井戸川射子『ここはとても速い川』を読む
井戸川射子著『ここはとても速い川』(2021年5月28日講談社発行)を読んだ。講談社BOOK倶楽部の内容紹介第一詩集で中原中也賞を受賞した注目詩人による、初めての小説集。児童養護施設に暮らす小学5年生の集(しゅう)。園での年下の親友・ひじりとの楽しみは、近くの淀川にいる亀たちを見に行くことだった。温もりが伝わる繊細な言葉で子どもたちの日々を描いた表題作と、小説第一作「膨張」を収録。第43回野間文芸新人賞受賞。本書には、表題作と『膨張』の2作。「ここはとても速い川」児童養護施設で暮らす少年・集(しゅう)とひじり、よしいち等の日々を子供目線の関西弁で淡々と語る。現実は大人に振り回されて、どうともならずにあきらめることも多い。しかし、集たちは大人たちが一方的に押し付けることの真の意味をちゃんと嗅ぎ取っている場合も多く...井戸川射子『ここはとても速い川』を読む
2022/03/31 05:00