(Jongwoon side) キュヒョンが1人で暮らすマンションを訪れ、部屋の合鍵で鍵を開けた。クリスマスイブにコロナ感染とかつくづく気の毒に思ってしまう。いや、あいつに恋人なんていないから別に気の毒に思う必要はない。シーンと静まり帰った廊下を歩き、キュヒョンの寝室のドアをノックしそっと開けた。「キュヒョナ、大丈夫か?」俺の声にキュヒョンはベッドから身体をゆっくり起こした。「…ヒョン?来たんだ…コロナ移ったらどう...
(Jongwoon side) キュヒョンが1人で暮らすマンションを訪れ、部屋の合鍵で鍵を開けた。クリスマスイブにコロナ感染とかつくづく気の毒に思ってしまう。いや、あいつに恋人なんていないから別に気の毒に思う必要はない。シーンと静まり帰った廊下を歩き、キュヒョンの寝室のドアをノックしそっと開けた。「キュヒョナ、大丈夫か?」俺の声にキュヒョンはベッドから身体をゆっくり起こした。「…ヒョン?来たんだ…コロナ移ったらどう...
『僕達、たまにこうやって会いませんか?』彼と連絡先を交換して数週間が過ぎた。気付けば明日はもうクリスマスイブ。でも、だからと言って連絡する勇気も無く今に至る。なんであんなこと言っちゃったんだろ…『好きになったら困る』とか言われてなんか屈辱感半端なくてやっぱり思い出すと恥ずかしかったり悔しかったり。無駄に携帯にある彼の番号をもう消そうとも思ったけどそこまでしなくても?と思ってしまう。いや、せっかくの...
なんだか昨日彼に会ってから、恋も始まってないのにフラれて頭の中でグルグルと考え過ぎて眠れるはずもなく、今日の朝に至る。事務所で眠気覚ましのコーヒーを淹れ、席に座り軽くあくびをした。そうだ…彼はノンケだからああいう言い方になるのも無理はない。彼なりの自己防衛ってやつ?彼の表情や言葉にときめいていたのは確かだ。それを察しちゃったかな…?ハイスペック男子が自分に自信が無いわけがない。でもなんか悔しい〜!...
彼は僕の本当の姿を知りたいと言ってくれた。だから、彼に伝えてもいいんじゃないか…「ジョンウンさんあの…僕は性同一性障害なんです。だから、僕は恋愛対象が男なんです」こんなこと、キュヒョナと親くらいしか知らない。あまりよく知りもしない彼にカミングアウトするなんて危険行為だとは分かってる。「だから、この前のことであなたが責任を感じる必要は全くはありません。誘ったのは僕だし…」「…ああ…そういうことか…」「引...
(Ryowook side)目と目が合った瞬間、心臓の鼓動が足早に動きだしていた。『君の本当の姿を知りたいんだ』せっかくあの日のことを忘れかけていたのにどうしてそんな言葉を…「でも…ジョンウンさんに申し訳なさすぎて合わせる顔がありません…」「本当の君を知ればもっと許すことができるかもしれない」そうだ…正直にちゃんと彼に伝えればいいんだ。あの日の気持ちも全て全部…「じゃあ…隣に座ってもいいですか?」「ああ」追加注文し...
(Jongwoon side) 週末は、カフェでゆっくりコーヒーを飲みながら本を読むのが好きだ。普段は保険会社の営業として慌ただしい日々を過ごしているから、カフェの心地良い空間とゆっくり流れる時間がたまらなく好きだ。クリスマスを前にして街中が賑わう週末、いつものようにカフェで本でも読もうと立ち寄った。カフェ巡りは趣味の一つでもある。このカフェは、こだわりのコーヒーと落ち着いた雰囲気が印象的で気に入っていた。その...
(Ryowook side)「お互いにとって毒のような存在か……」僕は、ハァっと深いため息をついた。彼に言われた言葉なんてもう忘れてしまえばいいのに、そんなことできないくらいにどうやら僕は深く傷付いているようだ。仕方ない…自業自得なんだ自業自得。全部僕が悪いんだ。「どうした地面に穴が空きそうなくらいため息ついて?」キュヒョナに深いため息を見られてしまいドキっとなる。「いや…何でも…」「俺には言えないようなことでも...
(Jongwoon side) 会計事務所から職場に戻り、気持ちを落ち着かせる為に熱いコーヒーを一口飲んでフゥっと息を吐いた。クールな表情を装っていたが、内心は全然穏やかではなかった。まさか、彼がキュヒョナのいる事務所で働いているとは…あの子、やっぱり年齢も詐称してたんだな…つくづく呆れてしまう。そこまでして金が欲しかったのか?ふと、上着のポケットに押し込まれたお札を思い出した。「一応罪悪感はあったんだな…」お札を...
な……なんで…彼がここに…?彼から名刺を受け取り、わなわなと震えてしまう。S保険会社営業、キム・ジョンウン…あの日、受け取った名刺とまったく一緒だ。「代表はいらっしゃいますか?」「あっ…実はまだ戻らなくて…中でお待ちいただけますか!?申し訳ありません!!」声もおかしいくらい裏返ってしまう。「いえ、私も時間が少し早かったので待ってます」彼を応接室に案内した。まるで、僕のことを忘れてしまったかのようにまったく...
(Ryowook side) 彼と会って、1週間が過ぎた。あの日はだいぶお酒を飲み、次の日酔いが覚めたら何だかむしゃくしゃした気持ちが一気に冷め、僕がした行動がバカバカしくなってマッチングアプリも削除した。今となっては彼に申し訳なく感じ、どこかでまた出会えたらお金も返そうかと思っている。正直、彼との会話は素直に楽しめたしどこまでも素敵な人だった。あの日の夜のことを思い出すだけで身体が一気に熱くなる。彼の愛撫だ...
自宅のマンションに帰り、ドアの暗証番号を打ち込み部屋に入ると、「おかえり〜」あいつの声がした。また従兄弟のキュヒョンが来てるのだろう。昔からキュヒョンは実の弟のように可愛がって来た。今では俺の部屋の合鍵を持ち、自宅と行き来してるくらいだ。俺は帰るなりバスルームに直行し、シャツを脱ぎ洗濯機に投げ入れた。さっきまで会っていた彼の甘いコロンの匂いがどうやらついてしまいその香りがなんだか邪魔だ。シャワー...
街外れにあるホテル街に彼と来た。よく見ると、マッチングアプリで知り合ったであろう中年男性と若い女性が並んで歩いている姿をよく見かける。僕達周囲から一体どんな風に見られているのだろうか…?そんなことより、僕は今夜彼に殺されてしまってもおかしくない状況だ。自業自得と言えばその通りなんだけど、人生なんてどうでもいいように思えて来た。『何で僕はみんなと同じ風に生まれて来れなかったのだろうか』自分自身の生...
店から外に出ると、酔いが冷めてしまいそうなくらいの寒さで思わず身震いしてしまう。白い息を吐きながら彼を待つ。クリスマスシーズンの街中を恋人達が仲睦まじく手を繋ぎ歩く姿が多く見られる。お互いを愛おしそうに見つめ合う恋人達。なんだか、あの人達の姿を見てると僕がして来た恋が酷く薄っぺらく感じた。あんな風に見つめ合い、誰かに触れたくて堪らなくなるほど誰かを愛したことがあっただろうか?僕は、今まで本当に誰...
(Ryowook side) なんだか、宝くじにでも当たった気分だ。長い人生、こんなにかっこいい人に今まで出会ったことはない。まさか、あのプロフィール写真が偽物じゃなくてガチだったなんて。実物は100倍イケメンだ。彼は33歳で、外資系保険会社の営業管理職らしい。仕事も顔も全てが完璧だ。マッチングアプリ界隈にはこんなハイスペック男子がたくさん存在しているのだろうか?と驚きを隠せない。だけど、彼は彼女もいないし結婚も...
(Jongwoon side)週末の金曜日の夜、仕事を終えいつものようにパソコンの電源を切り、荷物をまとめ帰る支度をする。時刻は午後7時。マッチングアプリで知り合った彼女との約束を忘れたつもりではない。職場から約束の場所は5分で着く。けど、俺は約束の場所には行かなかった。そのことによって、彼女に悪く思われても別にかまわない。だって、俺達は会ったこともないし互いに素性をまったく知らない。それに、ヒョクチェ達が勝手に...
拍手に返信できない為、こちらでお伝えさせていただきます。パスワードのお問い合わせありがとうございました。正しいパスワードは、08240621oabです。アルファベットが逆のようです。お読みくださりありがとうございます!!...
(Ryowook side) マッチングアプリのサイトに登録して数分、さっきからサイトを通したメッセージが鳴り止まない。数分で既に50通近く、出会いを求める男性達からのメッセージが止まらなかった。「女子大生効果凄すぎ…」若干僕は引き気味だった。マッチングアプリ界隈では、女子大生設定がかなりおじ達からの支持が高いと聞いたことがある。まあ、僕は女子大生でも何でもないんだけど…昔から童顔とはよく言われる。そこら辺はあえ...
今年で気付けば33の歳になっていた。周囲の友人達はほとんど結婚し、子供もいる。そんな一般的な人生の軌道に俺は今だに乗れずにいた。だけど、それを哀れだと思ったことはない。結婚はしてないが、俺は人生が上手く行ってると思う。韓国の名門大学を卒業し、仕事では良い成績を収めそれなりの地位を築けて来た。完璧な俺の人生。だけど、人間誰しも完璧な人間なんてなかなかそういないものだ。 大学を卒業し、外資系の保険会社...
(ryowook side) 今年もクリスマスの季節がやって来た。煌びやかなイルミネーションにクリスマスプレゼントに、誰もが心が躍る季節だ。だけど、僕は違った。クリスマス前に恋人に浮気され呆気なくフラれ捨てられた。フラれた理由も別れ際に教えてくれた。『お前、なんかつまらないんだよな』彼は僕にそう吐き捨て去って行った。そんなこと、分かってるし自覚してたつもりだった。なんも取り柄のない僕だけど、面白いことなんて何一...
自分に自信が持てない人が多い世の中だけど、僕は結構自分に自信がある方だ。なぜなら、365日肌の手入れは怠らないし男だけど女子力は結構高めだと思う。今日も朝から肌の調子は絶好調だ。昨日の高級パックが良かったのだろう。丁寧に洗顔をし、化粧水と美容液、日焼け止めまでぬかりなく塗る。唇に軽くリップを塗り、仕事へと向かった。僕の仕事はアイドルだ。僕がここまで自分磨きをするのはアイドルだからという理由よりかは...
週末の土曜の夜、今更約束を断われるはずもなくリョウクとの飲みは仕事が終わったらそのまま一緒に店まで一緒に行くことになっていた。「ジョンウンさんすみません、ちょっと仕事でミスってしまってヒヤリハット書かないといけないので下で待っててもらっていいですか?」「ああ、分かった。ロビーで待ってるから」「分かりました!急いで行きますから!」荷物をまとめ下へ降り、ロビーのソファーにでも座ってリョウクを待とうと...
なんか知らないが…俺めちゃくちゃキュヒョナを怒らせてしまったのか…?見たこともないようなキュヒョンの表情に身震いしながら部屋の扉の前までやって来た。「じゃあ、着替えてシャツ持って来るからちょっと待っ……」「言ったじゃないですか、俺が脱がしてあげるって…」部屋の鍵を開けるなりキュヒョンの唇が重なって来てそのまま倒れるように玄関で抱かれる。「…んっ…キュヒョ…ナ…待っ…」息ができないくらいのキスを浴びせられなが...
少し残業をし、帰るのは8時前になってしまった。今日の夕飯はどうしようか?とぼんやり考えながら職場を出ようとした時だった。「あれ?ジョンウンさん今帰りですか?」「キュヒョナ?まだいたのか?」「はい、少しトラブルがあって遅くなりました。良かったら今日も俺の家に…」「お前の家には絶対行かない!!今日はゆっくり寝たいんだ」「そうですか」キュヒョンがクスリと笑う。「じゃあ、家まで送って行きます。夜1人歩かせ...
「どうしよう…着替え持って来てないんだけど…」次の日、昨夜キュヒョンに抱かれて眠気とダルさの中朝食を食べている途中、着替えがないことに気づいた。昨日はキュヒョンの家に泊まるつもりじゃなかったから着替えなんて用意してるはずもなく、かと言って昨日の服を来て行くわけにも行かず。「今から家に服を取りに帰って来る。急げば始業時間までには間に合うよな?」「ジョンウンさん大丈夫ですよ。俺の服貸しますから」「キュヒ...
(Jongwoon side)全ては嘘から始まった。俺は、同僚達との罰ゲームに負けある男に愛の告白をするという悲惨な罰ゲームを背負わされた。木っ端微塵にフラれるのが目的だった。けど、その男は…俺のことを密かに愛していた。 今年も厳しい寒さの冬を終え、春が訪れ5月になろうとしていた。俺は1年で1番この季節が好きだ。暖かいからとか新しい出逢いがあるからとかじゃなくて、また1つ先輩になれるからだ。長男気質とでも言うのだろ...
読者の皆様へ青い鳥を最後までお読みいただきありがとうございました♡途中、だいぶ更新に間が空いてしまいましたがそれでもお待ちいただき読んでくださった皆様本当にありがとうございました(╹◡╹)一度閉館したものの、何故か書かなくなったら書きたくなるとい事態に陥りお恥ずかしながらも戻って来てしまいました。お話を考えたり書くのは大変ですが、やっぱり妄想は楽しいです。今回のお話しはクリスマスのお話しでしたがもう春...
(Yesung side) 朝、目が覚めたら何だか不思議な感情に襲われた。ずっとずっと、長い夢を見ていたような…それに、酷く誰かを愛していたような…「何で俺はこの部屋で眠っていたんだ…?」自分の部屋ではなく、使われていない空き部屋で眠りから覚めた。ドアをノックする音が聞こえシウォナが入って来た。「イェソン様、こんな所にいらっしゃったんですか?部屋に姿がないので心配しました。朝食の時間はとっくに過ぎております」「す...
この苦しみから解放されたくて、魔女から受け取った薬に口を付けた。あなたに触れられないのなら…あなたが誰かといずれ結婚するのなら…僕は鳥に戻り全てを忘れることにしよう。そう覚悟を決めて薬を口に含んだ。けど、その薬を飲み込むことはできずに結局吐き出し水に流して捨ててしまった。イェソン王子と過ごした日々を忘れることなんてできない…いや、忘れたくなんかない。全てを忘れて鳥に戻るくらいなら僕は….その時、ドアを...
(Rowook side)人間になってどれくらいの月日が流れただろうか…?もしかしたら僕は、人間として生きる時間があまりにも長過ぎたのかもしれない。あの人のそばにいれるだけで、ただそれだけで良かったはずなのに僕の心はどんどん欲が増して行った。あの人に触れてしまえば僕は雪となって消えてしまうのにその手に触れてみたくて、触れてほしくて、心が壊れてしまいそうなくらいに苦しかった。『明日、俺と一緒に踊ってくれないか?』...
リョウクは不思議な人間だ。まるで心が通じ合っているかのように森の動物達と会話している時がある。それに、歌うのが好きなリョウクの歌声は、まるで鳥のさえずりのようにどこまでも美しい。リョウクが森で生まれ育ったかのように森と共存しているかねように感じることもある。リョウクを探しに森を訪れた。リョウクは昔から城の隣にある森が好きでよく訪れていた。以前はこの森でよく一緒に遊んでいたが、最近は森で本を読むの...
リョウクを見つめる1人の若い男の家臣。俺は、その男の首根っこを力強く掴んだ。「わぁっ…!!イェソン様どうされましたか!?」「お前、今リョウギの尻をいやらしい目で見てただろ?」リョウクへの男の視線が気に食わなかった。「そんなの誤解ですって…!!」「イェソン様、手を離してあげてください。その者はそのような卑猥な人間では決してありません」「…すまない…」リョウクの言葉に掴んでいる手をスルリと離した。いつか...
(yesung side) 今年もまた、秋が終わりを告げこの国に冬がやって来る。冬と言ってもこの国は比較的1年を通して温暖な気候なので厳しい寒さは無い。国の王子として、次期国王として宿命を持って生まれた俺は今年で15の歳を迎えていた。そして、今年もイエス・キリストの降誕を祝うパーティーが城で賑やかに行われる。いくつになってもクリスマスは心がわくわくするものだ。たくさんのご馳走を囲みながら城のもの達がダンスを踊る。...
(プロローグ) 昔々の物語です。ある国の城の隣りにある森の中に、それはそれはとても美しい青い鳥がおりました。誰もが見惚れる程の美しい青い羽を持ち、その瞳も吸い込まれてしまいそうな程の青い瞳をしていました。それ程までに美しい姿を持つ鳥は、度々人間に狙われることもありました。そして、ある日森の中に足を踏み入れた人間の矢に身体を射られてしまい、そのまま地面へと叩きつけるように落ちてしまいました。「ヒヒ、こ...
みなさんお元気ですか…?もうすっかり忘れ去られたであろうりんごです。もうお話し書くことにある程度満足して、もう書けないわ〜って、書くとしてもずっと先かなと思ってたんですが………書かなくなると書きたくなる不思議.°(ಗдಗ。)°.やっぱり妄想が好きです。でも、もう書く勢いもそんなにないと思うので。とりあえず、ギュちゃんセンイルあたりにまたギュイェのお話しのその後書きたいです(╹◡╹)覚えてますか?嘘から始まったキュ...