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まり☆こうじの映画辺境日記 https://maricozy.hatenablog.jp/

懐かしの特撮映画、ホラーならぬ怪奇映画、昭和の日本映画から、最新劇場公開映画まで! そんな映画の辺境地帯を偏屈に愛し続けるブログです。

まり☆こうじ
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2022/08/06

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  • 緑魔子に特殊メイクなどいらない!怪奇十三夜の力作「怪談夕霧楼」

    怪奇十三夜 第九回 怪談夕霧楼 [DVD]高橋長英Amazon■夕霧楼の女郎お雪(緑魔子)は、心中を図るが、男は逃げ、自分だけ死ぬ。その後、病弱な女房を慈しむ友禅職人源次(高橋長英)は狂ったように地回りの親分をカミソリで斬りつける。何者かがそうしろと囁いたからだ。その後、身辺に若い女の影が付きまとう。あれはお雪なのか?友禅の着物を着た女をつけると夕霧楼に行き着くと、そこには源次とお雪の過去の因縁が待っていた。。。■脚本:国弘威雄のオリジナルで、監督は映画監督じゃなくて、日本テレビの古手のディレクターの高井牧人。なぜか妙に意欲的な演出で、冒頭から長廻しでグイグイ攻めるし、カミソリで頸動脈を切って…

  • 1970年、大阪万博の年の寝苦しい夏の宵をゾッとさせた「日本怪談劇場」備忘録:総合インデックス

    日本怪談劇場 DVD-BOX佐藤慶Amazon■「日本怪談劇場」は、1970年7月から9月期に東京12チャンネルで放映されたテレビ映画です。製作は歌舞伎座プロが担当し、みるからに製作費は少ないものの、松竹系の製作会社なので、歌舞伎俳優が(たぶん安いギャラで)大挙出演して、配役は妙に豪華。当時の崩壊寸前の日本映画より配役は豪華だったと思う。■スタッフも、当時はまだ中川信夫もバリバリ現役だったし、製作費の安さを演出家のアイディアと役者の芸で押し切る感じだった。特に中川信夫の「怪談牡丹灯籠」の前後編は怪談映画の歴史に残る傑作として有名。この回だけ、美術装置も異様に凝っているのは、やっぱり中川信夫に来…

  • 夏バテに効く?ゆるっとSFコメディ『サマータイムマシン・ブルース』

    サマータイム・マシン・ブルース瑛太Amazon 基本情報 サマータイムマシン・ブルース ★★★ 2005 ヴィスタサイズ 107分 @DVD 原作:上田誠 脚本:上田誠 撮影:川越一成 照明:加藤弘行 美術:相馬直樹 音楽:HALFBY VFXディレクター:山本雅之 監督:本広克行 感想 ■おなじみのヨーロッパ企画のヒット舞台を監督の故郷・香川ロケで映画化したもの。製作はなんとROBOTで、阿部秀司が製作総指揮という、なかなかの大作仕様?フィルム撮影ではなく、フルデジタル撮影らしいから、実験的な制作体制だったらしい。■SF研のメンバーが壊れたエアコンのリモコンを調達するため、タイムマシンで昨日…

  • 宇野信夫の有名怪奇小説が原作だけど:怪奇十三夜「怪談首斬り」

    怪奇十三夜 第十一回 怪談首切り [DVD]瑳川哲朗Amazon■原作:宇野信夫、脚本:国弘威雄、撮影:萩原泉、照明:安藤真之介、美術:柴田篤二、音楽:牧野由多可、監督:久松静児■代々の首斬役人、山田浅右衛門(瑳川哲朗)は孕んだ女を斬首したことから、女亡霊に苛まれる。刀の中に、死んだ女の顔が浮かび上がるので、代々伝わる刀を手放すが、何の因果か、すぐに舞い戻ってくる。最愛の息子は急死するし、斬首した死体から肝を取り出して転売しているという噂が、江戸の街に出回る。。。そして浅右衛門は憔悴し、狂ってゆく。■原作は、宇野信夫の結構有名な「刀の中の顔」という怪奇小説だけど、未読。自薦戯曲集のタイトルにも…

  • ただいま追跡中『ウルトラマンアーク』備忘録

    #1「未来へ駆ける円弧(アーク)」脚本:継田淳 監督:辻本貴則 www.youtube.com■新シリーズは、すっかり定番のニュージェネ路線に戻った感じですね。バリアで怪獣を殴るというのは新鮮だったけど、無理矢理3分間1カット長回し風の演出は、個人的には疑問です。普通にカットを割ったほうが気持ちいいと思いますがね。辻本監督なんだけど、今のところあまり響かないなあ。[バンダイ(BANDAI)] ウルトラ怪獣アドバンス モノゲロス&ディゲロスバンダイ(BANDAI)Amazon[バンダイ(BANDAI)] ウルトラ怪獣シリーズ 216 シャゴンバンダイ(BANDAI)Amazon 2「伝説は森の中…

  • 地産地消映画じゃないよ!意外と見どころが多い『でーれーガールズ』

    でーれーガールズ優希美青Amazon 基本情報 でーれーガールズ ★★★ 2015 ヴィスタサイズ 118分 @DVD 原作:原田マハ 脚本:源孝志 撮影:中村夏葉 照明:渡辺大介 美術:秋元博 音楽:矢野博康 監督:大九明子 感想 ■こんな映画があることはなんとなく知っていたけど、岡山の町興しの地産地消映画だと思っていた。でも、なぜか脚本が源孝志だし、足立梨花が出ているし、安蘭けい、白羽ゆりの宝塚コンビだし、ホリプロが制作に入っているし、実は結構なメジャー映画だったのだ。主演の優希美青が健康上の理由で一時休業とかしたせいで、なんとなく興行が萎んでしまったのかね?そもそも映画館でやってたかなあ…

  • LOTO6が当たったら、わしは文楽やめるんやけど『あやつられ文楽鑑賞』

    あやつられ文楽鑑賞 (双葉文庫)作者:三浦しをん双葉社Amazon■小説『仏果を得ず』の前に書かれたエッセイが後に文庫化されたもの。三浦しをんの鋭い観察と、妄想的な考察が綾をなして、読み応えがあるし、文楽に関するこういう自由な研究ってないので、貴重で面白いよね。■ちなみに『女殺油地獄』の与兵衛の「豊島屋油店の段」での心理の流れとしては、とりあえず切羽詰まって最悪自害することも考えながら、それでも何かあれば、そのときにはというお守り的な気持ちで脇差しを懐に呑んでいたのだと思う。何しろ、不良なので。豊島屋にやってきた父母の話を聞いて、涙を流したというのは実は口だけのことで、内心では、「ふん、とんだ…

  • 近松じいさんのいい仕事集!『近松名作集 21世紀版少年少女古典文学館』

    近松名作集 (21世紀版・少年少女古典文学館 第18巻)作者:富岡 多恵子講談社Amazon■少年少女向けの古典現代語訳シリーズですが、文字が大きいし、解説が丁寧なので、誰にとっても読みやすい作りです。近松の浄瑠璃集は富岡多恵子が担当です。■『冥途の飛脚』は、通しでお話を読むのは始めてだけど、これは非常にできが良いですね。内田吐夢が『浪花の恋の物語』で映画化していたけど、あまり印象がない。■今回、近松の浄瑠璃の現代語訳を読んで気づいたのは、近松の作劇の肝は、実在の事件に基づいた主人公の男女ではなく、その周囲の友人や家族たちの気持ちを描くことにあるということですね。例えば、心中する若い二人の気持…

  • 妄想OLはいかにして妄想を捨てて現実を直視するようになったか『勝手にふるえてろ』

    勝手にふるえてろ松岡茉優Amazon 基本情報 勝手にふるえてろ ★★★☆ 2017 ヴィスタサイズ 117分 @アマプラ 原作:綿矢りさ 脚本:大九明子 撮影:中村夏葉 照明:疋田淳 美術:秋元博 音楽:高野正樹 監督:大九明子 感想 ■NHK地上波で始まった略称:かぞかぞ(『家族だから愛したのではなく、愛したのが家族だった』長すぎ!)がなかなかおもしろかったので、大九明子の過去作を探ってみた。自意識過剰で妄想癖がある24歳処女のOLがホントの愛を見つけるまでを描く、なかなか痛いお話。ちゃんと痛く描いているところが良いところ。■松岡茉優て、そもそも読み方がわからないし(わかります?)、そんな…

  • 70年代韓国歌謡にメロメロのあまちゃん活劇『密輸1970』

    基本情報 Smugglers ★★★ 2023 スコープサイズ 129分 @インシネマ京都桂川(SC3) www.youtube.com 感想 ■1970年から1973年ころ、韓国の地方漁村では、化学工場の公害でアワビが全滅、窮余の一策で密輸に手を染めたことから、密輸王、チンピラ、税関などが入り乱れる密輸利権合戦が展開する。というお話だけど、海女の二人の友情物語と復讐活劇になっていて、それをタランティーノっぽいタッチで描く。さらに、音楽は当時のソウルフルな韓国歌謡曲を全面的にフィーチャーした。そこが斬新。もちろん、一度も聞いたことのない楽曲ばかりなのに、妙に懐かしい気がするのは、韓国でも日本と…

  • 戯曲レビュー:確かに本格的な終末SFだった!前川知大の『散歩する侵略者』

    散歩する侵略者 (角川文庫)作者:前川知大KADOKAWAAmazon■前川知大の『散歩する侵略者』は黒沢清が映画化したので有名になった。というか、それで初めて演劇の存在を知ったのだが。■前川知大の演劇は一時期NHKでよく放映されていたので知っていたし、ちゃんとしたSFであるというのも知ってはいたけど、この演目はその時期のNHKで舞台中継番組でやってなかったので、知らなかったのだな。■映画版は当然ながら黒沢清テイストが強く出るだろうから、原作がどんな塩梅だったのか興味津々だった。いまや、戯曲デジタルアーカイブで全文読めるのだ。ありがたい。■驚いたのは、まるで映画のように短く頻繁に場面転換するこ…

  • 『連続ドラマW トッカイ~不良債権特別回収部』をイッキ見で追跡中!#2まで

    トッカイ 不良債権特別回収部 (講談社文庫 き 68-3)作者:清武 英利講談社Amazon #1(演出:若松節朗)#2(演出:村谷嘉則) ■前から観たかった2021年の『トッカイ』がアマプラに入っていたので、一気見します!WOWOW製作による、原作:清武英利の一連の実録シリーズですね。どれも面白いので、期待していたんですよ。■大蔵省の肝いりで設立された政府系ノンバンク・住専は、バブル期に銀行が貸し渋る不良案件を積極的に吸収して貸出金額を拡大するが、1990年に財務省が総量規制を通達したことから新規の貸出を封じられ、バブルが崩壊すると、既存の貸付部分が一気に不良債権化する。政府は住専に出資して…

  • 戯曲レビュー:良いけど、短さ故に限界が…岡本綺堂の『修禅寺物語』『番町皿屋敷』『鳥辺山心中』

    名作歌舞伎全集〈第20巻〉新歌舞伎集 (1969年)Amazon修禅寺物語作者:岡本 綺堂Amazon鳥辺山心中作者:岡本 綺堂Amazon番町皿屋敷作者:岡本 綺堂Amazon■岡本綺堂の有名な新歌舞伎の代表作は、どれも1時間弱の短い出し物で、さくっと上演して、さくっと一幕見するのにちょうどいい塩梅。なので、あまり深みはない。こてこてと書き込む余裕がないから。なので、そこが弱点にもなる。■『修禅寺物語』は父の芸術至上主義と娘の立身出世主義がともに成就するというお話だけど、奇っ怪至極なお話。でもクライマックスで異様に盛り上がるから、なんとなく納得してしまう。父と娘の狂気を描く心理的な怪奇劇とも…

  • お岩さんが百人!戸板が宙を飛ぶ!日本名作怪談劇場『四谷怪談』『怪談大奥(秘)不開の間』

    日本名作怪談劇場DVD-BOX(4枚組)林与一Amazon 四谷怪談 ■監督:貞永方久(助監督:都築一興) 原作:下飯坂菊馬、杉江慧子 脚本:下飯坂菊馬、杉江慧子 撮影:藤原三郎 照明:釜田幸一 美術:川村鬼世志■南北の四谷怪談から離れた自由な構築で、廻る輪廻の回転運動のイメージで統一した貞永方久のシュールな演出が印象的な力作で、尖った場面がいくつかある。お岩さんの驚愕シーンでは、鏡部屋効果を狙ったり(お岩さんが百人?)、子供(孫?)連れの瞽女の姿を挿入したり。幽霊の現場合成(ハーフミラー?)も緻密。見事な霧雨の降り方は京都映画名物で、完全に必殺テイスト。ラストの長廻しの俯瞰撮影もさすが。■戸…

  • 云うても凡作!怪談(1972)『牡丹灯籠』

    怪談シリーズ第1巻 四谷怪談/牡丹燈籠 [DVD]天知茂Amazon■原作:三遊亭円朝 脚本:冬島泰三 撮影:山田一夫 照明:大石弘一 美術:鳥居塚誠一 音楽:冬木透 監督:西山正輝■おなじみの牡丹灯籠だけど、あまりいいところはなくて、お露が自害した原因が伴蔵だったというところがちょっと新鮮だった。伴蔵を演じる垂水悟郎は劇団民藝出身なのでシリアスなものも多いけど、たまにこうしたコミカルな役を演じる。でもアクが少ないので、ちょっと物足りない気はする。■新三郎を救おうとする僧侶が河野秋武で、結構晩年の出演作のようだ。まだまだ元気そうなのになあ。■なにしろ、牡丹灯籠は人気の高い演目で、山ほど映像化さ…

  • 田村高廣が怪演するが…怪談(1972)『怪談蚊喰鳥』

    怪談シリーズ第2巻 蚊喰鳥/雨の古沼 [DVD]田村高廣Amazon■原作:宇野信夫 脚本:宮川一郎 撮影:山田一夫 照明:大石弘一 美術:鳥居塚誠一 音楽:冬木透 監督:西山正輝■野川由美子と長門裕之の小悪党カップルに、田村高廣の不気味なあん摩が絡みつく。田村高廣がこんな嫌らしい役をやるのは珍しいと思う。田村高廣が徳の市、辰の市の二役を演じて、最終的にどっちも幽霊だったの(かも)?みたいな曖昧な結末にしたのが、宮川一郎の工夫だろうか。■歌舞伎座テレビ室の美術ステージの回転具合と懐具合もだいたい見当がついてきて、大映の『怪談蚊喰鳥』の異様に豪華な美術装置を知っているから、どうしても、見劣りはす…

  • クドカンの最近のドラマ『不適切にもほどがある!』『季節のない街』を観た雑感

    TBS系 金曜ドラマ「不適切にもほどがある!」オリジナル・サウンドトラックアーティスト:末廣健一郎、MAYUKO、宗形勇輝SMM itaku (music)Amazon■『不適切にもほどがある』はとにかく放送業界にくすぶるコンプライアンス重視の姿勢が制作現場をいかに息苦しくしているかを、遠慮なしにぶちまけた(内部告発?)ところが圧巻で、その企画力に驚嘆した。クドカンもそうだけど、磯山晶Pありきの企画力だと思う。そのテーマ設定の蛮勇が全てだった。■#3が出色で、八嶋智人の一人舞台が弾けまくって、秀逸なコメディだった。けど、シリーズ全体としては疑問がおおくて、特にミュージカルの趣向は滑りまくって、…

  • 個人的にはホラー映画に見えた、絶妙にナイーブな問題作『こちらあみ子』

    こちらあみ子大沢一菜Amazon 基本情報 こちらあみ子 ★★★ 2022 ヴィスタサイズ 104分 @アマプラ 企画:近藤貴彦 原作:今村夏子 脚本:森井勇佑 撮影:岩永洋 照明:岩永洋 美術:大原清孝 音楽:青葉市子 監督:森井勇佑 感想 ■予告編では、「風変わりな女の子」と括っているし、原作小説でもそういうカテゴリーとして読まれているらしいけど、映画の主人公はどう見ても何らかの発達障害があり、本人はまだ生きづらさの自覚すらないけど、そのかわり、周りにいる家族が壊れてゆく。その意味では、純粋なホラー映画だと感じたし、終始不穏な空気が蔓延していて、観ていて非常に辛い映画だ。児童映画や青春映画…

  • 幽霊が伝染るんです?小平次ものの新解釈!怪談(1972)『怪談 雨の古沼』

    怪談シリーズ第2巻 蚊喰鳥/雨の古沼 [DVD]田村高廣Amazon■原作:河竹黙阿弥「小幡怪異雨古沼」 脚本:竹内勇太郎 撮影:倉持友一 照明:大石弘一 美術:鳥居塚誠一 音楽:冬木透 監督:八木美津雄■小幡小平次ものの新解釈で、有名な芝居の『生きている小平次』は小平次と太九郎の場面から始まるが、本作は、芝居一座の長である小左衛門(神田隆)からいかにして小平次(中村扇雀)がおつか(岡田茉莉子)を受け継いだかが前半で描かれる。要は、小左衛門が酷い夫で、金のために座元(竜崎一郎)に女房を売ろうとしたので、見かねた小平次は師匠を殺害して、おつかと逃げ落ちることになる。後半は、その顛末を見ていた太九…

  • 戯曲レビュー:ゾンビなのか?幽霊なのか?いまだに斬新な怪談劇『生きていゐる小平次』

    生きてゐる小平次作者:鈴木泉三郎雨書房Amazon生きてゐる小平次〈戯曲 三幕〉 (風々齋文庫)作者:鈴木泉三郎書肆風々齋Amazon■鈴木泉三郎の有名戯曲で、3幕ものの短い怪談劇。だけど、ほとんどゾンビのような幽霊を登場させたのは、かなり斬新ではないか。これまでも何度か映像化されていて、青柳信雄の映画、怪談(MBS版)、日本名作怪談劇場、中川信夫の映画と数多い。でも、怪談(MBS版)、日本名作怪談劇場はこの戯曲ではなく、河竹黙阿弥の「小幡怪異雨古沼」を原作として、自由に脚色している。■あとは、林家正蔵の落語があって、ほとんど戯曲の読み聞かせに近い。それに、どこが面白いのか、ちょっとよくわから…

  • 天知茂がノリノリの力作:怪談シリーズ『四谷怪談』

    怪談シリーズ第1巻 四谷怪談/牡丹燈籠 [DVD]天知茂Amazon■1972.7放映 原作:四世 鶴屋南北 脚本:宮川一郎 撮影:山田一夫 照明:大石弘一 美術:鳥居塚誠一 音楽:冬木透 監督:山田達夫■歌舞伎座テレビ室が東京12チャンネルではなく、毎日放送と組んで製作したミニシリーズ。正式タイトルは単に『怪談』。わかりにくいので、怪談シリーズと呼称される。■この当時、というか結構長きに渡って、四谷怪談は宮川一郎が書くものという暗黙の了解があった。後に東芝日曜劇場でも書いていた。本作は、しかも主演が天知茂なので、新東宝の名作をリメイクしまっせ!という毎日放送のウリがあったのだろう。しかも監督…

  • 安全・安心を求めすぎると人類は退化するよ!とウェルズ先生が親切に教えてくれる『タイムマシン』

    タイムマシン (岩波少年文庫 530)作者:H.G. ウェルズ岩波書店Amazon■ウェルズ先生の出世作である『タイムマシン』を初めて読んだ。小説としては短いこともあり、物語性には欠けるけど、文明批評の部分にはさすがに、19世紀のイギリス階級社会を揺さぶる鋭さがあると思う。しかも、今読んでもあながち古くない。■特に80万年後の地上人類(エロイ)と地下人類(モーロック)に完全に断絶した人間社会の異様さと、なぜそうなったのかという推察の部分にウェルズ先生の心配性がよく表れているし、読みどころ。階級社会がそのまま純化してゆくと、資本家階級は何もしなくなって退化するし、労働者階級は地下に押し込められて…

  • 凡作だけど片桐夕子にほのぼのする…日本名作怪談劇場『怪談累ヶ淵』

    日本名作怪談劇場DVD-BOX(4枚組)林与一Amazon■1979.6放映 原作:三遊亭円朝「真景累ケ淵」 脚本:安田公義 撮影:藤原三郎 照明:釜田幸一 美術:川村鬼世志 音楽:牧野由多可 監督:倉田準二 ■累ヶ淵といえば安田公義、という常識が当時の京都映画界にあったのだろうか。大映で2回も映画化しているから、自家薬籠中のものだろうということで発注されたのだろう、多分。ちょっと安易な気がするぞ。■脚本も演出も、正直あまりいい出来ではないけど、豊志賀を片桐夕子が演じるのがいかにも70年代で、しみじみするところ。ちょっと健康的過ぎる気はするけど、ちゃんと盥で入浴シーンもあって、サービス満点。お…

  • 実は岡本綺堂の有名短編の映像化でもある笠原和夫の怪作!?日本名作怪談劇場『怪談 鰍沢』

    日本名作怪談劇場DVD-BOX(4枚組)林与一Amazon■原作:三遊亭圓朝 脚本:笠原和夫 撮影:藤原三郎 照明:釜田幸一 美術:川村鬼世志 音楽:牧野由多可 監督:山崎大助■落語で有名な『怪談鰍沢』は、なぜか映画化されていない。少なくとも、戦後はね。その理由は幽霊が出ないからだろう。お熊という女が毒殺を企てるだけでなく猟銃を掲げて追いかけてくるという即物的な恐怖を描くから、映画としては怪談ではなくスリラーになってしまう。例えばザ・ガードマンの『怪談殺人鬼ホテル』などはその系譜とも言えるし、なかなかの傑作だった。こちらは猟銃ではなく、出刃包丁の二刀流だ!凄いぞ。 maricozy.haten…

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