■テロ特措法の期限延長問題は国際貢献の観点から語られる場合が多いが、本質は対米従属でしかなく。国際貢献という言葉でその惨めな本質を覆い隠しているだけである。何があろうともアメリカに付き従う姿勢は「自虐外交」というにふさわしいものだ。■この「国際貢献」を語るうえにおいて、よく出てくるのが「感謝されなかった論」である。これは湾岸戦争時における日本が130億ドルを支援したにもかかわらず感謝されなかったことを失敗例として語る姿勢であり、そうであるからもっと軍事力による貢献をしなければならないと結論付ける言説である。湾岸戦争時の「感謝されなかった論」は、中国から批判される原因について「中国に対して無償供与や貸付が足らないから日本が批判されるのであるから、もっと増額すべきである。」といっているようなもので、自らの貢献を自虐...福田内閣の自虐外交(2)―テロ特措法に見える自虐性
■半政権交代によってテロ特措法の期限延長が微妙な情勢となっている。この法律は時限立法であるために延長手続きを取らなければならないのだが、期限以内に法律を成立させるためには民主党の賛成が不可欠であり、そのためには情報公開が不可欠であることから、インド洋での海上自衛隊の実態がある程度公開されつつある。この法律は今までの国会であれば殆んど審議される事なく、ベルトコンベアー式に成立していただろう。これは半政権交代の効果が早くも出ている好例と言えよう。■テロ特措法とは、2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロ事件を受けた。アメリカのアフガニスタンを報復攻撃する対テロ戦争の後方支援を定めた法律であり、具体的な行動としてインド洋においてアメリカ軍等の艦船に給油することである。■本来であれば、海上阻止行動(アフガニス...福田内閣の自虐外交(1)―テロ特措法に見える危険性
■失策だらけの安倍内閣だったが、彼を支持する人々は、彼の提唱する戦後レジームの打破やそのために為された政策を評価しているようだ。具体的には教育基本法改正、国民投票法、防衛庁の省昇格などである。■戦後レジームとはGHQが日本に施した制度や政策を指すようである。特に日本国憲法(特に九条)を頂点とした、日本を武力的に無力化(本当は無力ではないが)している政策であるようだ、防衛庁の省昇格は言うに及ばず、国民投票法も9条変更を視野に入れていることは間違いなく、教育基本法改正も、全体に対しての奉仕を過度に教育するための布石であるともいえる。(皮肉な事に、安倍氏が外交で語るところの「価値観を共有している国々」の価値観はGHQによってもたらされたものであり、「日本が歩んできた平和主義」は彼が打破を叫ぶ戦後レジームによって方向付...さよなら安倍さん(3)―安倍内閣の功績
■支持率という意味ではあまり致命傷とはならないが、外交面において「従軍慰安婦」問題についての発言や核武装論を否定しないなど、中国だけではなくアメリカの神経を逆なでするような態度(アメリカを絶対視するような人達にとっては特に)を取ってしまったことも失策といえよう。アメリカや中国とある程度の緊張関係(距離感)をもって接する事は重要であるとは思う。しかし、緊張関係(距離感)を作る材料として核武装論(従軍慰安婦問題は不適切だが)を持ち出したのではなく、単に不用意に為されただけであり、「戦略」など微塵も存在していなかったようだ。安倍内閣崩壊の顛末から見るとそういう結論にならざるを得ない。■安倍内閣の特徴は一言で評するなら、「一度出した物を引っ込める」ではないか。何の自覚やいかなる影響を与えるかという想像力も伴わないまま、...さよなら安倍さん(2)―安倍内閣の安全保障
■自民党総裁選からの福田内閣誕生の流れの中で安倍元首相の存在は完全に過去の人となってしまった感がある。内閣総理大臣を辞めるとマスコミにおいてもまったく取り上げられることはなくなる。小泉氏ですらそうなのだから当然といえば当然といえよう。まったく消えてしまった安倍氏ではあるが、ここではいまさらながら安倍氏について考えてみようと思う。■安倍内閣の政権担当能力、特にスキャンダルに対して、農水大臣である松岡大臣の自殺したことを代表例として、その後続く赤城、遠藤両氏に起こった対処は稚拙そのものであり(稚拙な私が思うくらいだから稚拙といっていい)、無能内閣と評させざるを得ないものであった。(特に身体検査と呼ばれるスキャンダルの有無を徹底的に調査して任命されたはずの遠藤氏にスキャンダルが発覚した時はあいた口がふさがらなかった。...さよなら安倍さん(1)―安倍内閣の危機管理
■一年近くブログを更新していなかったが、久しぶりに更新する気になったので更新した。更新しなかった原因は、アルバイトを始めたことであり、生活に追われるとブログどころではなくなる。■今振り返って過去の記事を見てみると、「こんな事書いたかな?」と意外と忘れているし、こんなに記事を頻繁に書いていることに驚く。よほど暇だったとしか言いようがない。(私の能力では短時間に書くことをまとめる事は出来ないから)。■それにしても、話題にせよ文体にせよ「硬い」としか言いようがない。「モテナイ」のはここら辺が原因(容姿以外では)のようだ。(笑)もっと柔らかくならないものだろうか。今後は、話題を政治のみに限定せずに気ままに書くことを心がけよう。-----------------------------------------------...ブログのこころ―(10)
■9月25日に、安倍首相の後継総理として、福田康夫氏が、内閣総理大臣に任命された。福田氏自身が「背水の陣内閣」と命名しているように、衆議院の過半数を野党が占めているだけに、非常に厳しい政権運営が予想され、短命政権に終わる可能性が高い。■そんな状況でありながら内閣支持率は53%であり、まずまずの船出といえるかもしれないが、まったく未知数な要素であるにもかかわらず内閣支持率の理由が「バランス感覚がある」や「実行力がある」というイメージ先行であるところを見ると、国民にあるのは単なる「期待」なのであって実績にのっとった意見ではない。少しでもこの「期待」に反するような政権運営をすれば即座に支持率は急落するだろう。■イメージといえば、確かに福田氏のイメージは変わったように感じる。福田氏が小泉内閣の官房長官であったときは、非...福田内閣誕生に思うこと
■突然の安倍首相退陣宣言から、はや一週間がたった。次期総理(総裁)の本命であった麻生氏が、福田氏の立候補によってあっという間に劣勢に立たされている。この間の状況の変化は非常にめまぐるしい。■しかし、激しい流れの中で忘れてはならないのは、現在の状況はあくまでも自民党内の権力争いであり、一部の国民を除いて、自民党の党員でもない国民にとってはまったくの茶番であるということではないだろうか。(本来これらの茶番に注がれている力は国会において民主党との論戦に向けられなければならないものであるのではないか。)■首相が突然辞任し、政権を投げ出し(しかも国会会期中に)、その首相が入院し国会を開く事も出来なくなっている。それに輪をかけて、総裁選という茶番である。これらは全て自民党がひき起こしたものであり、自民党の都合につき合わせら...国民不在の自民党総裁選
■本間正明氏の進退問題が自らの辞任によって巻く引きがはかられようとしている。安倍首相は小泉流の無責任、極まりない「開き直り」によって、この問題を乗り切ろうとしたが結局はそれを貫く事は出来なかった。小泉氏の場合は、開き直りによる顕著に支持率が低下することが無かったがために開き直りも可能であったが、安倍氏の場合は、支持率が下降するなかにあっての不祥事なだけに「開き直り」で切り抜けるには無理がある。■この問題も政治に責任など無い事を証明するものではないか。官舎廃止を主張していた人物が、何の恥じらいもなく、東京都内にある1等地の官舎に入居し、なおかつ愛人と同居までしている。これが有識者と呼ばれる(単なる有識者ではなく、その有識者を束ねる役割をもつ)人物のすることなのだろうか。(日本において有識者と呼ばれるためには道義的...本間税調会長辞任について
■郵政造反派の復党問題が取りざたされているが、この問題は完全な国民に対する詐欺行為ではないだろうか。これは党利党略としかいえないもので、身内の論理以外の何物でもない。もし彼らを復党させたとするなら、先の衆議院選挙は「自作自演」であり壮大な八百長選挙であったことになる。■以前にも、造反組みの不甲斐なさは書いたが、一番の問題は追い出した自民党(森派)にあるのではないか。郵政民営化法案を否決したのは、参議院であり衆議院ではなかった。それをあえて強権的に衆議院を解散する事によって無理やり成立させた経緯がある。■この解散から選挙への流れは、道理から考えれば矛盾だらけであり、まったく成立していないものではあるが、そこに小泉氏の本気度や「既得権の象徴」としてのレッテルを貼ったことによって、今まで国民に鬱積された不平不満をばね...復党問題と投票行動について
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