大内青巒居士『信行綱領』について
拙僧個人としては以前、青巒居士についての評伝を発表する機会を得ていたのだが、思想的には更に追究していく必要を感じていた。それで、1つ明らかにしておきたいのが『信行綱領』である。『信行綱領』とは、青巒居士が仏教全般について、三信・三行に体系化したものであり、弟子筋の加藤咄堂居士などは、本文の表詮を青巒居士の5つの勝躅に数えている。然るに、関連事項を色々と調べてみた。まず、『信行綱領』の成立時についてだが、青巒居士自身が記した『信行綱領』全文が加藤咄堂編『国民思想叢書・仏教篇下』(国民思想叢書刊行会、1931年8月)に掲載され、同文の末尾には「明治二十四年一月二十三日靄々居士撰」とあるため1891年1月23には世に示す状態にあったことが分かる。そして、これがどういう時期であったかといえば、この少し前、前年の1...大内青巒居士『信行綱領』について
2024/11/14 09:10