chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
arrow_drop_down
  • シェアハウス 25

    部屋を出る美花の後ろ姿を見つめながら、桑木はフッと思った。 (おいおい、涼太も美花もこのシェアハウスを出ていっちゃうのかよ) 涼太は東京にマンションを持っている。なのに、新婚生活をこのシェアハウスで暮らすわけが無い。 一度に総ての部屋が空いたらと思うと、桑木は少し不安...

  • シェアハウス 25

    部屋を出る美花の後ろ姿を見つめながら、桑木はフッと思った。 (おいおい、涼太も美花もこのシェアハウスを出ていっちゃうのかよ) 涼太は東京にマンションを持っている。なのに、新婚生活をこのシェアハウスで暮らすわけが無い。 一度に総ての部屋が空いたらと思うと、桑木は少し不安...

  • シェアハウス 24

    それから暫く経ってシャアハウスの掃除に行くと、抱上文子が借りた部屋から音がする。 遙大樹と大崎真梨子が結婚していたとバレたその日から、文子はシェアハウスに現れては居なかった。 桑木が静かに掃除をしていると、文子が部屋から出て来た。 「あっ、大家さん。丁度良かった。伝え...

  • シェアハウス 23

    「大家さん、黙っていて申し訳ありません。実は私たち結婚しているんです」 大樹のその言葉を聞いた桑木は唖然とする。 少し間を置いて、 「やっぱり。でも、結婚していたとは驚いたな。いやね、二人の仕草が余りに自然すぎるので、絶対関係していると思ったんだ」 「そうでしたか。うっ...

  • シェアハウス 22

    文子の元に、数名しか居ない大樹ファンのメンバーの内の二人が、事務所にした部屋に訪れるようになった。 一人は五十嵐美花の同僚歯科医院看護師。そして、その看護師の従姉妹。 熱烈なファンが集まるようになった所為か、遙大樹もシェアハウスに帰って来る回数が多くなった。 平日は...

  • シェアハウス 21

    「事務所にしたい趣旨は分かった。しかし、入居者では無い人達が入れ替わり立ち替わり出入りするのは困るんだよな」 「それは無いようにします。出入りする人を制限しますし、私が居る時だけにします。それに利用するのは殆ど私だけだと思います」 「うーん」 「夜10時以降は、部屋での行動...

  • 歌詞を入れました

    【うた】 霞の春 やっと歌詞が出来たので、メロディーに合わせてみました。 難しいですね。 普通は詩から曲を作るのだろうけど、自分は反対だからメロディーに言葉を填め込むのに 苦労する。 最も、これが自分の流儀だから仕方ないです。

  • シェアハウス 20

    「そんな訳で、結婚式に出る事になったんだけど、俺って無骨者だろ。気が重くて」 「結婚式のアドバイスを受けに来たの?」 「あっ、いや。結婚式の遣り方を教えてくれっていうんじゃないんだ。実は何回か会う内に、また一緒に住もうかとなって」 坂下照れくさそうに言う。 「奥さんと?...

  • シェアハウス 19

    十日ほど過ぎて、桑木宅に宅配便が届いた。送り主は由比正子だった。 箱を開けると、送られてきたのはカニだった。 「やった! 予想した通りの物を謝礼として送ってくれた」 (やはり、あの親にしてこの子ありだな。涼太が好青年の筈だわ」 たかがカニを送られたぐらいで、こうも評価...

  • シェアハウス 18

    十日ほど過ぎて、桑木宅に宅配便が届いた。送り主は由比正子だった。 箱を開けると、送られてきたのはカニだった。 「やった! 予想した通りの物を謝礼として送ってくれた」 添え文も入っている。 東京見物案内の謝礼と、 【入居者の皆さんにも宜しくお伝えください】と。 「何だ...

  • シェアハウス 17

    正子は、最初に合った雰囲気とは大きく違っていた。恐らく、名士と言われる家に嫁ぎ、本当の自分を抑えて来たのだろう。 先ず、大きく変貌した東京駅周辺を見物し、複雑怪奇とも言える地下鉄に乗り浅草へ。正子は地下鉄に乗るのは始めてだった。何処に行っても移動はタクシーを利用していた...

  • シェアハウス 16

    それから間もなくして、中年の女性が桑木の家を訪れた。 桑木の家をドアを叩いた中年の女性が、桑木に挨拶をする。 「由井涼太の母親です。涼太がお世話になっています」 涼太の母親が遠路遙々遣って来たのだ。 「涼太君は多分大学だと思いますよ。お待ちになるなら、シェアハウスの中で...

  • シェアハウス 15

    その後、何も起こらずに日々が過ぎた。桑木は単なる思い過ごしだったかと安堵する。 新入居者、遙大樹は、余り部屋に帰って来ない。芸能関係は生活が不規則だからそうなるのかと、桑木は一人合点する。 そんな或る日曜日。美花と涼太が寛(くつろ)いでいる所に、遙大樹が遣って来た。 ...

  • シャアハウス 14

    それから一ヶ月ほど経った。桑木の所に思わぬ人物が訊ねて来た。 「済みませんが、あなた様のシェアハウス、見学させて頂けませんか?」 訪ねて来た人物は、保来と名乗る。 「どんな用件で見たいの?」 「実は、シェエアハウスという物に興味を持ちまして。戸建てをそのまま貸すよりはシ...

  • シェアハウス 13

    前回までの筋書き シェアハウス内に現入居者の美花目的で新たに若者が入居。顔見知りだった事もあり、シェアハウス内での行動が目立ち始める。そんな中で美花が大家の桑木に話し掛ける。 「大家さん、話があるんですけど」 美花に真顔で話し掛けられ、桑木は急に胸騒ぎを覚えた。ここのとこ...

  • 感染後?

    我が家にも来ました。春ではありません。陽気は春のようだが。 一緒に生活している末息子が、とうとうコロナウイスルに感染。陽性判定となる。 当然我々夫婦は濃厚接触者。家族が外出自粛、自主隔離です。 陽性通知を受けて今日で5日目。ある程度見通しが立ったのでご報告。 陽性となった息...

  • シェアハウス 12

    一年半という期間に、シェアハウスくわきに最初に入居したメンバーの内、3人が居なくなった。 残ったのは坂下と深山。 深山は建築関係の仕事をしていて、朝早く出掛け夜遅く部屋に戻る。仕事の後に一杯酒を引っかけるのが唯一の楽しみだという。 坂下も、最近は共用スペースには留ま...

  • シェアハウス 11

    男はまず最初に、勝手知ったるかのように隣に住む大家を訪ねて来た。 「ちょっとあんた。この間のこそ泥じゃないか」 何と、現れた男は少し前に不法侵入し警察に連行された男だった。 「お願いですから、その、泥棒扱いは止めて下さい」 「じゃあ、やはり美花ちゃんのストーカーか?」 ...

  • シェアハウス 10

    翌々の土曜日。影田昌子が引っ越しをする。息子が遙々車で迎えに来てくれた。大した荷物でないので、既に段ボールに詰めて送っている。 桑木と休みの坂下が見送る。 「影田さんに、知らない土地に行ってもあんたなら大丈夫って言ったけど、本当に大丈夫かな?」 桑木は、見送りながらボ...

  • シェアハウス 9

    少しバタバタしたが、シェアハウスに落ち着きが戻った。 何時ものように、桑木は朝の掃除に向かう。掃除機を掛け、拭き掃除をしている所に、影田昌子が近づいて来た。 「お早うございます。影田さんは、ここのところパートに行ってないようだけど。辞めたの?」 桑木が声を掛ける。 「...

  • シェアハウス 8

    9時過ぎて、シェアハウスに五十嵐美花が帰って来た。 「お帰り。美花ちゃん、今日は大変だったんだよ。此処に泥棒が入ってね」 「知ってます」 驚きもせずに美花が答える。 「えっ、何故知ってるんだ? 何か盗られていたのか?」 坂下が不思議そうに訊ねる。 「警察から私の所に電...

  • シャアハウス 7

    翌日、シェアハウス内の2カ所に、 【当シェアハウスくわき内共用部分での宴会や飲酒を一切禁じる】 の張り紙が貼られた。 桑木にして見れば、五十嵐美花に酒による失敗や後悔をさせたくない思いやりでもあった。 美花の酒乱騒動で、桑木はある推理をする。 美花は、シェアハウスく...

  • シェアハウス 6

    やっと美花が二階の廊下に上げられた。 「大家さんよ。ボサッと突っ立ってないで、ドアの鍵を開けてよ」 桑木はハッと気付き、美花の部屋の鍵を開けた。実は、めくれ上がった美花のスカートの中に,桑木は見とれてしまっていたのだ。 部屋の広さは四畳半。小面積の板畳スペース付き部屋...

  • シェアハウス 5

    それは、既に十一時を回っていた。遠くから聞こえて来る女性の喚き声。段々シェアハウスに近づいて来た。 「おい、爺ィーども! 此処を開けろ!」 引き戸の玄関戸を叩き出した。 桑木は何事かと目覚める。声の主は、五十嵐美花の声に似ている。 「美花ちゃん、怒鳴るのは止めなさいよ...

  • シェアハウス 4

    五十嵐美花の入居は、『シェアくわき』の雰囲気を一変させた。以前は、入居者の男連中は影田昌子に気軽に近寄り、会話を交わした。六〇歳過ぎても、男の中に入れば華となる。最も、同年代以上の男性限定となるが。 所が、五十嵐美花が入居してからは、それなりにチヤホヤされていた影田昌子...

  • シェアハウス 3

    部屋が一つ空いた。そこに、不動産会社の若い社員が若い女性を連れて来る。 「桑木さん。内見させて下さい」 一声掛けて、彼は女性を伴ってシェアハウス内に消えた。その後ろ姿を桑木は見送る。 「こんな、老人下宿化した貸家に、あんな若い子が入るわけが無いだろうに」 彼は、不動...

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、kireinasouziさんをフォローしませんか?

ハンドル名
kireinasouziさん
ブログタイトル
掃除歴30年余
フォロー
掃除歴30年余

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用