恋愛こじらせアラフォー男子が婚活パーティーに参加した体験を追想します
はじめまして。 恋愛マターが好きです。 アラフォー男性の婚活パーティー体験談を書いていきます。 記事左の通し番号順に続くお話です。 よろしくお願いします。
電車を乗り換えて、運よく席に座ることができた。 そこでもう一度、疲れた頭を働かせる。 今後の道筋をつけるためにも、今日の出来事を振り返っておこう。 第一の目的はカップリングすること。 これは達成。 第二の目的はその相手とパーティーの外で時間を共有すること。 これも達成。 その時間で二人の関係を進展させるための手がかりらしきものを得られたかどうか。 ……不明。 相手をより深く知ることはできたが、付き合ってみたいというレベルに達するほどの高波はやってこなかった。 今よりもっと多くの時間を共に過ごせば、徐々にでも高まってくるのだろうか。 そんな気配くらいはあっただろうか。 もう一度会いたいな、とは思…
そのうち停車駅を告げる車内アナウンスが始まって、電車のスピードも落ちていく。 Dさんが降りるまで、あと10秒くらい。 「次ですよね」 「はい」 「今日はありがとうございました」 「こちらこそありがとうございました。楽しかったです」 最後の「楽しかったです」は僕が最初に言うべきだったかもしれない。 そう思ってすぐに「僕も楽しかったです」と付け加えたが、なんだか後出しじゃんけんみたいで不格好だった。 「あとでLINEしますね」 「はい」 「気を付けて帰って下さい」 「駅でちょっと買い物していくので」 「甘いものも買うんですか?」 「バレました?」 その台詞を口にした時のDさんの挑戦的な表情が、一番…
山手線の内回りに揺られながら、窓の外を眺めた。 隣にはDさんが立っているけど、初めのころのような緊張感はなく、過ぎてゆく時間もいい意味でゆるやかに感じられる。 日差しの眩しさに目を背けた拍子に、彼女の水色のペディキュアが目に入った。 綺麗ですね、と言いそうになって、それはやめておく。 マニキュアやネイルアートと違って、直截的な言及を控えさせる何かがあったから。 誰かに見せるのではなく、むしろ自分のために綺麗にしておいた。 そんな感じ。 彼女が乗り換えのために電車を降りるまで、あと二駅に迫っていた。 「パーティーはよく行くんですか?」 普通なら訊きにくい質問が、驚くほど自然に出てくる。 午後から…
婚活パーティーでマッチング、食事の支払いは男性。ですが・・・
普段は婚活パーティーに参加した体験談を小説風に書いてますが、たまには関連トピックについても投稿したいと思います。 今回は、婚活パーティーでマッチング後の食事の支払いに対する、女性のお礼の言葉、について。 要約すると、ささやかな一言が女性としてのあなたの株を上げる、です。 実際の経験をもとに、おすすめの言葉とその理由を書いていきたいと思います。 お支払いは男性。代わりに女性は? まず、食事の支払いは男性。 これは共通認識だと思います(とりわけ初回)。 僕もカップリングした女性とパーティー後に食事に行ったら、全て払ってきました。 私、払います、とすら言われたことがありません(笑) もしかすると女性…
関連する話題で多少話した後、これ以上、Dさんに無理をさせるのも悪いと思って、「時間、まだ大丈夫ですか?」と尋ねた。 彼女が「そんなに時間もないので」と言っていたのを利用したのだ。 口にしてから、この問いかけは少し強引というか強制力が強すぎて、彼女に対して申し訳ない気持ちが湧いてくる。 このような場面で「時間は大丈夫か」と帰りを促されて、まだ話したいことがあったとしても、そうと告げられる女性は少ないだろう。 そのあたりの形式がわかっているから、お互い笑顔にはなれる。 そして、席を立つ前に、形式がもう一つ。 「もしよかったらLINE交換しませんか?」 これも断ることが難しい問いかけだが、訊く方もな…
「私はまあまあです。忙しいですか?」 「たまに残業があって、遅くなったりします。あまりしないようにしてるんだけど、上司がしてるとどうしても」 「私もです」 この話題もたいして盛り上がりそうになかった。 こちらの職種や業務内容を具体的に話して、なにか質問でもしてくれればと思ったが、大きな反応はない。 まだしも「昇給しますか?」くらい訊いてくれた方が、笑えるシチュエーションになるのに。 ……もしかして、僕に興味がない? いや、少なくとも今の段階でそれはないはずだ。 35歳で婚活パーティーに参加する女性。 そこでカップリングした相手とお茶をしている。 その目的は相手の情報収集に他ならないはずで。 つ…
運ばれてきた飲み物に口をつける。 僕はアイスコーヒーで、Dさんはアイスティー。 ストローでミルクを掻き回しながら、同時に頭の中も高速で回転させる。 わかっているのは猫好きだということ。 「猫、飼ってるんですか?」 当たり障りのないことを訊いて、次の話題を捻り出すための時間を稼ぐ。 ペットの次は仕事関係が無難だろう。 たしか職業欄には「一般事務」と書かれていた。 漠然とした記載にしてあるのは、なにか理由があってのことか。 ① あまり突っ込まれたくないから ② 単純に特徴の薄い仕事だから 「実家では飼ってましたけど、今はいないです。飼いたいんですけど」 「今、一人暮らしなんですか?」 「ええ。まだ…
Dさんと並んで歩きつつ、カフェを探した。 いくつか心当たりはあったが、土曜の夕方ということで、混雑が予想される。 「どこも混んでるかもしれませんね」 「そうですね」 「お茶で大丈夫ですか? 食事でしたら少し歩けば知ってますけど」 「あ、お茶でいいです。そんなに時間もないので」 駅前の繁華街だけにカフェや喫茶店は数多くあり、選ばなければ入れる店はあるだろう。 少し歩いたところで、通りに面した喫茶店の窓から店内の空席が見えた。 「ここでいいですか?」 「はい」 お洒落とは言い難い店構えだったが、「そんなに時間もないので」というDさんの言葉が、店を選ぶ難易度を下げてくれていた。 そして、その言葉が軽…
会場の入っている百貨店の玄関口でDさんを待つ。 通常の場合、会場を先に出るのは個室の廊下側に座っている男性の方だ。 女性は全ての男性が出た後で出口に向かうので、姿を現すまでにそれなりの時間がかかる。 さて、この後どこに行こうかな…… 時間は午後三時。 昼食は済んでるだろうから、お茶がいいか。 そして、肝心の話題は…… Dさんのプロフィールを思い出しながら、ふと辺りを見ると、自分と同じようにカップリング相手を待つ人が数人いた。 中には同じパーティーから出てきた男性もいて、はて、相手はどの女性かな? と思わずニヤッとしてしまう。 あのパーティーでの一番の美人さんはDさんだったけど…… そんなくだら…
「お待たせしました! 結果出ましたので、お手元のタブレットをご確認下さい!」 小さく一息ついてから、司会者の言葉に従って画面を更新する。 カップリングするぞ! と気張っていたせいか、普段よりも緊張していた。 すると…… 一瞬、画面が光ったかと思うと、すぐに文字が飛び込んできた。 「おめでとうございます! カップリング成立しました!」 ……よし! ついにきたよ! カップル希望は一人にしか出してないから、相手は自ずと知れた。 でもこんな時って……どうするのが一番いいのかな。 まずはお礼? それとも「下で待ってます」と一言だけの方が、妙な気を遣わなくてお互い楽かな…… そんなことが頭の中を駆け巡る。…
いいなアピールを送信して、その結果が出るまでしばし時間が空く。 Dさんに話しかけたかったが、そこは遠慮しておいた。 もし僕へいいなアピールをくれていたら、なんとなく嬉し恥ずかしだし、もらっていなければ、ちょっとカッコ悪い。 好意を持たれていると勘違いして声を弾ませても、相手にとっては迷惑でしかないだろう。 ちょっと気にしすぎかな、とも思うが、初対面の相手になかなか見栄は捨てられないものだ。 時間を潰すようにグラスに残っているお茶を喉に流し込んだ時、いいなアピールの結果が出たことを場内アナウンスが告げた。 意識して冷静さを保ち、タブレットの画面を更新する。 ……あった。 Dさんからいいなマークが…
まずはいいなアピールの送信。 その相手として、まっさきに隣に座っているDさんを選ぶ。 他の人はどうしようかな…… カップリング自体が目的ならば、ここは多くの人に送っておくべきだ。 アピールがマッチした二人は、互いに良い印象を持っていることがタブレット越しに共通認識として芽生え、カップリングに前進する確率が高くなる。 そもそもDさんからアピールをもらえるとは限らないし、Dさんを含む複数人からもらえた場合は、Dさんを第一希望にしてカップル希望を出せばいいだけだ。 仮に第二、第三希望の人とカップリングしたって、それはそれで喜ばしい。 カップリングする興奮を味わって、すぐにその人との再会が待っている。…
この回の参加女性は12名だった。 9人ほどとトークタイムを終えた時点で、Dさん以外、いいなと思えた女性はいない。 自分のこだわりは緩めたはずなのに…… 勝手にそう思っているだけで、実際にはたいして基準を変えたり下げたりできていないのだろう。 長年のこだわりを捨て去ることは難しいのだ。 それでも気を取り直し、「こんにちは!」と笑顔をつくって次の席に入っていく。 それを残りの席数だけ繰り返してから、最初の席に戻った。 「戻りました」 「おかえりなさい」 優しく応じてくれるDさん。 「おかえりなさい」の言葉に、僕は気恥ずかしくなると同時に、ぎゅっと心を掴まれたような心地になった。 いい奥さんになるん…
上野ラウンジに到着。 受付を済ませて、席に案内される。 時間に余裕を持たせてあるのは、初めての場所で道順が不安だったから、という理由だけではない。 パーティー開始前に参加女性全員のプロフィールに目を通す。 それが第一の目的だ。 プロフィールから明らかになることも、確かにあるのだ。 ここである程度目標を絞って、かといってそれだけには囚われず、席を回遊する。 鳥の目と、虫の目と、魚の目を持って。 早めに到着するもうひとつの理由は、パーティー開始前の時間を使って、相席した人と仲良くなれる好機だから。 これは初回参加で恩恵を被って以降、意識してきたことだが、隣の人が自分と同じように早めに会場に来なかっ…
上野ラウンジに到着。 受付を済ませて、席に案内される。 時間に余裕を持たせてあるのは、初めての場所で道順が不安だったから、という理由だけではない。 パーティー開始前に参加女性全員のプロフィールに目を通す。 それが第一の目的だ。 プロフィールから明らかになることも、確かにあるのだ。 ここである程度目標を絞って、かといってそれだけには囚われず、席を回遊する。 鳥の目と、虫の目と、魚の目を持って。 早めに到着するもうひとつの理由は、パーティー開始前の時間を使って、相席した人と仲良くなれる好機だから。 これは初回参加で恩恵を被って以降、意識してきたことだが、隣の人が自分と同じように早めに会場に来なかっ…
その後の数回のパーティーではカップリングできなかった。 相手があってのことなので、こちらの都合だけで状況は動いてくれない。 そこで、奇抜なアイデアというわけではないが、場所を変えてみようと思った。 まだ一度も参加したことがないラウンジ。 その一つが上野だった。 エリア「上野」で検索すると、次の土曜の希望時間帯にひとつあった。 テーマはたしか「自然体でいられる関係」的なもの。 正直なところ、普段ならあまりそそられる語感ではないが、何かを変えたい時にはむしろ好ましい選択に思えた。 変化という点では、自分のプロフィールにも変更を加える。 これまでの参加経験で、女性の趣味に「旅行」が多いことを学んでい…
Party Partyに登録してひと月ほど過ぎて。 パーティーへの参加は14回を数えていた。 週平均3回以上で、かかった参加費用は7万円くらい。 ひと月で7万円は予算オーバーかな? ちらっと罪悪感が浮かんだが、それは即座に打ち消された。 なにごとも初期費用はかかるものだし、どこかの時点でおだやかになっていくだろう。 第一、出費に見合う価値を見出していた。 この時点ですでに150人以上の女性と出会い、その後に繋がる出会いこそなかったものの、これまで出会い自体が少なかった僕は、それなりにワクワクする時間を過ごしていた。 今回のパーティーではどんな女性に出会えるのだろう、と。 ……しかし。 どうして…
参加2回目のパーティー会場は東京ラウンジだった。 参加費用は前回同様5000円。 パーティー内容はよく憶えてないので、取り立てて印象深い出会いはなかったはずだ。 ただ、パーティーが終了した後、同じパーティに参加していた男性2人と1階へ降りるエレベーターに乗り合わせたが、その時の彼らの会話がなかなか示唆的だった。 「ダメだったな」 「ああ」 「ありえないって」 「なんかなー」 好みの女性がいなかったのか、いたけどカップリングできなくて愚痴が零れたのか、思わず参加女性の顔を思い浮かべて苦笑してしまう。 「この後どうする?」 「さっき夕方のパーティーに申し込んだよ」 「じゃあ俺も。まだ空いてるかな」…
ひとつ、大きく息を吐いてから、今後のことを考える。 手にしたスマホでParty Partyのサイトを開くと、数多くの開催予定のパーティーが現れた。 「容姿に自信があって魅力的」 「気遣い上手でモテそう」 「同じ趣味だから一緒にいられる」 「年下で恋人いそう」 どれも魅力的なテーマだ。 ところで今回初参加を果たしたパーティーのテーマは、「外見が褒められる42歳までの女性」だった。 男性側の見方というか好みの問題で多少の誤差は生じるだろうが、確かに納得はできる。 この点、自分にとってはやはりBさんの存在が大きかった。 どのパーティーに参加しても少なくても1人は、開催テーマに沿った形で、自分の好みの…
4名の方から連絡先が届いています。 Party事務局からのメールにはそう書かれていた。 席番号と名前、そして連絡先のメールアドレス。 パーティーでカップリングしなくても、ここから関係を始めることもできる。 4名を確認すると…… Aさんはなかった。 Bさんもなかった。 Cさんはあった。 他の3名はよく憶えてないが、いいなアピールをもらっていたような気がする。 ここでも様々な感情が湧いて、迷いも生じた。 まずはAさんのこと。 これで完全に接点が断たれた。 自分も連絡先を送ることはできたのに、しなかったのだから、残念だと思う資格さえない。 ただ、微かな悲しみと切なさが残ったのは事実だ。 次にBさん。…
会場を出た僕は、熱気が立ち込める歩道を歩いて、少し離れたスタバに入った。 外気から遮断された涼しい空間が、火照った体に気持ちいい。 緊張によるわずかな疲れと、参加し終えた達成感と、多少の興奮。 それらを静めるように、冷えたアイスコーヒーをストローで吸い込む。 さて、本日の成果は…… 女性の参加人数は予定通りの12人。 そのうち、もらったいいなアピールは7つ。 これは悪くない感触だった。 参加女性はほぼほぼ自分より若く、年収等の諸条件をみても、自分が他の参加男性より優っていたとは思えない。 それでも過半数の女性からもらえたのは、単純に嬉しかった。 もっとも、このいいなアピールは、人によっては挨拶…
「みなさま、カップル希望のご送信ありがとうございました。結果でました!」 悩んで送信した後は早かった。 場内アナウンスに従って画面を操作すると、メッセージが現れる。 「残念ながら今回はカップリング成立しませんでした」 僕が希望を出したのはBさん1人。 つまり、Bさんが僕にカップリング希望を出さなかったということだ。 システム的にいうと、たとえば複数人にカップル希望を出した場合、より上位の人とマッチすれば、そちらとカップリングするだろう。 でもBさんに限っていえば、僕は下位指名もされなかったと想像に難くない。 そして、メッセージには続きがあった。 「カップリングは成立しませんでしたが、3名様から…
見るでもなく自然と隣の席に目がいってしまう。 悩ましげなAさんの横顔。 選り好みしなければ男に苦労しないだろうと思わせるほどには整った顔立ち。 なにより性格がいいと思う。 そして、一番の疑問。 さて、この人は、どの程度の好感をもった相手にカップル希望を出すのだろう。 外見に中身、年齢、年収、将来性にバツの有り無しと、条件をいったらそれこそキリがない。 どこかで線引きをする。 男女を問わず、必ず。 Aさんにカップル希望を出すかどうかの判断において、まさに今、自分も直面している問題だ。 特定の項目に固執するか、総合点を重視するか。 いいなアピールは相互済みで、隣り合った縁もあって雰囲気だって悪くな…
次に会計事務所勤務のCさん。 先ほどの個室でのやりとりが思い出される。 「Cさんに感じている魅力の大きさはどれほどのものなのか」 自分のことなのに、この期に及んでまだ答えを出せていない。 たとえば、自分のことをもっと知ってほしいかと訊かれたら、そうでもない。 彼女のことをもっと知りたいかと訊かれたら、そこそこは知りたい。 でも、あまり深くまでは望んでいない。 知るほどにこちらの責任も大きくなって、どこかの時点で引き返してしまいそうだ。 ……つまり、そういうことなのだ。 うわべだけの付き合いを持ってみたいだけ。 もしCさんとカップリングしたら、それは嬉しいに違いない。 一階の玄関口で彼女と落ち合…
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