北海道の中規模病院で勤務する循環器内科医のうし先生です。医学的なことや時事的なことを個人的な意見をもとに、お金や北海道のことなど幅広く伝えていけたらと思っています。
こんにちは、うしです。 今回はこの抗生剤が処方されていたら注意ということで、業界では有名なあの観点から非医療者向けに書いてみます。 そもそも抗生剤(抗菌薬)とは、 体内の細菌(ウイルスではない)を減らす目的で使用するもの、と言ったらいいかなと思います。 ポイントは、細菌は体の中で良くも悪くも共存しており、全て死滅させることは害ということです。 具体的に言うと、 口腔内には口腔内の常在菌がいて、いい意味では口腔内環境を保ってくれています。これを抗生剤で死滅させると口腔内カンジダになったりします(悪いカビが生えたりします)。 大腸などにも善玉菌などいて、腸内環境を保ってくれています。抗生剤を使用す…
こんにちは、うしです。 今回は、前回に関連して、12誘導心電図の読み方を書かせてもらうと思います。 自分は合計して10冊以上心電図の本を読みましたし、学生の頃に病棟の患者さんの心電図読影など行っていました。 今ではYouTubeでもたくさん心電図の解説動画があり、わかりやすいなあと思います(笑) ただし、あまり本にも書いていない、歯がゆいことがたくさんあります。 それが、心電図をとった目的が書かれていない!、ということ。 今回は、循環器以外のスタッフ向けに、目的ごとに心電図の読むポイントを解説したいと思います。 細かい心電図の読み方や波形の形などはほかの記事を参照いただけたらと思います。 その…
こんにちは、うしです。 おぎやはぎのおぎさんが腎細胞がんになったとニュースになっていましたね。 残念なことでありますが、報道ではこのようなことを言っていました。 「おぎさんは病院好きで、しっかり健診など検査を受けていた。今回は片頭痛の入院でたまたま見つかった」 不謹慎ながら、(早期に見つかって)ラッキーだと思いました。 そもそも健診の目的や、何がわかるか(何がわからないか)などを率直に書いていきたいと思います。 ●健診の目的 これは字のごとく、健康であるか診断する、ということで、まあその通りなのです(笑) ただし、そもそもの健診の目的というのは、 公衆衛生的(集団的)に死亡率を減らせるか、とい…
こんにちは、うしです。 前回に引き続き今回は胃瘻(胃ろう)を中心に、口から栄養摂取不良なときの治療法と、本来すべき選択を、ブログだからこそ書ける内容として書いていきたいと思います。 医療関係者はもちろん、一般の方も、また家族に同様の選択を迫られてる方がいらっしゃったら参考にしていただけたら幸いです。 特にがんなどの終末期には、以下の3つの方法に皮下点滴や経口摂取のみかを相談することが多いので、まず用語から書いていきます。 ●胃ろうとは 胃に穴を開けて、胃へ直接点滴や注入などで栄養や水分、薬剤を投与する方法のことを言います。 イメージはこんな感じですね。 作成の方法としては、外科的な回復手術では…
こんにちは、うしです。 今回は、点滴について書いてみたいと思います。 非医療関係者向けに書くつもりですが、医療関係の人にも共感もらえるかもしれないので、よかったら最後までよろしくお願いします。 点滴の細かい使い方というよりは、水分、栄養摂取という側面で書くつもりです。 ●点滴の種類 とは言ってもおおよその点滴の種類を書かないと述べにくいため、書きます。 非常にざっくりですが。 開始液 ソリタ1号液など。カリウムが入っていない点滴。病状わからない人にとりあえず無難に使えるようなイメージです。 維持液 ナトリウムやカリウムなどほどほどに入っておりこれら電解質補給という意味では1500-2000ml…
こんにちは、うしです。 前回は人工呼吸器と気管切開の話を書きました。それに関連して、少し重たいテーマでかつ、色々な誤解なども多いテーマですが、胸骨圧迫(心臓マッサージ)やその他蘇生行為や延命行為について、書きたいと思います。 医療者と非医療者(終末期患者さんの家族の方も含む)どちらにも伝えられるように書いてみます。 ●蘇生行為とは 蘇生行為とは、以下のもののことを言います。市民向けで街中でもできるBLS(1次救命処置)と院内で医療者が行うACLS(2次救命処置)に主に分かれています。 例外や細かいやり方がありますが、紹介のため簡単に書きます。 【BLS】 気道確保…頭部を後屈して顎先を挙上して…
こんにちは、うしです。 また残念ながら、残念な発言があり、話題になっていますね。 今回はこれに関連して、気管挿管・人工呼吸器と気管切開について、循環器内科医ではありますが、「本当の落とし穴」という側面からも書いていこうと思います。 ちなみに、この発言については非常に反響(悪い意味で)がありましたが 新型コロナウイルスによる重症肺炎においては、間違った発言ではないと考えています。 (自分が知事なら大衆でこんなことを言いませんが) まず肺炎などで呼吸不全→低酸素血症がある場合は酸素投与をします。 少量の場合は鼻カニュラという鼻から、高容量の場合は酸素マスクを装着します。 それでも酸素化が維持できず…
こんにちは、うしです。 今回は前回のブログの続きで、そもそも優秀な医者とは何か、見分けられるのかということを、医者側の目線で書いていきたいと思います。 自分は内科医なのですが、(自分のことはさておき)、内科医の中で診療の質やレベルが違うかというと、 これ実は、医者によって全然違うと思います、ここだけの話(笑) そして前提として、特に内科に関していうと 非医療者からしたら優秀な医者かどうかを見分けるのはほとんど困難だと思います。 たとえて言うと、そこにいるエンジニアが優秀かどうかは自分には全然わかりません。それと同じかと思います。 ただし、何をもって優秀か、優秀であるべきかどうかは人によって変わ…
こんにちは、うしです。 先日オンライン診療の記事を書きましたが、そのあと(少し情弱でしたが)、LINEヘルスケアというもののニュースがときおり取り上げられていたため、 医者目線で率直に感想と、今後の可能性について書いてみます。 まず問題になった記事の1例を貼っておきます。 診療や診断をするサービスではない… LINEヘルスケアの不適切発言、利用者と医師の“ズレ”も課題か ABEMA TIMES LINEヘルスケアとは つまり以下のようなもののようですね。 ・LINEを用いて ・現役の医師にオンラインでの相談が可能で ・内科、小児科、産婦人科、整形外科、皮膚科、耳鼻咽喉科から選ぶことができ …
こんにちは、うしです。 今回は、オンライン診療をテーマに、どこでオンライン診療が行われているのか、どう活用すればいいのか、また今後どのようになっていく(べき)かなどを書いていこうと思います。 ちなみに、日本はオンライン診療が遅れているようで、海外のほうがよっぽど盛んなようです。 その理由ははっきりわかりませんが、日本医師会が反対しているようで、とりあえず、特に初診は情報もなく、大変危険だと主張しているようです。 んー、理由になっていないような…(笑) しかし、今回のコロナ騒動で(以前から実は国内でもオンライン診療があったようですが)、規制が緩和されました。 厚生労働省のホームページにも現時点で…
こんにちは、うしです。 特にこれといった話題がないときは、ニュースの記事をみて、自分なりに発信しようと思います。 と言っても、特に医療系は最近はほとんどコロナのニュースばかりですね。 今日はこれにしました。 PCR 検査 結果 待たずに 患者手術、 途中で 陽性判明… 執刀 医 ら 自宅 待機に 神戸 市立 医療 センター https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202007/0013561256.shtml ニュースには詳しい情報は書いていませんが、とりあえず、手術前に新型コロナウイルスのPCR検査を施行し、結果は出ていなかったが患者の健康状態に問題がなか…
こんにちは、うしです。 今日は自分の思ういい病院の見分け方について書いてみようと思います。 その前に、とりあえずGoogle先生に聞いてみました(笑) だいたい以下が見るポイントのようなことが書いてありました。 ・あいさつ ・服装 ・患者の羞恥心やプライバシーへの配慮 ・話し方 ・質問に答えてくれるか ・検査データ貸し出しを渋らないか などなど。 うーん、まあどれも、当たり前のことではありますね(笑) 自分の病院や、自分の診療がなんて言われてるかは知らないです。 早口で滑舌が悪いとは言われてるかもしれません、気をつけているのですが(笑) そんなこんなですが、とりあえず少し目線をかえながら、病院…
こんにちは、うしです。 ポピドンヨード製剤(通称 イソジン)のうがい薬を使用してはいけない本当の理由ということで記事を書きます。 最近いろいろなニュースもあり、とりあえず効かないかもよ!ということは周知されつつありますが…。1つまとめの記事を貼っておきます。 イソジンは本当に効くのか!? 売り切れ相次ぎ株価は急騰… 医学博士・中原英臣氏「重症化予防には懐疑的」 - zakzak:夕刊フジ公式サイト ざっくり言うと、 ・大阪で41人(という小規模な)軽症コロナの人たちに1日4回イソジンのうがい薬を使用したものとしなかったものを比較 ・うがい薬を使用すると、しなかった場合のPCR陽性 40%→9%…
こんにちは、うしです。 今日はちょうど以下のような記事が出たので、Apple Watchの心電図の続きとして、循環器内科目線ですげ書いてみました。 医療関係の方はもちろん、Apple社に興味ある方は特に前回に引き続き読んでもらえたら幸いです。 新 アップル ウオッチに 「コロナとの 戦いに 役立つ機能」 搭載へ https://forbesjapan.com/articles/detail/36230 記事としては、新しいApple Watchのしんきのうとして、血中酸素飽和度が測れるらしい!ということです。 血中酸素飽和度(SpO2)とは、心臓から全身に運ばれる血液の中を流れている赤血球に含…
こんにちは、うしです。 最近のコロナの話から少しはずれて、今回は循環器らしいこととして、モニター心電図のことについて書いてみようと思います。 今回は少し医療者向けかもしれません、その他のDr.には少し恥ずかしい記事かもしれませんが、間違っていてもそっとしておいてあげてください(笑) そして、次の記事でApple Watchの心電図について書こうと思っており、その準備記事でもあるので、医療者でなくても、読み物として読んでもらえたら幸いです。 モニター心電図の読み方 → モニター心電図の解釈 ということで、書いていきたいと思います。 *ただし、あくまで自分の主観、かつ自分の施設に似た環境での話のた…
こんにちは、うしです。 「この時計は 時間が わかる ダケジャナイ!」 でおなじみの、最近流行のApple Watch。 CMの最後にも、「不整脈を検出したり〜」と、循環器内科にとっては気になることを言ってきます。 そこで昨年末に出た、Apple Watchの不整脈検出の有効性に関する大規模な論文を中心に、循環器内科(と投資家初心者)の目線で記事を書きたいと思います。 なるべくわかりやすく書くので、医療関係者以外に、特にAppleが好きな人やApple Wathcの購入を考えている人、またAppleの株を持ってる方は是非最後まで読んでみてください(笑) (Appleの株を勧めてるわけではありま…
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