映画製作者はよく「映画館を守ろう」と言います。先日のアカデミー賞で監督賞を受賞したショーン・ベイカーもそんなことを言っていました。 私自身、映画は好きです。それでも、この主張には納得できたことがありません。私の中では、なぜ「映画館を守る」ことが「映画を守る」ことに繋がるのかさっぱりわからないのです。 もし、映画館が今この瞬間にすべてなくなったら映画文化は壊滅的になるでしょう。それはわかります。なぜなら現状の映画ビジネスは映画館での興行収入を軸にして回っているからです。映画館がなくなれば映画製作者の収入はゼロになってしまいます。コロナ禍の時期がまさにそうであったように。 でも、数十年後であれば、…