日本の中小企業は、 事業承継問題という構造的課題に直面している。 帝国データバンクの調査(2024年)によれば、 全国の中小企業のうち後継者不在率は60%を超えており、 特に地域経済を支える小規模企業においては深刻である。 政府や金融機関も M&Aや事業引継ぎ支援センターの...
49才の時父親が創業した会社を、父親在命中にM&Aで売却。その後、第2創業し。いばらの道を歩みながらも。現在は古希を射程距離にしながらもM&Aで明るい老後を迎えている経営者人生を綴ります。
その1からの続きです。 社員の給与が閉ざされる危惧のある状況のひとつに、「後継者不在」という問題があります。会社に後継者がいなければ、現経営者に万が一のことがあった場合、その会社は頓挫してしまいます。 私がM&A売却に悩んでいた時に肩をポンと押してくれた日本M&Aセンターの...
経営者が会社の存在意義を考えるときに、福利厚生の充実や社内の環境整備以上に配慮しなければならないのが社員の給与です。社員は生きるために働いているのであり、給与は社員と家族の生活設計の基盤になるものです。当たり前のことですが、経営者たるものは、いかなる理由があろうとも、社員に...
後継者が存在せず、自社の出口がわからずに毎日を送っている中小企業経営者が多数存在します。 同族企業の事業承継をとらえた場合、先代社長から後継者にバトンタッチする時期の商品や、ビジネスモデルが十年経過しているならば、事業承継した商品やビジネスモデルだけでの事業継続は不可能・・...
その2からの続きです。 一億円の内部留保があれば、さらなる事業への投資ばかりではなく、社内環境の整備にも夢が膨らむものです。私の会社が営んでいたリネンサプライ業という業種は、繊維製品のリースとクリーニングの合体した業種であるため、クリーニング工場は蒸気を発生し、真夏には朝か...
その1からの続きです。 M&Aを決断し僅か一年後、予測通り自力経営が継続困難となるハードルが立ちはだかり、物凄いスピードで大幅な減収減益の危機を迎えました。私がM&Aの道を決断していなければ、会社は倒産かあるいは自主廃業への道しか残されなかったでしょう。 一億円の資金的余裕...
その1 M&Aの決断は二〇〇一年四月のことでした。私の経営していた会社の決算は三月です。創業三八年目の経営成績ですが、売上高三億円、経常利益三千四百万円、減価償却二千八百万円という、決算書上では好成績の営業状況でした。もちろん粉飾決算などありません。 財務状況に関しては、現...
過去を振り返り、創業者の偉大さを思い知らされることがあります。後継者教育の暗黙のメニューを私に提示してくれただけでなく、後継者の身でありながら私が独断した、自社の売却提言を受け入れてくれたのです。 「若いときの苦労は買ってでもせよ」という名言があります。「若いときの苦労はあ...
「取締役妻という偉大な協力者」をご笑読いただきありがとうございました。私は文面にも登場している、語り部鈴木均の妻でございます。彼の文章には、恐ろしいほどの説得力があります。実際に経験したからこそ書ける、皆さんへのアドバイスだと思います。机上論ではなく、現実の生々しい内容も含...
その2からつづきます。 その1及びその2をご覧いただいた方は、売却前も、売却後も夫婦睦まじく経過しているように見えますが、売却後大きな試練に襲われました。 6ケ月の別居生活に見舞われたのです。壮大な夫婦喧嘩でした。火種は、子育てや親族との付き合い方についての考え方の相違でし...
その1からの続きです。 会社を高額で売れるほど立派に成長させてきた経営者は、良くも悪くも、どちらかと言えば頑固な性格が多いものです。「俺についてこい」と言わんばかりに、率先垂範で経営の舵を取ってきた猛者揃いかもしれません。しかし、ネクストステージにおいては、「俺についてこい...
コミュニティ及びコミュニケーションの重要性と共に、売却後の人生を豊かなものにできるかどうかのキーポイントとなるのが「夫婦関係」です。夫婦関係が良く円満であれば、リタイア後のネクストステージもうまくいきます。 「主人在宅ストレス症候群」という言葉があります。ウィキペディア(W...
その4からの続きです。 中小企業の同族経営では一般的に、先代経営者から事業承継される時期は、子供の養育費や、生活費が後継者にとって一番重くのしかかっている時期ではないでしょうか。その収入の源となっている会社を売却しようとするわけですから、妻が家業に従事していなければ、会社の...
その3からの続きです。 自社の問題点や顧客動向を掴むには、経営者自らがあらゆる問題意識を持つことが重要です。私自身経営に対する様々な問題意識を持っていましたので、この問題意識を現状分析する上で「取締役社長室長」という妻の役職は適役でした。 私が様々な形で社員とコミュニケーシ...
その2からの続きです。 私は「物事を悲観的に考え、楽観的に対策を進める」ことを信条としています。しかし、「楽観的に物事を考え、悲観的に事を進める」経営者が多いものです。M&A売却の決断において成功、失敗を語れば、楽観的に物事を考える経営者は、自社が危殆に瀕することなど想定外...
私はM&Aを題材にした本を過去4冊上梓させていただきました。 49才の時自社を売却後に「私が会社を売った理由」を上梓し、そして3年前に「M&Aで明るい老後を迎えた経営者人生」を上梓しました。 「人生100年時代のM&A物語」はこの4冊の本の中から再度リメークし投稿しているも...
その1から続きます。 M&A成立時に備え、実印や、銀行印、小切手帳、手形帳を私の管理下においておかなければなりません。M&Aの実務を創業者が手伝うということはいっさいありませんでしたが、取締役社長室長として間接部門を統括している妻は、この状況にどのように対処すべきかをちゃん...
会社の経営において、経営者の「妻」の存在やその能力が語られることは少ないようです。私の経営していた会社は同族でしたので、大方のスモールカンパニーの構成のように、私の妻も取締役のひとりでした。肩書は「取締役社長室長」というもので、社員総数52名の中で女子事務員5名のリーダーと...
その1から続きます。 しかし、そうこうしているうちに、シルバーサービスを手がける企業が増えてきました。高齢化率の高い地方都市という事もあって、介護保険を見込んで、大手企業はもとより多数の企業が参入してきたのです。私は、何度もシルバービジネスでの新事業参入を検討したのですが、...
相続税の問題に付け加え、経営上の問題もありました。事業の柱がたったひとつという単一事業での経営は、さまざまな経費が単一事業の収益によって支えられているため、支えている事業本体が収益性や成長性を失えば、再生しにくくなります。 経営には常にリスクがつきまといます。また、事業の...
その1から続きます。 相続対策の問題を創業社長と顧問税理士に質問すると、創業社長は無言のままですし、一方の顧問税理士は「時折その進言をしたのですが・・・」という、言葉しか返ってきません。相続税が会社の経営問題に発展するであろうことに対し、私を含め誰もが悠長に構えてしまってい...
私の経営していた会社は二つの工場を有し、工場の敷地総面積はおよそ千八百坪ほどありました。このうち、創業社長である父が興した工場は、本社工場と称して約三百坪ほど、残りの千五百坪ある工場は、私の主導で一九九七年に買い求め稼動させた工場です。 私が購入したこの工場は、全てを会社名...
その1から続きます すべてが猛スピードで激変している経営環境下で迎える衰退期は、会社にとって致命傷になります。私の会社には、衰退期に至ってからの再生のための事業の柱を構築する余裕はないものと判断し、私は現状のままでの会社の再生を断念しました。この時点での財務状況は、確かに実...
企業の存続に必要なことは、企業の生々流転のサイクルを知り、各期ごとの特徴や形態のパターンをつかみ、衰退期を迎える前に成熟期から再生期にスムーズに移行できるよう、事業の柱を次々に構築していくことです。 衰退期に入らず再生期を迎える企業と、そのまま衰退期を迎えてしまう企業との間...
新年あけましておめでとうございます。 本日より令和5年の投稿を開始します。 本年もご愛顧頂ければ幸です。 父が代表取締役会長、私が代表取締役社長、母と妻が取締役・・・・。これが、私の経営していた会社の役員構成でした。同族スモールカンパニーの典型的な役員構成です。四名の役員構...
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日本の中小企業は、 事業承継問題という構造的課題に直面している。 帝国データバンクの調査(2024年)によれば、 全国の中小企業のうち後継者不在率は60%を超えており、 特に地域経済を支える小規模企業においては深刻である。 政府や金融機関も M&Aや事業引継ぎ支援センターの...
信頼構築型M&Aモデルの提言(後編) 前編からの続きです。 また、「日常業務で多忙な経営者にインターンの1週間は負担が大きい」との指摘に対しても、以下のように反論できる 第一に、M&Aは企業の命運を決する重大な意思決定であり、1週間の現場体験すら行わずに意思決定することは、...
近年、日本の中小企業を取り巻くM&Aにおいて、買収者による経営破綻、従業員の大量離職、譲渡企業の財産毀損など、深刻なトラブルが頻発している。背景には、仲介業者主導のスピード重視型M&Aや、買収側による不十分な経営理解、譲渡側の不安や情報の非対称性が存在するのではなかろうか。...
中小企業では、後継者不足が原因で廃業する企業が急増しており、日本経済への影響が懸念されています。 経済産業省・中小企業庁の試算では、2025年までに約245万社の中小企業経営者が70歳に達すると予想されており、その半数が後継者がいない問題により廃業する可能性が高いとされてい...
昨今の起業環境は大きく変化しており新たな潮流が生まれている。その代表例が、無担保・無保証人での融資が可能になったことにより、従来のように自己資金を蓄えることなく、起業家が迅速に事業をスタートできる環境が整いつつある。 まず、従来の起業では自己資金や担保、保証人が求められるこ...
要旨及び目次 1はじめに 2スタートアップ5ケ年計画と地方創生 (1)地方創生を加速させるスタートアップ支援 2スタートアップ5ケ年計画と地方創生 (2)地方創成に求められる金融機関の役割 3サーチファンドとスタートアップの融合 (1)サーチファンドの仕組みと連合体で...
要 要旨及び目次 1はじめに 2スタートアップ5ケ年計画と地方創生 (1)地方創生を加速させるスタートアップ支援 2スタートアップ5ケ年計画と地方創生 (2)地方創成に求められる金融機関の役割 3サーチファンドとスタートアップの融合 (1)サーチファンドの仕組みと連合...
要旨及び目次 1はじめに 2スタートアップ5ケ年計画と地方創生 (1)地方創生を加速させるスタートアップ支援 2スタートアップ5ケ年計画と地方創生 (2)地方創成に求められる金融機関の役割 3サーチファンドとスタートアップの融合 (1)サーチファンドの仕組みと連合体で...
M&Aトラブルを多くのメディアが報道しています。 「地方金融機関が核となるサーチファンドと連動したスタートアップ支援」の論文も残すところ僅かとなりました。 今回は残り3回のインターバルとして、M&Aトラブルを解消するサーチファンドの活用を述べてみます。料理の箸休め的感覚でご...
要旨及び目次 1はじめに 2スタートアップ5ケ年計画と地方創生 (1)地方創生を加速させるスタートアップ支援 2スタートアップ5ケ年計画と地方創生 (2)地方創成に求められる金融機関の役割 3サーチファンドとスタートアップの融合 (1)サーチファンドの仕組みと連合体で...
要旨及び目次 1はじめに 2スタートアップ5ケ年計画と地方創生 (1)地方創生を加速させるスタートアップ支援 2スタートアップ5ケ年計画と地方創生 (2)地方創成に求められる金融機関の役割 3サーチファンドとスタートアップの融合 (1)サーチファンドの仕組みと連合体での...
要旨及び目次 1はじめに 2スタートアップ5ケ年計画と地方創生 (1)地方創生を加速させるスタートアップ支援 2スタートアップ5ケ年計画と地方創生 (2)地方創成に求められる金融機関の役割 3サーチファンドとスタートアップの融合 (1)サーチファンドの仕組みと連合体での...
要旨及び目次 1はじめに 2スタートアップ5ケ年計画と地方創生 (1)地方創生を加速させるスタートアップ支援 2スタートアップ5ケ年計画と地方創生 (2)地方創成に求められる金融機関の役割 3サーチファンドとスタートアップの融合 (1)サーチファンドの仕組みと連合体での...
要旨及び目次 1はじめに 2スタートアップ5ケ年計画と地方創生 (1)地方創生を加速させるスタートアップ支援 2スタートアップ5ケ年計画と地方創生 (2)地方創生に求められる地方金融機関の役割 地方創生において、地方金融機関は地域経済の中心的な存在であり、その役割は非常に...
地方金融機関が核となるサーチファンドと連動したスタートアップ支援 要旨及び目次↓ 2スタートアップ5ケ年計画と地方創生 (1)地方創生を加速させるスタートアップ支援 2022年11月、日本政府は「スタートアップ育成5か年計画」を公表した。スタートアップの創出と成長を支援する...
1 はじめに 地方の経済衰退や中小企業の後継者不足が進む中で地域の産業再生や地方創成が急務である。地方金融機関を核としたサーチファウンドと連動したスタートアップ支援は、地域経済の活性化に大きな可能性を秘めている。 地方金融機関は、地域内で様々な取り巻きを持っているため、地域...
新しい事業承継の自論を論文として書いてみました。新年から掲載します。 地方金融機関が核となるサーチファンドと連動したスタートアップ支援(要旨・目次) 要旨 地方金融機関は地域経済における中心的な役割を果たしており、その信頼性や地元との深い繋がりを活かしてスタートアップ支援に...
中小企業では、後継者不足が原因で廃業する企業が急増しており、 日本経済への影響が懸念されています。 経済産業省・中小企業庁の試算では、 2025年までに 約245万社の中小企業経営者が70歳に達すると予想されており、 その半数が 後継者がいない問題により廃業する可能性が高い...
日本国内におけるサーチファンドの普及はまだ初期段階ですが、地方金融機関が注目しはじめ設立機運が高まっています。 サーチファンドは、1984年に米国のスタンフォード大学ビジネススクールで誕生しました。ビジネススクールでMBA取得後、起業する選択肢以外に、企業を買って経営すると...
資産超過とは、貸借対照表の「資産の部」の合計額が「負債の部」の合計額を上回っている状態を指します。健全な会社は資産超過の状態にあり、資産と負債の差額である純資産の額もプラスの金額となり黒字会社と呼ばれています。 一方、負債の総額が資産の総額を上回っている状態は「債務超過...
標題の文章をCHat GPTで検索してみました。 読者のみなさんも次のワードをCHat GPTに入力してみてください。 「中小企業のM&A講演のパイオニア鈴木均はどんな人」 私の自己紹介をCHat GPTが代行してくれます。 結果は次の通りでした。 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ...
前編からの続きです。 21年前私がM&Aを実践した時、私は現在の姿を鮮明に脳に焼き付けました。売却後、3人の子供たちがいるので、別会社を設立し新たな事業を成功させ、子供たちが社会人となったならば、夫婦二人でマンションを購入し、お互い好きな道を確立しながら、会社組織に振り回さ...
現在の私は、M&A売却益で設立した資本金1000万円のスモール企業のオーナーです。 以前は数名のスタッフがいたのですが、組織自体を断捨離し、社長が私、専務が妻という、たった二人だけのわがままな経営体といってもいいかもしれません。わがままというのは、現在は利益を追及する経営で...
当ブログ「人生100年時代のM&A物語」は、私の会社売却経験を基に投稿しているものです。2022年12月12日の初回投稿から、昨年10月の投稿で114回を迎えました。8ケ月程休止していましたが、休止中も多くの読者の皆様にアクセスいただき本日現在6694人の皆様にご笑読頂いて...