ユノは夏が嫌いだが、かといって冬が好きなわけではない。どちらかといえば冬の方がマシだという程度で、暑いよりは寒い方が得意なだけ。つまり冬は寒いから今のようにこたつから出られないのも仕方ない。「ううーっ!寒い!」ひんやりと冷たい床をパタパタと走って急いでこたつに入ったこの美しい男とは、灼熱の夏に出会った。だから今年はほんの少しだけ夏も悪くないかと思えた年だった。茹だるような暑さの中、涼やかな古書店...
こんばんは。もうすっかり年の瀬。年末ですね。毎年思うんですけど、クリスマスからの急に年末ムードすごいですよね。クリスマスツリーを薙ぎ払って門松やしめ縄へ切り替える速さに笑ってしまいます。そんな私はがっつり30日まで仕事なので、日に日に朝の満員電車から同志達が減っていくのを寂しいような妬ましいような、座れて嬉しいような複雑な気持ちで見守っております。本当は家で一生寝たいです。追加公演や15周年記念イベン...
後日チャニョルにあの後どうなったかを聞いた。あの後というのは、チャニョルが俺に無理矢理キスをしたところを周りに目撃されて俺とチャンミンが逃げた後のことだ。チャニョルは至ってけろっとしている。「あー。あれですか。ユノさんがキス上手いって自慢するから試してみたって言っときました」「は!?」「皆から質問攻めにあって大変だったんですよー?なのにユノさんチャンミンだけ連れて逃げるし、チャンミンのせいで髪ボサ...
何事だと言わんばかりの突き刺さるような周囲の視線を躱して控室に戻ったが「すぐに帰りたい」というチャンミンの要望に応えてメイクも落とさずに帰宅した。後はチャンミンによって髪をボサボサにされた上に放置されたチャニョルに任せよう。俺の家に帰り、ようやくチャンミンとふたりきりになれたが、当の本人はむすっと黙り込んで頬を膨らませている。「あー…えっと、チャンミン?」「………」「チャンミン…?」「…何ですか」「...
ユンホの唇は冷たいのに吐息は熱くて、数日ぶりのキスにチャンミンは酔いしれた。「ん、ふ……」寂しさを埋めるかのようなキスに幸せでいっぱいになり、少しずつ熱を取り戻していくユンホにチャンミンは力が抜けてしがみつく。唇を離すと抱き締め合ったままユンホは微笑む。「あ。ケーキ食べただろ?甘い味する」「うん…。またユノとは新しくケーキ買おうと思って食べてた」ちらっとテーブルの上に置かれたケーキを見たユンホが申し...
街はイルミネーションで彩られ、駅前はクリスマーケットで賑わい、至る所でクリスマスソングが流れて道ゆく人々もそわそわと浮かれている。チャンミンも例に違わずその内の一人だった。しかも、今年のクリスマスは金曜日。翌日の仕事を気にすることなく思いっきりクリスマスを恋人と満喫する事ができると、チャンミンは前々からカレンダーを見てはにやついていた。今年は外食ではなく家でゆっくり過ごそうと前から話していたから...
突然記憶が繋がり、思い出した。前から既視感はあった。だからチャニョルと前にどこかで会ったことあるんじゃないかってずっと思ってたけど、どうやら違ったようだ。俺はチャニョルの目を見つめた。「…セリンに似てる」「……!」「チャニョル。もしかして……パク・セリンを知ってるか?」自分で言いながら気付いた。そうだ、そういえば名字も一緒じゃないか。何で気付かなかったんだろう。それくらい俺の中では記憶が薄れてしまって...
ひとつになれた幸せな夜が明けた翌日からその問題は発生した。というよりも、目覚めた瞬間すぐ分かった。俺は腕の中でぐっすり眠るチャンミンをじっと見つめていた。安心したようなその寝顔は幼く天使のように愛らしい。写真に収めたい。やがてチャンミンら身じろぎをして「ん…」と鼻にかかった声を上げながら目を開いた。「おはよう」「…おはようございます…」チャンミンはとろんとした顔つきで、どこか照れ臭そうに微笑んでくる...
hmnを愛でるための世界。
「……………」「……………」しばらく玄関で立ち尽くしたまま、何度か瞬きをした。目の前に見覚えのない女性がいる。(えっ?誰?)純粋に驚いた。頭の中で疑問符が乱舞する。(俺、部屋間違えてないよな?)お互い無言で、相手は恥ずかしそうに俺を見つめている。俺はまじまじと女性を見た。ブラウンのロングヘアに…。その赤いワンピースは見覚えがある。俯きがちなその顔立ちは可愛くて、背は高い。あれ?大きな瞳と、きゅっと噛み締められた...
こんばんは。最近書きたいことがいっぱいあったんですけど、仕事で疲れてあまりに眠すぎたので夜な夜な寝落ちていました。しかも寝惚けて投稿間違えたり時間ミスしたりということが多くてごめんなさい(TT)ランキングの反映もわけ分かんないことになってるようなんですけど直し方が分からないので無視してください!笑今日はゆっくり過ごしながらお話も書けたので、明日はちゃんと6:00に更新できそうです!多分!と、つまらない前...
僕はどん底に落ち込んでいた。ユノさんと付き合うようになってから僕の生活は一転した。仕事は至って順調で、ユノさんも応援してくれるし「チャンミンが一番可愛い」なんて褒められれば、単純な僕はますます頑張った。自分に自信のなかった僕が皆の期待に応えられるということが嬉しかった。仕事が終わればユノさんの家でゆっくり過ごし、たまに泊まってベッドで一緒に眠るという幸せな時間を送っていた。スキンシップやキスに...
恋愛のせいで腑抜けになったなんて言われないように、どんなにプライベートで甘い雰囲気になっても仕事では一切手を抜かない。かなり薄くなってきたチャンミンの額に残る火傷の跡をなぞる。「…だいぶ薄くなってきたな。ちゃんと消えたらいいけど。若いから大丈夫かな」「はい」淡々と頷くだけのチャンミンに小さく笑ってしまう。この話では、俺に心配させまいとしてるのか責任を感じないようにか、チャンミンは頑なに平気としか...
俺は悶絶の日々を過ごしていた。無事に結ばれてからのチャンミンは、あの時見せてくれたとびっきりの笑顔を頻繁に俺に向けてくれるようになった。その破壊力は慣れるどころか毎回増している。本人曰く、今まで俺のことが好きすぎて緊張してなかなか話せない上に笑えなかったらしい。憧れの人に会えるのが嬉しくてにやけてしまうから必死に平静を装ったら無表情で愛想がないように見えてしまったと。何だそれ?そんな奇跡あるのか?...
おはようございます。今日は連載の更新お休みします。次からはユノ視点の予定ですが、元々ユノの片思いストーリーだったのであんまりネタが残ってなくて、区切りのいいところで終わる予定です!多分今からイチャイチャします。今回はお話の代わりに、タイトル通り以前タイに行った時の旅行記と短編「魅惑のイランイラン」について補足します。私は海外旅行に行くのが好きで、多い時には年8回ほど行っていました(そのうち3回くらい...
hmnを愛でるための世界。
僕はちっぽけなプライドを捨てて、ユノさんを引き止めることに全力を投じた。ドンへさんにもユノさんを担当に戻してほしいと頼み込んだ。「チャンミンお前…そんなにユノがいいのか?」「…はい。ユノさんがいいです」「は〜。変わったね…。いや、何も変わってないか。初めからチャンミンはユノを指名してたもんな」「………」そういえばそうだった。僕は初めからユノさんに憧れていたから。ただ、僕の中で憧れが恋に、僕たちの関係が変...
何も考えていなかった僕はユノさんに言いたいことも気持ちの整理もつかないままにひたすら追いかけた。外に出るとユノさんの後ろ姿が見えた。ただ、いつも鏡越しにばかり見ていたユノさん。その背中を見て焦燥感に駆り立てられた。ユノさんが行ってしまう。行かないで。「待って!」「……シムさん?」驚いた様子でユノさんが立ち止まって振り向いてくれたから、急いで駆け寄った。「ま、待ってください!」久々に走った運動不足の体...
何故だかユノさんの話が無性に気になって、ユノさんが帰ってしまったことが気がかりでその日の夜はあまり眠れなかった。次の日僕は朝早くに仕事へ向かった。昨日遅くなったことを謝って、ユノさんの話を聞こう。あんなに改まって言うなんて、もしかしたら何か大切な話かもしれないから。1人で待っていると、ユノさんが来た。ドアが開く音にさえ僕の心臓は跳ねる。もう担当になってもらってから数ヶ月経つのに、いつまで経っても僕...
「はあー…疲れた…」チャンミンは重いため息を吐いた。ゾンビのような顔をして屍のようにいつもの如く満員電車に揺られながら帰路に着く。平日は休日までのカウントダウンに過ぎない。そんな日々の繰り返しだった。(部長め…散々こき使いやがって)心の中で悪態つきながらも、今日も仕事のストレスで疲労困憊。そのためか、誤って一駅手前で下車してしまった。もう次の電車まで待つのが煩わしくて、たまには気分を変えて歩いて帰るか...
何気ない会話の中でユノさんに好きな人を聞かれた時、チャニョルが何か吹き込んだに違いないと気付いた。まさか本人に言うなんて、あいつ…後で叱ってやる。「誰?どんな人?って、俺が聞いてもいい?」「え、あ…」「ごめん、シムさんがどんな人好きなのか気になって」「…えっと…」もうやめてください。拷問すぎる。顔から火が出て死んじゃう。「……俺の知ってる人?」「……た、多分……」僕は、恥ずかしさのあまり本人を目の前にして
こんばんは。今日部長に「目死んでるで」と言われた青柳です。探偵ナイトスクープ見ながら今ぽちぽち打ってるんですが、都美人というお酒の酒柱が面白すぎて涙流しながら笑っています。そんな感じで、珍しく2日連続で雑記を書いております。見返してみると、雑記は月に3〜5回くらいしか書いてなくてブログなのに頻度低いなと一瞬思ったんですけど週1ペースだと考えたらめっちゃ普通でした。たいして面白味もない内容ですみません!...
「チャンミンさん、すごいセクシーでしたね!」(…セクシー…?)恋愛や好きな人のことを直球で聞かれたせいか、インタビュー後の撮影はいつもより緊張したのに周りからは評判が良かった。しかも色気があったなんて今まであんまり言われたこともないのにやたらと褒められた。初めは右も左も分からず始めた仕事だったけど今では楽しいと思うし、お世辞でも褒めてもらえると戸惑いながらも自分を少しだけ誇らしく思える。素直じゃない...
こんばんは。仕事で疲れすぎて瀕死の青柳です。もはや疲れすぎて、ダイエットしたいのに暴食が止まりません。帰宅してすぐ作り置いていた味玉とポテチとチョコを食べてから「さて、晩御飯なに食べよっかな」と冷蔵庫を漁ってる有様でそんな自分に戦慄しました。体重2kg増えました。この前は編集しようとしたら間違って雑記を消してしまったんですが、その時は先輩にLINEで「友達は陰性です」と言おうとしたら「友達は陰茎です」と...
僕の不毛な片思いは平行線だった。ちなみに表向きは彼のことをチョンさんと呼んでいたけど、ファンになった時から実はユノさんと呼んでいたからそれを絶対に言い間違えないように注意していた。だって急に名前で呼んだら気持ち悪いだろうし、かといって名前で呼んでいいですか?とも聞けず。最初は出来る限りユノさんの名前は呼ばないようにするなんて無駄な努力もしていた。それでも、やっぱりずっと憧れていた人に仕事のたびに...
※チャンミン視点未だに信じられない。現実味がなくてこれは夢じゃないかと思ってしまう。「これからユノって呼んで」「ユ、ユノさん…」恐る恐る名前を呼べば目の前でユノさんがにっこり笑う。ああ、かっこいい。「チャンミンって呼んでもいい?」「は、はい」僕が吃りながら頷くとユノさんは嬉しそうに微笑んでくれる。ああもう、どうしよう。死んでしまう。「ずっと俺もチャンミンって名前で呼びたかったんだ」僕も本当はずっと...
撮影を終えたシムさんが、約束通りちゃんと待っていた俺を見た時の顔。「お疲れ」「…チョンさん」安心したのかほっとして眉を下げて嬉しそうに笑う姿に俺の心は今日何度目かの蜂の巣になった。(いやいや、いきなり可愛すぎるだろ!)今まで全然何考えてるか全く分からなかったのに急に分かりやすい。誰がどう見ても浮ついているのが分かる。それがあまりに可愛くて、そのまま抱きしめて2人っきりになりたかった。それに今までのこ...
こんばんは。先輩にLINEで「友達は陰性です」と打とうとしたら、「友達は陰茎です」と誤爆した青柳です。4月6日のシムの日にこのブログを開設して、はや8ヶ月が経ちました。いつも拍手やコメント等、応援して下さりありがとうございます!そして分かってるつもりで分かってなかったんですけど、地獄の日(第1回目)は12月30日(例のあの日です、仕事終わりに衝撃すぎて忘年会の間ずっと喚いてました)だから今月末じゃないですか。もう...
怖くて逃げようとした俺はシムさんによって見事に引き留められて、今はシムさんと向き合っている。「俺、シムさんのことが好きなんだ」シムさんが追いかけてきてくれて俺がいいと言ってくれたことが嬉しくて愛おしさが溢れた。そのせいで溜めに溜めて諦めて飲み込んだはずの感情は自分でも頭で理解する前にするっと口から溢れ出た。打算的に生きてきたつもりだったのに本能的に告白してしまった。告白はシチュエーションに拘って...
(あー。ダサいな、俺)あれだけ告白するだのと色々豪語しておいて結局逃げるなんて格好悪いにも程がある。それは十分分かってるけど、シムさんに傷をつけた罪悪感と失恋した失望感で右往左往してどうすればいいか分からなくなった。謙遜でも見栄でもなく、俺は昔はモテていた。男女問わず告白されることも多くて、良くも悪くもそれに慣れていた。それが普通だと思ってたから、自慢と感じるわけでもなく、そういうものだとたかを括っ...
あの時のことがフラッシュバックのように蘇る。
ジェットコースターは急降下して脱輪し、地面に激突して壊れた。不安定な恋だとは分かってたけど、心のどこかで期待してた。でもシムさんが好きなのは俺じゃなかった。顔を真っ赤にして恥ずかしそうにチャニョルに好きだと伝えるシムさんを思い出すと、胃の辺りがむかむかした。言葉にできない不快感だった。前にチャニョルにシムさんのことを言われた。やっぱりあれはチャニョルの牽制だったのかと今更になって確信する。色々考...
おはようございます。12月になりましたね。今年も1ヶ月切ってて恐怖です。秋って大好きな季節なんですけどいつもすぐに過ぎ去ります。既に漂う年末感…。本日の更新はお休みです。とりあえず毎日更新を心がけているものの、色々と忙しくて追いつかず…。でも適当には書きたくないし、無理に書くと義務みたいになって嫌になるし、お話を考えると時間がかかってしまうので、たまに更新しない日もあるかと思いますが、よろしくお願いし...
二度目の告白も失敗した。シムさんが作ったつまみを食べながら酒を飲み、2人ともほろ酔い気分の良い雰囲気になったタイミングを見計らってようやく告白したのにシムさんが酔いすぎたのか寝てた。一度のみならず二度も失敗するとは。なんて展開だと絶望したけどまた更に距離が縮まったと感じたし俺とシムさんの間には確実に信頼関係が存在すると確信できた俺は変にポジティブになった。実際、警戒心の強いはずのシムさんがまた俺の...
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