君に会えるのは、一年に一度の祭りの日。屋台が並び、焦げた香りが周りを包んでいる。中にある神社の鳥居前での待ち合わせ。君は先に来て、立っていた。髪は長くて、白色と水色の模様が入った浴衣を着ている。どこからか祭囃子の音色が聞こえてくると、君はそれに合わせるかのように鼻歌を歌った。屋台の前を一緒に通り、綿あめを買ってあげると喜んだ。山を少し登ったところにお参りするところがある。君は、手を合わせると、鈴を一回鳴らした。私は、美しい君の姿に見とれていた。人気がない所に進むと、君は笑って、すっといなくなってしまった。時間切れのようだった。最初のデートで行くはずだった祭り。病気で死んだ君は、毎年祭りの日に、鳥居の前にたたずんでいる。今年も会えて本当によかった。また来年も来るから。私が祭りに来る事で、供養になるかどうかは...1.祭囃子
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