恋愛こじらせアラフォー男子が婚活パーティーに参加した体験を追想します
はじめまして。 恋愛マターが好きです。 アラフォー男性の婚活パーティー体験談を書いていきます。 記事左の通し番号順に続くお話です。 よろしくお願いします。
147. 婚活パーティー【体験】結婚を意識した初めての女性(19)
「また、会いましょう」 スプーンでアイスクリームをすくいながら、僕はそう言った。 「はい、是非。いつにしますか?」 「そうですね……次の休みの日に」 「それ、いつですか?」 「え~と、そうですね……いつ、お休みですか?」 そう訊くしかなかった。 休みの日が合わないとわかっていながら。 「来週の水曜です」 「水曜ですか……ちなみに、土日ってわけには……」 「来週は土曜も休みなんですけど」 「え、だったらその日で!」 「友達と遊びに行くんです。もう約束しちゃってて」 「そ、そうなんですか。だったら仕方ない……」 様々な感情が湧き起こる中、なんとか平静を保って、でしたら後でメールします、とだけ言って…
146. 婚活パーティー【体験】結婚を意識した初めての女性(18)
来週、と約束したものの、再会の日が訪れたのは3週間も後だった。 普通の会社員である僕の休みが土日祝である一方で、販売職に就いている2番さんの休みはむしろ平日。 お互い、会うための都合をつけることができず、予定は後ろ倒しになっていった。 有給を取るべきか。 彼女とのLINEのやりとりの中で、直接その言葉は出なかったけど、ともに意識はしていたはず。 少なくとも彼女は期待していたに違いない。 自分の休みの日に僕が有給を取ることを。 それでも、僕は取らなかった。 心のどこかで、のめり込みすぎるのはよくないと思っていたから。 だめだったときの反動を恐れた。 結果、会えたのは3週間後の日曜の夕方。 どちら…
145. 婚活パーティー【体験】結婚を意識した初めての女性(17)
カフェを出た僕と2番さんは、駅までの短い道を並んで歩いた。 外は寒かったけど、気持ちは温かだった。 ホームが反対方向だったので、駅の構内で立ち止まって別れの挨拶を交わす。 「じゃ、もしよかったら、また近いうちに」 「よろしくお願いします」 「LINEしますね」 ちょこんと頭を下げる彼女に手を振って、ホームへの階段を上がっていく。 混んでいる電車に揺られながら、ふと思う。 彼女と付き合うのだろうか。 事を急ぎすぎると、見失うものも出てくる。 それは自分の本心だったり、相手の気持ちだったり、環境的なものだったり。 お互い、それなりに大人のせいか、わざと控えめな態度の中で、直情的にはならない。 小さ…
144. 婚活パーティー【体験】結婚を意識した初めての女性(16)
無理をしている笑顔に、僕の胸は締め付けられた。 彼女なりに苦しんできたことに気付いて、根掘り葉掘り興味本位で訊いてしまったことを後悔する。 それでも、2番さんの心根というか素顔が見れた気がして、これでよかったのだと思える。 付き合いたい。 そんな気持ちが湧き上がってきたとき、私もう35歳なのに、どうしようもないな、と彼女は顔を傾けた。 「そんなことないです。まだまだ十分に若いですよ。美人さんだし」 「でも私、片親を亡くしてるんですけど、33歳でした。もうその歳を超えてます」 「自分が親になっていてもおかしくないのに、ですか」 「まぁ、一般的にはそうですよね。自分が親になるっていうのは、ちょっと…
143. 婚活パーティー【体験】結婚を意識した初めての女性(15)
「彼氏さんと別れて、パーティーに参加したんでしたっけ。吹っ切るために」 「そうなんです」 「ちなみに職場の方だったんですか?」 「ん、まぁ……」 少し口ごもった感じ。 「上司ですか?」 「わかりますか?」 「年下と付き合うのは想像できないので」 「ですよね。私、精神年齢はきっと低くて」 「……奥さんとかいる人だったとか?」 「……奥さんはいなかったけど、その……」 彼女はいたのだろう。 職場に男性が少ないということは、逆に男性は必然的にモテる環境といえる。 たいしていい男でなくても、同僚女性との争奪戦で火が付いて、なんてこともありそう。 いい職場だな‥‥…! でも、吹っ切るためにパーティーに参…
142. 婚活パーティー【体験】結婚を意識した初めての女性(14)
「えっと、いいねの方は、もらえなかったのが1人です」 今回のパーティーは当初、男女16対16だったところ、2名追加されて18人同士になった。 18人中、17人からいいなアピールを受けたことになる。 これは多いようで、それほど珍しいことではない。 ちょっと可愛かったら、とりあえずアピールしておこう…… 男性参加者の共通心理。 より重要で真剣度がわかるのはカップル希望だ。 「カップル希望の方はどうでした?」 「そっちは……少し減って15名でした」 「へぇ、それでもすごいですね!」 「そうですか?」 「はい。モテモテです」 そんな、と顔の前で手を振る彼女を見ながら、やっぱり職場の環境なんだろうな、と…
141. 婚活パーティー【体験】結婚を意識した初めての女性(13)
そっか、ついこの前まで付き合ってた男がいたんだ。 おそらく、多くの男性はそう思う。 彼氏くらいいたって別に普通なのに、それで反感を受けてしまうのが婚活パーティーだったりする。 長年つきあっていた彼女と別れたので参加しました。よろしくお願いします。 もし僕がこんな紹介文を書いたら、カップリングどころかドン引きされるのが落ちだ。 そのあたりの感覚に乏しい2番さんだけど、そこがまた可愛く思えるから仕方ない。 「今日はありがとうございました。でも僕なんかでよかったのかな」 「え、そんなこと。選んでもらえて嬉しかったですよ?」 「でもきっと、いいねとかカップル希望、いっぱいもらえてたんじゃないですか?」…
140. 婚活パーティー【体験】結婚を意識した初めての女性(12)
ロビーで2番さんと再会した時には、すでに20時近かった。 「どこかで食事でもどうですか?」 2番さんが顔に手を当てて少し迷うような仕草をしたので、遅くなるのがあれでしたらお茶だけでも、と付け加えた。 翌日に仕事を控えた日曜の夜。 なんとなく落ち着かないのは僕も同じだった。 今から何もしないで帰っても、21時を回るのは確実だ。 「30分くらいで切り上げましょう」 僕がそう言うと、2番さんも表情を崩して、はい、行きます、と同意してくれた。 入ったカフェは暗めの照明が落ち着いた雰囲気をつくっていて、さりげなく二人を恋人らしく演出する。 向かい合って座る2番さんの唇は、パーティー会場で見たときより、薄…
139. 婚活パーティー【体験】結婚を意識した初めての女性(11)
2番さんを第一希望に。 それだけを選んでカップル希望の提出を済ませた。 グラスを手に取ったけど、中身はすでになく、空のまま元の場所に戻す。 彼女も送信を終えたようだ。 雰囲気でそれがわかったけど、会話をするのはためらわれる。 相手を選んだかどうか互いにわからない状況で、どういうニュアンスで話せばいいのか、非常に気を遣うから。 だったら何も口にしないのが無難。 だから手持ち無沙汰にならないように、意味もなくタブレットの画面を弾いた。 「お待たせしました! カップル希望の結果でました! お手元のタブレットをご確認下さい!」 そのまま指を動かして、一思いに画面をタップする。 「おめでとうございます!…
138. 婚活パーティー【体験】結婚を意識した初めての女性(10)
そのアナウンスが聞こえてきて、タブレットの画面を切り替える。 ……あった。 人知れず胸を撫で下ろす。 当然、隣の2番さんも僕からのいいなアピールを受け取っているので、気になって横顔を覗こうとしたら、思わず目が合った。 お互い、照れながら軽く頭を下げる。 「あ、ありがとうございました」 「いえ、私も。ありがとうございました」 事は順調に運んでいる。 いまの感触を当てにすれば、カップリングできるかもしれない。 その一方で、2番さんに少し悪い気もしてきた。 もしかしたら、僕へカップル希望を出すことを、強制してしまっているのではないかと。 たしかにトークタイムが盛り上がったからといって必ずカップリング…
137. 婚活パーティー【体験】結婚を意識した初めての女性(9)
すぐにいいなアピールの送信時間になって、迷っているふりをしてそっと隣を窺う。 あんなに盛り上がったんだ、もちろんもらえるよね。 ライブBDを交換するって約束もしたわけだし…… それでも一抹の不安が残るのは、これまでの経験が絶対はないと教えているからだ。 どんなにトークタイムで盛り上がっても、カップリングどころかいいなアピールさえもらえないことも何度かあった。 つまり、盛り上がったのは自分だけで、相手はお付き合いの愛想笑い。 演技派の女性だと、これを見分けるのは存外、難しい。 ただ…… 隣の2番さんは演技派ではないと言い切れる。 大人びた様子も背伸びしているとわかってしまうし、どちらかといえばす…
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