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  • サラ・クロッサンさん講演(@ヨーロッパ文芸フェスティバル2023)

    ヨーロッパ文芸フェスティバル2023 に行ってきた。2023年11月24日(金)イタリア文化会館での講演、〈子どもから大人への移行期の読者に向けた叙情的なストーリーテリング〉に参加した。アイルランドの詩人サラ・クロッサンさんがメインゲスト。翻訳家の金原瑞人さん、三辺律子さんが進行役を務めたサラ・クロッサンさんの名前の発音はセラが近いということで、終始セラさんと呼びかけられていたので、ここでは、ここから、”セラ”と表記することにする。 セラ・クロッサンさんは、2018年から2020年まで名誉ある「若者のローリエット」(Laureate na nÓg)」(桂冠詩人にちなんだもの)に選ばれ、アイルラ…

  • 『世界を7で数えたら』(ホリー・ゴールドバーグ スローン作 三辺律子訳 小学館)

    『世界を7で数えたら』 作者:ホリー・ゴールドバーグ スローン訳者:三辺律子出版社:小学館ISBN:978-4092905801 主人公ウィローは数字の7で世界を見る女の子で、生まれてから7番目の月と7番目の日に里親に出会った。高機能の脳を持ち、世界とそりが合わず、すでに幼稚園で「変なやつ」と言われる。植物は酷いことを言わないから庭にいると落ち着いた。自分でも変わっているとわかっていて、それを抑えようとしている。自分の世界に逃避したいときは数を7つずつ数える。中学の新学期、限界に達し、早退した日に庭で空を見あげたら、その数が最高記録になった。 ウィローはただ考えることが好きなだけだ。その探求力…

  • 『葉っぱの地図』(ヤロー・タウンゼンド 作 /井上 里 訳/小学館)

    作:ヤロー・タウンゼント訳:井上 里出版社:小学館出版年:2023年舞台:(出版国)イギリスISBN:978-4092906693 *2023年ブランフォード・ボウズ賞ショートリスト選出。 本書は、植物の声が聞こえる少女が、大切な庭と母の名誉を守るため旅に出るファンタジーだ。 12歳のオーラは母を亡くし、〈野いばら村〉のはずれにある小屋でひとりで住んでいた。友だちは庭の植物と愛馬のキャップだけだ。ある日、キャップが怪我をしたので薬草で手当てしたが、なぜか効かなかった。よく見ると、葉っぱに黒い染みがある。村では原因不明の病が流行っていた。村の総督は、病の原因は植物だと言い、オーラの庭を焼き払おう…

  • 『このすばらしきスナーグの国』(E・ A・ワイク=スミス原作/ヴェロニカ・コッサンテリ作/野口絵美訳/徳間書店)

    原著:E・ A・ワイク=スミス作:ヴェロニカ・コッサンテリ訳:野口絵美出版社:徳間書店出版年:2023ISBN:978-4198656805 【概説】 本作は、『ホビットの冒険』の著者J.R.R.トールキンが自分の子どもに読み聞かせた名作をもとに、イギリスの現代作家が編みなおした作品だ。スナーグとは、『ホビットの冒険』や『指輪物語』に出てくる〈ホビット族〉の原型となった〈スナーグ族〉のこと。小柄で愉快なキャラクターだ。 【あらすじ】 はじまりの舞台は、身寄りのない子どもが暮らす〈サニーベイ〉の家。崖の上にある敷地内の〈おこごとベンチ〉に、〈スナーグ族〉のゴルボが座っていて、ワトキンス先生に叱ら…

  • 絵本『きょうはふっくら にくまんのひ』(メリッサ・イワイ作/横山和江訳/偕成社)

    作:メリッサ・イワイ訳:横山和江出版社:偕成社出版年:978-4-03-348600-0 6階建てアパートの1階で、主人公の女の子リリはおばあちゃんとにくまんをつくっている。リリは、おばあちゃんに「たいへん、キャベツが足りない」と言われ、6階に住むバブシア(ポーランド語でおばあちゃん)にもらいに行く。ぶじに、キャベツを丸ごともらえたけれど、今度はバブシアに「たいへん、じゃがいもが足りない」と言われ、今度は、2階のグランマ(ジャマイカ語でおばあちゃん)にもらいに行くことにった。 色々な国にルーツを持つ6人のおばあちゃんたちが、マンションの各階に住んでいる。それぞれが郷土料理を作っていて、それぞれ…

  • 『西の果ての白馬』(後半)(マイケル・モーパーゴ作/ないとうふみこ訳/徳間書店)

    前半からの続きです。 「ネコにミルク」 トレメッダ農場は〈ワシの巣〉のふもとにある。農場主はバーバリーおじいさん。年老いてから結婚した奥さんは、息子トーマスを産んですぐに亡くなった。農場には家畜がたくさんいる。乳牛は手作業で乳搾り、子牛たちの牛舎は屋根なし、豚小屋はぼろぼろ。羊は毎年百頭ほどの子羊を産み、メンドリやアヒルはあちこちを歩き放題。畑には大麦やオーツ麦を蒔き、ジャガイモも育てている。農耕具は中古品でみすぼらしいものだ。除草剤や殺虫剤は毒薬だから決して使わない。おじいさんは昔ながらのやりかたを通している。息子のトーマスは、新しいやりかたを取り入れたいといってくるが、断っていた。おじいさ…

  • 『西の果ての白馬』(前半)(マイケル・モーパーゴ作/ないとうふみこ訳/徳間書店)

    作:マイケル・モーパーゴ訳:ないとうふみこ出版社:徳間書店 出版年: 2023年舞台:イギリス(コーンウォール)ISBN:978-4198655983 イギリス、コンウォール半島に実在するゼナー半島を舞台にした連作短編集。ゼナーの町を見下ろす〈ワシの巣〉岬と、そのまわりの荒れ地がえがかれる。 それぞれのあらすじと感想を。あ、そうそう、この短編集は順番通りに読んでほしい。 「巨人のネックレス」 11歳のチェリーの家族は、ゼナー岬の入り江を気に入っていて、〈ワシの巣〉と呼ばれる丘のふもとの農地にあるコテージを借り、毎年休暇を過ごしていた。チェリーは砂浜でピンクのサクラガイを1025個集めていた。あ…

  • 『アリとダンテ、宇宙の秘密を発見する』( ベンジャミン・アリーレ・サエンス作/川副智子訳/小学館)

    作: ベンジャミン・アリーレ・サエンス訳:川副智子出版社: 小学館出版年: 2023年舞台:アメリカ(テキサス州)ISBN:978-4093567442 夢中で読み終えた。好きすぎるあまり、すぐ感想がまとまらないタイプの作品だった。アリの気持ちが沁みいるし、やや自分の思考回路に似ていて、いろいろ心にささった。アリの両親がいい人でよかった。たぶん、多様性の受けいれについて、まだまだ理想と現実の乖離があると思うから、辛い場面はあるけど、こういう話は世に出続けてほしい。 ……と2023/10/05に書いていたので、あらすじと感想を追記してみた。 心に残ったところはこんな感じ。 ピックアップトラックの…

  • 『雨あがりのメデジン』(アルフレッド・ゴメス=セルダ作/宇野和美訳/鈴木出版)

    作: アルフレッド・ゴメス=セルダ訳:宇野和美出版社: すずき出版出版年: 2011年舞台:コロンビアISBN:978-4790232506 カミーロは10歳、南アメリカはコロンビアのメデジン市に住んでいる。数ヶ月前にはじめて町に図書館ができた。図書館は怪物のような口をあけた黒い岩のよう。気になって近くまでは行くものの、ある理由から近づけないでいた。 ある日、中に宝物がつまっているように思え、とうとう中に入った。カミーロは貧しい地区に暮らし、学校に行かせてもらえていない。父さんからは、なんでもいいから自分で金を稼ぐように言われていた。 カミーロは服の下に本をこっそり隠し、図書館を出て、よろず屋…

  • ブログ開設のごあいさつ

    みなさん はじめまして。こんにちは。こんばんは。新しいブログを開設しました。ブログ名はズバリ『わたしの全ての物語』(仮)です。ズバリと言いながら(仮)です。サラ・クロッサンさん の『わたしの全てのわたしたち』(最果タヒ/金原瑞人訳ハーパーコリンズ)から連想しました。原書タイトルは”ONE”。 わたしは読んだ物語でできています。変わっていきます。最近読んだ本『世界を7で数えたら』(ホリー・ゴールドパーグ スローン作 三辺律子訳 小学館)には「突然変異型」の大人が出てきますが、わたしも”緩慢変異”しているのです。 日によって読める本と読めない本があります。ギョッとする描写にひかれるときも、ただただ…

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