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  • 歌詞分析‐「ひとつだけ」矢野顕子・忌野清志郎

    欲しいものはたくさんあるのきらめく星くずの指輪寄せる波で組み立てた椅子世界中の花集めつくるオーデコロンけれども今気がついたこととっても大切なこと欲しいものはただひとつだけあなたの心の白い扉ひらく鍵離れている時でもわたしのこと忘れないでいてほしいのねぇおねがい悲しい気分の時もわたしのことすぐに呼びだしてほしいのねぇおねがい楽しいことはほかにもある満月の下のパーティーテニスコートを駆けまわる選びぬいたもの集めつくる中華料理けれども今気がついたこととっても大切なこと一番楽しいことはあなたの口からあなたの夢きくことoh…離れている時でもわたしのこと忘れないでいてほしいのねぇおねがい悲しい気分の時もわたしのことすぐに呼びだしてほしいのねぇおねがい離れている時でもわたしのこと忘れないでいてほしいのねぇおねがい悲しい気...歌詞分析‐「ひとつだけ」矢野顕子・忌野清志郎

  • 私の映画遍歴

    僕はまずフェリーニの「道」で目覚めた。次に感動したのが「ニューシネマパラダイス」。そして最も衝撃を与えたのが北野武の「HANA-BI」。そこから僕の映画遍歴が始まったと言える。そして、あるポーランド映画に出会う。僕は身の打ち震えるような感動を覚えた。名前は教えないが、それは本物だった。そのあとはイーストウッド、ハネケ、コッポラ、ワイルダー、ワイラー、タランティーノ、黒澤、溝口、ゴダールと続いて、次の衝撃に到達する。それがジョン・フォードの「駅馬車」。駅馬車は最高の芸術だった。駅馬車の前にはすべての芸術は屈するしかない。そのレベルだった。そして、僕を感動させたのが高畑勲の「火垂るの墓」。火垂るの墓は映画の中で唯一のリアリズムを有した映画だった。映画を見て、泣いたのは初めてだ。そのあとは、ビリーワイルダー、ウ...私の映画遍歴

  • 当ブログは終了しました。

    これで終わり。当ブログは終了しました。

  • ドラマ「デフヴォイス」の感想

    まず、この物語は単なる事件者ではない、聾唖者と健常者の融和の物語である。この作品の難しい点は、なぜ尚人がこれほどまで事件に執着するのかというところだ。私には分かる。尚人は泣いていたのである。尚人は過去の贖罪をしていたのだ。親と兄を捨てわが道を歩いた尚人。尚人は悩む。なぜ、俺はあんなことをしてしまったのか、なぜ兄はあのとき俺を止めてくれなかったのか。その贖罪が門奈と能美の事件なのである。私は感動した。すべての責任を取り一歩進もうとする尚人の姿に。尚人はきっと瑠美の告白の時泣いていたのではないだろうか。そんな気がする。尚人を動かしたのは贖罪の気持であるが、その尚人を癒したのはその事件にまつわる家族の愛だった。傑作だった。それだけはいえる。駄作ではない。傑作だったのだ。たかがドラマが。僕はこの作品を見てよかった...ドラマ「デフヴォイス」の感想

  • これからのこと2

    資金を得たら家を出る。それでも師匠のもとには一か月に一回通う。実家にも一か月に一回。勉強はほどほどに、仕事に精を出す。訓練と思うこと。彼女についてはマジでできる。十歳下の彼女が。これは俺の予言。だが、その女は既に今の俺を知っており、若干馬鹿にしている。だがしかし挫けない。勉強にできないところは、訓練でカバー。肉体を知ること、社会を知ること。これが目的。60まで仕事に精を出してやめたあとは、自費出版で己の力を試してみる。それまで勉強勉強勉強。特にエッセイや詩を勉強。小説は時代に取り残される。なぜなら、俺という天才がやる気が出ないから。勉強が十分になったら、起業する。起業して400億稼ぐ。それで金持ちの世界を知る。金持ちの世界を知ったあと、改めて普通の生活に戻る。これであらゆることを知る。世界を見て回るのは印...これからのこと2

  • これからのこと

    あと3年遊学したのち、マンション管理士の資格を取る。そのあと、関連した資格を取り、37で職に就く。彼女ができるのはそこから。親友はもうすぐできる。おじちゃんや姉、師匠の力を借りて、立派な社会人になる、それまで勉強勉強勉強。60になって、またいろんな物事について書き始める。勉強はほどほどに。それよりも資格の勉強。遊学機関は休み程度。新聞は毎日読む。ちょっとずつでも。買うだけで大人になる。勉強始めたら、最後まで一気呵成に読むこと。だから今はどくだみちゃんをよまないといけない。いろんなことを勉強すること。優先事項は資格の勉強、新聞、社会勉強、麻雀、ボクシング動画、音楽、絵、雑誌、論文、エッセイ、小説、漫画、映画、アニメ。これでいく。これで37まで過ごす。おじちゃん、師匠、よろしくお願いします。ところで師匠ってあ...これからのこと

  • 歌詞分析‐「今宵の月のように」エレファントカシマシ

    くだらねえとつぶやいて醒めたつらして歩くいつの日か輝くだろうあふれる熱い涙いつまでも続くのか吐きすてて寝転んだ俺もまた輝くだろう今宵の月のようにAh…Ah…夕暮れ過ぎてきらめく町の灯りは悲しい色に染まって揺れた君がいつかくれた思い出のかけら集めて真夏の夜空ひとり見上げた新しい季節の始まりは夏の風町に吹くのさ今日もまたどこへ行く愛を探しに行こういつの日か輝くだろうあふれる熱い涙Ah…Ah…Ohyeah…ポケットに手をつっこんで歩くいつかの電車に乗っていつかの町まで君のおもかげきらりと光る夜空に涙も出ない声も聞こえないもう二度と戻らない日々を俺たちは走り続ける明日もまたどこへ行く愛を探しに行こういつの日か輝くだろうあふれる熱い涙明日もまたどこへ行く愛を探しに行こう見慣れてる町の空に輝く月一ついつの日か輝くだろ...歌詞分析‐「今宵の月のように」エレファントカシマシ

  • 花鳥風月

    3月。夕の庭先で一輪咲く梅の花を見た。私が花鳥風月に目覚めた最初の日である。私はその日、花鳥風月について考えていた。花は咲き誇るもの鳥は羽ばたくもの風はもてあそぶもの月はあたたかなもの遠い記憶の中で本当の花鳥風月の心とはずれてしまっているかもしれないが、今の私はこれに近いものを感じている。私はそれから数か月花鳥風月の虜になってしまった。花は素晴らしい。それが脆く、脆くても咲き誇る。そんな姿が素晴らしい。鳥は素晴らしい。自由を象徴する翼はきっとどこへでも行ける。風は素晴らしい。もてあそぶことは生命の息吹。君はそれを知っているだろうか。月は素晴らしい。月のあたたかな光が夜の静寂をやさしげなオアシスにしてくれる。私は花鳥風月の虜になった。だがしかし、私は日本人。いつか風月花の心を知ろうと思う。花鳥風月の心をいう...花鳥風月

  • ブログ活動・一年間休止

    まだまだ勉強不足で、僕に足らないのは文字の雨に浴びることだと悟りました。一年間ブログ休止です。エッセイを中心に読んでいこうと思います。これまでの記事はそのままにしておきます。けっこう面白いですよ。特に雑文。ブログ活動・一年間休止

  • 石原慎太郎について

    石原慎太郎は極悪人である。少なくとも文学者としては。彼は太陽の季節で、文学の伝統が崩壊するのを知っていたのである。なぜそんなものしか書けなかったか?それはルサンチマンのせいだ。ルサンチマンはもちろん石原裕次郎に対しての。石原裕次郎をモデルとしてるが、それは彼をけなすためであった。石原裕次郎は僕で言うところのジルベールである。慎太郎がアリュシェ。そう4巻あたりに現れるあの悪党である。彼はそのあと、処刑の部屋だのレイプものだのそういうものばっかり書く。というか書けないのである。一作良いのがあったが、忘れてしまった。彼はカリスマである。石原慎太郎は悪をなすことでカリスマだったのだ。なんと良くない現象だろう。傑作は一つもなく、ただのカリスマになってしまった。矢沢永吉や忌野清志郎みたいなものだ。害にしかならない。矢...石原慎太郎について

  • 平成の歌姫‐宇多田ヒカルと浜崎あゆみ論

    二人の歌姫はそれぞれ違う意味で輝いた。一人は光として、一人は太陽として。浜崎あゆみは太陽である。宇多田ヒカルはそのとおり光である。この区別がつくものがおろうか?いや、いない。まず、浜崎あゆみについて彼女の代表曲「M」について語ろうと思う。彼女はMの中で言うああ、マリア様、私は恋のために原罪を背負っている。恋とは罪。恋とは罰。私は一生苦しめられるのね。この罪に。だけど、私はこの運命を受け入れようと思う。私はこの罪を甘受しているから。私は数多の歌を歌ってきたわ。だけど、私はきっと幸せに死ねるでしょう。私の原罪はなんといったって恋なのだから。である。何が言いたいか。浜崎あゆみは恋なしには生きていけない人間なのだ。だから容貌が崩れた今は詞が書けなくなっている。彼女の傑作群があってもだ。時代は彼女を忘れようとしてい...平成の歌姫‐宇多田ヒカルと浜崎あゆみ論

  • 青葉市子の詩情‐サーカスナイトから

    青葉市子は天才である。無頼派の天才歌手である。彼は今活動休止している。男であることがばれたのだ。だが、この声が素晴らしいことには変わらない。青葉市子の天才性について語ろう。彼女の代表曲サーカスナイトから。なぜ、彼女としたか、彼女とした方が文字面がいい。それだけである。彼女はサーカスナイトに合わせてこう言っている。俺の気持ちを分かってくれ。俺は女になりたかった。だから今でも童貞。ずっと童貞なんだ。それは変わらない。だけど性転換は嫌だ。それじゃ男だと認めたようなものじゃないかと。青葉市子の本当の詩情はこうである。私は美しい小鳥。翼を持たない小鳥。きっと飛んでいける。私なら。私は翼を持たないけれどきっとこの悲しい世界から離れてみせる。これが私の運命。私の翼よ。僕は青葉市子を応援している。青葉市子は今、泣いている...青葉市子の詩情‐サーカスナイトから

  • HANA‐BIについて

    HANA-BIはヴェネチアで金獅子を受賞した大傑作。それは確かだ。良い点については、そこかしこに書かれているので僕はあえて悪い点を挙げようと思う。たけしさんの創作の糧にしてほしい。まず、人を殺し過ぎである。人を殺すのはたけし映画の大きなテーマの一つであるが、これは人情物。決して主人公が無頼漢ではいけない。もっと心の熱い人であって欲しかった。彼は少女と妻以外のためならなんでも切り捨てる悪人でもある。次にラストに出てくる少女の問題だ。あのシーンは何の意味もない。それまで意味の塊であったHANA-BIに最後の最後にまるで意味不明なシーンが現れるのである。それでは駄目である。ラストは発砲するところで終わって欲しかったと思ったシネフィルがどれだけいただろう。一歩間違えれば駄作になりかねなかったと思うのは僕だけだろう...HANA‐BIについて

  • 歌詞分析‐「チキンライス」浜田雅功・槇原敬之

    親孝行って何?って考えるでもそれを考えようとすることがもう親孝行なのかもしれない子供の頃たまに家族で外食いつも頼んでいたのはチキンライス豪華なもの頼めば二度とつれてきてはもらえないような気がして親に気を遣っていたあんな気持ち今の子供に理解できるかな?※今日はクリスマス街はにぎやかお祭り騒ぎ七面鳥はやっぱり照れる俺はまだまだチキンライスでいいや※貧乏って何?って考えるへこんだとこへこんだ分だけ笑いで満たすしかなかったあのころ昔話を語り出すと決まって貧乏自慢ですかと言う顔するやつでもあれだけ貧乏だったんだせめて自慢ぐらいさせてくれ!最後は笑いに変えるから今の子供に嫌がられるかな?(※くり返し)今ならなんだって注文できる親の顔色を気にしてチキンライス頼む事なんて今はしなくても良い好きなものなんでもたのめるさ酸っ...歌詞分析‐「チキンライス」浜田雅功・槇原敬之

  • 歌詞分析‐「クリスマスキャロルの頃には」稲垣潤一

    ※クリスマスキャロルが流れる頃には君と僕の答えもきっと出ているだろうクリスマスキャロルが流れる頃には誰を愛してるのか今は見えなくても※この手を少し伸ばせば届いていたのに1mm何か足りない愛のすれ違いお互いをわかりすぎていて心がよそ見できないのさクリスマスキャロルが聞こえる頃まで出逢う前に戻ってもっと自由でいようクリスマスキャロルが聞こえる頃まで何が大切なのか一人考えたい誰かがそばにいるのは暖かいけれど背中を毛布代わりに抱き合えないから近すぎて見えない支えは離れてみればわかるらしい(※くりかえし)クリスマスキャロルが流れる頃にはどういう君と僕に雪は降るのだろうか?クリスマスキャロルが流れる頃にはどういう君と僕に雪は降るのだろうか?大駄作、それがクリスマスキャロルの頃には。どこが駄作なのだろうか。まず、彼のつ...歌詞分析‐「クリスマスキャロルの頃には」稲垣潤一

  • 歌詞分析‐「クリスマスイヴ」山下達郎

    雨は夜更け過ぎに雪へと変わるだろうSilentnight,Holynightきっと君は来ないひとりきりのクリスマス・イブSilentnight,Holynight心深く秘めた想い叶えられそうもない必ず今夜なら言えそうな気がしたSilentnight,Holynightまだ消え残る君への想い夜へと降り続く街角にはクリスマス・トゥリー銀色のきらめきSilentnight,Holynight雨は夜更け過ぎに雪へと変わるだろうSilentnight,Holynightきっと君は来ないひとりきりのクリスマス・イブSilentnight,Holynight冬と言えばこれ、クリスマスイブ。これは日本人なら誰もが知るところだろう。これは大名作である。傑作ではない、名作なのだ。まず傑作と名作の違いとは何だろう。名作とは人の...歌詞分析‐「クリスマスイヴ」山下達郎

  • 風と木の詩について ‐ジルベールは悪か正義か

    ジルベールは輝く目をしている。いつも目は輝いている。だが、いつもなすことは蛮行ばかり。なぜだろう。ジルベールは寂しいのだ。ジルベールほどの高尚な心を持った者の理解者がいないのである。ジルベールは言う。僕の魂を君の魂と照らし合わせて、どちらが素晴らしいか。分かるか、セルジュ。圧倒的に私の勝ちだ。素晴らしい魂の持ち主は決して悪に引きずられることがない。いくら私が同性愛に陥りようとテストをすっぽかしてもだ、と。セルジュはそんなジルベールが我慢ならない。だが、第八巻の最後にジルベールは言う。君の勝ちだ。セルジュ。僕は負けた。君の勇気と愛に負けた。どうか僕と結婚してくれないか。セルジュは迷う。ジルベールは男だ。だが、それを受け入れる。ジルベールはそうやって新たな人生をつかみ取る。ジルベールの悲しみは去った。残るのは...風と木の詩について‐ジルベールは悪か正義か

  • 小説・カイゾルム

    カイゾルム、僕が目指すべき永遠の都。永遠の楽園。だが、それを邪魔するものがいる。一部の悪意のある地球人と宇宙人である、もちろん良い宇宙人もいる。だがほどんどの宇宙人が悪人である。宇宙人のこれまでの悪事をすべて言おう。まず世界から石油を減らしたのは宇宙人である。そして宇宙の星を砕いたのも宇宙人である。そして、世界から安全な食料を失くしたのも宇宙人である。なぜ宇宙人はこれほどまでに人間に悪意をなすのか、それは分からない。本当に分からないんだ。けれども、彼らを殲滅しない限り、地球に平和は戻ってこない。それで僕は考えた。トカレフを持ちながら。彼らを変えるには思想強制しかないと。彼らの思想強制を行うには洗脳である。初めから洗脳するしかない。洗脳して、頭をおかしくして、自殺させるしかない。そのためにあるのが芸術であり...小説・カイゾルム

  • 大友克洋の本当の革命

    大友克洋といえばAKIRA。AKIRAと言えば三次元。二次元を三次元にした作家大友克洋というのが世評である。だがしかし、僕はここに新説を唱えたい。大友克洋はアトムの命題を超えた作家なのだと。アトムの命題とは戦後の漫画は戦争という体験があったために傷つく心を持つといったものだ。アトムの命題を超えた作家、どういうことだろう。アトムの命題は手塚以降の漫画家たちを縛り付けた。漫画家たちは作品を書きながら泣き、笑った。そのくらいに感情移入しないと何も書けなかった。だが、大友克洋は違う。川本三郎は白いといったが、僕から言わせれば何もない。川本三郎は優秀な批評家であるが、これに関しては間違えている。何もないのだ。何もないがゆえにアトムの命題を超えた。これは良いことだろうか悪いだろうか。もちろん悪いことである。そこから人...大友克洋の本当の革命

  • 文化破壊を売りにした芸術家たち

    日本人についてだけ書く。海外にはゴダールやセザンヌやゴッホなどいろいろいるが、日本について特に詳しいのでそうすることにしよう。まず大島渚である。僕は戦場のメリークリスマスしか見ていない。それでも彼の文化への憎しみが十二分に伝わった。彼は芸術を馬鹿にしている。芸術以外のものを作り出そうとして失敗しているのである。その表れが最後のメリークリスマスミスターローレンスである。あまりに醜い顔である。あれで、大島渚は小津以来の美しい日本文化を破壊するつもりだったのだ。それにしてもだ。大島渚の悪いところはテレビにまで出てきたところだ。彼の言説をいくつか耳にしたが、とにかく豪快なことを言って笑い飛ばすだけ。これである。これで文化破壊をしようとしているのだ。大島渚はまったくの悪人である。次に宮台真司。宮台真司の文章は一見、...文化破壊を売りにした芸術家たち

  • 俺の芸術性

    よく考えたら坂本+サルトル+マイルス+ドガもしくは坂本+サルトル+ショパン+カフカ僕はのときは春樹ハイドン俺はのときはマイルスドガ私はのときはショパンカフカ俺の芸術性

  • ローマの休日のグレゴリーペック扮する新聞記者はその後どんな人生を過ごしたか

    私は名画にケチをつけるつもりはない。ローマの休日がウイリアムワイラーの最高傑作であり、世界的傑作であることは確実である。だが、グレゴリーペック扮する新聞記者のその後の人生について考えることも面白いところだ。まず、新聞記者は戸惑う。あれは何だったのか、王女は何故自分なんかに構ったのか。王女なら王国の重鎮たちを連れてきたろう。それでなぜ私なのか。グレゴリーペックは悩むのである。もしかしたら、私は試されたのではないか。会社の重役から。あれは王女でもなんでもなく、どこかの美女で、どこまで記事にできるか試されたのではないかと。だが、王女は悩むグレゴリーペックとはいざ知らず、彼に連絡する気などさらさらない。そもそも王国に帰ったら、これまで起こったことなど少ししか覚えていないのではないか。これ以上は書くつもりはない。名...ローマの休日のグレゴリーペック扮する新聞記者はその後どんな人生を過ごしたか

  • 歌詞分析‐「津軽海峡冬景色」石川さゆり

    野発の夜行列車おりた時から青森駅は雪の中北へ帰る人の群れは誰も無口で海鳴りだけをきいている私もひとり連絡船に乗りこごえそうな鴎見つめ泣いていましたああ津軽海峡冬景色ごらんあれが竜飛岬北のはずれと見知らぬ人が指をさす息でくもる窓のガラスふいてみたけどはるかにかすみ見えるだけ※さよならあなた私は帰ります風の音が胸をゆする泣けとばかりにああ津軽海峡冬景色※(※くりかえし)津軽海峡冬景色は日本の演歌が誇る最大の傑作である。阿久悠はこのあとピンクレディなどの易い方向に流れていくが、このときは日本の作詞家の頂点にいた。まず、さよならあなた私は帰ります風の音が胸をゆする泣けとばかりにああ津軽海峡冬景色。この一句があまりにも素晴らしい。これはすべての歌謡曲が束になっても勝てない名句である。どこが素晴らしいか、その含蓄であ...歌詞分析‐「津軽海峡冬景色」石川さゆり

  • 歌詞分析‐「冬のリヴィエラ」森進一

    彼女によろしく伝えてくれよ今ならホテルで寝ているはずさ泣いたら窓辺のラジオをつけて陽気な唄でも聞かせてやれよアメリカの貨物船が桟橋で待ってるよ※冬のリヴィエラ男って奴は港を出てゆく船のようだね哀しければ哀しいほど黙りこむもんだね※彼女は俺には過ぎた女さ別れの気配をちゃんと読んでて上手にかくした旅行鞄に外した指輪と酒の小壜さやさしさが霧のようにシュロの樹を濡らしてる冬のリヴィエラ人生って奴は思い通りにならないものさ愛しければ愛しいほど背中合わせになる皮のコートのボタンひとつとれかけてサマにならない(※くり返し)冬のリヴィエラは松本隆作詞、大瀧詠一作曲の迷作である。どこが名作か、まるでくだらない歌詞が何か意味ありげなように思われるところだ。この歌詞はアメリカに行く貨物船の船員が日本に残す女に後ろ髪引かれながら...歌詞分析‐「冬のリヴィエラ」森進一

  • カイゾルム

    白昼夢として忘れてくれ。酒はほろ酔いくらいがいい。宇宙は死んだ。人間はときめいた。はるか三千年のときから我らが世界は宴を愛した。飛べ、世界へ。君よ、女よ、忘れるな。未来永劫、悲しみの器など実は天使の残した君の人生への祝福に過ぎないことを。君たちへの詩そうか。地獄に行った者も天国に行くことがある。天国に行った者も地獄に行くことがある。これが明鏡止水だ。六千万って平民と金持ちの境界線だからな。実はすげーんだぞ。この発想。その女、最初、一億二千万送ろうとしてたからな。心が欲に揺れ動きそうになったら、川の流れのように。心が辛いことに目を向けたなら、川の流れのように。これも明鏡止水だよ。分かる?これも思想かな?分かんないけど。俺、学ねえんだよ。芸術に異常に詳しいぐらい。「カイゾルム」俺は個人的にそんな世界をこう名付...カイゾルム

  • ついに出した正解

    なんか俺、考え直そう。80年寝てよう。不老不死は本当なんだ。自殺未遂したとき、首を切ったんだけど、親に致死量の血が出てた。と言われたときはビックリした。それに神経を切ったはずなのに不随にもなってねえ。俺は生きる。いくらかの人類も生き残る。そこからやり直そう。それでいい。疲れたよ。下手な使命感に追われたら怒りが溜まる。そう思わんかね?仮にユートピアを作ったとしよう。俺が王座に座ってるときに、嫁よりも美人を見かけて一目ぼれして、そいつが兵士とヤッたらどうするね。殺したくなるだろう?そんなもんだよ。これで許せフィリップ。お前の好きなめちゃくちゃだ。世界もこれなんじゃないか。マジで思う。俺に必要なのは世界平和じゃなく人生航海の羅針盤だ。美空ひばり川の流れのように(youtube.com)ついに出した正解

  • 俺の基本スタンス

    いや、待った。地球人と宇宙人は付和友愛すべきかもしれない。良い地球人がいるように良い宇宙人もいる。俺はときどき悪しき地球人や宇宙人に思考占拠されるときがある。その中、頑張って書いてる。俺は明日からも書き続ける。いや、今からやる。まず、書いてみたことを自己反省してみたらアニメ的ロマンチシズムに陥り過ぎだ。ことはそう簡単な問題じゃない。まだある。神だがまだ知らないことがある。まだあるこの世界には。すまん。許せ。彼は印税も実家の資産もすべてあらゆるボランティア団体に寄付した。そしてすべての芸術を正義のために貫いた。そのフィリップグラスが宇宙人なんだ。俺には堕天使や悪魔も憑いている。でも怖くない。俺は自分の感と直感を信じて、進むことに決めた。ケセラセラだ。大丈夫。アトランティスでは女の裏切りで神が自殺したが、俺は...俺の基本スタンス

  • 宇宙人

    beautifulcityさよならさマンダリンの楼上isn'titapitybeautifulcity目を閉じればそこかしこに広がる無音の世界不穏な未来耳鳴り時計の秒針止めて心のトカレフに想いを込めてぶっ放す窓ガラスに入ったヒビ砕け散る過去の闇雲な日々止まった時計は夜明け前5時外の空気君だけのもの吸うも吐くも自由それだけで有り難い実を言うとこの街の奴らは義理堅いただガタイの良さには騙されるんじゃないお前と一緒で皆弱っているその理由は人それぞれ耐え抜くためには仰け反れこの街はとうに終わりが見えるけど俺は君の味方だbeautifulcityさよならさマンダリンの楼上isn'titapitybeautifulcity何はともあれこの街を去った未来ではなく過去を漁った明後日ばっかり見てた君それはそれで誰よりも輝い...宇宙人

  • 芸術を学び始める若者へ

    絵は見ているうちに分かるようになる。最初はみんな知ったかぶりだ。良いような気がする。このくらい。それが積み重ねるごとに絵の味というものがわかってくる。これが常道なのだよ。素人の人が音楽の完成度というものに触れたいならまずこの曲を聴くといい。俺はまずこれから入った。Jamiroquai-VirtualInsanity(OfficialVideo)(youtube.com)[JazzyHip-Hop]~MoonEscape~mixedbyHaruYahManfromJPOsaka(youtube.com)まず、文学は、スタインベックの怒りの葡萄を読め。次にトマスピンチョンのV.最後に谷崎潤一郎芸術を学び始める若者へ

  • 歌詞分析‐「なごり雪」イルカ

    汽車を待つ君の横でぼくは時計を気にしてる季節はずれの雪が降ってる「東京で見る雪はこれが最後ね」とさみしそうに君がつぶやくなごり雪も降る時を知りふざけすぎた季節のあとで今春が来て君はきれいになった去年よりずっときれいになった動き始めた汽車の窓に顔をつけて君は何か言おうとしている君の口びるが「さようなら」と動くことがこわくて下を向いてた時が行けば幼い君も大人になると気づかないまま今春が来て君はきれいになった去年よりずっときれいになった君が去ったホームに残り落ちてはとける雪を見ていた今春が来て君はきれいになった去年よりずっときれいになった彼女の歌はときめきを感じる。いくつか彼女の曲を聴いたが、いつも歌うのは青春の曲。奏でるメロディは悲しい別れの歌だ。その中で最も秀逸なのがこの、なごり雪である。イルカは歌詞の中で...歌詞分析‐「なごり雪」イルカ

  • 80年代の音楽はなぜダイナミックなのか

    80年代の音楽はダイナミックである。どれもこれもがみんなに伝わるように、没個性的な表現で描かれている。だがしかし、没個性的であるがゆえにその本質を失くしている。70年代でアメリカの大衆音楽は終わったと言っていい。あなたはシンディローパーのタイムアフタータイムを聴いたことがあるだろうか?シンディはそこでこう言っている。私たちの音楽は終わっちまったよ、なにさ、みんなエレクトロなんかに言っちゃって。私たちの売りはこの歌唱力と作曲力、音楽性じゃないのか。時と共に変わるのが音楽かい。そんなの糞くらえだ。私は一人でも歌い続けるね。彼女は80年代で一人。歌う女性であった。そのあと、シンディの声は枯れ、アメリカの音楽は死滅した。アメリカは惜しいことをした。エレクトロなんかクソだ。もう一度シンディローパーのタイムアフタータ...80年代の音楽はなぜダイナミックなのか

  • 私の美術遍歴

    私はある日、ピカソの絵を見た。それは私の初めての芸術経験だった。私は燃えた。彼の完璧な芸術に。アヴィニョンの娘たちに、ゲルニカに。だけど、彼の芸術の本質はなにもないことをそのときから分かっていた。それから私は芸術を求める旅に出たのである。その次に手に取ったのがアンディウォーホル。駄目だと思った。ポップな表現は確かに刺激的。だけど、本質がない。これもダメだと思った。そこで出会ったのが印象派の絵画である。印象派は燃えた。印象派の悲しい描写が僕の心を打った。それから、僕は印象派に魅了された。だが、後進は難解な方向に進んだ。その犯人がエコールドパリのモディリアニ。彼の芸術は意味をなさないゆえに難解に思えた。それからはシュールに抽象派にダダイズム。駄目だ。これは選民のものになっていく道程だと思った。救いはヨーゼフ・...私の美術遍歴

  • アニソンはなぜ悪しきジャンルなのか

    アニソンはなぜ悪しき音楽なのか?残酷な天使のテーゼでさえ悪しきものなのか?まったくのその通りである。芸術の本質的な作用は魂の救済にこそある。だけど、アニソンのやることは魂を鼓舞することだけ。決して、芸術足りえていない。まず、あのキャピキャピ音。アニソンはまず人の耳を破壊する。この音楽に触れることで音楽音痴になったものがどれだけいるだろうか。私には分からない。それと、芸術は決して面白いものではない。中には不快なものがある。ところが、アニソンは人の欲をそそるものばかりである。アニソンは深い意味で芸術を破壊している。私はアニソンを破壊したい。もしくは改良したい。もちろんアニソンの中にも良いものがある。四月は君の嘘のop/ed群だ。あれだけは良い。300もアニメを見た僕が言うのだから間違いない。四月は君の嘘のop...アニソンはなぜ悪しきジャンルなのか

  • 歌詞分析‐「ブライマル」original love

    夜明け過ぎの二月の雪きみの部屋を見上げつづけたときめき痛み眠れぬ夜の過ごし方を初めて知ったきみにいつまでも見とれたい何もいらないよきみを愛しているよ心の底から愛はいのちよりも前にあるからuhエデンの歌春に咲く花抱えきれない大きな気持ち瞳を揺らせて終わらない愛を知りたいのときみは言ったきみにいつまでも見とれたい何もいらないよきみを愛しているよ心の底から愛はふたりのあとにも残るからきみにいつまでも見とれたい何もいらないよきみを愛しているよ心の底から愛はいのちよりも前にあるからuhこの曲はエデンの園での物語である。美しい女性と哀れな男。そんな歌詞がこの少ない文字列の中に描かれている。田島貴男はなかなかの詩人である。どうしてか、一つ一つの表現に小さな含蓄が眠っているからだ。ブライマルの良さは第一に彼の哀れな心の表...歌詞分析‐「ブライマル」originallove

  • ルパンはなぜクラリス姫を抱きしめることができなかったか ‐「ルパン三世カリオストロの城」

    これ往年のファンなら誰もが知ってるだろうけど、案外こんな記事みないので…。ルパンは物語の終わりに言う。なぜ、君は僕のところについてくるんだいと。だが、クラリスはこういうのだ。おじさま、あなたが私の唯一の恋人です、と。ルパンは苦悩する。彼女を盗賊という魔の道に連れてっていいのか?彼女をまっとうな道に行かせるのが大人なのではないだろうかと…。だが、彼は本当は抱きしめたかった。彼女を夢中にして、彼女と峰不二子と戦って世界一のカップルになりたかった。だけど、できなかった。なぜだろう。それは彼の良心があのときだけ光ったのである。彼は目的のためならなんでもする泥棒・怪盗ルパン。なぜ、彼は良心など示したのだろう。それは彼女の美しい心に触れて感動したのだ。彼は最後に言う。達者にな。と。だけど、達者でないのは彼の方だ。最後...ルパンはなぜクラリス姫を抱きしめることができなかったか‐「ルパン三世カリオストロの城」

  • 歌詞分析ー「アゲハ蝶」ポルノグラフィティ

    ヒラリヒラリと舞い遊ぶように姿見せたアゲハ蝶夏の夜の真ん中月の下喜びとしてのイエロー憂いを帯びたブルーに世の果てに似ている漆黒の羽旅人に尋ねてみたどこまで行くのかといつになれば終えるのかと旅人は答えた終わりなどはないさ終わらせることはできるけどそう…じゃあお気をつけてと見送ったのはずっと前でここに未だ還らない彼が僕自身だと気づいたのは今更になってだった※あなたに逢えたそれだけでよかった世界に光が満ちた夢で逢えるだけでよかったのに愛されたいと願ってしまった世界が表情を変えた世の果てでは空と海が交じる※詩人がたったひとひらの言の葉に込めた意味をついに知ることはないそうそれは友にできるならあなたに届けばいいと思うもしこれが戯曲ならなんてひどいストーリーだろう進むことも戻ることもできずにただひとり舞台に立っている...歌詞分析ー「アゲハ蝶」ポルノグラフィティ

  • 浅田真央・ソチ・フリー ‐表現の観点から

    まず彼女はラフマニノフが好きだろう。そう感じる。彼女の踊りはラフマニノフの成熟の青を現わしている気がしてならないのだ。彼女のスピンやジャンプがどれも拙くみえるのは彼女の表情の良さとの裏腹である。彼女は傑作芸術に触れたことはほとんどないだろう。だがしかし、ここまでの表現ができた。それだけで素晴らしいではないか。彼女が傑作芸術に触れた後進を育てることを待っている。今はプロの世界に行っているようだが、カムバックしていただきたい。傑作は神が作る。傑作は何かの奇跡。浅田さん、あなたのソチフリーはあなたの最高傑作でしたよ。ご安心ください。浅田真央・ソチ・フリー‐表現の観点から

  • 愛と情熱のタンゴ‐アストル・ピアソラについて

    アストルピアソラと言えば悪。悪とは華。悪とは正義を駆逐するもの。そうおかどが決まっている。だがしかし、ピアソラの悪は違う。彼の悪は正義を包み込むのである。彼はリベルタンゴの演奏中によく鼻を触る。なぜか、彼は恥ずかしいのだ。リベルタンゴの旋律が愛と情熱へと進む限り彼は絶望している。なぜ私は悪に陥ったか。なぜ正義を志すことができなかったか。彼は悩み続ける。なぜ正義をなせなかったか。その答えが鯨でありオアシスであるわけだ。鯨の中で彼はこう言っている。天使よ、断罪するなら断罪せよ。私は天使になりたかった男、地獄に行くだろう、私は。それでも私は旋律を奏で続ける、このタンゴが人の心を掴む限り。彼は素晴らしい。なぜか、芸術とはそもそも地獄に行くものを救うためにあった。それが古代ギリシアの芸術の始まりである。彼は素晴らし...愛と情熱のタンゴ‐アストル・ピアソラについて

  • ネオシティポップについて

    ネオシティポップとは要するに若者の機微をシティポップの旋律に乗せて歌い上げるジャンルである。傑作はちらほらあるが、駄作があまりにも目につく。その中で特によかった奴について僕は語ろうと思う。さとうもかのメルトビターである。彼女の経験をもとに書き上げてるのであろう歌詞は絶品。惜しむらくは最後のメロディが適当になっているところだ。彼女は歌詞の中でこう言っている。lああ、私の好きなダーリン、私の本当の運命の恋人よ、あなたは目の前から消えようとしている。私というシンデレラの前から王子様が消えようとしている。どうか消えないで王子様、あなたとならどんなことでも夢の中だから。この曲の良いところは一切悲しい音調でないところである。だが、あまりにも悲しい。この音楽がアヴァンギャルド足りえているのはその音の革新性だろう。最近、...ネオシティポップについて

  • 百年公園

    アイラ、お前はやっと見つけた「きらり」だぜ?それ忘れんなよ。俺の本音はあとはお前が連れてって連れてってだぜ俺は永遠の35才だから、君とこんなことやりたい。ぱっと開いた花火みたいだったきっとまだ終わらない夏が。百年公園でやったら最高じゃないか。岸田って絶対、なかなか良いライター雇ってんなおれってほんと世界音痴だよな朝が来て君の顔を見ればさわやかな風が吹くよ愛する人よ百年公園

  • ミスティ…

    死が二人を分かつとき、青き祭壇の炎が燃え上がるだろうと僕は言った。トニーは笑って答えた。「それ、マイルスデイビスの小説に書いてあったぜ」「本当かい?彼に近づけたかな」僕はアラバマの名もないレストランで演奏するトランぺッター。話しているのはトニーだ。「おっと、今日の主役が来たぜ」今日はアラバマのジュリー―ロンドンことメシアンが来る。「メシアン、見ないうちに女っぷりを上げたんじゃないか」「やあね、胸を少し大きく見せてるだけよ」僕は知っている。メシアンが近々ニューヨークに行ってしまうことを。「メシアン。ニューヨーク行きの話だがね」メシアンは純粋な目をしている。とてもジャジーに純粋だ。「ニューヨークは金になるショーマンを使い古して簡単に捨てるあんなところ行っちゃあ駄目だ」「そんなことを言わないでよ。分かってるわ。...ミスティ…

  • 私という本質があるとすれば、それは光。今朝君は言った。けれども、僕の体は血管が通っているし皮膚に覆われてみることができない。「それでも光なんだよ」私は苦悩する。なぜ光なのか、言葉ではないのか、闇ではないのか。「光があるから、君はいる。颯爽と駆け抜けてごらん。その草原を。そうすればきっと分かるよ」私は光を追い求めて、その草原を走ることに決めた。最初は言われるがままに、最後は夢中に…。自分の限界を超える走りができたとき、私は光であると悟った。光とは言い知れぬ愛、言い知れぬ生命力、言い知れぬ誇り。そして知った。そのすべてが私が赤ん坊であるときから、あることを。私は光。光は私。決してなくしてはならないのは、お金でも嗜好品でもなく光という奇跡だった。光

  • 私が大人になった日

    十二月。まだ秋。古びたベッドの上で寝ていると、家のブザーが鳴った。そこには、雨に濡れたポストマンが立っていた。「ここに名前をお願いします」封筒をひるがえしてみると、それは彼のものだった。「やあ、美紗。君と会ったのは二週間前、その間どうしてた?ピアノ弾いてた?それとも、アルバイトに大変だったかな?同封してある紙は僕の結婚式への招待状だ。受け取ってほしい。青春の一ページとしての美紗へ」私はひざが砕けるのが分かった。彼は、私にとって…大きな存在で…それが青春の一ページだなんて…。きっと、彼は私を本気で招待しようなんて思っていない。これはていのいい絶縁状である。私は彼にメールを送った。「このメールを最後にする。もう一度、横浜のベイブリッジで会ってほしい。それで終わりにするから」私は彼からの「いいよ」という返事を読...私が大人になった日

  • 雑文20:草間彌生について

    草間彌生の光についてだけ書こうと思う。誰も書いてないから。草間彌生の光は決して傷つかない心をえるために創作した衣だ。草間彌生は芸術というものが嫌いだ。それは若いころ、ガンペインティングでめちゃくちゅにしていたことでもわかる。だがしかし、草間彌生の唯一の光はその衣を皆にもわけているところだ。草間彌生の水玉はいつもこう言っている。私を捕まえてごらん、絶対に無理だから。私は妖精。絶対に捕まらない。この草原から私を追い出せるのは私だけよと草間彌生は彫刻が凄い。絵は陳腐だ。なぜか、絵はただ丸を書いてるだけ。彫刻には一つ一つの造形、一つ一つの着色に命がこもっていることが分かるからだ。追記香川県宇治市での草間彌生の彫刻をネットを通じて見た。これは本物の傑作だと思った。彼女の体には翼が生えている。その彫刻はこう言っている...雑文20:草間彌生について

  • 雑文19:ロックスターが死んだ

    ロック、反骨だけがすべてのロック。そうじゃないか、こんな歴史のない音楽ジャンルになにがあるロックスターは輝いていた。天に唾を吐き、そんな自分の唾にあたりながら、世界のシステムや自分の恋の終わりに怒り続けたロックが世界を救えた可能性があるのはU2までだ。それをすべてのロック好きは考え続けながら思っている僕はベンソンボーンのインザスターズを聴きながら、この小文を書いている。ロックスターは死んだ!世界に迎合する幾千ものロックは世界を盛り上げはすれども、何の力もない塵だ。だが、インザスターズは違う。ここに少しの希望を見出したのは僕だけだろうか。これは有名になろうとしたが、結局個人として輝きたいという曲。この曲ではこう言っているお前ら、有名になんかなんな。有名人のほとんどが虚飾にまみれて、世界のすべてを楽しんでるよ...雑文19:ロックスターが死んだ

  • 雑文19:映画が好きだった男

    パリ、テキサスも見たタクシードライバーも見たニューシネマパラダイスも見た道も見た市民ケーンも見たし雨に唄えばも見た最近になって、クリントイーストウッドの映画を見たのである。あまり楽しめなかったそう、私は映画が好きだった男なのだなぜ私は年とともに映画が見れなくなったのだろう。それについて考察したい。デフォルメされた現実と本当の現実との齟齬子供が成熟して大人となるときデフォルメされた現実に耐えきれなく嫌になるのだなぜだろう。それは場所である子供には場所がないから現実と虚妄を行き来できる。大人には場所が必要である。そしてそれはメルヘンの敗北である。僕もメルヘンの敗北者だ。僕は映画が見れなくなったとき、小説を書けなくなったのかもしれない小説には広がるようなメルヘンが存在する。それが今は読むことさえままならない。映...雑文19:映画が好きだった男

  • 雑文18:映画が好きだった男

    パリ、テキサスも見たタクシードライバーも見たニューシネマパラダイスも見た道も見た市民ケーンも見たし雨に唄えばも見た最近になって、クリントイーストウッドの映画を見たのである。あまり楽しめなかったそう、私は映画が好きだった男なのだなぜ私は年とともに映画が見れなくなったのだろう。それについて考察したい。デフォルメされた現実と本当の現実との齟齬子供が成熟して大人となるときデフォルメされた現実に耐えきれなく嫌になるのだなぜだろう。それは場所である子供には場所がないから現実と虚妄を行き来できる。大人には場所が必要である。そしてそれはメルヘンの敗北である。僕もメルヘンの敗北者だ。僕は映画が見れなくなったとき、小説を書けなくなったのかもしれない小説には広がるようなメルヘンが存在する。それが今は読むことさえままならない。映...雑文18:映画が好きだった男

  • 雑文17:チェットベイカーの悲しい呼び声

    チェットベイカーは泣く子供である。彼のヴォーカルとトランペットは泣く子供の泣き声に似ている。チェットベイカーの何がそうさせるのか?それは孤独と悲しさである。彼はジャズという現場で途方に暮れているんじゃないかと思うのは僕だけだろうか。彼のヴォーカルが最も光るのがマイファニーバレンタイン。ジャズファンでは承知のことだろう。彼の泣き声はすすり泣きぐらいに聞こえる。だが、彼はマイファニーバレンタインの歌詞を噛みしめるようにこう言っているのだああ、俺の妻よ、いつか現れる妻よ、君がウインクをしてくれるならトランペットを君のために捨て正業にでも出ようじゃないか、僕は寂しかったんだ。こんな冷たい現実に君のような人がいてくれれば僕は変われる。さあ、おいで、妻よ、本当の現実へと一緒に行こう。これが彼のマイファニーバレンタイン...雑文17:チェットベイカーの悲しい呼び声

  • 雑文16:世界の芸術を終わらせた5人

    世界の芸術を終わらせた5人(仮)世界の芸術を終わらせた5人。以下挙げてみたいと思う。ベルナルドベルトルッチタランティーノジョントラボルタアンディウォーホルYMO世界の芸術の堕落はなぜポップがダメなのかという話につながる。だが、これについては読者諸兄は承知のことだろう。そう、ポップには本質がないのである。ぺらぺらの表現には何も残らないし世界の人間をどんどん幼稚な動物へと作りこんでいくのである。各論・世界はいかにペラペラの本質なき表現に陥っていったか①アンディウォーホル言わずと知れたポップアートの元祖。彼がそばにあったキャンベルスープを描いたときポップアートが誕生したという。ところで、アンディは最初、本質のある絵となるよう戦っていたと思われる。それがエルビスプレスリーの肉薄した表現に現れている。だが、彼は戦い...雑文16:世界の芸術を終わらせた5人

  • 雑文15:短歌の天才が死んだ日

    かつて私は短歌の天才であった57577の定型句に青春のきらめきを残していたのである私の短歌遍歴は、この穂村弘の一句から始まる。本当に俺のものかよ冷蔵庫の卵置き場に落ちる涙はこのときの感動を忘れない。W村上の影響下に止まっていた文章の世界の感性がこのとき刷新されたのである。ところで、僕はよくなんというものではないものを独特の奇想にのせて短歌を詠ったものである。メモ魔ではないから自家製の作品集もない。過去の作品など失念してしまった。だから今から作る。これは今の僕が限界まで突き詰めて作る5首の短歌である。PS2床の上に残した青春今朝やったのは牧場物語ロマン主義抱いた夏に捨てた初恋でも忘れないよ君がくれたものお金のないセールスマンの苦肉の策愛妻弁当まずいもう一杯!太陽が愛しているよと泣いたからぼくのこころは悪に満...雑文15:短歌の天才が死んだ日

  • 雑文14:幸福な結末 ~大瀧詠一とブサイクと花束とエトセトラ~

    幸福な結末~大瀧詠一とブサイクと花束とエトセトラ~まず、大瀧詠一の楽曲「幸せな結末」とはある一人の男と女の恋愛の記録である。青春で出会った若葉の二人が恋の紆余曲折があったあと、結婚する。これが歌詞の意味である。ところで、大瀧詠一といえば薄っぺらいという印象がないだろうか、そうではない。西欧の大衆音楽を聴き続けた彼は、真に迫った人生観があるのだ。それが、悲しいけど俺ってモテない。だけど君のためなら頑張り続けるどこまでもという彼の音楽に通底する詩情ではないだろうか。そこで、モテない芸術家のありがちなこととして、西欧への傾倒がある。彼は絵もクラシックも小説すら読んでいるはず。ではないと、こんな含蓄のある詞は書けない。そして、ここに私は「幸福な結末」論を書いてみたいと思う。この論も幸福に終わると信じたい。なぜ、彼...雑文14:幸福な結末~大瀧詠一とブサイクと花束とエトセトラ~

  • 雑文12:映画について

    僕は映画については1980年代至上主義者だ。主義を同じくするものからすれば、言うまでもないだろう。次点は白黒のビリーワイルダーやウィリアムワイラーがいた頃。次に1970年代。こんなところだろうか。僕の芸術遍歴は映画と漫画とともに始まったに等しいのだが、一人暮らし先にたまたま小さなレンタルDVD屋があって、そんなところから始まる。これまで800本もの映画をみたが、実は僕は映画が好きではないのでかもしれない。と思うことがある。映画の途中によく寝るし、疲れて場面でストップしてしまうことがよくあるからだ。だが、映画には感謝している。映画のこれまでの遺産は決して一つの表現ジャンルとして馬鹿にならない。特にソーントンワイルダーに影響を与えたすべての映画群たち。この映画たちは仕事をしたというべきだろう。映画がより素晴ら...雑文12:映画について

  • 雑文13:なぜロックは芸術になりえなかったのか

    なぜロックは芸術になりえなかったか私は思う。ビートルズはジョンレノンが死んだときに死んだのではなく、ジョージハリスンが死んだときに死んだのだとなぜか、ジョージの瞳は生き生きとしていた一方ジョンの目はいつも死んでいた。ジョンがジョージのような輝かしい目をしていればロックは芸術たり得た。これは過言ではない。ジョージはザビートルズが続くように頑張っていた。一生懸命。だがしかし、ジョージの知らないところでポールやリンゴが不祥事を起こし、いつの間にかビートルズは終わったのである。武満徹はそれを若気の至りだと一刀両断したが、そうではない。若気の至りはその武満の言葉そのものだった。ジョージのような輝かしい目をした芸術家がどれほどいるだろう。私は知らない。ただの目の話じゃないかという言葉もあるかもしれない。だけど、目は心...雑文13:なぜロックは芸術になりえなかったのか

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