初めて来た時は社長に感動して。2回目に来た時は社長に驚愕して。そして、今。3回目は社長に恐怖している。スホは社長室の前で立ち尽くしていた。怖すぎる。昼間のこともあるし、このタイミングで呼び出されるなんて不安しかない。一体何を言われるんだろうか。いや、大方予想はついている。おそらく昼間のことだ。目が合ったかもしれないと思ってたけど、本当にバレてたのかもしれない。だとしたら…俺はどうなる?消される?口封...
俺は、チョン社長とシム先輩の噂を思い出した。以前から、付き合ってるんじゃないかと社内で密かに噂されている社長と秘書。目の前にはそれを決定付ける光景が広がっている。そうだ。すっかり忘れていたけど俺はふたりの関係を暴いてやると意気込んでいたんだった。ソファーに押し倒されたシム先輩の上にチョン社長。社長はシム先輩の首筋に顔を埋めていて、もぞもぞと動いている。「あっ。ユノ…」シム先輩の媚びるような甘い声。...
謎の感情に駆られて一方的に怒ってしまったお詫び…といってはなんだけど、今更ながらユノの歓迎会をしようかと思いついた。ユノはわけも分からないままこんなところに来て本当は困ってるのに一体何を歓迎するんだという話は置いておいて、まあ…とりあえず僕なりのささやかな気持ち程度に。歓迎会といっても一介のサラリーマンである僕が節約生活の中で盛大にパーティーをしたりフレンチや高いレストランに連れて行けるわけじゃない...
※スホ視点チョン社長のクールさとカリスマ性にすっかり心酔してしまった。「社長かっこよかったな…」初めて直接話した。スホとあだ名で呼んでくれた。それがこんなに嬉しいと思ったことはない。俺は頭が良さそうだと褒めてくれて、ぴったりな仕事だとも言ってくれた。営業ができなかった悔しさはもう完全に消えた。それどころか秘書という仕事に誇りを持った。チョン社長の格好よさに射抜かれた俺は、絶対に社長の専属秘書になる夢...
チャンミンは、むっとして眉を寄せた。普通「恋人だと思われても別に構わない」なんて言われたら、同性であっても褒められていると喜ぶものなのか?さっきの女なら甲高い声を上げる?でも……構わないって、気にしないってことだよね?そもそも僕とユノは恋人ではないけど、そういう問題じゃない。まあ男同士だけどチャンミンでも別に気にしないけどって、そう言う意味?ユノの言葉を、
翌日、約束通りユノと街に出た。パーカーにジーンズというシンプルな格好のユノは、どう見ても普通の人にしか見えない。ましてやユノが過去からやって来た王様だなんて誰も思うまい。それどころか、スタイルが良くて目鼻立ちの整ったユノはクールで涼しげな印象ですれ違う人がちらちらと振り返っているのを感じる。「…何だ?」「…何にも」そうだった、ユノはイケメンだった。ちくしょう。目立ちたくないのに。周囲の視線から逃れる...
チャンミンは夢心地だった。付き合ってからよくユノに言われた。「今まで散々アピールしてたつもりなのにチャンミンさんは鈍感だ。そんなに年も変わらないのに大人ぶってる。そういうとこも可愛いけど、俺ばっかり好きみたいだ」いつも拗ねたように言うユノの方が可愛いと思ったけどそれは秘密にしておいた。確かにユノほど口には出さなくても、それは恋愛経験があまりないから恥ずかしいだけで……本当はチャンミンもユノのことが大...
「ブログリーダー」を活用して、青柳さんをフォローしませんか?