私がギリシャを訪れたのは、一昔前の五月。時折降るスコールが冷たかった。アテネ中を歩き回り、小さな博物館を片っ端から回ったが、肝心の考古学博物館が休館中という残念な時だった。あそこへ行っていたら、あそこで私は壺絵を好きになっていたに違いない。残念ながら、ギリシャの神々は私に壺絵を好きにさせるチャンスを与えなかった。「ほかにも壺なんかたくさん、ごろごろしているでしょう?」ええ、もちろん。しかし、私の見たい、必要な図柄は、どこにもなかったのだ。もっとも、シンタグマの駅構内にはド~ンとあったので、神は私をお見捨てにはならなかったとも思った。さて、ある日私は頼まれた図を仕上げて、師匠のところに持っていくと「はい、よろしい。百点。では「おじい」が散歩しているような構図を考えてみて」と言われました。おじい…?ピタゴラスが散歩...地中海文明を散歩する
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