chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
人生は花鳥風月 https://saga135.hatenablog.jp/

自分の趣味であるギャンブルや読書、水泳、魚釣り、ゲーム、動画鑑賞等を中心に世相や人生観、様々な事を綴っています。 言ってみれば何でもありなブログです。

SAGA
フォロー
住所
未設定
出身
未設定
ブログ村参加

2021/01/18

arrow_drop_down
  • 汐の情景 二十八話

    貧しいようで豊か。裕福なようで貧困。世の無常の中にも特に日本という国はそういう漠然性を帯びているような気がする。 それは好不況だけといった経済的な概念で表される単純なものだけでなく、人が皮膚感覚で覚える世界観のようなもので、個人差はあれど戦後目覚ましい発展を遂げて来た日本を客観的、総体的に見た場合、真に裕福な国だと言い切れる者など居ないようにも思える。 資源が余り取れない日本に景気の安定性を求めるのも或る意味では酷な話かもしれないが、だからといって外国を羨んだり、市場の近代化、西洋化だけを図ろうとする短絡的思考には嘲笑を禁じ得ない。 真のグローバリズム、国際化社会というものはあくまでも自国の文…

  • 汐の情景 二十七話

    仕事を辞めてからというもの、英和は毎日を暇潰しのような感覚で過ごしていた。それはともすると人生自体が暇潰しに過ぎないといった余りにも虚しい、惰性的で悲観的な考え方をも生じさせる。 それもその筈。仕事もせずギャンブルに明け暮れ、何の目的意識も持たない自堕落な日々を送る事は人間の精神を腐敗させるに十分で、意思も神経も何も通っていない、謂わば生ける屍同然なのである。 たとえギャンブルで儲けた所でそんなものはあくまでも偶然性に依って齎された一時的な幸運に過ぎず、仮に一攫千金を成し得たとしても真に心が充たされる事もなければ倖せを手に掴んだ事にも成らないだろう。 その辺の道理、理屈を理解しているからこそ苦…

  • ボートレースに見るスポーツ美学 ~人生観

    奔流に 抗う姿 美しく(含笑) 美に耽ると書いて耽美。自分の事を棚に上げて言うのも烏滸がましいのですが、ギャンブルの対象であるボートレースにまで美を追求してしまうのは不遜でしょうか。 所詮はギャンブル。そこに身を窶す者としては儲かれば良いだけの話のようにも思えますが、果たしてその限りでしょうか。自分にはそうは思えません。 何故か。たかがギャンブルされどギャンブルで舟券の買い方は無論の事、走っている選手達も当然プロのレーサーです。つまりはレース、競技な訳です。とするならば他のスポーツ同様、美的感覚を以て希(のぞ)まなければならないという論理も一応は成り立つと思います 😒 ま、今日は柔らかい話なの…

  • 汐の情景 二十六話

    陰と陽。速さ遅さ。強さ弱さ、脆さ。これら世に現存する様々な対照は相反性だけを表すものではなく、それ自体が二極一対、表裏一体で、どちらか片方だけでは成り立たない、片方だけが存在する事は不可能だろう。 だが普通の人間なら良い方だけを選び、悪い方にはなるべく目を向けようとしない。つまりこの時点でその者の弱さが表れている事は明白で、如何に人間の情が働いているとはいえ、その内なる弱さに意識的に目を向けない事には真の意味での進化は遂げられないとも思える。 言うは易し行うは難しでそう簡単に出来る事でもない。そこにこそ人の世の苦行とも言える幾多の障壁、困難があり、希もうが希むまいが次々に立ちはだかるバラエティ…

  • 汐の情景 二十五話

    まだ時間に余裕があった英和は帰る途中にそのまま村上と会う事にした。仕事の影響があるとはいえ、人と会う時は何時も夕暮れ時になる事を宿命と感じながら。 艶やかな髪を風に靡かせながら相変わらずの清々しい顔をして現れた村上の様子に不審な点はなかったが、微笑を浮かべながらも少し神妙な面持ちで相対する英和。 立ち話もなんだからという事で二人は取り合えず喫茶店に入る事にした。 窓際じゃないと落ち着かない英和も相変わらずだった。窓外から差し込む眩しい夕日は二人の顔を必要以上にライトアップし、その繊細な表情の変化までは見抜けない。でもそれが却って気を遣わせない材料になっていたのも事実で、気兼ねなく膝を交えて話を…

  • 汐の情景 二十四話

    一行は後味の悪い思いで店を出て、親方の指示で一度事務所に戻った。閑散とした夜半の誰もいない事務所には仕事に使われる資材や道具などが淋しく横たわっていた。 静寂に立ち尽くす一同に対し、親方は満を持して辛辣な表情で問い質す。 「お前ら、何時もこんな感じなんか? 俺の知らん所でクソ下らん人間関係でも構築しとんかいやオラ!? おー! どないやねん!?」 誰も答ようとしない中で、既に腹を括っていた英和だけが泰然たる態度で口を開く。 「親方、皆さん、本当にすいませんでした、この通りです、自分が辞めます、これでケジメをさせて下さい」 親方は溜め息をついて英和の顔をじっと見つめていた。どう見ても本心に違いない…

  • 汐の情景 二十三話

    工務店に新しい職人が入って来た。職人といっても素人の見習いで、大卒であるにも関わらず大工になりたいという単純な志望動機で入社して来たらしい。 村上健司というその男は実に礼儀正しく凛々しく聡明で、それでいながら可愛らしい顔立ちをしており、毅然とした態度で朗らかに話す姿は異性は勿論、男から見ても惚れ惚れするような爽快感を漂わせていた。 「初めまして村上健司です、宜しくお願いいたします」 眉目秀麗にして明朗快活。その溢れんばかりの美貌と陽気さに見惚れて口々に称賛の声をあげる職人達。ただその中に一人怪訝そうな顔つきで揶揄する者がいた。 「お前、来るとこ間違えたんちゃうか? ここはモデル事務所ちゃうでな…

  • 汐の情景 二十二話

    三章 風が吹き付ける。そして当たり前のように流れ去って行く。川水も、海の潮汐も、人も動物も時も、森羅万象全てが一時たりとも留まる事なく常に変化しながら生滅を繰り返し世の無常を物語っている。 不変性を夢見る者の心情に己惚れがあろうとも、そうありたいと願う心意気に偽りはなく、天為に準じ幾多の試練に立ち向かいながら己が信条を貫こうとする健気な姿にも美を感じなくはない。 歳月人を待たず。二十代に別れを告げもはや35になる年を迎えた英和は、その月日の流れる速さに戸惑い、亦儚むようにして良く言えば仙人、悪く言えば世捨て人のような情調で万感の思いを胸に秘めながら日々を過ごしていたのだった。 こんな風に物事を…

  • 今週のお題 ~私が三島由紀夫にハる10の理由

    はてなブログ10周年特別お題「私が◯◯にハマる10の理由」 風吹けば 靡く心の 潔さ(憫笑) 晩秋の候、皆様方におかれましては益々御健勝のこととお慶び申し上げます。 今日は久しぶりにお題に挑戦してみたいと思います。アホの一つ覚えで小説ばかり書いていても肩がこりますしね。ま、楽に書く事が出来ていない時点で自分もまだまだ未熟だという話なんですよね。肩の力を抜いて行きましょう 😒 とはいえまた少々硬い話になる可能性は否定出来きないので悪しからず。 テーマは自分が尊敬してやまない三島由紀夫大先生についてですね。ハマる理由と言われてもはっきり言って理屈抜きな感性に依るものだと思う訳なのですが、せっかくな…

  • 汐の情景 二十一話

    英和としてはひとり酒に浸りたい気分だった。家ではなく店で。それは駅やパチンコ店などで感じる群衆の中の孤独感みたいなものだろうか。それを良質なもので提供してくれる場所も今では少なく感じる。 だがそれは裏を返せば自分の世界を見出し、確立する事が出来ない己が非才を反証するようなもので、予期しなかった直子の到来はそんな悲観的思考を緩和してくれる。 彼女はシャンパンカクテルなる洒落た飲み物を注文していた。その黄金色に輝く液体は正にシャンパンゴールドといった高貴な煌きを放ち、浮かび上がる無数の泡沫には化学的にも自然な浪漫が感じられる。 英和はこの炭酸の音を聴くのが好きだった。グラスに耳を当てるとハイボール…

  • 汐の情景 二十話

    無気力無関心な為人でありながら正月が大好きであった英和にとって、昨今の日本の正月感の稀薄さは憂うるに足る空虚な淋しさを投げ掛けているように感じられた。 自分が幼い頃は駒回しに凧あげ、歌留多に百人一首に羽根つき、餅つき、そして年末年始恒例の大型時代劇やかくし芸等々、如何にも正月と言わんばかりの風物詩が目白押しで一年を通しても一番気が逸る時でもあった。 それが今ではしめ縄すら余り見かけない。しめ縄を付けている車などは皆無といって良いだろう。勿論初日の出を拝む人達や初詣、雑煮、おせちなどは今でも遺ってはいるものの何処か物足りなさを感じてしまう。こんな風に昔を懐かしんでいる時点で彼も所詮は時代錯誤でネ…

  • 汐の情景 十九話

    数日後の或る朝、英和は仕事現場へ向かう道中に車を運転していた康明の様子を訝らずにはいられなかった。 口笛を吹きながら運転する彼のテンションは必要以上に高く感じられる。車中に流れる音楽のボリュームも何時もより大きい。違和感を覚えた英和は素直に問う。 「何や、えらい上機嫌やんけ、何かええ事でもあったんかいや?」 「ま~な」 康明はそれだけを答え軽快な捌きで車を走らせる。他人を干渉するのが嫌いな英和であってもこの耳を劈くような烈しい音楽を朝から聴かされるのは少々堪える。以前なら直ぐにでも文をつけていたであろう彼にも、親方が倒れてからは何処となく慎重な様子が窺える。 結局は何も言わなかったし言えなかっ…

  • 汐の情景 十八話

    まだ日も昇らない外の仄暗い景色はその寒さと共に英和の純粋な焦燥を煽って来る。夢から覚めたばかりの彼には未だに現実との区別がはっきりつかないのか、まるで夢の続きを演じさせられているような思いで康明から訊いていた病院に急行する雰囲気が感じられる。 折よく降って来た粉雪は夢で見たそれとは全く違う憂愁感だけを漂わせ、黒い地面と立ち並ぶ家々は当たり前の実社会を淡々と顕現させていた。 何の情緒も表さないこの雪を鬱陶しく感じた英和は無心に勤めながらひた走り、病院に辿り着く。近所でそこそこ有名なこの総合病院は規模は小さいながらも親切な対応に定評があり、時間外で更に面識のない英和に対してもその只ならぬ様子を察し…

  • 汐の情景 十七話

    「はぁ~......」 道中で先程から何度となく耳にする義久の溜め息。英和には単にパチンコに負けた悲嘆だけを表しているようには思えなかった。 人が時として覚える嫌な予感とは当たり易いものなのだろうか。逆に良い予感などは当たらないどころか、した事すら殆ど記憶にない。 それは取りも直さず英和という男の小心で悲観的な人物像が窺い知れる自明の理で、哀れむに足る苦労性など廃棄した方が良いというのが皮肉を込めた世間の一般論かもしれない。さりとて本能や理性、偶然必然を問わずそれを感じる事が出来る、元来人間に備わった性能というものも実に侮り難いもので、その性能無くしては備えあれば憂いなしという故事なども成り立…

  • 汐の情景 十六話

    何も考えなくていい。何も思わなくていい。何も感じなくていい。そんな心理状況になれる場所とはどんな所だろうか。 出来るだけ広く、殺風景で、綺麗でもなければ醜くもない大した印象を受けない場所とは。例えば見渡す限り緑が広がる一面の野原。樹々や草花さえもない荒野。何処までも続く砂漠。凪に見る静寂閑雅な海。幻想的な湖。一応は何処からでも見える青空。 無論それらにも人を無心にさせる完全な力などはない。でも多少なりともそんな気持ちに成りたい者の手助けにはなるだろう。 内外ともにシンプル好きであった英和には何時もそんな場所を求めて彷徨っていたような節があった。それこそが潔癖な証かもしれない。ただ人間には時とし…

  • 汐の情景 十五話

    夜の帷が下りる頃、恋人達の心には自然と愛の焔が灯される。先程の黄昏れに物足りなさを感じ、亦煽動されるようにして英和と直子はまた無意識の裡に人目を避けながら現世のエリシオンを目指して歩き出していた。 吹き付ける風は二人の共通意識と相乗し不規則な流れで辺りを巡回し、俄かに芽生えた静寂を打ち破らんとする意思は小規模ながらも鮮烈な嵐を呼び起こす。 部屋に入っても灯りを付けようとしない英和の思惑の大凡は直子にも理解出来ていた。如何にも気障ったらしい赴きではあるが、まずは互いの心情を確かめない事には身体が動かない。それは何も畏まって順番という形式的な段取りを遂行しようとしたのではなく、ただ単に時にはこんな…

  • 汐の情景 十四話

    或る日英和は仕事の休憩中に親方である康明の親御さんから苦言を受ける。 「英和君、ええ加減博打は辞めといた方がええで、お母さんも心配しとうと思うし」 仕事以外、いや仕事も含めて苦言を呈された事など初めてではなかろうか。だからこそその言葉には何倍もの力が感じられ、その胸に烈しいまでの戦慄を投げ掛けて来る。 英和はとてもじゃないが反論する気にはなれなかった。それは親方の温厚な人柄は言うに及ばず、良心の呵責も然ることながら、母の事を他者から言われた時に感じた想像以上の気恥しさ哀しさが募った自己憐憫に依るものだった。 その場に居た康明は言われている英和の顔を内心を探るような目つきで見つめていた。親方の前…

  • 汐の情景 十三話

    海中に見る美しい光景。小魚の群れが一団となって素早く華麗に舞い上がる姿は見るものを圧倒する。 まるで鍛え上げられた騎馬隊のような、或いは入念な稽古を熟した踊り子のような。この魚群というものはそんな練習でもした上でここまでの舞台を演じているのだろうか、それとも意図せずに自然に身に付いた業なのだろうか。 鮮やかなに彩られた一団の姿は精妙巧緻にして優雅、勇ましくも繊細な優美な曲線を描きながら海の中を縦横無尽に踊り続ける。 天衣無縫とはこの事か。生まれたての天使がその澄み切った心根で表す有形無形の動作は正に天為とも言うべく神々しいまでの光を放ち、些かの邪念すら寄せ付けないであろう華奢ながらもしなやかで…

  • 立冬 ~読書週間

    晩秋に 凛と佇む 霜月よ(笑) いやいや、相変わらず短い春と秋という感じもしますが、移り行く四季にこそ日本特有の花鳥風月があると思えば謝意を示すに躊躇うものではありません^^ という事で(どういう事やねん!?)、久しぶりに小説以外の記事でも綴ってみようかなと思います。 といっても何時もの記念日ネタなんですけどね 😒 ま、今日11月7日は結構多くの記念、行事があるみたいですから書き応えはあるかなという所ですかね^^ 立冬 「立冬(りっとう)」は、「二十四節気」の一つで第19番目にあたる。現在広まっている定気法では太陽黄経が225度のときで11月7日頃。 「立冬」の日付は、近年では11月7日または…

  • 汐の情景 十二話

    二章 送る月日に関守なし。気がつけば春、気がつけば夏、秋、冬と、人という生命には情緒的にも少し呑気な感傷にふける習慣があるように思える。 それは当然年齢にも直接影響して来る訳で、数えで25歳になる春を迎えた英和は花見の時期が終わった頃合いを見計らって、少し離れた場所から散り行く桜の姿を呆然とした表情で独り眺めていた。 敢えて距離を取っていた理由の一つは荘厳な山々と同じく余り間近過ぎるとその美しさが損なわれるのではないかといった相変わらずの繊細な気質に依るもので、一つは一人で花見でもしているのかと思われる憐みを嫌う気恥しさから来るものだった。 優しい風にさえ攫われそうな一片の桜の葉は、その可憐に…

  • 汐の情景 十一話

    大会が終わって数日後、部活動が始まる前に顧問の先生が例の約束を果たしてくれる。てっきり大会場から帰る時に奢って貰えると高を括っていた英和はこの時間差攻撃を喰らわして来た先生のお手々に嫉妬してはいたものの、律儀に約束を果たそうとするその心意気には少なからず敬服していた。先生は言う。 「おう林田、奢ったるわ、食堂行こうや!」 まさかとは思ったが学校の食堂で奢ってくれるというのか。今学校に居る訳だからその可能性は十分予期出来たまでも、それを実行する先生の思惑とは一体何だったのだろうか。単に経済的な意味でそうせざるを得なかったのか、それとも初めからそのつもりで己がセンスをひけらかしたかったのか。 食堂…

  • 汐の情景 十話

    或る日英和は何時も通っていた銭湯でばったり義久と出会う。彼の底を見せぬ相変わらずの無表情な顔つきには未だに釈然としないものがあったが、どうせパチンコで負けたであろうと予測する英和は貸した金が返って来る事に期待はしなかった。 風呂場に入った時点で何か人の視線を感じる。他人に干渉する事を嫌う英和は毅然とした態度を崩さなかったが、知り合いの常連客の一人が声を掛けて来た。 「おい、お前そのケツどないしたんや? 真っ白やんけ!」 笑いながら訊いて来るその者に一瞬動じた英和だったが、よくよく自分の身体を見てみると確かに腰から下、股にかけての部分だけが真っ白になっている事に気付く。それは部活動で穿いていた水…

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、SAGAさんをフォローしませんか?

ハンドル名
SAGAさん
ブログタイトル
人生は花鳥風月
フォロー
人生は花鳥風月

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用