第9回 それでもピエロは進み続ける

2泊3日のトレッキング旅を終え、束の間の旅の仲間ともお別れした。僕たちにはそれぞれの生活、新たな旅が待っている。僕はまた1人になった。苦労して辿り着いたこのイ…

第8回 ハッピーの歌

トレッキング2日目。僕がコメディアンを目指していることを休憩中に話すと、何かやってみてとみんなに言われた。「オーケー、みんなの疲れを吹き飛ばすようなギャグをや…

第7回 その5人は仲間に為る

足首を掴まれる感覚がして目が覚めた。あたりは静まりかえっていて、部屋は真っ暗だ。布団の中で、"何か"がモゾモゾと僕の上を這ってくる。全身に鳥肌が立つ。この人里…

第6回 迫り来る恐怖

僕は必死で逃げていた。どこかの民家の庭のような場所に入り、物陰に隠れる。あいつらはまだ僕を探しているだろうか。近くで物音が聞こえた。隠れながら、そっと、そっと…

第5回 兄弟、あなたは毎日幸せです。

マンダレー郊外のとある川辺で、10人程の少女たちが手作りのネックレスやら何やらを売るために僕に詰め寄ってきていた。「トゥーサウザンド！」「トゥーサウザンド！」…

第4回 40歳の恋

ハルさんは少し泣いているようだ。気の利いた言葉なんて何も出てこない。僕はシュワシュワと溶けていくミャンマービールの泡を見つめることしかできなかった。ミャンマー…

第3回 ドラゴンと牙のあるエレファント

ドラゴンは声を荒げる。僕も負けじと声を荒げる。僕は負けない。立ち向かうんだ。"ドラゴン"と"牙のあるエレファント"の戦いは佳境を迎えていた。その日は見慣れない…

第2回 犬も歩けば棒に当たるなら僕も歩けば

僕はついにミャンマーに到着した。空港に降り立つと乗客たちはみんなスルスルとどこかに消えてしまった。出口がどこかも分からず一人であっちに行ったりこっちに行った…

第1回 一目惚れが空を飛ぶ

夜が深い時間になってきた。今夜泊まる宿がまだ決まっていない。初めての海外でいきなり野宿か・・？言葉が通じないこの街で僕は途方に暮れていた。ーーーー話を遡るこ…