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  • 考察・村上春樹著『謝肉祭(Carnaval)』ヴィーナスの醜さ

    今回は「一人称単数」より『謝肉祭(Carnaval)』を考察します。この短編では、主人公の友人としてF*氏という40歳代の女性が登場します。彼女は「とても醜い女性」で、最後には詐欺事件の犯人として逮捕されます。ネットでは「モデルは誰か?」と犯人捜しが行われています。 短編集「一人称単数」ではエッセイ形式で書かれていますので、著者の実体験のように読むことが出来ますが、基本的には創作として扱った方が良いと私は思っています。そうしないと「品川猿」が実在してしまいます。なので私は、『謝肉祭(Carnaval)』主人公は著者の等身大の架空の人物として読んでいます。 この短編では、女性の美醜がテーマのひと…

  • 考察・村上春樹著『イエスタデイ』 歌詞の改作

    短編集「女のいない男たち」より『イエスタデイ』を考察します。 こちらの短編は、主人公である語り手(谷村)の友人である木樽の恋愛事情がメインのストーリーです。 木樽は生まれも育ちも東京なのに、関西弁を習得したり、ビートルズの「イエスタデイ」を関西弁バージョンに替え歌を作ったり、自分の恋人と主人公とを付き合わせようとするなど、かなりトリッキーな行動をします。 しかし、これらは木樽の特異性を示すエピソードです。主題とは関係がありません。 yesterday 女のいない男たち (文春文庫 む 5-14) 作者:村上 春樹 文藝春秋 Amazon

  • 考察・村上春樹著『ウィズ・ザ・ビートルズ With the Beatles』ビートルズと自殺者達

    短編集「一人称単数」より、『ウィズ・ザ・ビートルズ With the Beatles』を考察します。簡単に言うと、この短編はかなり危険な作品です。 ”そう、1960年代の後半には、思想の行き詰まりから人が自らの命を絶つこともあったのだ。”ーP.93 ”そう、ビートルズの音楽は僕らの周囲を隈無く取り囲んでいたのだ。”ーP.94 「ウィズ・ザ・ビートルズ」という題名は、もちろんビートルズのLPのタイトルから来ているのですが、「ビートルズと共に」とは、著者の青春時代がビートルズ一色であったのと同時に、自殺者に溢れていたことを同列に扱っている短編です。 そう、だからこそ同じ言い回しを利用しています。 …

  • 考察・村上春樹著『ハナレイ・ベイ』自然はしばしば人の命を奪う

    今回は村上春樹著、短編集「東京奇譚集」より、『ハナレイ・ベイ』を考察します。こちらは吉田羊さんの主演で映画化された作品です。映画のほうはだいぶ前に見たのでうろ覚えですが、ハワイの素敵な映像と、なんと言っても吉田羊さんの素晴らしい演技が印象に残っています。 原作と映画とでは少し違っている部分もありましたが、双方ともに素晴らしい作品です。 Hanalei Bay ハナレイ・ベイ 吉田羊 佐野玲於 村上虹郎 佐藤魁 栗原類 Amazon

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