体温計の音待ちをれる初音かな 毎朝母の体温と血圧と脈を測りそれを記録するということを約5年続けた
2025年7月
体温計の音待ちをれる初音かな 毎朝母の体温と血圧と脈を測りそれを記録するということを約5年続けた
出づるより母思はるる寒さかな 不整脈のある母の心臓の負担をすこしでも減らそうと、わが家は春や秋の一、二ヵ
2025年7月
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体温計の音待ちをれる初音かな 毎朝母の体温と血圧と脈を測りそれを記録するということを約5年続けた
出づるより母思はるる寒さかな 不整脈のある母の心臓の負担をすこしでも減らそうと、わが家は春や秋の一、二ヵ
平凡に生きられぬ世や稲の花 戦後八十年。日本の国内では戦争はなかった。第二次世界大戦後も、国内で
涼風の夢を見ている寝顔かな もう姉のことも私のことも、もしかしたら自分が誰かさえもはっきり分から
盗られしと一度たりとも訴へず母は財布を無くせしといふ 母はこころの美しい人であった。わたしがそう
この日々の手触りいとし豆の花 11月8日に、まったく同じモチーフの短歌を掲載したので、二番煎じの
母と子で名告り合ひたる朝の霜 母がいつも目覚めたときに、わたしを知らない人だと思って驚いたり、怖
葛の花われに心の根なる母 葛を見るたび、地下に広がる膨大な根を想う。山の斜面を覆い尽くすほど蔓や
初のつく物みな母に初鰹 「初物を食べると寿命が延びる」といわれている。だから、できる限りわが家で
丁寧に暮らしてをればそのうちに何か変はると夏落葉掃く 玄関の飾り棚に花を飾れた日、私は自分に言い
病む母に添へば桜も聞くばかり この春、姉と7年ぶりに花見に行った。父と母と姉と4人で海南市の小野
数の子を食ふたび父の逸話かな いまnoteという媒体で、『私の 母の 物語』という小説を毎日書き続けて
爽やかに母来し方をわすれけり 四十年来のペンフレンドであるイラストレーターの永田萠さんと先日10
菫程な小さき人とはわが母のことなり母が笑めば春なり 「菫程な小さき人に生まれたし」という夏目漱石
朧夜の母には淡きものばかり 亡くなる前の1年から2年、母には、この世界がどう見えていたのだろう。
千金の老母の数歩日脚伸ぶ 亡くなる前の一年ほどは、訪問リハビリに来てもらっても、車椅子やベッドか
子に尻を拭かるる母や蓼の花 母が亡くなる前の2,3ヶ月はほぼ毎日のように母の便の処理をしていた。
ところてん母転んでも笑へた頃 いまnoteというweb媒体で、『私の 母の 物語』という小説を連
おもかげをわするることが二度目の死われ在るかぎり父母を詠む 母が生きていたときは、俳句や短歌を詠
老父母の気づけば遠き花野かな あれで良かったのかと今でも考える。亡くなるまでの2,3年は、活動的
父逝きてもの言ひたげな蛇出でし 生まれ育った山間と違い、いま住んでいる場所ではほとんど蛇を見かけ
缶詰が父より届くそのたびに共に入りたる缶切り増ゆる 父は気遣いの人であった。進学して一人暮しを始
納骨を終えたる友や花の雨 昨年の1月、友人のお父上が他界された。群馬のご実家で、認知症の奥様(友
降る雪を父と歩めるごと歩む ふとした折に父の気配を感じることがある。亡くなった4年前のお盆は、故
掃苔や墓石に遺る父の文字 失敗したなあ……。墓参りをするたびごとに父は、刻まれた「井原家先祖代々
ゆく蛍天に昇るを見届けず ドラマのようにはいかないものだ。NHKの連続ドラマ『ごちそうさん』のヒ
ミニトマト母のいのちの糧となれと赤く熟るるを三つ四つ捥げる 母の食べられるものが少なくなってきた
母を看る子どもを照らす春の月 家族の介護を担う子どもたちがいることを知ったのは、数年前だったと記
枯草も遺品とあれば遺品なり 父の遺品を整理していたら、書類の入った段ボール箱に枯草が一本入ってい
これ以上帰る場所なき秋の暮 旅の楽しさ、喜びを支えているものは、帰る場所があるということではない
時鳥絶えたる父の身は熱く 息絶えて間もなかったのだろう。未明に父の体温を測り、「ああまだ熱が38
池田小事件の日ごと歳一つとりたる母ととらぬ子ども等 あの日、70歳になった母は、あれから23年生
わが母をフジコヘミングさんと比 何か変はらん宿命生くるに なんと不遜なことを言う奴だと思われるか
枕元すこし上げたる介護ベツドを老母眠れば平にもどす 土曜の夜に来てくださるヘルパーさんは、母の清
竹の秋失語の父に問へる母 父のベッドの端にちょこんと母が腰掛けている。「おとちゃん、和子やで」「
木枯やこころの家をさがす母 「帰りたいよぉ」泣きそうな声で母が言う。「ここがお母さんの家やで」と
台風の備へいつしか父に似る 父はかなり慎重で周到な人であった。台風が近づいてくるとの予報があれば
筍の季ごとに母を見舞ふ叔母 母は四人姉妹の次女だ。一つ上の姉も、二つか三つ下の妹ももういないので
人のほか老いを労る生き物を知らざるわれは人でありたし どんな生き物も子どもは大切にする。では、老