まかる【罷る】 動詞(ラ行四段活用)
「任く(まく)」という動詞からきていることばだと考えられています。「任く」が「任命する」という意味であり、「まかる」は、「任を受けて行動する」ということを意味します。たとえば、地方官職に任命された場合、必然的に「高貴な場所(帝の近く)」から「おいとまする」ことになりますから、(1)(2)の意味になります。実際に何かを任じられたわけではなくても、「高貴な場所から退く」際には、「まかる」を用いました。「勝手に出ていく」というわけではなく、「貴人のお許しを得たうえで出ていく」というイメージですね。「出る」という行為そのものよりも、「お任せをいただいて(お許しをいただいて)動く」というニュアンスが中心にある語なので、「(どこかへ)行かせていただく」という感じで、「参る」「参ります」などと訳すことも多いです。中古では、どちらかというと、(3)(4)の意味で用いられることが多いですね。
2023/09/25 06:10