「ジョンウンさん、さっそく来週からよろしくお願いします!」シウォンさんとの面接を無事に終え、俺達は店を出た。シウォンさんは彼をすごく気に入った様子でホっとささた。店を出るなり崩れるように彼がふらつき、その身体を支えた。きっと体調が悪いのを必死に我慢していたのだろう。「ヒョン大丈夫!?さっきまであんなに元気だったのに…」「キュヒョナ…もしかしてあの人イエスの申し子か…?」イエスの申し子…?俺は、はっと...
「ジョンウンさん、さっそく来週からよろしくお願いします!」シウォンさんとの面接を無事に終え、俺達は店を出た。シウォンさんは彼をすごく気に入った様子でホっとささた。店を出るなり崩れるように彼がふらつき、その身体を支えた。きっと体調が悪いのを必死に我慢していたのだろう。「ヒョン大丈夫!?さっきまであんなに元気だったのに…」「キュヒョナ…もしかしてあの人イエスの申し子か…?」イエスの申し子…?俺は、はっと...
「分かりました!じゃあ、今日15時くらいに行きますのでよろしくお願いします」そうシウォンさんに伝え、俺は電話を切った。ユノさんの代わりにイェソンヒョンにしばらく代わりで仕事に入ってもらおうとシウォンさんに相談した。正直、不安はあるけど俺のそばで仕事をする方がもしかしたら安全なのかもしれない。「イェソンヒョン、ごめんだけど俺が学校に行くまでに履歴書書いてくれないか?」「リレキショ?何だそれ?」「俺の職...
早朝にシウォンさんから電話が来た。どうやら、従業員のユノさんが骨折したらしく、しばらく勤務に入れないらしい。ギリギリの人数で回してるから1人欠けるのはかなりの痛手だ。人材を募集してる時間ももちろん無いわけで、「誰か働いてくれる人が知り合いにいれば紹介してほしい」そうシウォンさんは告げて電話を切った。「大変なことになったな…知り合いって言われても…」俺は溜め息をつきながら油を敷いたフライパンに卵を割...
「なあキュヒョナ、さっきから何怒ってんだよ?」「別に怒ってない」「あからさまに顔が不機嫌そうに見えるけど」慌ただしく帰って来て、彼が灰にならずホッとして風呂に入り眠る頃には深夜の1時を過ぎていた。こっちはなんだかくたくただけど、悪魔は夜行性なのか目をギラつかせて元気そうだ。「ヒョンが簡単にリョウギと『恋人』になるなんて言うから…」「だからって何でお前が怒るんだよ?ところで、『コイビト』ってどういう意...
(KyuHyun side) シウォンさんのパソコンのトラブル対応が長引き、バイト先を出たのが11時45分だった。ダッシュで走れば10分もかからないだろうと俺は真夜中の街中を猛スピードで走った。その時、いつも通る家までの近道が事故で通行止めになっていて迂回路ができていた。こっちの道だと時間がかかってしまう…どうしよう…間に合わない…焦りが強くなるが、力を振り絞って全力で家まで走った。けど、家に着いた時は0時を2分過ぎて...
(Yesung side) まだまだこの世界の明るさに慣れそうな気配がない。太陽の光はやっぱり眩し過ぎるしギラギラと暑すぎて辛いけど、今日は仕事を見つけるまでは帰らないと決めていた。太陽の光を遮るようにフードを深く被りながらも、意気揚々と職業安定所なるものを目指し街中を歩いている時、いろんな人に声をかけられた。『君ならトップアイドルになれる』『君なら億は簡単に稼げる』たくさんの稼げそうな仕事の誘いを受け、胸...
「オンマ、ごめんだけど2人分くらいのおかずたくさん送ってくれない?それから…仕送りもちょっと増やしてくれたら嬉しいなって……え?遊びに使うんじゃないよ!いろいろ勉強に必要なものが多くて…うん、分かった」溜め息混じりに母親との電話を切った。悪魔が棲みついたせいで光熱費や食費が今月は倍になりそうな予感だ。ただ、悪いことばかりじゃない。彼はいつも魔法で男の1人暮らしの荒れた部屋を綺麗にしてくれる。けど、食事は...
(KyuHyun side)「じゃあ、上がります。お疲れ様でした!」夜のバイトを終え急いで帰る支度をし、帰路に着こうとしていた。悪魔と同居しだして数日が経った。いや悪魔が『棲みついた』という表現の方が正しいのだろうか?「ねえ、最近なんかやけにいそいそと家に帰らない?誰か家で待ってたり?」いつもどこか感が鋭いリョウクが探るように聞いてくる。「別に…」「そのちょっと動揺した顔は絶対に誰かいるでしょ?もしかして恋人...
(Yesung side) 浅い眠りから目が覚め、瞼越しに光を感じた。堪らなく眩しくて身体が溶けてしまいそうだ。窓から差し込む光と暖かさが堪らなく嫌だ。「…それ閉めてくれないか…」「あっ、イェソンさん目が覚めましたか?」「光が眩しい…」俺はカーテンに指を向けると魔法でカーテンを閉めた。この世界に来てもどうやら魔力は少し使えるようだ。「えっ…あんた魔法使えるのか?ハリーポッターみたい!」「まあ…悪魔だから」キュヒョ...
悪魔を家になんか連れ込んでもいいのかなんて全く分からないけど、真夜中で雨も降りそうだったから内心恐怖を感じながらも今晩は泊めてあげようと家に連れて来た。俺の淹れたお茶を美味しそうに飲む姿はまるで普通の人間だ。けど、目を引く程の容姿の美しさには男の俺でもついつい見惚れてしまう。「お前のおかげで何とか助かった。ありがとうな。お前の名は?」「俺の名前はチョ・ギュヒョン。あなたは確か…『イェソン』ってさ...
彼の身体が指先からパラパラと灰になり散って行く。その姿があまりにも恐ろしくて俺は腰を抜かして動けなくなってしまった。「…助けてくれ!!このまま灰になって滅びたくない!!」「…たっ…助けるって言ったって一体どうやって!?」次の瞬間、彼は最後の力を振り絞って俺の唇に自分の唇を重ねた。彼の舌が俺の口の中へと入って来ると、彼の滅んだ指先が元に戻った。「危機一髪…あと数秒遅かったら俺は灰になって滅んでたかも。...
「脳も全て検査をしましたが異常は見当たりませんでした。患者様が目を覚ましましたらご帰宅いただいてもかまいません」「そうですか…良かったです」道端で倒れていた青年を病院に運び、検査をしてもらったが特に異常無しとの医師の診断だった。立て替えた検査費用も夜間救急でバカ高く、彼が目を覚ましたらちゃんと請求するつもりだ。ベッドで眠っている彼。それにしても、こんな世の中にこんな綺麗な男の人がいるんだな…芸能人か...
とある世界の地の果てに、死んだ人間の魂を喰い生命を維持する悪魔の世界がありました。その中に、全ての悪魔を魅力し虜にする『イェソン』と言う非常に美しい悪魔がおりました。やがて、イェソンに心を奪われた悪魔達がイェソンを巡って争いを起こすようになりました。それを見兼ねた神様がイェソンを悪魔の世界から追放することにしました。「いいか、お前はこれから人間の世界で生きて行け」こうして、イェソンは悪魔の世界か...
(Ryowook side)「よし!できた」明日は2月14日のバレンタインデー。彼と過ごす初めてのバレンタインデーで張り切って手作りチョコなんて作ってみたり。「わっ!もう11時過ぎてる!早く寝なきゃ!」夢中で手作りチョコを作っていたらいつの間にか深夜近くになっていた。キュヒョナのこともあって彼との別れを覚悟したけど、どうやらキュヒョナと少しずつまた良好な関係に戻れて来てるみたいだ。どこか距離を感じていた僕とキュヒョ...
(Jongwoon side) キュヒョンのメールを見て、俺達はカフェを飛び出しキュヒョンの家へとやって来た。その間キュヒョンに電話を何度もかけるが結局出ることはなかった。「キュヒョナ、家にいないみたいですね…」何度もインターホンを押すが一向に出て来ずだ。家にいる気配も無さそうだ。「あいつどこ行ったんだよ…」キュヒョンにもしものことがあったらと思うと堪らなく不安になり焦る。「電話も出ないし…あっ、シウォンさんに連絡...
(KyuHyun side)『たかが失恋で』そう言われるかもしれないけど、何だか自分が世界一不幸な人間に思えて仕方がなかった。信頼していた兄に好きな人を奪われ、その相手がリョウギだったショック。だけど、そんな事を知ってもやっぱりリョウクへの気持ちは冷めることはなく俺はどこまで彼のことが好きなんだろうと自分に呆れてしまう。だからこそヒョンのことがどこまでも許せなくて毎日のように嫌がらせメールを送ってしまう。仕事...
季節は年が移り変わり新年を迎え、仕事初めがあっという間に訪れた。全てをキュヒョナに告白し、この日をどう迎え、どんな顔をしてキュヒョナに会えばいいかなんてまったく分からなかった。結局僕達はお互いにどこか気まずさを感じながら仕事をし、以前のような関係には戻ることはできなかった。どこか心苦しさを感じつつも、僕はどうすることもできずに日だけがただただ過ぎて行くばかりだった。ふと、カレンダーを見るともう1...
「僕達、マッチングアプリで出逢ったんだ」「…え…?」こんなこと言ったら、きっとキュヒョナに嫌われてしまうかもしれない。けど、全てを隠さずに話すと僕は決めた。「恋人にフラれてむしゃくしゃしていた僕は、女のふりをしてマッチングアプリを利用しておじさん達からお金をもらおうとしてたんだ。いわゆる、パパ活ってやつかな…」「…お前が…?」キュヒョナは酷く動揺していた。無理もない、親友がパパ活なんて受け入れられるは...
彼に抱かれた熱がまだ身体に残る中、ベッドに入って眠りにつこうとしていた。彼の匂いが染み付いたシーツを嗅いで、もう会いたくなってしまう。その時、電話が鳴った。相手はジョンウンさんだ。もう時刻も日付けが変わろうとしていた。どうしたんだろ…?「もしもし?」『もしもし?寝てた?』なんだかやけに元気の無い声に心配になってしまう。「どうしたんですか?こんな遅くに?」『いや…またリョウギの声が聞きたくなって…...
真っ白なシーツの上でベッドを軋ませ、互いをどこまでも求め合う。もう何回共に達しただろうか?汗ばんだ身体を揺らし、快楽に溺れていた。激しさを増す吐息を重ね、絶頂を再び迎えようとしていた。「…あっ…はぁ…リョウギ…!」彼の細い指に俺の指を絡め、どこまでも熱く火照ったその指先からの熱を感じる。肌と肌がぶつかり合う音が卑猥さを増す。「….あぁっ…ジョウンさん…もっと…来て…」瞳を潤ませ熱く火照ったリョウクの身体が...
(Jongwoon side) 今まで生きてきて、自分の頭の中を100パーセントも占める存在なんて誰もいなかった。四六時中相手のことが頭から離れなくて、そんな会いたくて堪らない存在がいるだけで嬉しい。恋をすると、どこか色を失っていた毎日が本当に色鮮やかになる。いつも見ている何気ない風景が鮮明に見え、心が弾む。それだけでも、自分がやっと人間らしくなれたんだと嬉しくなる。今年度の仕事納めも無事に終わり、次の日は特に予定...
仕事納めの帰り、事務所近くの居酒屋でキュヒョナと待ち合わせをした。キュヒョナが来る前に僕はチャミスルの瓶を一つ空け、飲んでいた。僕とジョンウンさんのマッチングアプリでの出会いは否定されるかもしれないけど、恋人に発展したことはきっと受け入れてくれるよね?それにしても、話しがあるって言ってたけど話しって何だろう…?少しの緊張と共に、良いが回り始めた頃キュヒョナが店に入って来た。「リョウギごめん!待っ...
事務所に、お歳暮を持って年末の挨拶に来たチョン社長を目にしてあの日の記憶がフラッシュバックする。『リョウクくん、ジョンウンくんとデートかね?』あの日のデートの目撃者……非常にまずい!!「チョン社長じゃないですか!昨年は大変お世話になりました!」キュヒョナが背後からチョン社長に挨拶をする。「こちらこそ、昨年は大変世話になった。君達に感謝している」チョン社長にあの日の話題を出されないうちに、ここはキュ...
(Ryowook side) 朝、目が覚めると彼の綺麗な横顔がすぐそばにあり心臓が飛び跳ねる。「…そういえば…」昨日はだいぶ酔ってたけど記憶はちゃんとある。どうもお酒を飲んでしまうと大胆になってしまうから困る。昨日の夜の出来事は一つずつ整理する。僕達の関係ってどうなったんだっけ…?僕は彼に好きだと伝えたことは覚えてる。でも、彼はどうだったっけ…?『君と恋をしたいと思う』その言葉を思い出す。ってことは…ジョンウンさ...
『あなたにまた抱かれたいです…』色付いた視線を向けられ、その紅く染まる頬に触れてみたい衝動を抑えきれないくらいに甘い誘惑に惑わされ、その誘惑に負けてしまいそうだった。「一瞬の衝動で関係を持てばきっと後悔する。それに、『割り切った関係でもいい』なんてそんなこと言うもんじゃない。君はだいぶ酔ってるみたいだ。今日は帰ろう」「そんなの…ジョンウンさんあなたほんと酷い人ですね…」「何が…?」「じゃあ何で今夜僕を...
(Jongwoon side) 今まで、誰かと一緒に過ごす時間はどこか退屈だと感じて来た。恋人になった女性のどうでもいい自慢話しや誰かの噂話し。早く時間が過ぎないかといつも時計を気にしていた。けど、彼と過ごす時間はそうじゃなかった。彼の存在が全然邪魔じゃなくて、このまま時が止まってしまえばいいのにと思えるくらいに穏やかで優しい時間だった。その中に感じる胸の鼓動。彼を見つめて揺れる鼓動に焦りを感じた。キュヒョンが...
(Ryowook side) キュヒョナと初めて出逢った日のことを今でも鮮明に覚えてる。少し人見知りな僕に、フワッと笑顔を向けてくれた彼の姿を。彼に当たり前のように惹かれ、恋に落ちた。でも、その恋心は彼への嫉妬と劣等感で壊れてしまうことになる。誰にも打ち明けることもなく、ひっそりと閉じてしまったこの恋心をキュヒョナのお兄さんに語る日が来るなんて、夢にも思わなかった。「今日は荷物一緒に持ってもらってありがとうご...
クリスマスイブの華やかな街中を、買い物袋を手にぶら下げて歩く。正直、クリスマスイブに買い物袋をぶら下げているなんて俺達くらいだろう。「すみません…買い物袋なんか持ってもらって…恥ずかしくないですか?」「まあ、正直クリスマスイブにこんな姿は恥ずかしいかも」俺は冗談混じりに笑う。「すみません…」「いいよ。君のこんな姿見たらほっとけるわけがない」それに、こんなことキュヒョンが知ったら怒られるかもしれない...
(Jongwoon side) キュヒョンが1人で暮らすマンションを訪れ、部屋の合鍵で鍵を開けた。クリスマスイブにコロナ感染とかつくづく気の毒に思ってしまう。いや、あいつに恋人なんていないから別に気の毒に思う必要はない。シーンと静まり帰った廊下を歩き、キュヒョンの寝室のドアをノックしそっと開けた。「キュヒョナ、大丈夫か?」俺の声にキュヒョンはベッドから身体をゆっくり起こした。「…ヒョン?来たんだ…コロナ移ったらどう...
『僕達、たまにこうやって会いませんか?』彼と連絡先を交換して数週間が過ぎた。気付けば明日はもうクリスマスイブ。でも、だからと言って連絡する勇気も無く今に至る。なんであんなこと言っちゃったんだろ…『好きになったら困る』とか言われてなんか屈辱感半端なくてやっぱり思い出すと恥ずかしかったり悔しかったり。無駄に携帯にある彼の番号をもう消そうとも思ったけどそこまでしなくても?と思ってしまう。いや、せっかくの...
なんだか昨日彼に会ってから、恋も始まってないのにフラれて頭の中でグルグルと考え過ぎて眠れるはずもなく、今日の朝に至る。事務所で眠気覚ましのコーヒーを淹れ、席に座り軽くあくびをした。そうだ…彼はノンケだからああいう言い方になるのも無理はない。彼なりの自己防衛ってやつ?彼の表情や言葉にときめいていたのは確かだ。それを察しちゃったかな…?ハイスペック男子が自分に自信が無いわけがない。でもなんか悔しい〜!...
彼は僕の本当の姿を知りたいと言ってくれた。だから、彼に伝えてもいいんじゃないか…「ジョンウンさんあの…僕は性同一性障害なんです。だから、僕は恋愛対象が男なんです」こんなこと、キュヒョナと親くらいしか知らない。あまりよく知りもしない彼にカミングアウトするなんて危険行為だとは分かってる。「だから、この前のことであなたが責任を感じる必要は全くはありません。誘ったのは僕だし…」「…ああ…そういうことか…」「引...
(Ryowook side)目と目が合った瞬間、心臓の鼓動が足早に動きだしていた。『君の本当の姿を知りたいんだ』せっかくあの日のことを忘れかけていたのにどうしてそんな言葉を…「でも…ジョンウンさんに申し訳なさすぎて合わせる顔がありません…」「本当の君を知ればもっと許すことができるかもしれない」そうだ…正直にちゃんと彼に伝えればいいんだ。あの日の気持ちも全て全部…「じゃあ…隣に座ってもいいですか?」「ああ」追加注文し...
(Jongwoon side) 週末は、カフェでゆっくりコーヒーを飲みながら本を読むのが好きだ。普段は保険会社の営業として慌ただしい日々を過ごしているから、カフェの心地良い空間とゆっくり流れる時間がたまらなく好きだ。クリスマスを前にして街中が賑わう週末、いつものようにカフェで本でも読もうと立ち寄った。カフェ巡りは趣味の一つでもある。このカフェは、こだわりのコーヒーと落ち着いた雰囲気が印象的で気に入っていた。その...
(Ryowook side)「お互いにとって毒のような存在か……」僕は、ハァっと深いため息をついた。彼に言われた言葉なんてもう忘れてしまえばいいのに、そんなことできないくらいにどうやら僕は深く傷付いているようだ。仕方ない…自業自得なんだ自業自得。全部僕が悪いんだ。「どうした地面に穴が空きそうなくらいため息ついて?」キュヒョナに深いため息を見られてしまいドキっとなる。「いや…何でも…」「俺には言えないようなことでも...
(Jongwoon side) 会計事務所から職場に戻り、気持ちを落ち着かせる為に熱いコーヒーを一口飲んでフゥっと息を吐いた。クールな表情を装っていたが、内心は全然穏やかではなかった。まさか、彼がキュヒョナのいる事務所で働いているとは…あの子、やっぱり年齢も詐称してたんだな…つくづく呆れてしまう。そこまでして金が欲しかったのか?ふと、上着のポケットに押し込まれたお札を思い出した。「一応罪悪感はあったんだな…」お札を...
な……なんで…彼がここに…?彼から名刺を受け取り、わなわなと震えてしまう。S保険会社営業、キム・ジョンウン…あの日、受け取った名刺とまったく一緒だ。「代表はいらっしゃいますか?」「あっ…実はまだ戻らなくて…中でお待ちいただけますか!?申し訳ありません!!」声もおかしいくらい裏返ってしまう。「いえ、私も時間が少し早かったので待ってます」彼を応接室に案内した。まるで、僕のことを忘れてしまったかのようにまったく...
(Ryowook side) 彼と会って、1週間が過ぎた。あの日はだいぶお酒を飲み、次の日酔いが覚めたら何だかむしゃくしゃした気持ちが一気に冷め、僕がした行動がバカバカしくなってマッチングアプリも削除した。今となっては彼に申し訳なく感じ、どこかでまた出会えたらお金も返そうかと思っている。正直、彼との会話は素直に楽しめたしどこまでも素敵な人だった。あの日の夜のことを思い出すだけで身体が一気に熱くなる。彼の愛撫だ...
自宅のマンションに帰り、ドアの暗証番号を打ち込み部屋に入ると、「おかえり〜」あいつの声がした。また従兄弟のキュヒョンが来てるのだろう。昔からキュヒョンは実の弟のように可愛がって来た。今では俺の部屋の合鍵を持ち、自宅と行き来してるくらいだ。俺は帰るなりバスルームに直行し、シャツを脱ぎ洗濯機に投げ入れた。さっきまで会っていた彼の甘いコロンの匂いがどうやらついてしまいその香りがなんだか邪魔だ。シャワー...
街外れにあるホテル街に彼と来た。よく見ると、マッチングアプリで知り合ったであろう中年男性と若い女性が並んで歩いている姿をよく見かける。僕達周囲から一体どんな風に見られているのだろうか…?そんなことより、僕は今夜彼に殺されてしまってもおかしくない状況だ。自業自得と言えばその通りなんだけど、人生なんてどうでもいいように思えて来た。『何で僕はみんなと同じ風に生まれて来れなかったのだろうか』自分自身の生...
店から外に出ると、酔いが冷めてしまいそうなくらいの寒さで思わず身震いしてしまう。白い息を吐きながら彼を待つ。クリスマスシーズンの街中を恋人達が仲睦まじく手を繋ぎ歩く姿が多く見られる。お互いを愛おしそうに見つめ合う恋人達。なんだか、あの人達の姿を見てると僕がして来た恋が酷く薄っぺらく感じた。あんな風に見つめ合い、誰かに触れたくて堪らなくなるほど誰かを愛したことがあっただろうか?僕は、今まで本当に誰...
(Ryowook side) なんだか、宝くじにでも当たった気分だ。長い人生、こんなにかっこいい人に今まで出会ったことはない。まさか、あのプロフィール写真が偽物じゃなくてガチだったなんて。実物は100倍イケメンだ。彼は33歳で、外資系保険会社の営業管理職らしい。仕事も顔も全てが完璧だ。マッチングアプリ界隈にはこんなハイスペック男子がたくさん存在しているのだろうか?と驚きを隠せない。だけど、彼は彼女もいないし結婚も...
(Jongwoon side)週末の金曜日の夜、仕事を終えいつものようにパソコンの電源を切り、荷物をまとめ帰る支度をする。時刻は午後7時。マッチングアプリで知り合った彼女との約束を忘れたつもりではない。職場から約束の場所は5分で着く。けど、俺は約束の場所には行かなかった。そのことによって、彼女に悪く思われても別にかまわない。だって、俺達は会ったこともないし互いに素性をまったく知らない。それに、ヒョクチェ達が勝手に...
拍手に返信できない為、こちらでお伝えさせていただきます。パスワードのお問い合わせありがとうございました。正しいパスワードは、08240621oabです。アルファベットが逆のようです。お読みくださりありがとうございます!!...
(Ryowook side) マッチングアプリのサイトに登録して数分、さっきからサイトを通したメッセージが鳴り止まない。数分で既に50通近く、出会いを求める男性達からのメッセージが止まらなかった。「女子大生効果凄すぎ…」若干僕は引き気味だった。マッチングアプリ界隈では、女子大生設定がかなりおじ達からの支持が高いと聞いたことがある。まあ、僕は女子大生でも何でもないんだけど…昔から童顔とはよく言われる。そこら辺はあえ...
今年で気付けば33の歳になっていた。周囲の友人達はほとんど結婚し、子供もいる。そんな一般的な人生の軌道に俺は今だに乗れずにいた。だけど、それを哀れだと思ったことはない。結婚はしてないが、俺は人生が上手く行ってると思う。韓国の名門大学を卒業し、仕事では良い成績を収めそれなりの地位を築けて来た。完璧な俺の人生。だけど、人間誰しも完璧な人間なんてなかなかそういないものだ。 大学を卒業し、外資系の保険会社...
(ryowook side) 今年もクリスマスの季節がやって来た。煌びやかなイルミネーションにクリスマスプレゼントに、誰もが心が躍る季節だ。だけど、僕は違った。クリスマス前に恋人に浮気され呆気なくフラれ捨てられた。フラれた理由も別れ際に教えてくれた。『お前、なんかつまらないんだよな』彼は僕にそう吐き捨て去って行った。そんなこと、分かってるし自覚してたつもりだった。なんも取り柄のない僕だけど、面白いことなんて何一...
自分に自信が持てない人が多い世の中だけど、僕は結構自分に自信がある方だ。なぜなら、365日肌の手入れは怠らないし男だけど女子力は結構高めだと思う。今日も朝から肌の調子は絶好調だ。昨日の高級パックが良かったのだろう。丁寧に洗顔をし、化粧水と美容液、日焼け止めまでぬかりなく塗る。唇に軽くリップを塗り、仕事へと向かった。僕の仕事はアイドルだ。僕がここまで自分磨きをするのはアイドルだからという理由よりかは...
誰かを想い続けてもう5年になる。自分がこれほどまでに一途な人間だということを自分でも知らなかった。食堂で彼を見かけると、決まって彼と同じメニューを注文する。1人寂しく昼食を食べる俺とは違って、彼はいつも同僚達と賑やかに昼食を食べていた。自分もあの輪に入り、あの人に笑顔を向けてほしいと何度願い、夢見たことか。一目惚れだった。あの人はいつも笑顔で周囲にはたくさんの人がいて、周りを明るく照らす太陽の...
彼を家に送り届ける頃には、雨はだいぶ小降りになっていた。いつまでも相合傘を楽しんでいたいからこのまま梅雨が明けなければいいのにとさえ思ってしまう。「いつも送ってくれてありがとうな」湿気で少し濡れた髪と肌が一層彼の色気を引き立たせている。ああダメだ…今日は我慢して大人しく帰ろう。いつも彼には無理をさせている。「ジョンウンさん、それじゃあまた明日」彼に背を向け、帰ろうとした時だった。「待てって…随分濡...
晴れ間が出ていた午前から、天気は昼を過ぎると一気に下り坂となり雨が降り出した。きっと、あの人は朝に天気予報も見ず慌てて傘も持たずに仕事へ向かっただろう。今日は定時に帰ると言っていた。だから、俺も早く仕事を終わらせ彼を待つ。季節は梅雨となり、夏はもうすぐそばまで来ているのだろう。梅雨は憂鬱で嫌いだ。少しクセのある髪もまとまらないしとにかく湿気が俺を憂鬱にさせる。けど、そんな憂鬱な梅雨はいつもとは違...
皆様、お久しぶりです…もう、存在すら忘れられてたかと思いますがあと1話残したままとんずらしてしまい申し訳ないです(;ω;)言い訳はいろいろありますが、8月24日(木)兄さんセンイルに更新予定です♡訪問してくださったら嬉しいです!りんご...
互いに昂り始めた熱は冷めるはずもなく、街外れにあるホテルへとやって来た。人生30年近く生きてるとこういう場所は初めてではないはずなのにやけに緊張してしまう。部屋に入るなりキュヒョンに背中を抱かれ、俺の耳に唇を寄せその唇が滑り落ち首筋に辿り着く。「…あっ…まだシャワー浴びてない…」「もう1分1秒も我慢できないんですけど…」キュヒョンに軽く首筋を吸われただけで身体がビクんと揺れる。何だか今日はいつも以上に身...
どのくらいの時間二人で飲んだだろうか?すっかりリョウクは酒に酔い潰れ、そろそろ失恋のヤケ酒も終わりを迎える時間だろう。「リョウギ、大丈夫か?」「はい…」フラフラ状態のリョウクの肩を抱き、外に出た。「….よかったら僕の家で飲み直しませんか…?まだまだ失恋のヤケ酒は足りないみたいです…」「まじかよ…これ以上飲んだらお前ヤバいだろ?」「今夜は一人でいたくないんです…責任取ってくださいよ〜…」リョウクが俺の腕に...
週末で賑わう店内に入り、リョウクと横並びにカウンター席に座った。とりあえず互いにビールを注文し、乾杯をした。見た目は酒なんて弱そうなリョウクだが以外と好きらしく、見ていて気持ちの良い飲みっぷりだった。酒を飲みながらリョウクの仕事の相談に乗った。やっぱり俺の感じた通りリョウクは仕事熱心で純粋な子だと言うことに間違いは無かった。「ジョンウンさんありがとうございます!結構自分で抱え込んでしまうタイプなん...
週末の土曜の夜、今更約束を断われるはずもなくリョウクとの飲みは仕事が終わったらそのまま一緒に店まで一緒に行くことになっていた。「ジョンウンさんすみません、ちょっと仕事でミスってしまってヒヤリハット書かないといけないので下で待っててもらっていいですか?」「ああ、分かった。ロビーで待ってるから」「分かりました!急いで行きますから!」荷物をまとめ下へ降り、ロビーのソファーにでも座ってリョウクを待とうと...
なんか知らないが…俺めちゃくちゃキュヒョナを怒らせてしまったのか…?見たこともないようなキュヒョンの表情に身震いしながら部屋の扉の前までやって来た。「じゃあ、着替えてシャツ持って来るからちょっと待っ……」「言ったじゃないですか、俺が脱がしてあげるって…」部屋の鍵を開けるなりキュヒョンの唇が重なって来てそのまま倒れるように玄関で抱かれる。「…んっ…キュヒョ…ナ…待っ…」息ができないくらいのキスを浴びせられなが...
少し残業をし、帰るのは8時前になってしまった。今日の夕飯はどうしようか?とぼんやり考えながら職場を出ようとした時だった。「あれ?ジョンウンさん今帰りですか?」「キュヒョナ?まだいたのか?」「はい、少しトラブルがあって遅くなりました。良かったら今日も俺の家に…」「お前の家には絶対行かない!!今日はゆっくり寝たいんだ」「そうですか」キュヒョンがクスリと笑う。「じゃあ、家まで送って行きます。夜1人歩かせ...
「どうしよう…着替え持って来てないんだけど…」次の日、昨夜キュヒョンに抱かれて眠気とダルさの中朝食を食べている途中、着替えがないことに気づいた。昨日はキュヒョンの家に泊まるつもりじゃなかったから着替えなんて用意してるはずもなく、かと言って昨日の服を来て行くわけにも行かず。「今から家に服を取りに帰って来る。急げば始業時間までには間に合うよな?」「ジョンウンさん大丈夫ですよ。俺の服貸しますから」「キュヒ...
(Jongwoon side)全ては嘘から始まった。俺は、同僚達との罰ゲームに負けある男に愛の告白をするという悲惨な罰ゲームを背負わされた。木っ端微塵にフラれるのが目的だった。けど、その男は…俺のことを密かに愛していた。 今年も厳しい寒さの冬を終え、春が訪れ5月になろうとしていた。俺は1年で1番この季節が好きだ。暖かいからとか新しい出逢いがあるからとかじゃなくて、また1つ先輩になれるからだ。長男気質とでも言うのだろ...
読者の皆様へ青い鳥を最後までお読みいただきありがとうございました♡途中、だいぶ更新に間が空いてしまいましたがそれでもお待ちいただき読んでくださった皆様本当にありがとうございました(╹◡╹)一度閉館したものの、何故か書かなくなったら書きたくなるとい事態に陥りお恥ずかしながらも戻って来てしまいました。お話を考えたり書くのは大変ですが、やっぱり妄想は楽しいです。今回のお話しはクリスマスのお話しでしたがもう春...
(Yesung side) 朝、目が覚めたら何だか不思議な感情に襲われた。ずっとずっと、長い夢を見ていたような…それに、酷く誰かを愛していたような…「何で俺はこの部屋で眠っていたんだ…?」自分の部屋ではなく、使われていない空き部屋で眠りから覚めた。ドアをノックする音が聞こえシウォナが入って来た。「イェソン様、こんな所にいらっしゃったんですか?部屋に姿がないので心配しました。朝食の時間はとっくに過ぎております」「す...
この苦しみから解放されたくて、魔女から受け取った薬に口を付けた。あなたに触れられないのなら…あなたが誰かといずれ結婚するのなら…僕は鳥に戻り全てを忘れることにしよう。そう覚悟を決めて薬を口に含んだ。けど、その薬を飲み込むことはできずに結局吐き出し水に流して捨ててしまった。イェソン王子と過ごした日々を忘れることなんてできない…いや、忘れたくなんかない。全てを忘れて鳥に戻るくらいなら僕は….その時、ドアを...
(Rowook side)人間になってどれくらいの月日が流れただろうか…?もしかしたら僕は、人間として生きる時間があまりにも長過ぎたのかもしれない。あの人のそばにいれるだけで、ただそれだけで良かったはずなのに僕の心はどんどん欲が増して行った。あの人に触れてしまえば僕は雪となって消えてしまうのにその手に触れてみたくて、触れてほしくて、心が壊れてしまいそうなくらいに苦しかった。『明日、俺と一緒に踊ってくれないか?』...
リョウクは不思議な人間だ。まるで心が通じ合っているかのように森の動物達と会話している時がある。それに、歌うのが好きなリョウクの歌声は、まるで鳥のさえずりのようにどこまでも美しい。リョウクが森で生まれ育ったかのように森と共存しているかねように感じることもある。リョウクを探しに森を訪れた。リョウクは昔から城の隣にある森が好きでよく訪れていた。以前はこの森でよく一緒に遊んでいたが、最近は森で本を読むの...
リョウクを見つめる1人の若い男の家臣。俺は、その男の首根っこを力強く掴んだ。「わぁっ…!!イェソン様どうされましたか!?」「お前、今リョウギの尻をいやらしい目で見てただろ?」リョウクへの男の視線が気に食わなかった。「そんなの誤解ですって…!!」「イェソン様、手を離してあげてください。その者はそのような卑猥な人間では決してありません」「…すまない…」リョウクの言葉に掴んでいる手をスルリと離した。いつか...
(yesung side) 今年もまた、秋が終わりを告げこの国に冬がやって来る。冬と言ってもこの国は比較的1年を通して温暖な気候なので厳しい寒さは無い。国の王子として、次期国王として宿命を持って生まれた俺は今年で15の歳を迎えていた。そして、今年もイエス・キリストの降誕を祝うパーティーが城で賑やかに行われる。いくつになってもクリスマスは心がわくわくするものだ。たくさんのご馳走を囲みながら城のもの達がダンスを踊る。...
(プロローグ) 昔々の物語です。ある国の城の隣りにある森の中に、それはそれはとても美しい青い鳥がおりました。誰もが見惚れる程の美しい青い羽を持ち、その瞳も吸い込まれてしまいそうな程の青い瞳をしていました。それ程までに美しい姿を持つ鳥は、度々人間に狙われることもありました。そして、ある日森の中に足を踏み入れた人間の矢に身体を射られてしまい、そのまま地面へと叩きつけるように落ちてしまいました。「ヒヒ、こ...
みなさんお元気ですか…?もうすっかり忘れ去られたであろうりんごです。もうお話し書くことにある程度満足して、もう書けないわ〜って、書くとしてもずっと先かなと思ってたんですが………書かなくなると書きたくなる不思議.°(ಗдಗ。)°.やっぱり妄想が好きです。でも、もう書く勢いもそんなにないと思うので。とりあえず、ギュちゃんセンイルあたりにまたギュイェのお話しのその後書きたいです(╹◡╹)覚えてますか?嘘から始まったキュ...
お話しを書き始めてから訪問してくださった全てのみなさま、本当にありがとうございました♡初心改め、またお話しを書いて行くつもりでしたが申し訳ありませんが潔く閉館させていただくことになりました。妄想は本当に尽きることなくまだまだ続けたいのが本音ですが、ここで書くことに対してある程度満足してしまいそろそろ身を引こうと思います。イェウク、ギュウクの妄想本当に楽しかったです。イェウクに関してはまだまだお話し...
週末、リョウクが俺の住んでる町へとやって来た。二人で食事をしてその後ゲーセンで遊び、コンビニでたくさんお菓子を買い込んで俺の家へと向かっていた。空はすっかり暗くなり、家までの夜道を二人で歩く。「なんか久しぶりにキュヒョナと楽しかった」「そうだな。この前はお前なんか膨れっ面だったもんな」「あれは…だって、付き合っても全然友達の時と何も変わらないんだもん…」「だから機嫌悪かったんだな」俺はクスッと笑っ...
『リョウガと付き合うことになったから』何でジョンウンさんはあんな嘘をついたのだろうか…?悔しかったんだなきっと。誰もが認めるいい男だからリョウギが俺を選んで悔しかったんだ。内心ざまーみろって感じ。……ってことは、ジョンウンさんは俺がリョウギの恋人だって知ったのか…?だとしたら、ちゃんとジョンウンさんに伝えよう。リョウクへの想いをちゃんと…バイト先に出向くと、休息室で着替えているジョンウンさんの姿があっ...
(KyuHyun side)『リョウクを奪われたらどうしよう…』そんな心配がずっと頭の中を駆け巡って昨日は全然眠れなかった。バイト先でぼんやりと皿洗いをしていたら手を滑らせパリンと皿を割ってしまった。「キュヒョンくん大丈夫!?」「…大丈夫です。皿を割ってしまいました…申し訳ありません…」奥様がほうきを取り出し片付け始める。「何か顔色が悪いわよ?今日はそろそろ時間だし帰ってゆっくり休んで。後は私が片付けておくから」「...
(Ryowook side) 昨日のキュヒョナとの電話のやり取りを思い出してはぁっとため息をつく。キュヒョナと甘い関係になれなくても結局僕の気持ちは何も変わらない。キュヒョナのことが大好き…だけど、やっぱりこの想いは一方通行なのかな…?「何暗い顔してるの?リョウガに似合わないよ」部活が終わり、汗で濡れた服を着替えていたら更衣室にジョンウン先輩がいつの間にかいて暗い顔を見られてしまう。先輩は僕と同じ歳の弟さんがい...
「リョウガに気持ちを伝えようと思う。俺、好きになったら止まらないから」ちょっと待てって…気持ちを伝えるってそんなの「ダメです!!」「え?」「…あっ…いや…だからあいつ付き合ってる人がいるみたいで!!」「それほんと…?リョウガって恋人いるんだ…だとしても俺はこのまま引き下がるつもりないから」「へ…?」「リョウガの恋人がどんなやつか知らないけど、俺の方が絶対にそいつより魅力がある自信あるから」「は…?」ジョン...
ギュウク小説をご覧くださってる皆様本当にありがとうございます。只今、諸事情によりお話しの最終確認ができない状況で更新できないところです。また、状況が落ち着きましたら更新を再開させていただきます。申し訳ありません💦皆様、コロナにはくれぐれもお気をつけください!!りんご...
(KyuHyun side) 4月の半ば頃からバイトを始めた。学費はもちろん親頼みだ。だけど生活費を少しでも自分で稼ぎたい、そんな思いもありバイトを始めてみることにした。バイト先は自宅から徒歩10分圏内にあるカフェ。カフェと言っても接客とか表には立たない。ほぼ裏方業務だ。皿洗い、料理の盛り付け補助、仕入れた食材の検品や整理、そういった感じだ。この仕事を選んだ理由は他でもない。『家から近いし賄い付き』だから。カフェ...
(Ryowook side) 恋人同士が映画館で1つのポップコーンを食べたり暗闇に紛れてキスしたりするシーンをドラマで観てずっと憧れていた。恋愛映画を観ながら一緒のポップコーンをキュヒョナと食べる。それだけでドキドキしてしまう。付き合った途端に変に意識しすぎておかしいくらいに心臓が揺れてしまう。僕はやっぱりキュヒョナのことがめちゃくちゃ好きなんだなと思うのと同時に正直ちょっとモヤモヤもあったり…キュヒョナために...
5月のゴールデンウィーク真っ只中、リョウクと街中の駅で待ち合わせをした。思えば、リョウクと待ち合わせなんかしたことはない。今までは家が隣同士だからいつも一緒に遊びに行く時は、『お互いに○時に家を出るようにしよう』そう約束を交わしていた。家を出たら当たり前のように笑顔のリョウクがいて、たわいもない話しをしながら歩きだす。友達じゃなくて恋人ってどんな風に接すればいいんだ…?この前お試しで付き合った時ど...
20時更新から0時更新に変更になりました。申し訳ありません。(KyuHyun side) 今年の春からソウル市内で新生活がスタートした。実家を離れ、通学する大学近くのワンルームの部屋に1人暮らしを始めた。実家を離れてようやくオンマのありがたさが身に染る。毎日当たり前のように出されていた温かいご飯、清潔に洗濯された服、何もかも自分でしなければならない大変さ。オンマがたまに来てはたくさんのおかずを詰めて持って来てくれ...
みなさんこんにちは✨約1ヶ月設置していた好きなお話し2022投票箱に票を入れてくださり本当にありがとうございました♡全部で169票いただきました(*´∀`)心より感謝申し上げます。そして、コメントも送ってくださった皆様本当にありがとうございました!ありがたく受け取らせていただきました♡今回は、非公開とさせていただきます。それでは、投票の結果です。BEST3を発表します。長編があまり当サイトになくてほんと申し訳ないです💦...
皆さん、『好きなお話し2020』に投票してくださり本当ありがとうございました(*´∀`)投票箱設置したものの、『山奥でひっそりと個展開いてる』状況の当サイト。投票してくださる方いるのかな~と不安でした。『1票でも多くいただきたい』というせこい思いから長く投票箱設置してましたが、100票超えてなんか感無量になり、この度6月5日を持ちまして終了させていただきます。本当にありがとうございました!良かったら、最後の1票ぜ...
いつも当サイトに足を運んでくださり本当にありがとうございます(*´∀`)拍手機能を復活してから過去のお話しにポチポチしてくださったり随時更新するお話しに拍手してくださったり、本当にありがとうございます!引き続き、たくさんポチポチしていただけたら嬉しいです♡投票も6月30日までやってます。応援の意味も込めて投票してくださると嬉しいです(*´∀`)...
「狭い部屋ですけどどうぞ上がってください」「おじゃましま~す」初めて訪れたキュヒョンの部屋。キュヒョンのことだこらパソコンの機材等が溢れた部屋なのかと思っていたらわりと洒落た部屋で驚いた。「男のわりには綺麗にしてるんだな」「物が少ないだけです」部屋を見渡すとあるものに目が止まった。「お前んちめちゃくちゃ酒あるじゃん!なんか意外」「ワインが大好きなんです。世界中のワインを集めるのが趣味で。良かったら...
「コロナ渦で外食も不安ですし、俺の家で食事しませんか?俺、結構料理得意なんですよ」「へ~そうなんだ」キュヒョンの知らない一面を見れると正直ちょっと嬉しい。「実は、ジョンウンさんが食べてくれるかもと思うと気合い入りすぎて食材たくさん買い込んでしまったんです。あなたの食べたいものいっぱい作ってあげたいなって」「そう…ありがとうな」眩しいくらいのキュヒョンの笑顔にただただ心苦しさを感じるばかりだ。キュヒ...
「ジョンウンさん、昨日キュヒョンくんと何話してたんですか?」社員食堂で昼食を食べていたら昨日キュヒョンと話していた時に鉢合わせした情報システム部の女性社員のソヒさんが話しかけて来た。彼女は社内でも『噂好き』として知られているから要注意人物だ。「別にたいした話しじゃない」「キュヒョンくん、『夜俺から電話します』なんて言ってたじゃないですか?誰ともつるまない彼には珍しいなと思いまして」「仕事の話しだ」...
ギュイエを書きたい…そんな週末でした。 (Jongwoon side) 始まりはほんの些細なことだった。仲の良い職場のメンバーとの飲み会でしたゲームに負け、俺は罰ゲームをすることになった。その罰ゲームが、『情報システム部のチョ・ギュヒョンに告白してみる』というとんでもない罰ゲームだった。チョ・ギュヒョンとは俺の職場の後輩だ。名門大卒だがいかにもヲタでチェリーボーイ感丸出しの根暗男。誰ともつるまない、いつも1人...
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みなさんこんにちわ✨4月ももう終わり5月ですね。リョウクさんのソロアルバム発売という素晴らしいイベントもあり、ウクペンさん達は盛り上がってることでしょう。そして、この前のイェウクのおんぶエピソードを聞いてまた校則違反な恋をしよう!の続きを書きたくなりました♡また、そのエピソードを踏まえたお話しはいずれ更新したいな~と思ってます。そしてそして、次回のお話しの更新日のお知らせです。6月21日(火曜日)リョウ...
(RyeowooK side)『リョウガを俺の色に染まるくらいに抱きたいんだ』そんなヒョンの心の声を聞いてしまったらそばにいるだけでもう心臓がもたない。逃げるようにヒョンにおやすみを言った。僕だって、ヒョンとまだ一緒にいたいはずなのに…そんなに僕を求められたらどんな顔してヒョンのそばにいればいいのか分からなくなってしまう。”帰したくなんかない…何でそそくさと帰るんだよ…俺はまだ一緒にいたいのに…俺はお前がこんなに好き...
(Yesong side)「あっ、ヒチョリヒョンこの前借りてたDVD返しとくよ。凄く面白かった」「…あ~そっか!それは良かった!じゃあ……」ヒチョリヒョンはDVDを受け取り俺の元からそそくさと離れて行った。最近、みんなの様子がおかしい。妙によそよそしいと言うか避けられてると言うか…とにかく俺の元から立ち去るのが早い。ただの気のせいだろうか?「なあヒョガ、俺何かみんなが気を悪くするようなことしたか?みんなに避けられてるよ...
(RyeowooK side)『思ってるほど嫌われてないんじゃないか?』僕が、『イェソンヒョンに嫌われてるのかな…?』ってみんなに相談すると決まってこう言われる。デビューして3年。今だに感じるイェソンヒョンとの心の壁。僕だって、ヒョンともっと心の距離を近付けてヒョンにとって心許せる存在になりたかった。ずっと嫌われてるのかと思ってた。だけど、それは違った。最近ヒョンのそばにいると決まって『リョウガ、好きだ』とよく言...
この世で誰もが一番他人に知られたくないもの、それは間違いなく『自分の心の内』だろう。人間、誰しも心の内は分からないものだ。人々に笑顔を振り向けながらもしかしたら心は泣いているのかもしれない。『嫌い』と言いながら『好き』なのかもしれない。人は、心の内が誰にも知られないから自由でいられるのだ。この世界で人の心の内が分かってしまったらとても危険だ。きっと、人々は精神的にも崩壊してしまうだろう。「……イェ...
とにかく、トップアイドルグループに成長してから毎日多忙で疲れていた。そんな疲弊しきった毎日に潰されそうになりながらも深い充実感を得ていた。誰だってトップアイドルを目指す者なら世界中から脚光を浴びたいだろう。『話しがあるから明日事務所に集まってくれ』そうマネージャーのヒョンから電話が来たのはシャワーでも浴びようとしていた時だった。メンバー全員で事務所に集まるのはデビューが決定して以来だから何だか...
(Yesong side) 春を告げるような暖かい風を肌に感じた。春は好きだ。冬とは違ってなんかこう自分の心を雪解けのように溶かして素直になれるような、優しくて温かい、そんな空気を感じることができる。新曲のダンスレッスンを終え、ぼんやりとレッスン室の窓から空を眺めていた俺に、弟のヒョクチェが声をかけて来た。「ヒョン、最近どう?」「どう?って何が?」「恋愛。いい人とかいないの?」「………別に」内心ドキッとしつつ、...
【SUPER JUNIOR JAPAN Special Event 2022開催記念小説】(Yesong side)「ヒョン!お願いがあるんだけど」「お願い?」リョウクが宿泊中のホテルの俺の部屋に来たのは夜の9時を回ろうとしている時だった。今、俺達は明日東京で開催されるペンミに向けて来日している。ホテルの部屋で軽く1人ストレッチをし、シャワーでも浴び早く眠ろうとしている時だった。「リョウガ、お願いって何だよ?」「なんか言うのも恥ずかしいんだけど…...
みなさんこんにちわ✨久しぶりに拍手機能を復活させました。だいぶ読者様も減ったであろう当サイトですが、応援の意味も込めてまたポチっとしていただけたら嬉しいです。そもそも拍手機能て何なんだろう?と疑問を思ってしまいある日突然閉じてしまいました。調子に乗って始めたサイトもそろそろいい加減閉鎖しようかなと考える毎日なんですが、やっぱり私はイェウクやギュウクの妄想が大好きなんだなってことを。そして、妄想て脳...
皆さんこんにちわ(*´∀`)もうすぐ4月…と言うこで、イェウクデー小説更新したいな~と思ってます。今回のお話しはスタンダードな片想いのお話しですが…どんなお話しか気になる方はぜひサイトに遊びに来てくださいね♡4月11日~イェウク小説「伝わりすぎる、その想い」よろしくお願いします♪...
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「ジョンウンさん、さっそく来週からよろしくお願いします!」シウォンさんとの面接を無事に終え、俺達は店を出た。シウォンさんは彼をすごく気に入った様子でホっとささた。店を出るなり崩れるように彼がふらつき、その身体を支えた。きっと体調が悪いのを必死に我慢していたのだろう。「ヒョン大丈夫!?さっきまであんなに元気だったのに…」「キュヒョナ…もしかしてあの人イエスの申し子か…?」イエスの申し子…?俺は、はっと...
「分かりました!じゃあ、今日15時くらいに行きますのでよろしくお願いします」そうシウォンさんに伝え、俺は電話を切った。ユノさんの代わりにイェソンヒョンにしばらく代わりで仕事に入ってもらおうとシウォンさんに相談した。正直、不安はあるけど俺のそばで仕事をする方がもしかしたら安全なのかもしれない。「イェソンヒョン、ごめんだけど俺が学校に行くまでに履歴書書いてくれないか?」「リレキショ?何だそれ?」「俺の職...
早朝にシウォンさんから電話が来た。どうやら、従業員のユノさんが骨折したらしく、しばらく勤務に入れないらしい。ギリギリの人数で回してるから1人欠けるのはかなりの痛手だ。人材を募集してる時間ももちろん無いわけで、「誰か働いてくれる人が知り合いにいれば紹介してほしい」そうシウォンさんは告げて電話を切った。「大変なことになったな…知り合いって言われても…」俺は溜め息をつきながら油を敷いたフライパンに卵を割...
「なあキュヒョナ、さっきから何怒ってんだよ?」「別に怒ってない」「あからさまに顔が不機嫌そうに見えるけど」慌ただしく帰って来て、彼が灰にならずホッとして風呂に入り眠る頃には深夜の1時を過ぎていた。こっちはなんだかくたくただけど、悪魔は夜行性なのか目をギラつかせて元気そうだ。「ヒョンが簡単にリョウギと『恋人』になるなんて言うから…」「だからって何でお前が怒るんだよ?ところで、『コイビト』ってどういう意...
(KyuHyun side) シウォンさんのパソコンのトラブル対応が長引き、バイト先を出たのが11時45分だった。ダッシュで走れば10分もかからないだろうと俺は真夜中の街中を猛スピードで走った。その時、いつも通る家までの近道が事故で通行止めになっていて迂回路ができていた。こっちの道だと時間がかかってしまう…どうしよう…間に合わない…焦りが強くなるが、力を振り絞って全力で家まで走った。けど、家に着いた時は0時を2分過ぎて...
(Yesung side) まだまだこの世界の明るさに慣れそうな気配がない。太陽の光はやっぱり眩し過ぎるしギラギラと暑すぎて辛いけど、今日は仕事を見つけるまでは帰らないと決めていた。太陽の光を遮るようにフードを深く被りながらも、意気揚々と職業安定所なるものを目指し街中を歩いている時、いろんな人に声をかけられた。『君ならトップアイドルになれる』『君なら億は簡単に稼げる』たくさんの稼げそうな仕事の誘いを受け、胸...
「オンマ、ごめんだけど2人分くらいのおかずたくさん送ってくれない?それから…仕送りもちょっと増やしてくれたら嬉しいなって……え?遊びに使うんじゃないよ!いろいろ勉強に必要なものが多くて…うん、分かった」溜め息混じりに母親との電話を切った。悪魔が棲みついたせいで光熱費や食費が今月は倍になりそうな予感だ。ただ、悪いことばかりじゃない。彼はいつも魔法で男の1人暮らしの荒れた部屋を綺麗にしてくれる。けど、食事は...
(KyuHyun side)「じゃあ、上がります。お疲れ様でした!」夜のバイトを終え急いで帰る支度をし、帰路に着こうとしていた。悪魔と同居しだして数日が経った。いや悪魔が『棲みついた』という表現の方が正しいのだろうか?「ねえ、最近なんかやけにいそいそと家に帰らない?誰か家で待ってたり?」いつもどこか感が鋭いリョウクが探るように聞いてくる。「別に…」「そのちょっと動揺した顔は絶対に誰かいるでしょ?もしかして恋人...
(Yesung side) 浅い眠りから目が覚め、瞼越しに光を感じた。堪らなく眩しくて身体が溶けてしまいそうだ。窓から差し込む光と暖かさが堪らなく嫌だ。「…それ閉めてくれないか…」「あっ、イェソンさん目が覚めましたか?」「光が眩しい…」俺はカーテンに指を向けると魔法でカーテンを閉めた。この世界に来てもどうやら魔力は少し使えるようだ。「えっ…あんた魔法使えるのか?ハリーポッターみたい!」「まあ…悪魔だから」キュヒョ...
悪魔を家になんか連れ込んでもいいのかなんて全く分からないけど、真夜中で雨も降りそうだったから内心恐怖を感じながらも今晩は泊めてあげようと家に連れて来た。俺の淹れたお茶を美味しそうに飲む姿はまるで普通の人間だ。けど、目を引く程の容姿の美しさには男の俺でもついつい見惚れてしまう。「お前のおかげで何とか助かった。ありがとうな。お前の名は?」「俺の名前はチョ・ギュヒョン。あなたは確か…『イェソン』ってさ...
彼の身体が指先からパラパラと灰になり散って行く。その姿があまりにも恐ろしくて俺は腰を抜かして動けなくなってしまった。「…助けてくれ!!このまま灰になって滅びたくない!!」「…たっ…助けるって言ったって一体どうやって!?」次の瞬間、彼は最後の力を振り絞って俺の唇に自分の唇を重ねた。彼の舌が俺の口の中へと入って来ると、彼の滅んだ指先が元に戻った。「危機一髪…あと数秒遅かったら俺は灰になって滅んでたかも。...
「脳も全て検査をしましたが異常は見当たりませんでした。患者様が目を覚ましましたらご帰宅いただいてもかまいません」「そうですか…良かったです」道端で倒れていた青年を病院に運び、検査をしてもらったが特に異常無しとの医師の診断だった。立て替えた検査費用も夜間救急でバカ高く、彼が目を覚ましたらちゃんと請求するつもりだ。ベッドで眠っている彼。それにしても、こんな世の中にこんな綺麗な男の人がいるんだな…芸能人か...
とある世界の地の果てに、死んだ人間の魂を喰い生命を維持する悪魔の世界がありました。その中に、全ての悪魔を魅力し虜にする『イェソン』と言う非常に美しい悪魔がおりました。やがて、イェソンに心を奪われた悪魔達がイェソンを巡って争いを起こすようになりました。それを見兼ねた神様がイェソンを悪魔の世界から追放することにしました。「いいか、お前はこれから人間の世界で生きて行け」こうして、イェソンは悪魔の世界か...
(Ryowook side)「よし!できた」明日は2月14日のバレンタインデー。彼と過ごす初めてのバレンタインデーで張り切って手作りチョコなんて作ってみたり。「わっ!もう11時過ぎてる!早く寝なきゃ!」夢中で手作りチョコを作っていたらいつの間にか深夜近くになっていた。キュヒョナのこともあって彼との別れを覚悟したけど、どうやらキュヒョナと少しずつまた良好な関係に戻れて来てるみたいだ。どこか距離を感じていた僕とキュヒョ...
(Jongwoon side) キュヒョンのメールを見て、俺達はカフェを飛び出しキュヒョンの家へとやって来た。その間キュヒョンに電話を何度もかけるが結局出ることはなかった。「キュヒョナ、家にいないみたいですね…」何度もインターホンを押すが一向に出て来ずだ。家にいる気配も無さそうだ。「あいつどこ行ったんだよ…」キュヒョンにもしものことがあったらと思うと堪らなく不安になり焦る。「電話も出ないし…あっ、シウォンさんに連絡...
(KyuHyun side)『たかが失恋で』そう言われるかもしれないけど、何だか自分が世界一不幸な人間に思えて仕方がなかった。信頼していた兄に好きな人を奪われ、その相手がリョウギだったショック。だけど、そんな事を知ってもやっぱりリョウクへの気持ちは冷めることはなく俺はどこまで彼のことが好きなんだろうと自分に呆れてしまう。だからこそヒョンのことがどこまでも許せなくて毎日のように嫌がらせメールを送ってしまう。仕事...
季節は年が移り変わり新年を迎え、仕事初めがあっという間に訪れた。全てをキュヒョナに告白し、この日をどう迎え、どんな顔をしてキュヒョナに会えばいいかなんてまったく分からなかった。結局僕達はお互いにどこか気まずさを感じながら仕事をし、以前のような関係には戻ることはできなかった。どこか心苦しさを感じつつも、僕はどうすることもできずに日だけがただただ過ぎて行くばかりだった。ふと、カレンダーを見るともう1...
「僕達、マッチングアプリで出逢ったんだ」「…え…?」こんなこと言ったら、きっとキュヒョナに嫌われてしまうかもしれない。けど、全てを隠さずに話すと僕は決めた。「恋人にフラれてむしゃくしゃしていた僕は、女のふりをしてマッチングアプリを利用しておじさん達からお金をもらおうとしてたんだ。いわゆる、パパ活ってやつかな…」「…お前が…?」キュヒョナは酷く動揺していた。無理もない、親友がパパ活なんて受け入れられるは...
彼に抱かれた熱がまだ身体に残る中、ベッドに入って眠りにつこうとしていた。彼の匂いが染み付いたシーツを嗅いで、もう会いたくなってしまう。その時、電話が鳴った。相手はジョンウンさんだ。もう時刻も日付けが変わろうとしていた。どうしたんだろ…?「もしもし?」『もしもし?寝てた?』なんだかやけに元気の無い声に心配になってしまう。「どうしたんですか?こんな遅くに?」『いや…またリョウギの声が聞きたくなって…...
真っ白なシーツの上でベッドを軋ませ、互いをどこまでも求め合う。もう何回共に達しただろうか?汗ばんだ身体を揺らし、快楽に溺れていた。激しさを増す吐息を重ね、絶頂を再び迎えようとしていた。「…あっ…はぁ…リョウギ…!」彼の細い指に俺の指を絡め、どこまでも熱く火照ったその指先からの熱を感じる。肌と肌がぶつかり合う音が卑猥さを増す。「….あぁっ…ジョウンさん…もっと…来て…」瞳を潤ませ熱く火照ったリョウクの身体が...
(ryowook side) 今年もクリスマスの季節がやって来た。煌びやかなイルミネーションにクリスマスプレゼントに、誰もが心が躍る季節だ。だけど、僕は違った。クリスマス前に恋人に浮気され呆気なくフラれ捨てられた。フラれた理由も別れ際に教えてくれた。『お前、なんかつまらないんだよな』彼は僕にそう吐き捨て去って行った。そんなこと、分かってるし自覚してたつもりだった。なんも取り柄のない僕だけど、面白いことなんて何一...
自分に自信が持てない人が多い世の中だけど、僕は結構自分に自信がある方だ。なぜなら、365日肌の手入れは怠らないし男だけど女子力は結構高めだと思う。今日も朝から肌の調子は絶好調だ。昨日の高級パックが良かったのだろう。丁寧に洗顔をし、化粧水と美容液、日焼け止めまでぬかりなく塗る。唇に軽くリップを塗り、仕事へと向かった。僕の仕事はアイドルだ。僕がここまで自分磨きをするのはアイドルだからという理由よりかは...
誰かを想い続けてもう5年になる。自分がこれほどまでに一途な人間だということを自分でも知らなかった。食堂で彼を見かけると、決まって彼と同じメニューを注文する。1人寂しく昼食を食べる俺とは違って、彼はいつも同僚達と賑やかに昼食を食べていた。自分もあの輪に入り、あの人に笑顔を向けてほしいと何度願い、夢見たことか。一目惚れだった。あの人はいつも笑顔で周囲にはたくさんの人がいて、周りを明るく照らす太陽の...
彼を家に送り届ける頃には、雨はだいぶ小降りになっていた。いつまでも相合傘を楽しんでいたいからこのまま梅雨が明けなければいいのにとさえ思ってしまう。「いつも送ってくれてありがとうな」湿気で少し濡れた髪と肌が一層彼の色気を引き立たせている。ああダメだ…今日は我慢して大人しく帰ろう。いつも彼には無理をさせている。「ジョンウンさん、それじゃあまた明日」彼に背を向け、帰ろうとした時だった。「待てって…随分濡...
晴れ間が出ていた午前から、天気は昼を過ぎると一気に下り坂となり雨が降り出した。きっと、あの人は朝に天気予報も見ず慌てて傘も持たずに仕事へ向かっただろう。今日は定時に帰ると言っていた。だから、俺も早く仕事を終わらせ彼を待つ。季節は梅雨となり、夏はもうすぐそばまで来ているのだろう。梅雨は憂鬱で嫌いだ。少しクセのある髪もまとまらないしとにかく湿気が俺を憂鬱にさせる。けど、そんな憂鬱な梅雨はいつもとは違...
皆様、お久しぶりです…もう、存在すら忘れられてたかと思いますがあと1話残したままとんずらしてしまい申し訳ないです(;ω;)言い訳はいろいろありますが、8月24日(木)兄さんセンイルに更新予定です♡訪問してくださったら嬉しいです!りんご...