心を単一の現象ではなく、物質代謝レベルを含む多重構造の現象とみなす視点が私の「心の多重過程モデル」である。そこには心身一元論も心身二元論もそれぞれの特定のサブシステム※において妥当とされ、”心身一元論か心身二元論か”という高次の二者択一ジレンマが解決される。※:今のところ、システム0〜システム4の五重構造同様に、心についての多様な視点、すなわち脳科学、精神分析、行動主義、ゲシュタルト、ヒューマニスティック、そしてトランスパーソナルの学派の視点・理論も、それぞれ特定のサブシステムにおいて妥当とされる。心の進化として重要なポイントが思考・表象・自我機能のシステム2である。そもそも生物の基本活動は、物質代謝を利用した情報活動である(最も本質的な活動は、遺伝情報の複製による個体の複製。すなわち生物は存在し続けるこ...心の進化としての霊性
卒業式が終わって実質的にも春休みに入ったので、スウェーデンボルグについての20年にわたる霊界経験の日記をじっくり読もうと思った。全十巻に及ぶ『霊界日記』は昭和55年に邦訳されている(柳瀬芳意訳静思社)。こういう大量の資料は、国会図書館で読むに限る。ということで、国会図書館に行き、デジタル資料となっていたので、館内のパソコン画面でまずは第一巻を閲覧した。その結果、第二巻以降を読むことは取りやめ、これ以上彼に付き合うこともやめることにした。なぜなら、第一巻で彼の霊界での具体的な経験を追っていたら、ヨーロッパ人以外のイスラム教徒やアフリカや西インド諸島の偶像崇拝者の霊界でのあり様までは普通に読めたが、それに続いて、なんと木星人が登場したのだ。木星人は、地球人と同じ形態で、地球人より美しいという。その木星人の記述...スウェーデンボルグ終了
本日、勤務先の大学で卒業式🎓が、昨年に続いて大学キャンパスで挙行された。あいにくの雨天ながら、卒業生は皆、華やかな袴姿で、会場内を明るくしてくれた。私も今日だけは(年に一度の)スーツ姿。式典が終われば、着飾ったゼミ生たちとの記念撮影。毎度思うことは、実際には学生たちとの(ほとんど永遠の)”別離”の場なのに、笑顔で「おめでとう」と言わねばならないこの矛盾。感情的には矛盾(ジレンマ)だが、学生を送り出すことが学校の使命だから、無事使命を果たしたという達成感にひたってもいいのか。そうならば、卒業生たちのその後の姿を見たいものだが、それは叶わない。なのでやっぱり、もやもやは残る。そう、卒業式って(歓迎一色の入学式と違って)感情的には複雑なのだ。卒業式(2024)に思う
名古屋宅にいるが今日は何も用事がない。そこで、暇つぶしに丁度いい”郷土博物館めぐり”の愛知編を実行したい。選んだのは名古屋の東に愛知第二の都市として存在感を示す豊田市と、その途中にあるその名も知られていない「みよし市」。後者は途中にあるという理由だけでなく、常滑訪問時に知った、愛知の焼き物のルーツ・猿投窯(さなげよう)の展示に期待。ただしここは鉄道網から外れているので(東名高速のインターはある)、自家用車で回ることにする。自宅から下道40分ほどで、広い高台(童子山)にある豊田市立博物館に着く。今年開館したばかりで真新しく、規模も大きい。特別展もやっているが、常設展だけにする(市外者は300円)。まずは「とよたモノ語り」と称して、豊田市の様々なモノが飾られている巨大な四面の展示棚を目の当たりにする(写真:左...郷土博物館めぐり:愛知県豊田市・みよし市
健康関連の研究結果に対するネットの反応を見ると、赤肉(獣肉)自体が不健康食であることを理解せず、その添加物が問題だと思い込む人が多い。例えばソーセージやベーコンが健康に悪いという情報に接しても、その原因を原材料の赤肉ではなく添加物のせいと書き込む(記事ではちゃんと赤肉が悪いと書いてあるのに)。この頑固な思い込みは、赤肉は体を作るのに必須という文明開化期以降の発想と、化学添加物は悪という高度成長期以降の発想がミックスして固定した状態(赤肉は善、添加物は悪)といえる。赤肉は、ガンを含む成人病の要因となることは医学的にはすでに常識で、なので大抵の医師や栄養士は、動物性タンパク質として白肉(鶏胸肉)や魚、あるいは鶏卵を勧める。もちろん、致死的な悪影響ではないため、過剰に摂取しなければ、食生活を楽しむ1要素としてお...赤肉が不健康なことを認めない心
史上最も詳しく霊経験をしたスウェーデンボルグによる霊界の様子は、キリスト教会で教えられていたものとも、また(彼自身は言及しなかったが)仏教界で教えられているものとも違っていた。以下、スウェーデンボルグが記した霊界の様子を記す(私が信じているわけではない)。まず、この世で生命を終えた死者は、肉体から離れて霊だけとなる(生者=肉体+霊)。この部分は、古代ギリシャの霊肉二元論や古代中国の魂魄論と共通だが、この先がこれらとも異なる。死んだばかりの霊が行く先は、精霊界という、いわば未決囚の待機所のような場所。そこで霊は人間から霊として完全に切り替わった後、本来の行き先である天界か地獄(界)に行く。すなわち、霊界は、精霊界・天界・地獄界の3界構成になっている点が従来の”思想”と異なる。精霊界の霊は仏教での”未成仏霊”...スウェーデンボルグが見てきた霊界(天国・地獄)
霊の研究に対する私のスタンスは、経験に基づく現象学的探求であって、頭でこしらえた”物語”、すなわち既存の宗教的・神話的言説には目もくれず、霊現象についての経験のみをデータとする。となると、霊界に幾度も往復してその経験を記したという18世紀のスウェーデン人、エマヌエル・スウェーデンボルグ※(右肖像(Wikiより))を無視できない。※:現地読みではエマヌエル・スヴェーデンボリそれどころか、霊界についての最も緻密な記録として、最も重要な資料になるくらいだ(霊界の挿絵も描いている)。→スウェーデンボルグという先駆者ただ今から300年前の人なので、一般論として頭の中が科学よりは宗教に偏っている可能性があり、言説の信憑性が気に掛かる。確かに彼の父はスウェーデン教会の大司教だが、彼自身は、科学者として数々(ノーベル賞級...霊界経験者スウェーデンボルグから出発
東京にいるときは、午前中から(国会議事堂の隣にある)国会図書館に通っている。昼食は館内にある3つの飲食店のうち、ほとんどの場合は旧館3階の「NORTHCAFE」を利用する。ここはスープカレーを筆頭とした北海道テイストの定番メニューに加え、毎日3種類のランチがあり、バリエーションが豊かだからだ。そして本日のパスタ、Cランチ(700円)は、なんと「名古屋風あんかけスパ」!私が一番好きな名古屋メシであるあんかけスパが、東京の、しかも毎日通っている図書館で食べられるなんて!それを知った昨日から楽しみにしており、今日は早めに入館して、開店時間早々に店へ向かった。Cランチなので、最初にいつものスープとサラダが運ばれてくる。それらを食べていると、鉄皿に盛られた焼き立てのあんかけスパが到着。そう、あんかけスパは、まずスパ...東京の国会図書館であんかけスパ
昨日帰京し、雪上がりの冷たい雨が降る東京宅で、確定申告を済ませた(今年は3月17日まで)。毎年記事にしていることだが、最近はe-Taxというネット申告ができるので(スマホとパソコンとマイナンバーカードが必要)、とても楽でしかも間違えない(昔は自分で計算して申告書類に記入したので、間違えると後日、税務署から連絡が来た)。個人事業主でなくなり、単なる単一給与生活者になって数年になるが、その間一度も休むことなく、毎年確定申告をしている。なぜなら、毎年「還付金」をゲットできるから。普通のサラリーマンであっても、私のように医療費控除と生命保険控除、寄附金控除の対象者は、勤務先が代行してくれる「年末調整」で終わらせるのではなく、きちんと確定申告すれば、その分、お金が手に入る(本当は天引きで取られすぎた税金の一部が戻っ...確定申告終了
私は、見えないものを測る「計測マン」でもある。主な計測対象は、大気状態、放射線、電磁波、水質(温泉)、人の心、パワースポットのパワー、そして霊。もちろん、それぞれに対する相応の計測器が武器だ。その中で、霊については、「ばけたん」(お化け探知機)がメインで、また音で探知する「スピリットボックス」も装備済み。そして今回、新たにマイクロ波を計測する装置が加わった。いわゆる電磁波計の一種。もともと霊は電磁波と干渉するようだが(経験済み)、通常の家庭の電磁波(ELF:超低周波)ではなく、より高周波のマイクロ波(RF)が霊と相性がいいらしい。言い換えればELF対象の電磁波計だと、通常の電気製品(50-60Hz)に反応してしまう一方、霊にとっては周波数が低すぎるようだ。ELFと可視光の間のRF(マイクロ波)は、携帯電話...新たな霊探知機
東濃の恵那峡の辺(ほと)りにある「恵那峡国際ホテル」は、このブログでも2度も見直した評価上昇の宿なのだが、その高評価の一番のポイントである温泉の”濃さ”ついて、その指標の1つの電気伝導度の値は過去の記事では、当時使っていた水質検査器の都合で”計測不能”だった結果のままになっていた。→その記事その時の測器は通常(低張性)の温泉用で、ここのようにとりわけ濃い(高張性)と桁が違って計測範囲外となってしまうのだ。そこで、計測範囲が広い水質検査器を購入し、本日、年度末の慰労の温泉旅としてこの宿に投宿したので、早速、大浴場の湯口でサンプルを取って計測し、その結果を示す。まず温泉の泉質は「カルシウム・ナトリウム塩化物泉。大抵高張性の温泉はナトリウム泉だ。実際、湯に口をつけると、それだけで塩っぱさを感じる。なのでまずは知...恵那峡国際ホテルの温泉計測
年度の業務をほぼ終えて名古屋にいる週末の3月1日。しかも今日は4月並みに暖かくなるという。せっかくなので日帰りで愛知県のどこかを訪れたい。候補に上がっていたのは、名古屋の南に伸びる知多半島の伊勢湾側にある常滑(とこなめ)市。歴史的に焼き物の重要な産地である愛知(尾張・三河)では、北の瀬戸焼に次いで有名な常滑焼の産地。瀬戸焼は陶器のいわゆる”瀬戸物”だが、常滑焼はお茶を淹れる茶色い急須が有名。瀬戸は東濃への温泉旅でよく通り、棲み家から近くなので焼き物市にも行ったが、常滑はまだ。行かなかった一番の理由は、自分が使う器(うつわ)類は焼き物(陶器)ではなく木製を好んでいるから。→木製化計画私が焼き物を選ばない理由は、落として割れた時の喪失感が辛いからで、木製を選ぶ理由は、落としても割れず(喪失感を体験しない)、肌...常滑を歩く
昨日、東京23区の各区ごとの「一寺リスト」を作成した結果、杉並区代表に選んだ妙法寺(お祖師様)※にまだ行ってないことに気づいた。※:日蓮宗の本山の1つ。そして翌日の今日23日は、妙法寺境内にある「二十三夜尊」の縁日ということなので、早速行くことにした。付近の地図を見ると、妙法寺界隈(杉並区松ノ木、梅里、堀ノ内)は寺町を形成している。なので界隈の各寺もまわってみる。地下鉄丸の内線の「新高円寺」で降り、まずは地元の町中華(杏杏)で「五目焼かたきそば」を食べる(ランチセット800円)。ここからすぐに寺町に入る。各寺の入り口には区の案内板があるので、寺の歴史や本尊・所蔵文化財などがわかる。案の定、ほとんどの寺が江戸時代は江戸市中(浅草・上野界隈)にあったが、大正時代に東京市の拡張によって、この地に移転してきたもの...杉並・妙法寺界隈の寺巡り
東京で寺巡りをするための寺を選ぶ際、その基準がないので、思いつきで頭にある中から選んでしまう。それでは頭にない寺は選ばれないので、より客観的な基準でリストを作ってみる。例えば、23区からそれぞれ1つ寺を選んでみる。それを実行した結果を右に示す。最初の千代田区でまず思い浮かばず、地図を頼りに、区内で唯一とも言える寺院を見つけた。あとはネットで情報収集。もちろん場所柄、由緒ある寺だった。中央区は築地本願寺※がまず浮かんだが、本当は他所に本院がある”別院”は除外したい。※:京都の西本願寺の東京別院でも築地本願寺は建物が国の文化財で、東京を代表する寺の一つになっているため採用した。迷ったのは台東区で、寛永寺を外すのは徳川様に対してたいへん申し訳ないのだが、ここは江戸時代よりはるか前、飛鳥時代に創られた東京1の古刹...東京一区一寺選抜
「霊が見える」という現象についての私の2本目の論文「霊視認現象についての態度調査と視認事例の追加」が公開された。この論文は、霊が見える人の出現率を調べることと、その経験(者)に対する当事者とそうでない人の態度を調査するのが第一目的で、その現象の追加例の採取が第二の目的である。また、この現象を説明する心理学的見解を批判的に検討した。ここではその概略を示す。まず、視覚経験として霊が見えるという現象を、今回から「霊視認」と表現し直した。前回の論文(山根,2024)では、「霊視覚」と称していたが、この経験は感覚レベルではなく認知レベルの現象であり、また霊を「視認する」という動詞形における適合性から、「霊視認」と改称した。調査は186名(全員女性)の回答を得た。うち「霊を見たことがある」という回答者は17名、すなわ...霊が見えるという現象についての2本目の論文
わが職場は実質春休み前半(3月中旬に集中的に仕事がある)、すなわち”年度末”に入ったので、慰労の温泉宿として、最近は東京からはここ一択になっている熱海の「ホテル大野屋」に泊まる。前の記事(熱海の大野屋に泊まる理由)に示したように、熱海自体の価値とこの宿の価値が合わさっているため。その記事で示し忘れた”理由”を1つ追加する。JR東日本のジパング俱楽部に入っていると、鉄道で往復200kmを越えると運賃が3割引となる。片道100kmの熱海はこれにギリギリ該当する(1つ手前の湯河原は非該当。函南以遠のJR東海もダメ)ので、往復切符が使える1泊にすると、運賃が1300円ほど安くなるのだ。これもインセンティブ(誘因)になる。さて、その熱海に早めに着いたので、まずは街中を歩いて宿に向かう(Googleマップだとホテルま...慰労の熱海温泉
実質春休みに入り帰京して迎えた日曜。暇にまかせて、都内の「ゴーストスポット」巡りに行く。情報源は、昨年夏に国会図書館で読み漁った『魔百合の恐怖報告』シリーズ(山本まゆり、朝日出版)。→記事読んだ当時の夏は出歩く気が起きなかったが、今日は3月並みの陽気なので絶好の外出日和。いずれも場所は家から電車を乗り継いで30分で行けるので、一気に周ってしまおう。装備として、カメラを持参し、霊の探知機「ばけたん霊石」を首から下げる。まずは東武スカイツリー線の「曳舟駅」に降りる。駅舎のビルは病院にもなっている。駅前には、今では珍しい「ヨーカドー」があって、その周囲は新しい高層アパートが連なっている。そして南の空には間近なスカイツリー。人で賑わうヨーカドーを超えて、京成曳舟駅の南側の道路を進む。ここが、かつては人だけがやっと...東京のゴーストスポット巡り
後期試験・成績つけと大学・大学院入試が重なる一年で一番の繁忙期(1月中旬〜2月中旬)のヤマを越した。あとは卒業判定と卒業式を残すのみ。なので帰京して、しばらくは東京でハネを延ばす。まずは読みたい本を読むことから始める。なまった体もなんとかしたい。繁忙期終了
私は”仏教”を神聖なる宗教教義ではなく、苦から脱するための実用的な心理学理論(道諦)とみなす。なので私が構築している「心の多重過程モデル」と照合して、双方の理論を批判的に統合(再構成)していきたい(理論は批判を通して洗練されていく)。すなわち、仏教の理論(教義)を無批判に承認せず、距離を置いて批判的に接し、あわよくば21世紀の人類に適用できるレベルに洗練させたい。たとえば、自我ならざる自己(自己の自我でない部分)は、ヒンズー教の「アートマン」なのか仏教の「仏性」なのか「アーラヤ識」なのかという議論は無意味で、むしろ過去にそのように非科学的に実体概念化されていたその部分を「システム3」(自極)として心理学的・機能的に再定義する。そして自我(システム2)の限界を乗り越えるシステム3を開発できる実用的な技法とし...心理学理論としての仏教へのスタンス
生成AIを利用することは、情報生産性の面からもはや必須となりつつある。情報生産は自身の力で、という倫理観もわからなくはないが、研究者がデータ分析をする際、現在では手計算(電卓)ではなく、エクセルやR、SPSSなどのツールを使うのが必須なのと同じだ。現在のところ、用途の多くは”情報検索”だろうが、中国のDeepSeekに関して取り沙汰されているように、情報の信頼性に難がある(そもそもネット上の情報は玉石混交)。すなわち、情報検察については、情報の信頼度チェック機能のない現行の生成AIに全幅の信頼は置けない。次に外国情報の翻訳も役立つが、DeepLなどの既存の翻訳エンジンと比べると、まだ後者の方が一日の長がある感じだ(しかもプロンプト作成不要のコピペですむ)。むしろ、文章作成の補助に使うなら問題ない。一番重宝...文章校閲能力の生成AI比較
後期の成績評価と大学入試が重なっている一年で最も忙しい今、その隙間を縫って浜名湖の宿に泊る。ここは準定宿の1つのグリーンプラザで、安宿チェーンのそれよりはいくぶんハイレベルのバイキングが楽しめる(なにしろ昔はタラバガニが食べ放題だった!)。なのでもちろん宿代もそれなりだが、特にここは許容範囲内で収まる。客室も全室和洋室で(リゾートマンションを買い上げた)、窓からは浜名湖が拡がる。唯一の欠点だった大浴場の湯も運び湯で温泉化したので、もう欠点は無い。いつもの旅なら車を使うのだが、ここは鉄道の駅から近いので、名古屋市営地下鉄、展望車つきの名鉄特急、JR東海道線、そしてワンマン・ディーゼルの天竜浜名湖線と乗り継ぐ鉄道の旅を楽しめる。なんだったら、これに愛知環状鉄道とリニモ(無人リニアモーターカー)も追加できる。と...忙中閑の浜名湖の旅
埼玉県八潮市で起きた道路陥没事故。土中の下水管の破損によって、土砂が下水管に入り込み、地中に空洞ができたためらしい。穴に落ちたトラックの運転席に土砂が入り込み、下水管からの有毒ガスも発生して、1日たっても救出がままならない状況になっている。このような道路陥没は、東京や福岡でも発生している。すなわち、地盤がやわらかい土の堆積層に人工的な空間を作ると、その境界が破損すれば土が流動してしまう可能性がある。共同溝でない古い下水管などでこれが発生しやすい。これは、河川の氾濫原すなわち河川の周辺の土地で発生しやすい(河川が暗渠になっている場合も)。そもそも日本では、人が集中する都市部は基本的に河川の氾濫で作られた沖積平野だから、こういう現象が発生しそうな場所は至る所にある。確かに埼玉だと八潮を含む東部がこれに該当する...道路陥没の懸念がある場所
フジテレビが抱える問題の根本は、過去の成功体験を引きずったままの人たちが未だに上層部を占めていることだというのは、既に外部では言い尽くされている。過去の成功体験から一歩も出られないために、時代の変化に対応できずに自滅の道を歩んでいる。中生代末に滅亡した恐竜と同じで、環境の変化に適応できない生き物(組織)は滅亡する。言い換えれば、有機体(組織)は常に時代の変化に対応してこそ生きていける。例えば、わが大学では教員の倫理教育として、5年ごとに倫理教育を受講して合格することが要請されている。5年ごとに受講して痛感することは、5年前は問題なかったことが、5年後は倫理的に問題となってしまう変化。倫理意識そのものの更新が常に必要なのだ。さらに全員参加のハラスメント講習会は毎年実施される。「コンプライアンスは年々厳しくな...組織が滅びる時
「集団心理学」のレポートで、過去の不快な集団経験を尋ねていると、大学生は異口同音に小〜高校時代のクラスでの経験を挙げる(それ以外だと現在のバイト先)。それを読んで痛感するのは、小学校〜高校で、集団運営の方法が正しく教育されないということだ(自分の生徒時代を思い出してもそう思う)。公教育の場である学校は単に勉強を学ぶ場でなく、社会的存在として、個人と社会とを仲介する集団を経験する場でもある。すなわち、学校は”集団”を、ぶっつけ本番ではなく、教育的に経験する場だ。ところが、先生たちは生徒たちを集団にすればそれでいいと思っているフシがある。生徒たちは授業中のグループ討議、学園祭でのクラス企画でぶっつけ本番の”集団”として放り出される。先生は生徒たちを集団化しておしまいで、具体的(効率的)な集団運営の仕方を教えな...学校の集団神話
職場関係の共済事業団から、健康診断結果を元に計算された私の「健康年齢」の通知が来た。それによると実年齢より”7.9歳”低い(若い)とのこと。この健康年齢の算出根拠は、BMI,血圧(上下),中性脂肪,HDL,LDL,ALTなどの肝臓の諸数値,血糖値(HbA1),血清クレアチニン,尿タンパクによる。この中で血圧に関しては降圧剤服用の結果なので、私の健康年齢は降圧剤も貢献している。言い換えれば、血圧以外は生の状態の数値なので、結果の説明通り「健康習慣が身についている証拠」と言える。しかも毎晩の寝酒+つまみ食(2日間だけ禁酒)という悪習慣込みの結果だ。その代わり毎日食事量を抑えて、しかも野菜・大豆中心の自炊で、運動(ウォーキング)もそれなりにしている。元来肉より野菜が好きな草食人間で、さらに元々歩くのが好きなので...私の”健康年齢”
『死とは何か—宗教が挑んできた人生最後の謎』(中村圭志2024年中公新書)「死」は、本書の副題にあるように人生”最後”だけでなく、”最大”の謎でもある(実際、この問題を卒論に選ぶ学生もいる)。なのに、それに真正面に立ち向かおうとすると気が引ける。正直、どう考えていいのかわからないから。そして結局、その謎を頭から消して、日常の「忙しさ」と「暇つぶし」に心を費やしてしまう(それがハイデガーのいう”存在忘却”)。ただ、それでも頭の片隅からは離れないはず。なので、本ブログでもいずれきちんと問題にするつもりでいるが(もちろん「心の多重過程モデル」を使って)、その前に参考になりそうな文献に当たっている。本書は、人類は「死」をどう理解(説明)してきたかという視点で、死の問題を直視する。実際にこの問題に対峙してきたのは各...『死とは何か』(中村圭志)で死を考えよう
先週で後期授業が終わり、全国の大学が一年で最も緊張する昨日(共通テスト)を無事乗り越えたので、翌日の今日から2泊で慰労の温泉旅に出る。目的は慰労だから、気に入った湯がある気に入った宿(中津川の定宿)に、食事は質素でいいのでビジネス用の格安プランにした(安宿チェーン並の値段)。行く前に、後期期間中に出した中間レポートなどを採点して期末成績評価の準備を整えた。なのでこの慰労旅には持ち込みの仕事はなく、温泉と(質素な)食事だけを繰り返し堪能すればよい。この後は待ち構えているのは、後期試験課題の採点・成績評価、卒論発表会、一般入試、大学院入試と続く一年で最大の繁忙期。なので尚更、オンとオフのメリハリをつけて、オンに備えたオフを味わう。繁忙期前の定宿温泉
私設「本駒込気象台」(東京都文京区)のネット配信が1月14日以来更新されていません。原因は配信設備のトラブルですが、しばらく帰京できないため手をつけられません。24日に正常化する予定なので、ご迷惑をおかけしますが、しばらくお待ちください。私設「本駒込気象台」停止中:24日まで
ロスの大規模山火事の現場で、路上で乗り捨てられた車が邪魔で消火などの緊急車両が通行できない状況になっていて、これが山火事を広げてしまっている。すなわち自家用車で避難した人たちが道路に溢れて渋滞し、そこに火の手が迫ったため、車を乗り捨てて避難した。それだけなら問題ないのだが、皆、車を駐車モードにして(タイヤが固定され)、キーをはずしてそのキーを持ち帰ったため、通行の邪魔をして動かせない車が道路に溢れたのだ。大規模災害時に、車を道路に置いて避難する場合、どうすべきか定められている。しかもそのやり方は通常の行動レパートリーにないもの。なので、それがどれほど周知されているか気になっている。日本では大規模山火事よりも、地震や津波を想定するといい。まず道路の走行車線を開けて路肩に寄せる。道が狭い場合、歩道に乗り上げて...大規模災害時に車を乗り捨てる場合
心をサブシステムの複合体とみなす「心の多重過程モデル」では、明晰な意識過程はシステム2、知覚されるが意識過程をスルーするのはシステム1、知覚されない過程をシステム0としている。このモデルにおける言葉の正しい意味での”無意識”はシステム0、すなわち自律神経・内分泌・免疫過程に限定される。一方システム1は、認知過程における周辺意識から無自覚過程に相当する(条件づけメカニズムが発生)。すなわち科学的心理学の立場では、フロイト的な「無意識」は想定されない。では逆に精神分析(フロイト以降を含む)における「無意識」は多重過程のどこに配置しうるのか。それを考える時、もちろん「無意識」を実体視するフロイトの説明を無視し、「無意識」とされる心理現象(防衛機制・転移・夢など)を個別に検討する。フロイトは、そもそも心の本能的部...「無意識」はどこにあるか:多重過程モデルにおける位置づけ
法政大学で韓国籍の女性学生がハンマーで学生たちを襲った事件。動機は、仲間はずれに遭ったためらしい。一番の問題はこの学生のメンタルにあるだろうが、この学生の立場が気になった。この犯人が留学生かどうかは不明だが、今年度の私の卒論生に韓国の留学生がいて(日本語は普通に使える)、選んだテーマが「外国人留学生の孤独」だった。その学生自身、当学科唯(たった)一人の留学生ということもあり、一人で行動することが多く、孤独を強く感じていたようだ。もちろん大学として制度的な受け入れ態勢はとっている。具体的には、学生生活を支援するボランティア学生が複数名つき、日本文化を体験する目的で毎年皆で1泊旅行をする(大学からの予算・教員付添)。ということは最低限そのボランティアの学生たちとは仲良くなれ、実際私の卒論ゼミにはそのボランティ...外国人留学生の孤独
10日10時現在、東京の私設「本駒込気象台」での露点温度が-11℃になっている。露点温度は、暖気/寒気移流のような、太陽光に影響されない大気の温度指標に使えるのだが、-11℃という値は、確かに今季一番の寒気下にあるにしても、実際の気温は7℃なので東京の”寒気の値”としては低すぎる。同時刻の東京よりも気温が低く、今雪が降っている愛知の私設「日進気象台」の露点温度は-3℃と、東京よりずっと高い。実はこれが露点温度の欠点で、露点温度は温度(気温)と湿度(大気水蒸気量)が合成した値なので、温度だけでなく湿度の指標も兼ねているという二義的解釈が必要。今の東京が降雪中の愛知より、気温が高いのに露点温度が低いのは、東京の相対湿度が26%とやたら低い(乾燥している)ため(愛知は89%)。もともと気温が氷点下になりにくい東...露点温度が-10℃以下になっているのは
本日1月7日は、一年で最初の節句である「人日(じんじつ)の節句」。この日は”春の七草”を粥で食べるという。これは5世紀の中国(東晋)の『荊楚歳時記』に載っている風習で、19世紀に明治政府が五節句そのものを廃止したのだが、こうして民間で古代からの伝統を大切に守り、21世紀の日本でも実施されるのだから面白い。スーパーに行けば「七草粥セット」が490円で売られていて、それを買って、卵入りのレトルトの粥と混ぜる。お茶漬けの元を入れて味付けをしたら意外に満足できた。正月のお節に飽きた腹には、こういう野菜いや野草中心のシンプルな粥が新鮮。次の節句は3月3日の「上巳(じょうし)の節句」。この日は缶詰めでいいから桃を食べよう。その前に「節分」があるが、似非伝統の”恵方巻き”とやらは無視する。七草粥を食べる
年末にインフルエンザのワクチン接種を受け、年明けの今日、コロナワクチン接種(7回目)を受けた。いずれも居住区の補助で無料。しかも、近所の最寄のクリニックで予約無しで受けれた。いずれの感染症も大流行中で、前者は姪が年末に感染して40℃以上の熱を出していた。また勤務先の学生たちの間でも患者が多いので、これから業務的に彼女らと接する前に予防策をとっておきたい。私はもちろん「反ワク」デマに惑わされず、コロナ禍を6回のワクチン接種で無傷で過してきた。ワクチンも、微弱な毒素を接種することでむしろ抵抗力が高まるというホルミシス効果の1つであり(筋トレも同じ原理)、毒素を微弱でも拒否するという1次関数的単純思考では理解できない現象だ。ホルミシス効果は生物を強靭にする複雑ながら確かなメカニズムで、この効果を活かした生物こそ...7回目のワクチン接種
睡眠トラブルの中でも”不眠”に悩む人が最も多い。私自身、大学生の時は日が昇るまで眠れない時が続いたので、後述する自分なりの打開策を取って、結果的に不眠を克服している。まず睡眠に入るにはどうしたらいいのか、一般論を示そう。メルロ=ポンティは「人は眠る時、まず眠る真似をする」と言ったが、まさに眠る真似、すなわちあたかも自分が眠っているかのような心身の状態を実現することで入眠が導かれるのは確か。ただしそれは体を床に横たえ、閉眼するだけでは足りない。眠れない時に思わずやってしまう「寝返り」という体動をまずは制止する。体動は目覚めさせる運動になるからだ。それゆえ、意識的に手足を固定し、静止姿勢を維持する。次いで、思考を停止する。あれこれ考えると頭が冴えてしまうから。具体的には頭に浮かぶイメージ表象を動画で展開させる...睡眠を得る方法
正月三ヶ日は近所の氏神詣以外は家に籠り、4日に外出始めをする。今年は巳年にちなんで弁天様を詣ようと、ネット検索したら、台東区三ノ輪付近に2か所あるのでそれらをハシゴすることにした。一つ目は、荒川区南千住にある中島弁財天。ここは商店街の脇にあり、最近まで銭湯の女湯の中庭に祀ってあったものだという。さらに元を辿ると伊勢亀山藩主の屋敷内の弁天池の中の島に祀ってあったといい、それが名前の由来だ。寺の境内にある石仏と違ってお顔がきちんとした作りになっており、美仏リストに加えてもいい(上写真)。二つ目は、三ノ輪を越えた先、旧吉原(台東区千束)にある吉原弁財天。ここは江戸時代以来の遊郭吉原が関東大震災で火災に遭い、遊女たちが熱さで逃げ込み溺死した弁天池があった所。手前の吉原神社は稲荷などを合祀しているが、その先の弁財天...弁天巡りと下谷七福神
年末に撮り溜めした「バス旅」(テレビ東京)を観て、改めて思うことがあった。まず、長距離を歩いて大変な思いをするのはメンバーの3人だけでなく、それに随行するカメラ・マイクを持ったスタッフたち。重い機材を持っての長距離歩行なのだ(彼ら用の車も随行しているはずだが、メンバーの会話の撮影が必要)。そして「バス旅」のメンバーは(対抗する鉄道旅も)、なぜ3人なのか。そもそも日本では旅には「弥次喜多」という2人パターンが伝統的に存在していた。ところがそれを踏襲せず、1名増えた状態を構築し、それがうまくいっている。なぜなのか。実は、2人事態と3人事態とでは、質的に異なる対人場面であることが私を含めた一部の研究者が指摘している。それは”集団”の最小単位すなわち集団の定義に関わる問題でもあるのだが、ここではその問題には立ち入...バス旅が”3人”であることの意味
毎年、元日は儀式を大切にし、元日を含めた”三ヶ日”はあえて儀礼的無為を貫き通すことにしている。すなわち、意地でも和服で通し、仕事に一切触れず※、また混む初詣にも行かず、食事はおせちと餅の繰り返しで、昼間から酒を飲み、関東戦国史の本を読む。※:「学問に正月(休日)はない」という考えは確かにあるが、あえてそこから離れることで、新鮮な発想に切り替えるメリットがある。ついでに、寝る前は、湖池屋の「のり塩」特大サイズ(195g.普通サイズの3.25倍)を寝酒の肴にしながら、年末に撮り溜めした「バス旅」(千葉成田から青森龍飛先)を4回に分けて観る。今回読んだ本は、昨年に続いて『戦国武将列伝(関東編下)』。いわゆる”国衆”(戦国領主)の網羅的紹介で、史料による経歴・事績の記述で終始される。彼らは領地の維持(あわよくば拡...例年通りの三ヶ日を過ごす
新年あけましておめでとうございます。本年も皆様にとってよい年でありますように。日本の正月、とりわけ元日は、1年で最も特別な日として、神聖な心持ちで神妙に儀式的に過す日で、それを大切にする日本人であることを堪能する日でもある。正月は、特定の宗教臭さもなく、むしろ太陽に対する地球の公転の期日として普遍的視点で祝えるのがいい。それは神道に内在する普遍性※を実感できることでもある。※:神道に内在するのは日本人としての民族性だけでなく、少なくとも北東アジアに共通する宗教的普遍性があり、それは自然宗教において呪術性に退化しない方向としてのよいサンプルを示している。すなわち呪術性も閉鎖的民族性あるいは物語を強要する教義性もない、万人を受け容れる普遍宗教としての神道を体験できる。すなわち、例年通りに儀礼的にすごすことが元...2025年元日を過す
常時気象観測している私設「本駒込気象台」(東京都文京区)と「日進気象台」(愛知県日進市)の月間値を月末に筆写しているのだが、今月(2024年12月)の本駒込気象台の降水量がなんと「0mm」だった(厳密にはあと6時間残しているが)。2017年から記録しているのだが、降水量が「0mm」だった月は過去にない。念のため気象庁のアメダスの今月の月間観測値を確認したら、「東京」(千代田区)は0.5mm(19日に降水(初雪?))で、「練馬」(練馬区)はやはり0mmだった。ちなみに「本駒込」の月間の最低湿度は21%でこれは平年並み。また現在の平衡含水率は9.1%で、木材は非常に乾燥している。日進気象台でも12月の降水量は1.4mmで、こちらは2007年以来の観測で過去最低(12月でも2桁が普通、多いと3桁)。幸い、両地と...月間降水量0mmを記録
2024年の自分(周辺)を月別に振り返って見る。1月:母と深川不動に初詣。個人で日本橋・千手の七福神巡りのハシゴ。甥の成人を祝う。姉とその息子(甥)がローマから来日し、父の23回忌を半年前倒し。2月:入試を終えると時間が空くので、恵那峡・浜名湖に泊り、暇にまかせて『大菩薩峠』を読みはじめる。3月:実質春休みなので、愛知・東京・群馬の郷土博物館巡りに費やす。月末に長年配信していた自分のHPサイトが閉鎖された(なので記事の一部をこちらのブログに移行)。4月:長年行きそびれていた岡崎城に行く。帰省中に母が貧血で倒れた。5月:久しぶりの高尾山。定期的な茶臼山カエル館訪問。6月:27年ぶりに教え子と再会。7月:今の家に住んで10年目。その地で40.3℃の高温、2時間で99.4mmの雨を記録。8月:国会図書館に通って...2024年を振り返る:個人編
年末恒例、今年を振り返ってみる。先ず世相編。今年は初っぱなの元日(元旦ではない)に、能登半島地震の洗礼を受けた。東京宅でもはっきり揺れ、テレビではアナウンサーが避難を叫んでいた。能登半島は、9月にも大雨被害を受けて災害のダブルパンチ。景気低迷と人口減少が続く日本の、幹線ルートからはずれた半島部であるだけに、復興が遅れがちとなっている。そして今年の夏も暑かった。しかも5月から10月までの半年間が夏といってもいい状態。私は冷房の効いた図書館に通うだけで、レジャー的な外出をする気がなかった。選挙も印象に残った。オールドメディアの影響力がなくなり、候補者個人の情報発信の力が発揮された。衆院選では、それまで存在感がなかった国民民主党が一挙に主役に躍り出たのは、私にとってはうれしい事。まだ野党癖が抜けていないが、いず...2024年を振り返る:世相編
多くの人が直面している「年賀状じまい」の問題。私もこの時期になると「年賀状じまい」が心に浮かぶ。そもそも年末のクソ忙しい(正月気分でない)時に精神的・作業的負担がかかり、しかも郵便料金も値上がりしたので経済的負担も増えた。実際、私宛にそれを通知されたこともあるが、別になんとも思わなかった(むしろ先を越された感)。あえて「年賀状じまい」を宣言する事自体にまだ抵抗感があるため、こちらから申し出るより、先方から通知される方が気が楽。結局、今年も決心がつかず、例年どおりの賀状書きをした。私は表(おもて)面の宛名と住所は手書きで、裏面に定型的あいさつと毎年変える写真と近況は印刷し、それに手書きの添え書きを加える。相手の住所氏名を書いていると、相手の顔が思い浮かばれ、そして裏面の添え書きにその思い浮かんだ相手に向けて...年賀状じまいに迷う
冬至の今日は、「冬至の年筮」と言って、易者はこの日に来年を占う。易学研究会の顧問である私も、例年通り、自宅で筮竹を捌いて、中筮法で来年の世相を占ってみた。得た卦は「火風鼎」だが、五爻が変爻だったので「天風姤」に変わる。すなわち来年の前半は「火風鼎」で、後半が「天風姤」とみなせる。すると、来年前半(鼎)は、新しい機運に乗ってよく、例えば国政で言えば減税の方向を進めてよい。ところが後半(姤)、思わぬ女性が出現して混乱をもたらす。国民民主党の党首はすでにこの問題は解決済みと思えるので、別の問題だろう。これについては自分自身も気をつけたい。2025年の易占結果
大学”教員”としての年間最大のヤマは、4年のゼミ学生たち全員の卒論を指導をして、提出まで見届けること。ウチの学部は、2月に卒論発表会をやるため、その抄録集の印刷作業が必要なので、提出期限が他学部と比べて1ヶ月ほど早く、年末の20日。提出期限日の本日、最後の提出者を見届けた。心理学科なので、卒論は、個々でテーマを決め、それに基づいて調査や実験を実施しデータを分析して考察する(理系だとテーマは研究室で与えられ、個人はその分業を担当)。指導教員はゼミ生全員に分析法や文章の指導(添削)をするので、教員自身の負荷もかなり高い。それが終わったのだから、自分自身が解放感を得られる。しかも年末の冬休みも迎えるので、解放的な年末気分になれる。おっと、自分の論文の校正作業があった。卒論提出2024
昨日は休日出勤予定だったので、その翌日は小慰労として東濃中津川の定宿温泉を予約していた。昨日は出勤が解除されたが、その代わり棲み家の大掃除をしたので、その小慰労に名目変更。この宿はとにかく湯(浴室)が気に入っていて、それだけを目的にすればよく、豪華な食事は選ばずに素泊まり(7500円)でいい。日曜の晩なら、夕食は併設のクア施設のレストランでアルコール入れて2000円に抑えられる。朝食は室内の電気ポットでカップ麺(カロリー・塩分の低いパスタ)。その分起床はゆっくり。もっとも今は卒論の追い込みに当たるので、宿でもネット経由で論文チェック(校閲)はせざるを得ない。ということで、真の慰労はまだ先の話。小慰労の素泊まり温泉
煤払いの翌日の今日、予定していた大学の業務がなくなったので、急遽名古屋宅の大掃除に取り掛かる。まずは窓を開けて、マスクをして、化繊のハタキで家具のホコリを取る。床の掃除は、ハンディ掃除機で簡単にすむ。以前は、これを手動でやっていた(ホウキとチリトリ)ので時間がかかった。キッチンは油を使わないので、水垢取りで終わる。風呂もトイレも以前よりは簡単に終わる。要は余計なものを室内に置かない(そこが汚れる)こと。だから便座カバーもつけていない。風呂での洗髪は浴槽内で石鹸で済ませ(ついでに下着も洗濯)、あとは石鹸類を使わないので油汚れが発生しない。それに通常の入浴時にシャワーで浴室の壁を洗っていればいい。名古屋宅で大掃除
昨日、職場で冬のボーナスが支給された。支給額は、昨年と同額。ところが社会保険料など控除額が増えた分、手取りが4千円ほど減った。10年前と比べると、支給額そのものは増えたが、同じ理由で手取りは1万円ほど減っている。その間、諸物価は上がっている。これが給与生活者の現実であり、「103万円の壁」の先にある問題の本質部分。ボーナスもらったが
前記事を受けて、システム2内の二重性を前提にシステム3の話をしたいのだが、「心の多重過程モデル」におけるシステム0から2までの下位過程をおさらいしておきたい。私は「心」を”生体の情報処理機能”と定義する。これは人を対象とした心理学の枠を超えた広い定義であるが、人間における”心”の拡大でもある。そもそも生物そのものが遺伝情報によって構成され、それを再生産する存在である。また個体の生活自体も情報を通しての環境との相互作用で、この段階で生命活動としての最も基盤的な情報処理活動としての心「システム0」が作動している。システム0の主機能は、外界から分離された被膜内の内部環境の維持(恒常性維持)である。この機能は従来は”心”とみなされていなかったこともあり、あえて0というナンバーになる。当然ながら、システム0は脳組織...心の多重過程の概説:システム0〜2
「おじさんパーカーがダサい」と評した女性コラムニストに、ホリエモンやひろゆき氏が反論していて、この段階では女性たちの過剰なおじさんバッシング風潮に辟易している私も反論に同調気味だったが、ファッションデザイナーのドン小西氏の「ファッションは景色でもある」という見解に、決定打を打たれた思い。私が「自分を景色として見る」見解に初めて接したのは、はるか昔(10代の時)、つげ義春の漫画「ほんやら洞のべんさん」だった。大雪の中であくせくする主人公の漫画家と民宿主人のべんさんの行状について、主人公は「景色の点景としてみたら、さしずめどんな趣なのかしら」と自分たちを振り返ったセリフが、心を打った(つげ作品には、こういう衝撃的なセリフと再三出会う)。自分の振る舞いを、景色の一部として客観的に評価する視点があることを初めて教...おじさんパーカーと電車内化粧
私の「心の多重過程モデル」が、心を単一の現象ではなく多重過程とみなすように、そのサブシステム(システム0〜3)もまた単一過程を前提としない。自分の心が1つだと考えているのはシステム2(明晰意識)だけを経験している自我の思い込みである。その「自分の心」に一番近いシステム2が単一過程でないという問題に注目する。まさに自我は自分の心(明晰意識)をリアルに経験している。その経験そのものが、経験する自我と経験される意識の2つ過程の照合なのである。この2つの過程を「モニター機能」と「想念機能」としてみる。想念機能は思考やイメージ表象活動。モニター機能は、知覚、行動、想念などへの集中(モニター)を配分する活動。この2つは、日頃は一体化しているが、本来的には相互に独立して作動できる。つまり、この2つの機能は日常では一体化...システム2を構成するモニター/想念機能
その第一報に耳目を疑った中山美穂さんの死。浴室でのヒートショックが原因らしい。つまり本人にとっても突発的な出来事だった。自営業だと半強制的な健康診断がなく、自覚症状がない循環器系の疾患は放置される。実は”入浴”は、身体にとっては温度環境の激変という物理的ストレッサーである。循環器疾患を抱えた人がそれにさらされると、強烈なストレス反応が引き起こされる。だから実際、自宅内では浴室での死亡例が多い。母の知人で2人が入浴中に亡くなっているという。我が実家でも、冬季は脱衣所となる洗面所に温風ヒーターをつけ、入浴前と入浴後に急な温度変化にさらされないようにしている。もちろん湯温が高いとそれだけでストレッサーとなる。それと、入湯する前に、たっぷり掛け湯をすること。当然ながら、酒に酔った状態で入浴しないこと。できたら、上...入浴中の死を防ぐ
こんな夢を見た。小田急ロマンスカーの特別車両を前にしての会場で、乗車券購入者がじゃんけんに勝つとグッズをもらえるというイベントをやっていて、私もそれに参加する。じゃんけんの相手は会社側の若い女性(実在する女性ではない)。結果は以下の通り。1回目:あいこ…多分パーかグー。2回目:チョキのあいこ…こちらのチョキが指が閉じていた(半ばパーを出すつもり?)。3回目:こちらがチョキで相手がパー…自分でチョキを出そうと意図したのではなく、通常のじゃんけんでやるように、あえて意図をせず、指の勢いに任せた。この結果私が勝ち、自販機から出てくるグッズをもらうことになった。その後の夢のなりゆきよりも、目覚めてからこのじゃんけん勝負が気になった。なぜなら、私は相手の出す手を予想できなかったから。すなわち、夢の中の相手は現実の他...夢でじゃんけんをした相手
買おうかと思っていたAirPodsPro2(Apple)がアマゾンでセール(5000円程値引き)だったので迷わず購入ボタンを押した。なぜ買うつもりになっていたかというと、ノイズキャンセル効果に聴覚補助効果が加わったから。Apple製品は、AppleWatchの心拍測定機能など、今や医療補助機能に定評(信頼性)がある。中度難聴(耳鳴も併発)の私は、日常生活で他者との会話に困難を感じる場面がある(対面はいいのだが、会議が困る)。そういう場合、1万円前後の集音器を装着して、会議に臨むが、完璧ではない。ちなみに「補聴器」はバカ高い(約10倍)割に、性能が集音器に毛の生えた程度なので、実用性とコスパの観点から、補聴器から集音器に鞍替えする人が多い。ただ集音器の欠点は、周波数帯の個別調整ができないこと。その結果、不必...AirPodsPro2の聴覚補助効果を確認
愛聴しているラジオ番組「安住紳一郎の日曜天国」で、ここ2週間、視聴者の寝言が話題となっており、寝言録音アプリで録音された実際の寝言の音声が紹介されている。それを聞くと、口調はもちろんのこと言っている中身が理路整然としていて、単なるうなり声ではない。ところが、夢と違って本人は全く覚えていない。研究によると、寝言は夢と違ってノンレム睡眠中の現象で、夢の中で喋っているのではない(夢の中の発言なら、寝言はずっと続いているはず)。確かに夢見のレム睡眠中は、体中の筋肉が弛緩しているので、金縛りの時がそうであるように、声を出すことも口を開くもともできないはず。「心の多重過程モデル」を構築中の私は、夢は無意識ではなく、自我以外のシステム2が見せている(自我はそれを見ている)と思っている。なぜなら、夢のストーリーの創造性は...寝言を言う主体
いよいよ12月(師走)となった日曜。昨晩の高校同窓会の酔いもすっかり醒め、予定通り、神奈川で開催されている「運慶展」を見にいく。この展示は横須賀美術館と金沢文庫(写真:ポスター。運慶作大威徳明王)との共同開催なので(あと鎌倉国宝館も協力)、その2箇所に行く。運慶は奈良(大和)出身ながら、鎌倉武士たちの支援を受けて、東国鎌倉周辺の地にも作品を残しており、それらが一堂いや二堂に会するのだ。まずは三浦半島突端の観音崎に程近い、横須賀美術館。京急の馬堀海岸駅からバスで向かう。房総半島の富津岬・東京湾観音を対岸に望む東京湾の要衝・浦賀水道を見渡せる公園にあるので、芝生に寝そべるだけでも来る価値のありそうな所。しかも併設のレストランも人気。あと週刊新潮の表紙で有名だった谷内六郎館も併設。もっとも私は運慶展を”はしご”...2つの運慶展をはしご
毎年この時期に開かれる、(今は亡き)東京都立秋川高校の第八期の同窓会(八期会)が、例年通り同窓生が営んでいる築地のイタリアレストレランで開催された。私のように遠方からの参加者のほか、今回初参加すなわち50年ぶりの再会の同期生を交えての、同窓会となった。そして、ここ数年、避け難い「訃報」の報告がある。昨年物故者の黙祷を仕切った僧籍の仲間が、その対象になってしまった。50年振りの参加者によると、亡くなる前日に元気な姿で会っていたという。酷暑の中での横死であったらしい。その他にも、体調が慢性的に悪くて出席できる状況にない者も複数いる。もちろん出席者の中にも体の痺れを持っている者や、脳梗塞の経験者もいる。まさに生死の境にいる年代だと痛感する。だからこそ、なお一層、互いに会えることに意味を感じる。こういう存在論的問...秋川高校八期会2024
『自分とか、ないから:教養としての東洋哲学』(サンクチュアリ出版)1500円+税著者しんめいp氏は、東大法学部を出ながら、仕事ができなくて無職になり、さらに離婚して、実家に引きこもって、東洋哲学の書を50冊読んだという。これは、その結果達した境地の本。このタイトルを見て、もちろん仏教の「無我」や「空」のわかりやすい解説だとわかるので、これ絶対学生に読ませたいと思い、即座に大学図書館に注文した。20歳前後の学生って絶対”自分”にこだわって、”自分”に悩んでいるから(心理学科の学生はなおさら)、その”劇薬”(東洋哲学に対する著者の言葉)となるに違いない。そして図書館から配架したとの知らせを受けたので、まずは自分が本学で最初の読者になった。そもそも、その道の専門書を10冊読めば、その道についていっぱしの専門家と...『自分とか、ないから』を学生に読ませたい
毎年、この時期に年賀欠礼の喪中はがきが届く。同じ人から2年連続で届いたこともある。私とその知人たちがともに歳を重ねるにつれ、喪中の対象が変化していく。昔あるいは、最近でも教え子の場合は、「祖父・祖母」ばかりだったが、そのうち「父母」すなわち親(義理の親)の喪中が中心となった。大抵は父→母の順で、「母」の場合は享年90歳過ぎが多くなった。親の死を迎えることは子として必然だが、昨日届いた喪中はがきは対象が「妻」だった。配偶者の死の知らせは心が痛む。すでに子は独立しており、彼はマンションに転居した(単身生活を送るのだろう)。そういえば昨年は「子」(娘)があった。しかも亡くなったのは1月。しばらく正月を祝う気持ちになれないだろうな。かように、歳を重ねるにつれ、間接的ながらも、人の死に接することが多くなる(それに対...喪中はがきをもらって思う
今朝、愛知日進の露点温度が-3.3℃に下がった。東京文京でも-1.7℃とやはりマイナスを記録。完全に”冬”の露点温度となった(露点温度はその空気で可能な最低気温を示す)。もちろん、気温もそれに応じて1桁台に下がっている。思えば、露点温度が10℃に下がったのが10月19日、0℃台になったのが11月8日。先週末、やっと夏物をしまって冬物を出した。11月が秋から冬への移行月とすると、純粋な秋は10月だけ。冬は12-2月の3ヶ月なので、冬から春への移行月は3月で、純粋な春は4月だけ。そして夏(気温が30℃)が長くなり、5−9月の5ヶ月も続くようになった。かように四季が二季化している。露点温度がマイナスに
日曜に業務があるため、帰京せずに名古屋にいる。昨日、大学院の論文審査を終え、目の前にあったプレッシャーがなくなった。開放感に浸りたいが、土曜は天気が芳しくないので、出かける予定も入れてない。なので、いつもより遅い目覚めて起き、テレビを見ながらゆっくりコーヒーをのみ、11時に早めのランチを食べに商店街のある駅前に行く。基本朝夕2食の自炊生活なのだが、休日は朝を摂らない代わりに、昼くらいはあえて外食にしたい。駅前の商店街で、一応、惣菜店やスーパーのランチも見て回る。これらのランチは確かに安いのだが、プラケースに入ったそれを自宅に持ち帰ってレンチンして食べるのはどうも味気ない。いわば、空腹を満たすため、あるいは栄養補給のため、という義務感での食事になってしまう。プラケース食を買って帰るとすれば、やや高めの握り寿...幸せのあんかけスパ
龍樹は哲学・論理学者でなく、宗教者であるから、その目的は、何かを論証することではなく、人々に救いをもたらすこと。すなわち、菩薩道の”抜苦与楽”であり、それをもたらしたので、龍樹”菩薩”と言われている。その彼が言いたいことを私の「心の多重過程モデル」※で代弁すると、大切なのは、空という概念についてあれこれ考えることではなく、言語的思考すなわちシステム2そのものへの執着を離れることにある。※心の多重過程モデル:”心”を以下のサブシステムからなる高次システムとみなす私のモデル既存の「二重過程モデル」(システム1・2)を上下に拡張したもの。システム0:覚醒/睡眠・情動など生理的に反応する活動。生きている間作動し続ける。システム1:条件づけなどによる直感(無自覚)的反応。身体運動時に作動。通常の”心”はここから。シ...空とは何か3:思考する心
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