朝目が覚め、窓の外を見ると昨夜から降り出した雪で景色が一面銀世界だった。ヒョンと3年過ごした家を出て、実家に久しぶりに戻って来ていた。今日はクリスマス。クリスマスはぼっちでいつも通り寂しいクリスマスを過ごすことになると思ったけど、実家に帰省中の姉と双子の甥っ子達のおかげで賑やかなクリスマスになりそうだ。夜はみんなでクリスマスパーティーの予定だ。甥っ子と手作りのケーキを作ったり一緒に遊んだり、こん...
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朝目が覚め、窓の外を見ると昨夜から降り出した雪で景色が一面銀世界だった。ヒョンと3年過ごした家を出て、実家に久しぶりに戻って来ていた。今日はクリスマス。クリスマスはぼっちでいつも通り寂しいクリスマスを過ごすことになると思ったけど、実家に帰省中の姉と双子の甥っ子達のおかげで賑やかなクリスマスになりそうだ。夜はみんなでクリスマスパーティーの予定だ。甥っ子と手作りのケーキを作ったり一緒に遊んだり、こん...
いろいろと考え過ぎてやっと眠りについたのは朝方の4時過ぎだった。酷い眠気を堪えながら起床したのが7時半だった。リビングに行くと、ヒョンは既に朝食を終え家を出ようとしていた。いつもは俺が起こさないと起きないくせに…「ヒョン….おはよう…」「…おはよ…」俺と視線を合わせないように、何処か気まずそうに朝食の食器を片付けそそくさと家を出ようとするヒョンの姿を追いかけた。「昨日はごめん!いきなりあんなことして…」...
雪が降る夜は、いつも以上に部屋の空気が冷たく感じる。暖房をつけていても何処か肌寒い。俺はヒョンの部屋におかまいなしに入り込み、ヒョンのベッドに潜り込んだ。「お前何勝手に俺のベッドに入ってんだよ!?」「寒いから今日ここで寝る」「はぁ?どけって!」俺達はベッドの上で兄弟喧嘩のように笑いながらじゃれ合う。遊び半分で格闘した後、ヒョンは諦め気味に俺の身体を離した。「まあいいや。確かにキュヒョナが隣にいた...
(KyuHyun side)「あれ…?キュヒョナ外見てみろ!雪だ!!」いつものように部屋で一緒に酒を飲んでいたら部屋の窓からしんしんと降る雪が見え、ジョンウニヒョンのテンションが高くなる。「ほんとだ。どおりでめちゃくちゃ寒いわけだ」俺は窓を開け、雪にそっと触れるとじわりと冷たさを感じ、雪が手の平で溶けた。それをヒョンも真似してすっかり楽しそうだ。そんなヒョンの笑顔に俺の心は温かくなる。俺はヒョンの背中をギュッ...
僕と先輩はだいぶゆっくりだけど、確実に恋人の階段を登りだしていた。12月25日、クリスマス。煌めくイルミネーションの街並み、雪がチラつくホワイトクリスマス、心ときめくクリスマスプレゼントとフルコースのディナー。先輩のクリスマスデートはどれもが完璧だった。時刻は午後9時前、夕方から降り出した雪もだいぶ積もって来た。さっきからなんだか先輩が珍しくそわそわして落ち着かない様子だ。僕も、今夜は先輩とずっと一...
部屋に入り、先輩の手の温もりが残る手の平をじっと見つめる。先輩と付き合い始めて21日目、やっと手繋ぎまでたどり着けた。拒否られなくて良かった….大きく息を吐いた。心臓はまだドキドキしている。勇気を出して先輩の手に触れることはできたけどさすがにそれ以上のことは先輩からして欲しいな…やっぱり僕がかなりウブだと思われてるのかな〜?まさか、もしかして先輩見かけによらずかなり奥手とか…?クリスマスもまだ『一緒に...
友人達と食堂で昼食を食べている時、男子学生のヒソヒソ話しが聞こえて来た。「あのキム・ジョンウン、今度は学祭のミスコンで優勝したソヒさんをフったらしい。ここまで来たらあの人のAI説はやっぱり信憑性を増して来るな」「いや、あの人どうやら人気アイドルと付き合ってるらしいよ。一般人なんて興味ないらしい」僕は食べていたビビンバを吹き出しそうになる。人気アイドル…先輩を信じたいはずなのに堪らなく疑心暗鬼になっ...
(Ryowook side)『君が好きなんだ。俺と付き合ってくれない?』ある日、大学の先輩に告白された。クールでめちゃくちゃかっこよくて頭も良くておしゃれで、他校の大学の生徒からにもモテると言われているキム・ジョンウン先輩に告白されたのは11月半ばの頃だった。先輩から告白をされて驚きを隠せなかった。なぜなら、ことごとく大学内の美女達がジョンウン先輩に告白し、フラれ続け、いつしか彼にはこんな噂が囁かれていた。『彼...
「ジョンウンさん、さっそく来週からよろしくお願いします!」シウォンさんとの面接を無事に終え、俺達は店を出た。シウォンさんは彼をすごく気に入った様子でホっとささた。店を出るなり崩れるように彼がふらつき、その身体を支えた。きっと体調が悪いのを必死に我慢していたのだろう。「ヒョン大丈夫!?さっきまであんなに元気だったのに…」「キュヒョナ…もしかしてあの人イエスの申し子か…?」イエスの申し子…?俺は、はっと...
「分かりました!じゃあ、今日15時くらいに行きますのでよろしくお願いします」そうシウォンさんに伝え、俺は電話を切った。ユノさんの代わりにイェソンヒョンにしばらく代わりで仕事に入ってもらおうとシウォンさんに相談した。正直、不安はあるけど俺のそばで仕事をする方がもしかしたら安全なのかもしれない。「イェソンヒョン、ごめんだけど俺が学校に行くまでに履歴書書いてくれないか?」「リレキショ?何だそれ?」「俺の職...
早朝にシウォンさんから電話が来た。どうやら、従業員のユノさんが骨折したらしく、しばらく勤務に入れないらしい。ギリギリの人数で回してるから1人欠けるのはかなりの痛手だ。人材を募集してる時間ももちろん無いわけで、「誰か働いてくれる人が知り合いにいれば紹介してほしい」そうシウォンさんは告げて電話を切った。「大変なことになったな…知り合いって言われても…」俺は溜め息をつきながら油を敷いたフライパンに卵を割...
「なあキュヒョナ、さっきから何怒ってんだよ?」「別に怒ってない」「あからさまに顔が不機嫌そうに見えるけど」慌ただしく帰って来て、彼が灰にならずホッとして風呂に入り眠る頃には深夜の1時を過ぎていた。こっちはなんだかくたくただけど、悪魔は夜行性なのか目をギラつかせて元気そうだ。「ヒョンが簡単にリョウギと『恋人』になるなんて言うから…」「だからって何でお前が怒るんだよ?ところで、『コイビト』ってどういう意...
(KyuHyun side) シウォンさんのパソコンのトラブル対応が長引き、バイト先を出たのが11時45分だった。ダッシュで走れば10分もかからないだろうと俺は真夜中の街中を猛スピードで走った。その時、いつも通る家までの近道が事故で通行止めになっていて迂回路ができていた。こっちの道だと時間がかかってしまう…どうしよう…間に合わない…焦りが強くなるが、力を振り絞って全力で家まで走った。けど、家に着いた時は0時を2分過ぎて...
(Yesung side) まだまだこの世界の明るさに慣れそうな気配がない。太陽の光はやっぱり眩し過ぎるしギラギラと暑すぎて辛いけど、今日は仕事を見つけるまでは帰らないと決めていた。太陽の光を遮るようにフードを深く被りながらも、意気揚々と職業安定所なるものを目指し街中を歩いている時、いろんな人に声をかけられた。『君ならトップアイドルになれる』『君なら億は簡単に稼げる』たくさんの稼げそうな仕事の誘いを受け、胸...
「オンマ、ごめんだけど2人分くらいのおかずたくさん送ってくれない?それから…仕送りもちょっと増やしてくれたら嬉しいなって……え?遊びに使うんじゃないよ!いろいろ勉強に必要なものが多くて…うん、分かった」溜め息混じりに母親との電話を切った。悪魔が棲みついたせいで光熱費や食費が今月は倍になりそうな予感だ。ただ、悪いことばかりじゃない。彼はいつも魔法で男の1人暮らしの荒れた部屋を綺麗にしてくれる。けど、食事は...
(KyuHyun side)「じゃあ、上がります。お疲れ様でした!」夜のバイトを終え急いで帰る支度をし、帰路に着こうとしていた。悪魔と同居しだして数日が経った。いや悪魔が『棲みついた』という表現の方が正しいのだろうか?「ねえ、最近なんかやけにいそいそと家に帰らない?誰か家で待ってたり?」いつもどこか感が鋭いリョウクが探るように聞いてくる。「別に…」「そのちょっと動揺した顔は絶対に誰かいるでしょ?もしかして恋人...
(Yesung side) 浅い眠りから目が覚め、瞼越しに光を感じた。堪らなく眩しくて身体が溶けてしまいそうだ。窓から差し込む光と暖かさが堪らなく嫌だ。「…それ閉めてくれないか…」「あっ、イェソンさん目が覚めましたか?」「光が眩しい…」俺はカーテンに指を向けると魔法でカーテンを閉めた。この世界に来てもどうやら魔力は少し使えるようだ。「えっ…あんた魔法使えるのか?ハリーポッターみたい!」「まあ…悪魔だから」キュヒョ...
悪魔を家になんか連れ込んでもいいのかなんて全く分からないけど、真夜中で雨も降りそうだったから内心恐怖を感じながらも今晩は泊めてあげようと家に連れて来た。俺の淹れたお茶を美味しそうに飲む姿はまるで普通の人間だ。けど、目を引く程の容姿の美しさには男の俺でもついつい見惚れてしまう。「お前のおかげで何とか助かった。ありがとうな。お前の名は?」「俺の名前はチョ・ギュヒョン。あなたは確か…『イェソン』ってさ...
彼の身体が指先からパラパラと灰になり散って行く。その姿があまりにも恐ろしくて俺は腰を抜かして動けなくなってしまった。「…助けてくれ!!このまま灰になって滅びたくない!!」「…たっ…助けるって言ったって一体どうやって!?」次の瞬間、彼は最後の力を振り絞って俺の唇に自分の唇を重ねた。彼の舌が俺の口の中へと入って来ると、彼の滅んだ指先が元に戻った。「危機一髪…あと数秒遅かったら俺は灰になって滅んでたかも。...
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朝目が覚め、窓の外を見ると昨夜から降り出した雪で景色が一面銀世界だった。ヒョンと3年過ごした家を出て、実家に久しぶりに戻って来ていた。今日はクリスマス。クリスマスはぼっちでいつも通り寂しいクリスマスを過ごすことになると思ったけど、実家に帰省中の姉と双子の甥っ子達のおかげで賑やかなクリスマスになりそうだ。夜はみんなでクリスマスパーティーの予定だ。甥っ子と手作りのケーキを作ったり一緒に遊んだり、こん...
いろいろと考え過ぎてやっと眠りについたのは朝方の4時過ぎだった。酷い眠気を堪えながら起床したのが7時半だった。リビングに行くと、ヒョンは既に朝食を終え家を出ようとしていた。いつもは俺が起こさないと起きないくせに…「ヒョン….おはよう…」「…おはよ…」俺と視線を合わせないように、何処か気まずそうに朝食の食器を片付けそそくさと家を出ようとするヒョンの姿を追いかけた。「昨日はごめん!いきなりあんなことして…」...
雪が降る夜は、いつも以上に部屋の空気が冷たく感じる。暖房をつけていても何処か肌寒い。俺はヒョンの部屋におかまいなしに入り込み、ヒョンのベッドに潜り込んだ。「お前何勝手に俺のベッドに入ってんだよ!?」「寒いから今日ここで寝る」「はぁ?どけって!」俺達はベッドの上で兄弟喧嘩のように笑いながらじゃれ合う。遊び半分で格闘した後、ヒョンは諦め気味に俺の身体を離した。「まあいいや。確かにキュヒョナが隣にいた...
(KyuHyun side)「あれ…?キュヒョナ外見てみろ!雪だ!!」いつものように部屋で一緒に酒を飲んでいたら部屋の窓からしんしんと降る雪が見え、ジョンウニヒョンのテンションが高くなる。「ほんとだ。どおりでめちゃくちゃ寒いわけだ」俺は窓を開け、雪にそっと触れるとじわりと冷たさを感じ、雪が手の平で溶けた。それをヒョンも真似してすっかり楽しそうだ。そんなヒョンの笑顔に俺の心は温かくなる。俺はヒョンの背中をギュッ...
僕と先輩はだいぶゆっくりだけど、確実に恋人の階段を登りだしていた。12月25日、クリスマス。煌めくイルミネーションの街並み、雪がチラつくホワイトクリスマス、心ときめくクリスマスプレゼントとフルコースのディナー。先輩のクリスマスデートはどれもが完璧だった。時刻は午後9時前、夕方から降り出した雪もだいぶ積もって来た。さっきからなんだか先輩が珍しくそわそわして落ち着かない様子だ。僕も、今夜は先輩とずっと一...
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友人達と食堂で昼食を食べている時、男子学生のヒソヒソ話しが聞こえて来た。「あのキム・ジョンウン、今度は学祭のミスコンで優勝したソヒさんをフったらしい。ここまで来たらあの人のAI説はやっぱり信憑性を増して来るな」「いや、あの人どうやら人気アイドルと付き合ってるらしいよ。一般人なんて興味ないらしい」僕は食べていたビビンバを吹き出しそうになる。人気アイドル…先輩を信じたいはずなのに堪らなく疑心暗鬼になっ...
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「ジョンウンさん、さっそく来週からよろしくお願いします!」シウォンさんとの面接を無事に終え、俺達は店を出た。シウォンさんは彼をすごく気に入った様子でホっとささた。店を出るなり崩れるように彼がふらつき、その身体を支えた。きっと体調が悪いのを必死に我慢していたのだろう。「ヒョン大丈夫!?さっきまであんなに元気だったのに…」「キュヒョナ…もしかしてあの人イエスの申し子か…?」イエスの申し子…?俺は、はっと...
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「なあキュヒョナ、さっきから何怒ってんだよ?」「別に怒ってない」「あからさまに顔が不機嫌そうに見えるけど」慌ただしく帰って来て、彼が灰にならずホッとして風呂に入り眠る頃には深夜の1時を過ぎていた。こっちはなんだかくたくただけど、悪魔は夜行性なのか目をギラつかせて元気そうだ。「ヒョンが簡単にリョウギと『恋人』になるなんて言うから…」「だからって何でお前が怒るんだよ?ところで、『コイビト』ってどういう意...
(KyuHyun side) シウォンさんのパソコンのトラブル対応が長引き、バイト先を出たのが11時45分だった。ダッシュで走れば10分もかからないだろうと俺は真夜中の街中を猛スピードで走った。その時、いつも通る家までの近道が事故で通行止めになっていて迂回路ができていた。こっちの道だと時間がかかってしまう…どうしよう…間に合わない…焦りが強くなるが、力を振り絞って全力で家まで走った。けど、家に着いた時は0時を2分過ぎて...
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「オンマ、ごめんだけど2人分くらいのおかずたくさん送ってくれない?それから…仕送りもちょっと増やしてくれたら嬉しいなって……え?遊びに使うんじゃないよ!いろいろ勉強に必要なものが多くて…うん、分かった」溜め息混じりに母親との電話を切った。悪魔が棲みついたせいで光熱費や食費が今月は倍になりそうな予感だ。ただ、悪いことばかりじゃない。彼はいつも魔法で男の1人暮らしの荒れた部屋を綺麗にしてくれる。けど、食事は...
(KyuHyun side)「じゃあ、上がります。お疲れ様でした!」夜のバイトを終え急いで帰る支度をし、帰路に着こうとしていた。悪魔と同居しだして数日が経った。いや悪魔が『棲みついた』という表現の方が正しいのだろうか?「ねえ、最近なんかやけにいそいそと家に帰らない?誰か家で待ってたり?」いつもどこか感が鋭いリョウクが探るように聞いてくる。「別に…」「そのちょっと動揺した顔は絶対に誰かいるでしょ?もしかして恋人...
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彼に抱かれた熱がまだ身体に残る中、ベッドに入って眠りにつこうとしていた。彼の匂いが染み付いたシーツを嗅いで、もう会いたくなってしまう。その時、電話が鳴った。相手はジョンウンさんだ。もう時刻も日付けが変わろうとしていた。どうしたんだろ…?「もしもし?」『もしもし?寝てた?』なんだかやけに元気の無い声に心配になってしまう。「どうしたんですか?こんな遅くに?」『いや…またリョウギの声が聞きたくなって…...
真っ白なシーツの上でベッドを軋ませ、互いをどこまでも求め合う。もう何回共に達しただろうか?汗ばんだ身体を揺らし、快楽に溺れていた。激しさを増す吐息を重ね、絶頂を再び迎えようとしていた。「…あっ…はぁ…リョウギ…!」彼の細い指に俺の指を絡め、どこまでも熱く火照ったその指先からの熱を感じる。肌と肌がぶつかり合う音が卑猥さを増す。「….あぁっ…ジョウンさん…もっと…来て…」瞳を潤ませ熱く火照ったリョウクの身体が...
(Jongwoon side) 今まで生きてきて、自分の頭の中を100パーセントも占める存在なんて誰もいなかった。四六時中相手のことが頭から離れなくて、そんな会いたくて堪らない存在がいるだけで嬉しい。恋をすると、どこか色を失っていた毎日が本当に色鮮やかになる。いつも見ている何気ない風景が鮮明に見え、心が弾む。それだけでも、自分がやっと人間らしくなれたんだと嬉しくなる。今年度の仕事納めも無事に終わり、次の日は特に予定...
仕事納めの帰り、事務所近くの居酒屋でキュヒョナと待ち合わせをした。キュヒョナが来る前に僕はチャミスルの瓶を一つ空け、飲んでいた。僕とジョンウンさんのマッチングアプリでの出会いは否定されるかもしれないけど、恋人に発展したことはきっと受け入れてくれるよね?それにしても、話しがあるって言ってたけど話しって何だろう…?少しの緊張と共に、良いが回り始めた頃キュヒョナが店に入って来た。「リョウギごめん!待っ...
事務所に、お歳暮を持って年末の挨拶に来たチョン社長を目にしてあの日の記憶がフラッシュバックする。『リョウクくん、ジョンウンくんとデートかね?』あの日のデートの目撃者……非常にまずい!!「チョン社長じゃないですか!昨年は大変お世話になりました!」キュヒョナが背後からチョン社長に挨拶をする。「こちらこそ、昨年は大変世話になった。君達に感謝している」チョン社長にあの日の話題を出されないうちに、ここはキュ...
(Ryowook side) 朝、目が覚めると彼の綺麗な横顔がすぐそばにあり心臓が飛び跳ねる。「…そういえば…」昨日はだいぶ酔ってたけど記憶はちゃんとある。どうもお酒を飲んでしまうと大胆になってしまうから困る。昨日の夜の出来事は一つずつ整理する。僕達の関係ってどうなったんだっけ…?僕は彼に好きだと伝えたことは覚えてる。でも、彼はどうだったっけ…?『君と恋をしたいと思う』その言葉を思い出す。ってことは…ジョンウンさ...
『あなたにまた抱かれたいです…』色付いた視線を向けられ、その紅く染まる頬に触れてみたい衝動を抑えきれないくらいに甘い誘惑に惑わされ、その誘惑に負けてしまいそうだった。「一瞬の衝動で関係を持てばきっと後悔する。それに、『割り切った関係でもいい』なんてそんなこと言うもんじゃない。君はだいぶ酔ってるみたいだ。今日は帰ろう」「そんなの…ジョンウンさんあなたほんと酷い人ですね…」「何が…?」「じゃあ何で今夜僕を...
(Jongwoon side) 今まで、誰かと一緒に過ごす時間はどこか退屈だと感じて来た。恋人になった女性のどうでもいい自慢話しや誰かの噂話し。早く時間が過ぎないかといつも時計を気にしていた。けど、彼と過ごす時間はそうじゃなかった。彼の存在が全然邪魔じゃなくて、このまま時が止まってしまえばいいのにと思えるくらいに穏やかで優しい時間だった。その中に感じる胸の鼓動。彼を見つめて揺れる鼓動に焦りを感じた。キュヒョンが...
(Ryowook side) キュヒョナと初めて出逢った日のことを今でも鮮明に覚えてる。少し人見知りな僕に、フワッと笑顔を向けてくれた彼の姿を。彼に当たり前のように惹かれ、恋に落ちた。でも、その恋心は彼への嫉妬と劣等感で壊れてしまうことになる。誰にも打ち明けることもなく、ひっそりと閉じてしまったこの恋心をキュヒョナのお兄さんに語る日が来るなんて、夢にも思わなかった。「今日は荷物一緒に持ってもらってありがとうご...
クリスマスイブの華やかな街中を、買い物袋を手にぶら下げて歩く。正直、クリスマスイブに買い物袋をぶら下げているなんて俺達くらいだろう。「すみません…買い物袋なんか持ってもらって…恥ずかしくないですか?」「まあ、正直クリスマスイブにこんな姿は恥ずかしいかも」俺は冗談混じりに笑う。「すみません…」「いいよ。君のこんな姿見たらほっとけるわけがない」それに、こんなことキュヒョンが知ったら怒られるかもしれない...
(Jongwoon side) キュヒョンが1人で暮らすマンションを訪れ、部屋の合鍵で鍵を開けた。クリスマスイブにコロナ感染とかつくづく気の毒に思ってしまう。いや、あいつに恋人なんていないから別に気の毒に思う必要はない。シーンと静まり帰った廊下を歩き、キュヒョンの寝室のドアをノックしそっと開けた。「キュヒョナ、大丈夫か?」俺の声にキュヒョンはベッドから身体をゆっくり起こした。「…ヒョン?来たんだ…コロナ移ったらどう...
『僕達、たまにこうやって会いませんか?』彼と連絡先を交換して数週間が過ぎた。気付けば明日はもうクリスマスイブ。でも、だからと言って連絡する勇気も無く今に至る。なんであんなこと言っちゃったんだろ…『好きになったら困る』とか言われてなんか屈辱感半端なくてやっぱり思い出すと恥ずかしかったり悔しかったり。無駄に携帯にある彼の番号をもう消そうとも思ったけどそこまでしなくても?と思ってしまう。いや、せっかくの...
なんだか昨日彼に会ってから、恋も始まってないのにフラれて頭の中でグルグルと考え過ぎて眠れるはずもなく、今日の朝に至る。事務所で眠気覚ましのコーヒーを淹れ、席に座り軽くあくびをした。そうだ…彼はノンケだからああいう言い方になるのも無理はない。彼なりの自己防衛ってやつ?彼の表情や言葉にときめいていたのは確かだ。それを察しちゃったかな…?ハイスペック男子が自分に自信が無いわけがない。でもなんか悔しい〜!...
彼は僕の本当の姿を知りたいと言ってくれた。だから、彼に伝えてもいいんじゃないか…「ジョンウンさんあの…僕は性同一性障害なんです。だから、僕は恋愛対象が男なんです」こんなこと、キュヒョナと親くらいしか知らない。あまりよく知りもしない彼にカミングアウトするなんて危険行為だとは分かってる。「だから、この前のことであなたが責任を感じる必要は全くはありません。誘ったのは僕だし…」「…ああ…そういうことか…」「引...
(Ryowook side)目と目が合った瞬間、心臓の鼓動が足早に動きだしていた。『君の本当の姿を知りたいんだ』せっかくあの日のことを忘れかけていたのにどうしてそんな言葉を…「でも…ジョンウンさんに申し訳なさすぎて合わせる顔がありません…」「本当の君を知ればもっと許すことができるかもしれない」そうだ…正直にちゃんと彼に伝えればいいんだ。あの日の気持ちも全て全部…「じゃあ…隣に座ってもいいですか?」「ああ」追加注文し...
(Jongwoon side) 週末は、カフェでゆっくりコーヒーを飲みながら本を読むのが好きだ。普段は保険会社の営業として慌ただしい日々を過ごしているから、カフェの心地良い空間とゆっくり流れる時間がたまらなく好きだ。クリスマスを前にして街中が賑わう週末、いつものようにカフェで本でも読もうと立ち寄った。カフェ巡りは趣味の一つでもある。このカフェは、こだわりのコーヒーと落ち着いた雰囲気が印象的で気に入っていた。その...
(Ryowook side)「お互いにとって毒のような存在か……」僕は、ハァっと深いため息をついた。彼に言われた言葉なんてもう忘れてしまえばいいのに、そんなことできないくらいにどうやら僕は深く傷付いているようだ。仕方ない…自業自得なんだ自業自得。全部僕が悪いんだ。「どうした地面に穴が空きそうなくらいため息ついて?」キュヒョナに深いため息を見られてしまいドキっとなる。「いや…何でも…」「俺には言えないようなことでも...
(Jongwoon side) 会計事務所から職場に戻り、気持ちを落ち着かせる為に熱いコーヒーを一口飲んでフゥっと息を吐いた。クールな表情を装っていたが、内心は全然穏やかではなかった。まさか、彼がキュヒョナのいる事務所で働いているとは…あの子、やっぱり年齢も詐称してたんだな…つくづく呆れてしまう。そこまでして金が欲しかったのか?ふと、上着のポケットに押し込まれたお札を思い出した。「一応罪悪感はあったんだな…」お札を...
な……なんで…彼がここに…?彼から名刺を受け取り、わなわなと震えてしまう。S保険会社営業、キム・ジョンウン…あの日、受け取った名刺とまったく一緒だ。「代表はいらっしゃいますか?」「あっ…実はまだ戻らなくて…中でお待ちいただけますか!?申し訳ありません!!」声もおかしいくらい裏返ってしまう。「いえ、私も時間が少し早かったので待ってます」彼を応接室に案内した。まるで、僕のことを忘れてしまったかのようにまったく...
(Ryowook side) 彼と会って、1週間が過ぎた。あの日はだいぶお酒を飲み、次の日酔いが覚めたら何だかむしゃくしゃした気持ちが一気に冷め、僕がした行動がバカバカしくなってマッチングアプリも削除した。今となっては彼に申し訳なく感じ、どこかでまた出会えたらお金も返そうかと思っている。正直、彼との会話は素直に楽しめたしどこまでも素敵な人だった。あの日の夜のことを思い出すだけで身体が一気に熱くなる。彼の愛撫だ...