朝目が覚め、窓の外を見ると昨夜から降り出した雪で景色が一面銀世界だった。ヒョンと3年過ごした家を出て、実家に久しぶりに戻って来ていた。今日はクリスマス。クリスマスはぼっちでいつも通り寂しいクリスマスを過ごすことになると思ったけど、実家に帰省中の姉と双子の甥っ子達のおかげで賑やかなクリスマスになりそうだ。夜はみんなでクリスマスパーティーの予定だ。甥っ子と手作りのケーキを作ったり一緒に遊んだり、こん...
(Ryowook side)「よし!できた」明日は2月14日のバレンタインデー。彼と過ごす初めてのバレンタインデーで張り切って手作りチョコなんて作ってみたり。「わっ!もう11時過ぎてる!早く寝なきゃ!」夢中で手作りチョコを作っていたらいつの間にか深夜近くになっていた。キュヒョナのこともあって彼との別れを覚悟したけど、どうやらキュヒョナと少しずつまた良好な関係に戻れて来てるみたいだ。どこか距離を感じていた僕とキュヒョ...
(Jongwoon side) キュヒョンのメールを見て、俺達はカフェを飛び出しキュヒョンの家へとやって来た。その間キュヒョンに電話を何度もかけるが結局出ることはなかった。「キュヒョナ、家にいないみたいですね…」何度もインターホンを押すが一向に出て来ずだ。家にいる気配も無さそうだ。「あいつどこ行ったんだよ…」キュヒョンにもしものことがあったらと思うと堪らなく不安になり焦る。「電話も出ないし…あっ、シウォンさんに連絡...
(KyuHyun side)『たかが失恋で』そう言われるかもしれないけど、何だか自分が世界一不幸な人間に思えて仕方がなかった。信頼していた兄に好きな人を奪われ、その相手がリョウギだったショック。だけど、そんな事を知ってもやっぱりリョウクへの気持ちは冷めることはなく俺はどこまで彼のことが好きなんだろうと自分に呆れてしまう。だからこそヒョンのことがどこまでも許せなくて毎日のように嫌がらせメールを送ってしまう。仕事...
季節は年が移り変わり新年を迎え、仕事初めがあっという間に訪れた。全てをキュヒョナに告白し、この日をどう迎え、どんな顔をしてキュヒョナに会えばいいかなんてまったく分からなかった。結局僕達はお互いにどこか気まずさを感じながら仕事をし、以前のような関係には戻ることはできなかった。どこか心苦しさを感じつつも、僕はどうすることもできずに日だけがただただ過ぎて行くばかりだった。ふと、カレンダーを見るともう1...
「僕達、マッチングアプリで出逢ったんだ」「…え…?」こんなこと言ったら、きっとキュヒョナに嫌われてしまうかもしれない。けど、全てを隠さずに話すと僕は決めた。「恋人にフラれてむしゃくしゃしていた僕は、女のふりをしてマッチングアプリを利用しておじさん達からお金をもらおうとしてたんだ。いわゆる、パパ活ってやつかな…」「…お前が…?」キュヒョナは酷く動揺していた。無理もない、親友がパパ活なんて受け入れられるは...
彼に抱かれた熱がまだ身体に残る中、ベッドに入って眠りにつこうとしていた。彼の匂いが染み付いたシーツを嗅いで、もう会いたくなってしまう。その時、電話が鳴った。相手はジョンウンさんだ。もう時刻も日付けが変わろうとしていた。どうしたんだろ…?「もしもし?」『もしもし?寝てた?』なんだかやけに元気の無い声に心配になってしまう。「どうしたんですか?こんな遅くに?」『いや…またリョウギの声が聞きたくなって…...
「ブログリーダー」を活用して、りんごさんをフォローしませんか?
朝目が覚め、窓の外を見ると昨夜から降り出した雪で景色が一面銀世界だった。ヒョンと3年過ごした家を出て、実家に久しぶりに戻って来ていた。今日はクリスマス。クリスマスはぼっちでいつも通り寂しいクリスマスを過ごすことになると思ったけど、実家に帰省中の姉と双子の甥っ子達のおかげで賑やかなクリスマスになりそうだ。夜はみんなでクリスマスパーティーの予定だ。甥っ子と手作りのケーキを作ったり一緒に遊んだり、こん...
いろいろと考え過ぎてやっと眠りについたのは朝方の4時過ぎだった。酷い眠気を堪えながら起床したのが7時半だった。リビングに行くと、ヒョンは既に朝食を終え家を出ようとしていた。いつもは俺が起こさないと起きないくせに…「ヒョン….おはよう…」「…おはよ…」俺と視線を合わせないように、何処か気まずそうに朝食の食器を片付けそそくさと家を出ようとするヒョンの姿を追いかけた。「昨日はごめん!いきなりあんなことして…」...
雪が降る夜は、いつも以上に部屋の空気が冷たく感じる。暖房をつけていても何処か肌寒い。俺はヒョンの部屋におかまいなしに入り込み、ヒョンのベッドに潜り込んだ。「お前何勝手に俺のベッドに入ってんだよ!?」「寒いから今日ここで寝る」「はぁ?どけって!」俺達はベッドの上で兄弟喧嘩のように笑いながらじゃれ合う。遊び半分で格闘した後、ヒョンは諦め気味に俺の身体を離した。「まあいいや。確かにキュヒョナが隣にいた...
(KyuHyun side)「あれ…?キュヒョナ外見てみろ!雪だ!!」いつものように部屋で一緒に酒を飲んでいたら部屋の窓からしんしんと降る雪が見え、ジョンウニヒョンのテンションが高くなる。「ほんとだ。どおりでめちゃくちゃ寒いわけだ」俺は窓を開け、雪にそっと触れるとじわりと冷たさを感じ、雪が手の平で溶けた。それをヒョンも真似してすっかり楽しそうだ。そんなヒョンの笑顔に俺の心は温かくなる。俺はヒョンの背中をギュッ...
僕と先輩はだいぶゆっくりだけど、確実に恋人の階段を登りだしていた。12月25日、クリスマス。煌めくイルミネーションの街並み、雪がチラつくホワイトクリスマス、心ときめくクリスマスプレゼントとフルコースのディナー。先輩のクリスマスデートはどれもが完璧だった。時刻は午後9時前、夕方から降り出した雪もだいぶ積もって来た。さっきからなんだか先輩が珍しくそわそわして落ち着かない様子だ。僕も、今夜は先輩とずっと一...
部屋に入り、先輩の手の温もりが残る手の平をじっと見つめる。先輩と付き合い始めて21日目、やっと手繋ぎまでたどり着けた。拒否られなくて良かった….大きく息を吐いた。心臓はまだドキドキしている。勇気を出して先輩の手に触れることはできたけどさすがにそれ以上のことは先輩からして欲しいな…やっぱり僕がかなりウブだと思われてるのかな〜?まさか、もしかして先輩見かけによらずかなり奥手とか…?クリスマスもまだ『一緒に...
友人達と食堂で昼食を食べている時、男子学生のヒソヒソ話しが聞こえて来た。「あのキム・ジョンウン、今度は学祭のミスコンで優勝したソヒさんをフったらしい。ここまで来たらあの人のAI説はやっぱり信憑性を増して来るな」「いや、あの人どうやら人気アイドルと付き合ってるらしいよ。一般人なんて興味ないらしい」僕は食べていたビビンバを吹き出しそうになる。人気アイドル…先輩を信じたいはずなのに堪らなく疑心暗鬼になっ...
(Ryowook side)『君が好きなんだ。俺と付き合ってくれない?』ある日、大学の先輩に告白された。クールでめちゃくちゃかっこよくて頭も良くておしゃれで、他校の大学の生徒からにもモテると言われているキム・ジョンウン先輩に告白されたのは11月半ばの頃だった。先輩から告白をされて驚きを隠せなかった。なぜなら、ことごとく大学内の美女達がジョンウン先輩に告白し、フラれ続け、いつしか彼にはこんな噂が囁かれていた。『彼...
「ジョンウンさん、さっそく来週からよろしくお願いします!」シウォンさんとの面接を無事に終え、俺達は店を出た。シウォンさんは彼をすごく気に入った様子でホっとささた。店を出るなり崩れるように彼がふらつき、その身体を支えた。きっと体調が悪いのを必死に我慢していたのだろう。「ヒョン大丈夫!?さっきまであんなに元気だったのに…」「キュヒョナ…もしかしてあの人イエスの申し子か…?」イエスの申し子…?俺は、はっと...
「分かりました!じゃあ、今日15時くらいに行きますのでよろしくお願いします」そうシウォンさんに伝え、俺は電話を切った。ユノさんの代わりにイェソンヒョンにしばらく代わりで仕事に入ってもらおうとシウォンさんに相談した。正直、不安はあるけど俺のそばで仕事をする方がもしかしたら安全なのかもしれない。「イェソンヒョン、ごめんだけど俺が学校に行くまでに履歴書書いてくれないか?」「リレキショ?何だそれ?」「俺の職...
早朝にシウォンさんから電話が来た。どうやら、従業員のユノさんが骨折したらしく、しばらく勤務に入れないらしい。ギリギリの人数で回してるから1人欠けるのはかなりの痛手だ。人材を募集してる時間ももちろん無いわけで、「誰か働いてくれる人が知り合いにいれば紹介してほしい」そうシウォンさんは告げて電話を切った。「大変なことになったな…知り合いって言われても…」俺は溜め息をつきながら油を敷いたフライパンに卵を割...
「なあキュヒョナ、さっきから何怒ってんだよ?」「別に怒ってない」「あからさまに顔が不機嫌そうに見えるけど」慌ただしく帰って来て、彼が灰にならずホッとして風呂に入り眠る頃には深夜の1時を過ぎていた。こっちはなんだかくたくただけど、悪魔は夜行性なのか目をギラつかせて元気そうだ。「ヒョンが簡単にリョウギと『恋人』になるなんて言うから…」「だからって何でお前が怒るんだよ?ところで、『コイビト』ってどういう意...
(KyuHyun side) シウォンさんのパソコンのトラブル対応が長引き、バイト先を出たのが11時45分だった。ダッシュで走れば10分もかからないだろうと俺は真夜中の街中を猛スピードで走った。その時、いつも通る家までの近道が事故で通行止めになっていて迂回路ができていた。こっちの道だと時間がかかってしまう…どうしよう…間に合わない…焦りが強くなるが、力を振り絞って全力で家まで走った。けど、家に着いた時は0時を2分過ぎて...
(Yesung side) まだまだこの世界の明るさに慣れそうな気配がない。太陽の光はやっぱり眩し過ぎるしギラギラと暑すぎて辛いけど、今日は仕事を見つけるまでは帰らないと決めていた。太陽の光を遮るようにフードを深く被りながらも、意気揚々と職業安定所なるものを目指し街中を歩いている時、いろんな人に声をかけられた。『君ならトップアイドルになれる』『君なら億は簡単に稼げる』たくさんの稼げそうな仕事の誘いを受け、胸...
「オンマ、ごめんだけど2人分くらいのおかずたくさん送ってくれない?それから…仕送りもちょっと増やしてくれたら嬉しいなって……え?遊びに使うんじゃないよ!いろいろ勉強に必要なものが多くて…うん、分かった」溜め息混じりに母親との電話を切った。悪魔が棲みついたせいで光熱費や食費が今月は倍になりそうな予感だ。ただ、悪いことばかりじゃない。彼はいつも魔法で男の1人暮らしの荒れた部屋を綺麗にしてくれる。けど、食事は...
(KyuHyun side)「じゃあ、上がります。お疲れ様でした!」夜のバイトを終え急いで帰る支度をし、帰路に着こうとしていた。悪魔と同居しだして数日が経った。いや悪魔が『棲みついた』という表現の方が正しいのだろうか?「ねえ、最近なんかやけにいそいそと家に帰らない?誰か家で待ってたり?」いつもどこか感が鋭いリョウクが探るように聞いてくる。「別に…」「そのちょっと動揺した顔は絶対に誰かいるでしょ?もしかして恋人...
(Yesung side) 浅い眠りから目が覚め、瞼越しに光を感じた。堪らなく眩しくて身体が溶けてしまいそうだ。窓から差し込む光と暖かさが堪らなく嫌だ。「…それ閉めてくれないか…」「あっ、イェソンさん目が覚めましたか?」「光が眩しい…」俺はカーテンに指を向けると魔法でカーテンを閉めた。この世界に来てもどうやら魔力は少し使えるようだ。「えっ…あんた魔法使えるのか?ハリーポッターみたい!」「まあ…悪魔だから」キュヒョ...
悪魔を家になんか連れ込んでもいいのかなんて全く分からないけど、真夜中で雨も降りそうだったから内心恐怖を感じながらも今晩は泊めてあげようと家に連れて来た。俺の淹れたお茶を美味しそうに飲む姿はまるで普通の人間だ。けど、目を引く程の容姿の美しさには男の俺でもついつい見惚れてしまう。「お前のおかげで何とか助かった。ありがとうな。お前の名は?」「俺の名前はチョ・ギュヒョン。あなたは確か…『イェソン』ってさ...
彼の身体が指先からパラパラと灰になり散って行く。その姿があまりにも恐ろしくて俺は腰を抜かして動けなくなってしまった。「…助けてくれ!!このまま灰になって滅びたくない!!」「…たっ…助けるって言ったって一体どうやって!?」次の瞬間、彼は最後の力を振り絞って俺の唇に自分の唇を重ねた。彼の舌が俺の口の中へと入って来ると、彼の滅んだ指先が元に戻った。「危機一髪…あと数秒遅かったら俺は灰になって滅んでたかも。...
な……なんで…彼がここに…?彼から名刺を受け取り、わなわなと震えてしまう。S保険会社営業、キム・ジョンウン…あの日、受け取った名刺とまったく一緒だ。「代表はいらっしゃいますか?」「あっ…実はまだ戻らなくて…中でお待ちいただけますか!?申し訳ありません!!」声もおかしいくらい裏返ってしまう。「いえ、私も時間が少し早かったので待ってます」彼を応接室に案内した。まるで、僕のことを忘れてしまったかのようにまったく...
(Ryowook side) 彼と会って、1週間が過ぎた。あの日はだいぶお酒を飲み、次の日酔いが覚めたら何だかむしゃくしゃした気持ちが一気に冷め、僕がした行動がバカバカしくなってマッチングアプリも削除した。今となっては彼に申し訳なく感じ、どこかでまた出会えたらお金も返そうかと思っている。正直、彼との会話は素直に楽しめたしどこまでも素敵な人だった。あの日の夜のことを思い出すだけで身体が一気に熱くなる。彼の愛撫だ...
自宅のマンションに帰り、ドアの暗証番号を打ち込み部屋に入ると、「おかえり〜」あいつの声がした。また従兄弟のキュヒョンが来てるのだろう。昔からキュヒョンは実の弟のように可愛がって来た。今では俺の部屋の合鍵を持ち、自宅と行き来してるくらいだ。俺は帰るなりバスルームに直行し、シャツを脱ぎ洗濯機に投げ入れた。さっきまで会っていた彼の甘いコロンの匂いがどうやらついてしまいその香りがなんだか邪魔だ。シャワー...
街外れにあるホテル街に彼と来た。よく見ると、マッチングアプリで知り合ったであろう中年男性と若い女性が並んで歩いている姿をよく見かける。僕達周囲から一体どんな風に見られているのだろうか…?そんなことより、僕は今夜彼に殺されてしまってもおかしくない状況だ。自業自得と言えばその通りなんだけど、人生なんてどうでもいいように思えて来た。『何で僕はみんなと同じ風に生まれて来れなかったのだろうか』自分自身の生...
店から外に出ると、酔いが冷めてしまいそうなくらいの寒さで思わず身震いしてしまう。白い息を吐きながら彼を待つ。クリスマスシーズンの街中を恋人達が仲睦まじく手を繋ぎ歩く姿が多く見られる。お互いを愛おしそうに見つめ合う恋人達。なんだか、あの人達の姿を見てると僕がして来た恋が酷く薄っぺらく感じた。あんな風に見つめ合い、誰かに触れたくて堪らなくなるほど誰かを愛したことがあっただろうか?僕は、今まで本当に誰...
(Ryowook side) なんだか、宝くじにでも当たった気分だ。長い人生、こんなにかっこいい人に今まで出会ったことはない。まさか、あのプロフィール写真が偽物じゃなくてガチだったなんて。実物は100倍イケメンだ。彼は33歳で、外資系保険会社の営業管理職らしい。仕事も顔も全てが完璧だ。マッチングアプリ界隈にはこんなハイスペック男子がたくさん存在しているのだろうか?と驚きを隠せない。だけど、彼は彼女もいないし結婚も...
(Jongwoon side)週末の金曜日の夜、仕事を終えいつものようにパソコンの電源を切り、荷物をまとめ帰る支度をする。時刻は午後7時。マッチングアプリで知り合った彼女との約束を忘れたつもりではない。職場から約束の場所は5分で着く。けど、俺は約束の場所には行かなかった。そのことによって、彼女に悪く思われても別にかまわない。だって、俺達は会ったこともないし互いに素性をまったく知らない。それに、ヒョクチェ達が勝手に...
拍手に返信できない為、こちらでお伝えさせていただきます。パスワードのお問い合わせありがとうございました。正しいパスワードは、08240621oabです。アルファベットが逆のようです。お読みくださりありがとうございます!!...
(Ryowook side) マッチングアプリのサイトに登録して数分、さっきからサイトを通したメッセージが鳴り止まない。数分で既に50通近く、出会いを求める男性達からのメッセージが止まらなかった。「女子大生効果凄すぎ…」若干僕は引き気味だった。マッチングアプリ界隈では、女子大生設定がかなりおじ達からの支持が高いと聞いたことがある。まあ、僕は女子大生でも何でもないんだけど…昔から童顔とはよく言われる。そこら辺はあえ...
今年で気付けば33の歳になっていた。周囲の友人達はほとんど結婚し、子供もいる。そんな一般的な人生の軌道に俺は今だに乗れずにいた。だけど、それを哀れだと思ったことはない。結婚はしてないが、俺は人生が上手く行ってると思う。韓国の名門大学を卒業し、仕事では良い成績を収めそれなりの地位を築けて来た。完璧な俺の人生。だけど、人間誰しも完璧な人間なんてなかなかそういないものだ。 大学を卒業し、外資系の保険会社...
(ryowook side) 今年もクリスマスの季節がやって来た。煌びやかなイルミネーションにクリスマスプレゼントに、誰もが心が躍る季節だ。だけど、僕は違った。クリスマス前に恋人に浮気され呆気なくフラれ捨てられた。フラれた理由も別れ際に教えてくれた。『お前、なんかつまらないんだよな』彼は僕にそう吐き捨て去って行った。そんなこと、分かってるし自覚してたつもりだった。なんも取り柄のない僕だけど、面白いことなんて何一...
自分に自信が持てない人が多い世の中だけど、僕は結構自分に自信がある方だ。なぜなら、365日肌の手入れは怠らないし男だけど女子力は結構高めだと思う。今日も朝から肌の調子は絶好調だ。昨日の高級パックが良かったのだろう。丁寧に洗顔をし、化粧水と美容液、日焼け止めまでぬかりなく塗る。唇に軽くリップを塗り、仕事へと向かった。僕の仕事はアイドルだ。僕がここまで自分磨きをするのはアイドルだからという理由よりかは...
誰かを想い続けてもう5年になる。自分がこれほどまでに一途な人間だということを自分でも知らなかった。食堂で彼を見かけると、決まって彼と同じメニューを注文する。1人寂しく昼食を食べる俺とは違って、彼はいつも同僚達と賑やかに昼食を食べていた。自分もあの輪に入り、あの人に笑顔を向けてほしいと何度願い、夢見たことか。一目惚れだった。あの人はいつも笑顔で周囲にはたくさんの人がいて、周りを明るく照らす太陽の...
彼を家に送り届ける頃には、雨はだいぶ小降りになっていた。いつまでも相合傘を楽しんでいたいからこのまま梅雨が明けなければいいのにとさえ思ってしまう。「いつも送ってくれてありがとうな」湿気で少し濡れた髪と肌が一層彼の色気を引き立たせている。ああダメだ…今日は我慢して大人しく帰ろう。いつも彼には無理をさせている。「ジョンウンさん、それじゃあまた明日」彼に背を向け、帰ろうとした時だった。「待てって…随分濡...
晴れ間が出ていた午前から、天気は昼を過ぎると一気に下り坂となり雨が降り出した。きっと、あの人は朝に天気予報も見ず慌てて傘も持たずに仕事へ向かっただろう。今日は定時に帰ると言っていた。だから、俺も早く仕事を終わらせ彼を待つ。季節は梅雨となり、夏はもうすぐそばまで来ているのだろう。梅雨は憂鬱で嫌いだ。少しクセのある髪もまとまらないしとにかく湿気が俺を憂鬱にさせる。けど、そんな憂鬱な梅雨はいつもとは違...
皆様、お久しぶりです…もう、存在すら忘れられてたかと思いますがあと1話残したままとんずらしてしまい申し訳ないです(;ω;)言い訳はいろいろありますが、8月24日(木)兄さんセンイルに更新予定です♡訪問してくださったら嬉しいです!りんご...