chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
妄想劇場 https://campbell3.com/

趣味の、自己満ブログです。 不公平と矛盾する世の中は、 小さな希望と少しの刺激で、今を楽しくこれからも楽しく。 人生は、振り返ることは出来ても、後戻りは出来ない…

流れ雲のブログ:信じれば真実、疑えば妄想

流れ雲のブログ
フォロー
住所
未設定
出身
神戸市
ブログ村参加

2021/09/06

arrow_drop_down
  • 貧者の一灯・歴史への訪問

    ある時、権次は仕事で船に乗って、何日も家に帰れない事になりました。心配するお母さんに、権次は言いました。「大丈夫、おれは運が良いからな。・・・そうだ、運が良い証拠を母ちゃんに見せてやるよ。俺が出かけて十日たったら、家を焼いとくれ」「えっ、家をかい?」驚くお母さんに、権次はにっこり頷きました。「そうさ。ちゃんと焼いておくれよ」権次が船に乗って海へ出て十日がたつと、お母さんは約束通り家に火をつけました。小さな家はあっという間に火事になり、すっかり燃えてしまいました。その頃、権次は舟の上で、くんくんと鼻をならしながら仲間に言いました。「あれ、今、俺の家が燃えてる。こりゃ火事だ!」それを聞いて、仲間たちは大笑いです。「あははは。こんな遠く離れていて、火事がわかるもんか」でも権次は、すまして答えました。「まあ、帰っ...貧者の一灯・歴史への訪問

  • 貧者の一灯・THEライフ

    「団地」といえば、住民の高齢化が大きな課題だが、横浜市内には高齢化にもかかわらず、介護が必要なお年寄りが他の地域より少ない団地があるという。都心から電車とバスで約1時間。平日の午前9時、横浜市旭区の横浜若葉台団地に着くと、樹木に囲まれた公園で70人以上の高齢者がグラウンドゴルフを楽しんでいた。その隣のテニスコートでは、20人ほどがプレーする。笑い声やかけ声が飛び交い、にぎやかな雰囲気に包まれていた。「とにかく元気なお年寄りが多いんだよ」団地に10ある自治会を束ねる「若葉台連合自治会」の山岸弘樹会長(71)は胸を張る。同団地は1979年に入居が始まった。都心などで働くサラリーマン世帯が中心だった人口は、ピーク時の約2万人から約1万4000人に減少。65歳以上の割合を示す高齢化率は47.8%にのぼる。介護が必...貧者の一灯・THEライフ

  • 貧者の一灯・番外編

    手入れの行き届いた家々が整然と並ぶ住宅街。明るいうちから雨戸を閉め切った「その家」は、息を潜めているようだった。福祉団体スタッフの古屋隆一(ふるや・りゅういち)(41)は昨年の秋、玄関前でびりびりに破かれた手紙を見つけた。数日前、住人の男性に「困っていることがあれば、手伝いたい」と書き残していた。「やっぱり…。思い通りになるわけない」…※…古屋は東日本の大都市郊外で、心の病がある人の相談に乗っていた。福祉団体が自治体と連携して設置した窓口には、ひきこもりや不登校に関する悩みも寄せられた。福祉の世界に入ったのは15年ほど前のことだ。大学卒業後、進路を決められないままアルバイトをし、海外を放浪。何となく始めた老人ホームでの介護の仕事で、人に喜ばれる心地よさを知る。「もっと勉強してみたい」と通信制の大学に編入。...貧者の一灯・番外編

  • 貧者の一灯・特別編

    ※雄太へ優しい気持ちいつも、ママを見て気遣ってくれていた、雄太のために良いママになりたかった。仕事柄色んなママを見ていたから結構高いハードルを作ってしまった。手作りの服、手作りのおやつ、憶えているだろうか?友達の家に行く時も「ママの作った物が良い」って言われて作っていました。雄太が喜ぶから作っていたんだよ。今思い出しても楽しい良い思い出になっています。二人分しかない食べ物を雄太と将太に出すと必ず「ママの分は?」って聞いてくる。「ママはいらないよ」って言うと「僕の分を食べて」、そう言ってくる。こんなやり取りは数えきれないくらいたくさんあった。物心が付く頃からずっと家族を思いやって我慢のできる子でした。どうしてそうなったかは分からない。パパに言わせると「俺に似てる」ということになる。※…少年の船小学校の六年生...貧者の一灯・特別編

  • 貧者の一灯・漢の韓信

    第二章:呉の興隆呉中に危機あり越は呉の国内を荒らしまわったあと、闔閭が帰還した報を受けて撤退した。その見事なばかりの潔さに闔閭は驚いたが、当然疑問は残る。いったい、なにを目的に彼らは呉に侵攻したのか。「どう思う?」闔閭は伍子胥に尋ねた。「越王允常いんじょうは、国を富ませ、兵を増強していると聞いています。おそらく彼らは、我が国と争いたいのだと……そしてゆくゆくは、この土地を我がものとしたいのでしょう。今回の出兵は、その意思表示だと思われます」伍子胥は答えたが、それは推測の域を出ない返答であった。彼らの注視はこれまで常に楚と中原に向けられており、自分たちより南方にある国をまともな目で見たことなどなかったのである。「越など、これまではただの蛮族の集団に過ぎないと思っていたが……都合よく余の不在時を狙って国内へ侵...貧者の一灯・漢の韓信

  • 貧者の一灯・妄想物語

    ネットの普及により、テレビ離れする人が増え、テレビ番組の視聴率は低下している。テレビ全盛期のころは、平均視聴率20%を超えるドラマはたくさんあったが、近年では20%超えどころか15%を超えるものも少ない。ドラマドラマには、推理ドラマ、刑事ドラマ、熱血ドラマなどの定番ジャンルの一つに「恋愛ドラマ」がある。「恋愛」という要素は、「恋愛ドラマ」だけでなく、いろいろなジャンルの一要素としても登場するため、ドラマを楽しむために欠かせない要素となっている。同じ時期に純愛要素のドラマと、不倫や浮気が要素のドラマがあれば、不倫や浮気などのほうが高視聴率となる。ドラマを見るとき、その登場人物と「自分」を置き換えたり、その登場人物に憧れてしまう。現実で満たされていない部分を、ドラマを見ることで一時的に満足する。高視聴率となっ...貧者の一灯・妄想物語

  • 貧者の一灯・一考編

    体力には自信があったのに産経新聞の運動部長に就任したのは、48歳の時です。私は部長としては厳しいタイプで、記事にも独自色を出そう、スクープを狙おうと考える性格。酒も盛大に飲むし、煙草もかなりの量を吸う。まぁ、典型的な”ブンヤ”です。ビッグイベントを取材して記事を書く。しかし人生を謳歌していた彼を突然、病が襲う…※…埼玉県の郊外にある、障害者療護施設で、川越一さん(53歳)は、車椅子に座り、堅く握られた左手を開こうと、右手で左手の指を一本一本、根気よく動かしている。左半身不随。それが川越さんの現状だ。彼が倒れたのは、運動部長になって4ヵ月後。くも膜下出血だった。「実は、倒れる半年ぐらい前から、吐き気を伴う強烈な頭痛にたびたび襲われていました。肩の痛みもありました。自宅近くの病院でMRIを受けたところ、『スト...貧者の一灯・一考編

  • 貧者の一灯・歴史への訪問

    むかしむかし、金沢(かなざわ)に、お銀(おぎん)と小金(こきん)という仲の良い姉妹がいました。でも、その姉妹は腹違いの姉妹で、それぞれに産んでくれたお母さんが違います。姉のお銀の母親はお銀が小さい頃に死んでしまい、妹の小金の母親はお銀の父親と結婚してから小金を生んだのです。そして新しい母親は自分が産んだ小金ばかり可愛がって、血のつながっていないお銀には冷たくあたります。母親は、お銀が不幸になっても、小金さえ幸せなら良いと思っていました。ある日の事、お銀の父親が仕事で江戸(えど)に行く事になりました。母親は良いチャンスだと思い、お銀を山へ連れて行って殺してやろうと思ったのです。そうとは知らない、お銀と小金は、「わあ、きれいなお花だこと」「こっちにも、きれいなお花が」と、言いながら母親に連れられるまま、どんど...貧者の一灯・歴史への訪問

  • 貧者の一灯・THEライフ

    介護が必要になった人が自宅で受けられる介護保険サービスの一つに「訪問介護」があります。ホームヘルパーが食事や入浴の介助をしたり、買い物や掃除をしたりして、暮らしの自立を手助けしてくれます。※…暮らしの自立手助け・食事や着替え「おはようさん。今日はクリームパンやな」。ベッドで朝食をとる大阪府東大阪市の田渕喜美子さん(84)の顔を、ヘルパーの桜井一恵さん(75)がのぞき込み、ジュースを口元に運んだ。田渕さんはストローで吸い、「サンキュー」と元気な声を上げた。田渕さんは「要介護5」。脱水症状で1週間入院した後、寝たきりになり、昨年3月から訪問介護の利用を始めた。現在は桜井さんが所属する「エルフ」(大阪市)など3事業所のヘルパーに訪問してもらい、日曜を除く週6日、朝や午後の1~2回、利用している。朝食後、桜井さん...貧者の一灯・THEライフ

  • 貧者の一灯・番外編

    「家庭教育やフリースクールを認めている国があるのに、日本では学校に行かないと異常視される。世界的に見ても、こんな国は珍しいのではないか」。名古屋市の事務所で、弁護士の多田元(ただ・はじめ)(73)は切り出した。2000年代初め、不登校の男性=当時(15)=が同市の業者に自宅から連れ出され、強制的に入寮させられたとして提訴。名古屋高裁は07年、暴力的支配の違法性を認め、業者に損害賠償を命じた。多田は原告の代理人を務めた。最近、幼稚園児を持つ親の前で話す機会があり、質問に驚いた。「将来、不登校やニートにならないためにどうしたらいいのでしょうか」均一性を求める風潮の中、追い詰められる親たち。「子どもが家にとどまっていると家族関係に緊張が生じ、わが子を放り出したくなる」と多田。業者はそうした心理を巧みに突く。多田...貧者の一灯・番外編

  • 貧者の一灯・特別編

    ※今年のお正月、久しぶりに帰ってきた。かなり太っていてビックリしたけど顔を見てホッとしたのも事実です。友達と会ったり食事したりと家にいたのはほんの少しの時間でしたね。帰ると言ったのは三日だったように憶えてます。帰るよと言われて気を付けてねと言ったものの何か言いたくなって玄関まで追いかけて「ゆう」って背中に向けて呼んでみた。振り向いた雄太の顔を見たら何も言葉が出てこなかった。「何?」って言われて「やっぱ、いいや」って言うのが精いっぱいで部屋に戻ろうとした時、「いいわけ、ないだろう!」って一度はいた靴をぬいでママのことを抱きしめてくれたね。「こんな自分でごめん」。そう謝る雄太に「ママがいることを忘れないで」と言ってた気がする。いっぱい泣いて雄太に抱きしめてもらって髪をなでてもらって、本当に嬉しかった。この時の...貧者の一灯・特別編

  • 貧者の一灯・漢の韓信シリーズ

    第二章:呉の興隆荒野の花秦軍の来襲は、呉軍の首脳部の誰にも予測できないことであった。なぜ秦が……という疑問を伍子胥や孫武が抱いたとしても不思議ではない。ましてや闔閭がそれを予測していたということは、あり得なかった。これは包胥が楚と秦を結ぶ一本の細い糸を頼りに、努力してようやく成立させた結果なのである。たったひとりの男の熱い思いが、国をも動かすということを、彼らが想像することは難しかった。しかし現実として、秦軍は目の前に迫ってきている。その数は、戦車五〇〇乗、一万の歩兵が稷しょくの地に出没し、さらに南下して郢を脅かした。将軍である孫武は、判断を迫られた。「もはや、撤退すべきだ」孫武は伍子胥に対して言う。その言外には、なぜ戦いに勝ったのち、楚を治めることに尽力しなかったのかという批判がある。伍子胥は個人的な復...貧者の一灯・漢の韓信シリーズ

  • 貧者の一灯・妄想物語

    私の地元は田舎ではありますが、都会から数時間の距離にあります。駅周辺はまだ少し栄えていますが、10年の間に田舎離れが進み閑散としています。私は趣味で民話を集めたり歴史を調べたりしていますが、地元でもあまり知られていない不思議な場所が気になっていました。そこは地元の街を流れる「四十七窯(シジュウシチカマ)」という所です。地名なのか分かりませんが、地元の歴史書で一度だけ目にしたのでそう呼んでいました。窯の字はひょっとすると鎌か釜かもしれません。久しぶりにあの場所に行ってみたいと思い、実家へ話をしました。兄は「そんな所あったかなぁ」と言っていたのですが、話すうちに思い出したようです。実家に到着するとすぐに、兄が車を出してくれました。私は橋の上から川を見下ろし「あの辺りだ」と指差しました。5歳の時、私はこの場所で...貧者の一灯・妄想物語

  • 貧者の一灯・一考編

    内閣府が2019年に行った調査によると、60歳以上の人で万一治る見込みがない病気になった場合、約半数(51.1%)の人が「自宅」で最期を迎えたいと回答したことが明らかになった。※…宣告されてから7年7か月生きた夫。「この人が病人?」と言われるほど普通な夫※…後編より〉心身の限界に達して最後の会話は、死の3日前のことだった。妻が身の回りの世話をしていると、市川さんから突然「手をにぎっていい?」と尋ねられた。「どうしたのよ。この年になって……」と妻が苦笑いしながら、「いいわよ」と両手を差し出す。市川さんはその手をぎゅっと握りながら「悪いな、悪いな、こんなに迷惑かけて悪いな」と口にした。「夫婦だから、別にいいのよ」…でも最後の数日は私の心身が限界に達していました。寝床から起き上がれなくなってしまったんです。その...貧者の一灯・一考編

  • 貧者の一灯・歴史への訪問

    この子ザルは子どもだと言うのにお酒が大好きで、こっそり人の家に忍び込んでは、お酒をなめていました。これを知った猟師は、「酒を飲むとは、珍しいサルだ。酒をエサに、あのサルを捕まえてやろう」と、おけに酒を入れて、サルの通る道へ置きました。「くんくん。おや、いい匂いがするぞ」さっそくお酒の匂いをかぎつけた子ザルが、おけのところにやって来ました。「わあっ、お酒だ」子ザルは大喜びで、お母さんのところへ行って言いました。「あのね、山道にお酒があるんだよ」するとお母さんザルは、怖い顔で言いました。「駄目よ!それはお前を捕まえようとして、猟師がわざと置いたに違いありません。だからどんな事があっても、そのお酒を飲んではいけません!」でも、お酒の好きな子ザルは、我慢が出来ません。「一口だけなら、飲んでもいい?」「駄目よ!」「...貧者の一灯・歴史への訪問

  • 貧者の一灯・THEライフ

    スポーツなど活動多彩「団地」といえば、住民の高齢化が大きな課題だが、横浜市内には高齢化にもかかわらず、介護が必要なお年寄りが他の地域より少ない団地があるという。いったいどんな団地なのか、都心から電車とバスで約1時間。平日の午前9時、横浜市旭区の横浜若葉台団地に着くと、樹木に囲まれた公園で70人以上の高齢者がグラウンドゴルフを楽しんでいた。その隣のテニスコートでは、20人ほどがプレーする。笑い声やかけ声が飛び交い、にぎやかな雰囲気に包まれていた。「とにかく元気なお年寄りが多いんだよ」団地に10ある自治会を束ねる「若葉台連合自治会」の山岸弘樹会長(71)は胸を張る。同団地は1979年に入居が始まった。都心などで働くサラリーマン世帯が中心だった人口は、ピーク時の約2万人から約1万4000人に減少。65歳以上の割...貧者の一灯・THEライフ

  • 貧者の一灯・番外編

    ※角田正和(すみだ・まさかず)(40)は、ひきこもりの人の自立支援をうたう業者が運営する施設で、約半年間働いた経験を持つ。「『救いたい』なんてうそ。彼らがやっているのは犯罪だ」。「引き出し屋」と呼ばれる業者の内実を告発※…「全国回復センター」(東京)で働くうちに疑念を抱くようになった角田正和(すみだ・まさかず)(40)は、ある日、寮に入所していた男性の脱走を手助けし、自宅まで車で送り届けた。男性の母親は当初、センター代表の黒木重之(くろき・しげゆき)を信じ切っていたが、角田が黒木らの人権を無視した行為や、支援の実態がないことを打ち明けると、後悔を口にした。一方、角田もその場で母親から契約書を見せられ、驚いた。黒木らは自立支援を名目に、3カ月間で約550万円という法外な契約料を支払わせていたのだ。自宅から連...貧者の一灯・番外編

  • 貧者の一灯・特別編

    ※雄太が恋しくて雄太が恋しくて色んなことを思い出す。何かキーワードがあって、ドッと落ち込む。そこから立ち直って元の生活に戻るまでが、なかなか大変。今まで触れないようにしていた部分に触れてしまったり、触れないまでも近づいてしまったりして、負のスパイラルに巻き込まれ抜けられない。苦しくなると誰かに助けてもらいたいと思う。今までだと、友達に助けを求めることになるのですが、最近、雄太を思う。「傍にいてくれないかな~」なんてね。将太がいつも、いてくれているのに、この頃は雄太に会いたくなったり声が聞きたくなったりする。会うとそれほど、係わりを持とうと何かするわけではない。サラッと、いつも通りを装って過ごしてしまう。聞きたいことが聞けず大事な話がきちんとできないで、帰してしまうことになる。帰った後に後悔する、もっときち...貧者の一灯・特別編

  • 貧者の一灯・漢の韓信シリーズ

    第二章:呉の興隆荒野の花奮揚は、郢城内の呉軍の駐屯地に潜入し、夫概に接触を図ろうと試みていた。そもそもの疑問は、なぜ王の弟という高貴な地位にある者が、まともな指揮権も与えられずにいるのか、ということである。しかも情報を得れば得るほど、その疑問は深まっていった。柏挙での最初の会戦の際、夫概はほぼ独断で嚢瓦率いる楚軍の中軍を急襲し、これに成功したのである。その成果によって呉軍はこの戦いに勝利し、ついには郢に入城するに至った。しかし奮揚が確かめた限りでは、夫概のその功績は、まったく報われていない。呉軍が郢に入城した後には、統制された軍行動とは別のところで貴人の屋敷を襲い、その財物と屋敷そのものを奪った。この行動はまったく個人的なものであり、処罰の対象となるものであったが……このとき夫概は罰せられもしなかった。そ...貧者の一灯・漢の韓信シリーズ

  • 貧者の一灯・妄想物語

    ある日、高校時代の友人が亡くなったと連絡がありました。知らない声の女性でした。なぜ私の携帯番号を知ったのかと聞くと「彼女から聞いていた。あなたが彼女の唯一の親友だから。」という答えが返ってきました。電話をしてきた方は、亡くなった彼女の幼馴染で、家が隣だと言います。ですが私が亡くなった彼女(仮にAさんとしておきます)の親友って…そんなはずはありません。確かに同じ部活をしていましたが、Aさんは皆から人気があり、美人で注目を浴びる人でした。性格がよくいつも明るい。女子が噂する男性達も、皆口々に彼女が好きだと言います。Aさんはよく私に、悩み事を相談していました。あの人は気持ちが悪いとか、交際を断りたいとか。私にすれば贅沢な悩みです。Aさんは周りに気を使い過ぎて、実は見かけによらず神経質なのだと自分で言っていました...貧者の一灯・妄想物語

  • 貧者の一灯・一考編

    内閣府が2019年に行った調査によると、60歳以上の人で万一治る見込みがない病気になった場合、約半数(51.1%)の人が「自宅」で最期を迎えたいと回答したことが明らかになった。※…宣告されてから7年7か月生きた夫。「この人が病人?」と言われるほど普通な夫※…後編より〉だって主人が要介護にずっと認定されなかったんです。がん末期で人工肛門でもあるのに、認定を受けるための調査で「聞こえてますか」「今日は何日ですか」という質問が嫌だったみたい。「人を馬鹿にしやがって。俺は病気じゃねえ!」って怒鳴ってしまうの。「馬鹿にしているわけではなく、仕事だから聞いているのよ」と説明してもダメ。それで数年経って主治医の先生から「介護認定、受けていますよね?」と尋ねられて「まだ受けていません」と事情を話すと、先生が驚いて……。区...貧者の一灯・一考編

  • 貧者の一灯・歴史への訪問

    むかしむかし、夏になっても寒い日が続いて、作物が育たなくなりました。このままでは、年貢を納めることが出来ません。困った村人たちは相談をして、役所へ年貢を少なくしてもらえるように願い出ることにしました。その役目に選ばれたのが、伝助ととん兵という名前の二人です。「恐れながら、村の代表で参りました」役所へやって来た二人はふところから書き付けを取り出すと、役人に差し出しました。役人がそれを見てみると、《一、二、三、四、五、六、七、八、九、十》と、一から十までの数字しか書いていません。「これは、何だ?」役人は首をかしげると、伝助が言いました。「恐れながら、おらが訳を話します。一は、いちいち語るも。二は、にがにがしい。三は、さんざんな。四と五は、仕事をして。六は、ろくなことがない。七と八は、質にばち置いても。九は、食...貧者の一灯・歴史への訪問

  • 貧者の一灯・THEライフ

    住民の急激な高齢化で住民同士の支え合いが難しくなる団地は多い。独り暮らしの高齢者が気軽に立ち寄り、ちょっとした不安や体の不調について相談できる場所を作ることで、新たな交流や支え合いを生み出す動きが各地で広がっている。「1人で食べるよりにぎやかでいいわね」「いつもはこんなにゆっくり食べないわよ」。東京都新宿区の都営団地「戸山ハイツ」。団地内の商店街の一角にある「暮らしの保健室」で、高齢の女性たちが昼食を楽しんでいた。保健室は、7年前に空き店舗を改装してオープン。住民の健康や生活の困り事相談などを受けてきた。運営は区内のNPO法人が行い、平日の日中、看護師や住民ボランティアなど30人が交代で常駐する。月2回の昼食会のほか、マッサージやヨガ教室も開かれる団地のたまり場だ。同団地は35棟に約3400世帯が暮らし、...貧者の一灯・THEライフ

  • 貧者の一灯・番外編

    ※角田正和(すみだ・まさかず)(40)は、ひきこもりの人の自立支援をうたう業者が運営する施設で、約半年間働いた経験を持つ。「『救いたい』なんてうそ。彼らがやっているのは犯罪だ」。「引き出し屋」と呼ばれる業者の内実を告発(敬称略、文中の人物、施設は仮名)※…2016年冬。マンション一室で、「全国回復センター」(東京)幹部の面接を受けた。ハローワークで見つけた「施設管理」のアルバイトだった。「本人だけじゃなく、家族も苦しんでいる。彼らを救いたい」「取材がもう何件も来た。来年には『奇跡の回復』というテレビ番組になる」代表の黒木重之(くろき・しげゆき)はセンターの意義を熱っぽく語った。50代の元警察官で、探偵業なども営んできたという。壁に飾られた警視総監や有名国会議員とのツーショット写真が威圧する。アルバイトの主...貧者の一灯・番外編

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、流れ雲のブログさんをフォローしませんか?

ハンドル名
流れ雲のブログさん
ブログタイトル
妄想劇場
フォロー
妄想劇場

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用