超能力者同士の駆け引きや、謎の組織との戦いといった エキサイティングなシーンが印象的です。 「家族八景」「七瀬ふたたび」「エディプスの恋人」を 三つ合わせて七瀬三部作と呼びますが、 その中で最もエンターテイメント..

DIVE!!

今日紹介するのはこの度晴れて直木賞作家となった 森絵都さんのスポ根小説、「DIVE!!」です。 森絵都といえば児童文学というイメージがあった（好きですが）ので、 直木賞を取るというのは意外ですが、 というかまたしても伊坂幸太郎が 受賞を逃してしまったということで（五回目くらいじゃないか？） 悔しい気持ちもあるのですが、 この「DIVE!!」で僕のハートをがっしりと鷲掴みにした 森絵都さんが受賞するということであれば僕も納得せざるを得ません。 えーと、何だかんだと言いましたが内容の紹介に。 先ほども述べたように、本作は 水泳の飛び込み競技をテーマにした「スポ根小説」..

Under the Iron Sea

今日は音楽CDを紹介したいと思います。 僕が普段よく聴くのは邦楽ロックバンドのアルバムなのですが、 最近はKeaneの「Under the Iron Sea」がお気に入り。 1. Atlantic 2. Is It Any Wonder? 3. Nothing in My Way 4. Leaving So Soon 5. Bad Dream 6. Hamburg Song 7. Put It Behind You 8. Crystal Ball 9. Try Again 10. Broken Toy 11. Frog Pr..

クビシメロマンチスト

つい最近、遅まきながら西尾維新の戯言シリーズを読みました。 有名どころだし、色々なところで名前は見かけていながらも、 表紙がアレすぎてなかなか手を出せずにいました。 けれど、人気にはやはり理由があるもので、 結局のところ一度読んだら見事にハマらされ、 二週間ほどでシリーズ全てを読破してしまう羽目になるのですが。 というわけで今日はその戯言シリーズの中から、 最高傑作との呼び声も高い 第二作、「クビシメロマンチスト」を紹介します。 このシリーズの見所は、 ぶっ飛んでいてなおかつ魅力的なキャラクターとか、 ライトノベルのような読み口でありながら 中身は意外とミス..

重力ピエロ

僕が伊坂幸太郎を知るきっかけになったのがこの本です。 兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、過去に辛い出来事があった。その記憶を抱えて兄弟が大人になった頃、事件は始まる。連続放火と、火事を予見するような謎のグラフィティアートの出現。そしてそのグラフィティアートと遺伝子のルールの奇妙なリンク。謎解きに乗り出した兄が遂に直面する圧倒的な真実とは—。溢れくる未知の感動、小説の奇跡が今ここに。 レイプで出来た子という難しいテーマを扱いながら、 そして話自体も決して明るいものではないにも関わらず、 読んだ後はとても清々しい気持ちになれる。 それは、主人公たちの愉快な..

フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life

というわけで第一回は、森博嗣の「スカイ・クロラ」シリーズ 第四作、「フラッタ・リンツ・ライフ」です。 森博嗣といえばミステリ作家で、 代表作は「すべてがFになる」なんかだと思うんだけど、 このシリーズはミステリではない。 じゃあどんなジャンルなんだと訊かれると返答に困るんですが、 パラレルワールドを舞台にした戦闘機乗りたちのお話です。 詩的な描写と妙にニヒルな主人公たちが印象的で、 歳を取らない子供の紡ぎだす死生観や世界（あるいは大人）を見る目が、 このシリーズの根幹を成しているといえます。 実はつい最近サン＝テグジュペリの「星の王子さま」を読んだのですが、 この..

はじめまして

都内某大学文系学部二年のShoeです。 研究系サークルに所属する傍ら、暇なときには読書をしています。 けれどなにぶん学生の身で、本を買うお金を捻出するのがむずかしい （サークルが忙しく、なかなかバイトもできない）ため、 読んだ本を紹介して新しく本を買うお金の足しになればいい、 と思ってblog開設に至りました。 本の感想を書いて紹介すること自体は 今までもちょくちょくやってはいたのですが、 今回はそれでアフィリエイトに挑戦してみようかな、と思う次第です。 古典的名作から最近流行りの本まで、 幅広く読んでいきたいと思っていますが、 今まで読んできた本の傾向からす..